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2023年5月 5日 (金)

修徳vs実践学園

Kumazemi Report 2023-05-05
関東大会東京都大会決勝戦
駒沢第二球技場(晴)
修徳   vs   実践学園
2
1 前半 0
1 後半 1
1

真夏を思わせる暑さの中、久しぶりに駒沢第二球技場に来ました。2023年度関東大会東京予選決勝です。

プリンスリーグ参加校を除いた第101回全国高校サッカー選手権大会2次予選ベスト16のチームと令和4年度(2022年度)新人選手権大会の各地区上位2チームの30校で開催された大会です。

ここまでの4試合、18得点無失点で勝ち上がってきた修徳と駿台学園、都東久留米総合、東海大高輪台といった強豪を倒して勝ち上がってきました。

試合は、開始直後から修徳が押し気味に進め、実践学園がしぶとく守ってカウンターを狙うという展開が続きます。この実践学園のカウンターは鋭く、決定機につながりそうな場面もありましたが、さすがここまで無失点の修徳、そう簡単にはシュートを打たせません。

Img_6806_2

修徳はボール保持者への速いアプローチでパスコースを限定、そこにきっちりセカンドディフェンダーがアタックしてボールを奪っていきます。試合前、修徳は3m×3mくらいのグリッドでの3対1の鳥かごをずーっとやってましたが、なるほどです。

すると前半14分、修徳は実践学園陣内バイタルエリア付近で9番の選手が相手ボールを奪い、これを右に展開、混戦からゴール前に流れてきたボールを難なく押し込んで先制します。

ここからさらに実践学園は苦しい流れになり、33分にゲットした右コーナーキックも狙いすぎてミスキックしてしまうなど、完全な修徳の流れで前半が終了します。

それにしても修徳のFW9番の選手はすごいですね。運動量が多いわけではないのですが、打点の高井ヘディングにタテへのスピード、的確なポストプレーと、高校生の中に1人プロが混ざっている感じです。

Img_6831

後半に入っても主導権は修徳で、6番の選手の落ちない運動量と9番の陰に隠れて忍者のように決定機を狙う11番の選手が、実践学園相手に余裕をも感じさせるプレーを続けます。

Img_6830

そして後半6分、右サイドタテ一本にオフサイドぎりぎりから抜け出した9番の選手がそのままスピードに乗ってゴール右斜め45度からシュートを決め、2対0となります。

それでもあきらめずに食らいついていく実践学園は、失点してから3分後に修徳選手のハンドからPKを得ます。しかし、これを決めることができず、流れを引き戻すことができません。

失点を免れた修徳はさらに勢いを増し、ゲームを支配していきます。

しかし、後半25分に修徳が得た左約20mくらいのFK後のプレーでマイボールにした実践学園は左サイドから速攻を仕掛け、そこから逆サイドの右に展開、修徳DF陣を揺さぶってゴール前で混戦を作り出し、ここから流し込んで1点返します。ここでの修徳の守備ですが、やや油断した感じがしました。

これで流れが一変、修徳は防戦に追われます。そして流れを掴んだ実践学園は立て続けに選手を交代、7~8分の間に4人の選手を送り込んで、1点もぎ取りに行きます。

それでも、久しぶりのタイトル奪取に燃える修徳はこの実践学園の怒涛の攻撃を防ぎ切り、2対1で勝利、優勝しました。

今年の関東大会は東京で開催されるようです。武南も出てくるようですし、楽しみですね。

Flying_gutsman_new_2

2023年4月11日 (火)

今朝の辨財天様

毎朝のルーティン、Ancle Weights Walking with J-WAVE 立教女学院ルート。

2023年1月 9日 (月)

岡山学芸館vs東山

Kumazemi Report 2023-01-09
第101回全国高校サッカー選手権決勝
国立競技場(晴)
岡山学芸館   vs   東山
3
1 前半 1
2 後半 0
1

第101回全国高校サッカー選手権決勝です。両校ともここまで1回戦から5試合勝ち上がってきたノーシード同士の戦いです。

岡山学芸館のキックオフで始まったこのゲーム、序盤は双方相手の出方を探るような敵陣への蹴り合いで始まります。浮いたボールの処理をし合った前半5分、東山がロングスローから10番阪田選手が最初のシュートを打ちます。岡山学芸館は、これまでどおり相手ボール保持者には果敢にアタック、持ち前の素早い寄せで東山の前への仕掛けを封じます。

すると前半16分、東山は10番阪田選手を起点に右に展開、そこから低くて速いクロスを入れまてチャンスになりますが、ゴールまで合わず得点には至りません。

逆に岡山学芸館は、中盤でボールを奪うと6番田口選手が右に少し流れてフリーで待っていた9番今井選手へパスを通します。受けた今井選手は前方の大きなスペースに持ち込み、ゴールに向かってドリブルを仕掛けます。1対1となった東山GK佐藤選手がシュートストップに出てきたところをクロスを選択、低く放たれたシュート気味のボールは、無情にもGKが抜かれてガラ空きになっていたゴールマウスを守るべく必死に戻った東山4番キャプテン新谷選手の足に引っかかってしまい、オウンゴールとなってしまいます。

Photo

これは責められません。今井選手の蹴り込んだタイミングとボールの質が生んだゴールです。それにしても岡山学芸館は神がかってます。ここまで東山にボールを保持される時間が長く、波状攻撃くらいながら押されていたところのワンチャンスを得点に結びつけました。

近代サッカーでは、システム論や戦術論が高度に発展し、高いインテリジェンスが要求されることに間違いないのですが、これもボール保持者を追い掛け回す、奪われたら奪い返す、抜かれたらカバーに入る、結局これを11人全員が90分やり切れることが前提での話ですね。

先制された東山ですが、前半終了間際の44分でした。自陣から6番仲里選手が左に流れたFW14番北村選手にロングフィード、そこで1対1を仕掛けてペナルティエリアに侵入、そこで後ろから走り込んできた7番真田選手へパス、走り込みに気づいた岡山学芸館10番山田選手が必死にスライディングをかけますが、これを間一髪交わしてダイレクトでゴール右上に蹴り込み同点に追い付きます。これはすごいシュートでした。直後にアタックに行った山田選手が大の字になってしばらく起き上がれなかった気持ちもよくわかります。

前半は東山優勢の中、1対1の同点で折り返します。

双方ハーフタイムでの選手交代はなく、後半が始まります。最初にチャンスを掴んだのは岡山学芸館で、後半5分に右CKを得ますが、これはショートコーナーを選択するも不発に終わります。

そして前半7分でした。東山クリアボールを中央で拾った岡山学芸館10番山田選手が左サイドの6番田口選手にパスを通します。受けた田口選手は中に行くと見せかけて後ろから上がってきた5番中尾選手に流します。完全にフリーとなった中尾選手は絶妙なクロスを供給、後ろからひょろひょろっと上がってきた7番木村選手がジャンピングヘッド、これがズバッと突き刺さり、岡山学芸館が勝ち越します。東山はDFの数は揃っていたのですが、捕まえきれませんでした。特に東山6番仲里選手はファーサイドをケアしていたので木村選手に寄せきれませんでした。これも6番田口選手の中に行くと見せかけたプレーと猛然とオーバーラップした5番中尾選手の連携プレーががすべてだったと思います。

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追いかける東山は後半14分、敵陣右サイドで14番北村選手がボールを奪い返して起点になり、深いところに持ち込んだ10番阪田選手が絶妙なマイナスのボールを供給、これを7番真田選手がダイレクトで打つも大きく外れてしまいます。これは決定的チャンスでした。前半あれだけの難しいシュートを決めた真田選手です、いつもだったら普通に決めていたのでしょうが、この決勝大舞台でしかも1点を追う立場、無意識に力が入ってしまったのではないでしょうか。

この直後の後半16分、11番田邊選手に代わって19番木下選手が入ります。いつものパターンです。一方、追う立場の東山もペースは渡さず、じわじわ岡山学芸館の堅固な守備の崩しにかかります。

ここで東山ベンチが動きます。13番清水選手に代えて9番大谷選手を投入します。すると、後半29分でした。ルーズボールの奪い合いから7番真田選手が左タッチライン際から見事なクロスを上げます。ここに10番阪田選手がフリーで走り込んで、ドンピシャでヘディングシュート、しかしボールはクロスバーを直撃、場内がどよめきます。このあたり、岡山学芸館には運も味方していたように思えました。

ピンチを脱した岡山学芸館ですが、さすがに疲れが出てきたのでしょう、10番山田選手が足をつってしまいます。対する東山は、後半37分になんと10番阪田選手に代えて30番平尾選手を、15番豊嶋選手に代えて16番中野選手を投入、FWの枚数増やして総攻撃を仕掛けます。

しかし、後半39分でした。逃げる岡山学芸館は右サイドから6番田口選手がロングスローでボールをペナルティエリアまで投げ込むと、予測した着地点では双方誰もボールを処理できず、これが木村選手の前にこぼれてきます。木村選手は迷うことなく右足でボレー、ボールは右サイドネットに流れ込み、決定的な3点目をゲットします。東山は14番北村選手が木村選手をマークしていたのですが、まさあかのこぼれに一瞬木村選手をフリーにしてしまいました。

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それにしてもです。本当、勝ち上がるにつれて岡山学芸館の神がかり度は増していったように思えました。もうこれは理屈では説明できません。言えるとしたら、休まずあきらめずで、走って、アタックして、カバーして、をやり続けた、その延長線上に3点が生まれたということなのでしょうか。

この後、東山は2番石井選手に代えて19番保坂選手を、岡山学芸館は6番田口選手に代えて14番田村選手を投入します。そして場内放送で今日の来場者数が50,868人とアナウンスがありました。高校サッカー人気恐るべしです。

そして、アディショナルタイムは3分。あきらめない東山が攻め込むも、岡山学芸館は堅守で対抗、スコアは動かずこのまま3対1で岡山学芸館が勝利、初優勝を成し遂げました。

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岡山学芸館の選手と関係者、保護者の皆さま、優勝おめでとうございます。私は國學院久我山のカードから観戦日程を組んでチケットを買ったので、運よく岡山学芸館の試合を3試合も観ることができました。凄まじい走力に果敢なアタックとカバーリング、思い切りのいいシュート、あきらめない姿勢、本当にチャンピオンに相応しいチームです。感動しました。皆さんのプレーをまた上のカテゴリで観たいです。

Flying_gutsman_new

2023年1月 7日 (土)

岡山学芸館vs神村学園

Kumazemi Report 2023-01-07
第101回全国高校サッカー選手権準決勝
国立競技場(晴)
岡山学芸館   vs   神村学園
3
1 前半 1
2 後半 2
3
4 PK 1

すごい試合になりました。

開始早々から両軍アグレッシブに戦う姿勢を見せ、バチバチな感じで始まります。両チームとも寄せも速いし、球際も強く、なにより運動量も多いので観ていてとても興奮するゲームとなります。

流れ的にはやや神村学園が優位に進めていたように思いますが、岡山学芸館はとにかく全員で守って全員で攻めると言ってもいいくらい、あきらめずに動き回ります。

このような展開の中、前半6分でした。岡山学芸館GKの長いフィードからマイボールにした後に11番田邊選手が左に展開、受けた8番❝岡山のサビオラ❞岡本選手が低くて速いクロスを供給、後ろから走り込んできた6番田口選手がダイレクトシュートはミスするも、その後落ち着いて蹴り込み、岡山学芸館が先制します。神村学園はDFの数は揃っていたのですが、田口選手を捕まえることができませんでした。

追う立場になった神村学園ですが、序盤ということもあり、そう慌てることなく攻撃を続けます。

そして、神村学園の絶対的エースがさすがの仕事をします。前半38分でした。岡山学芸館が自陣から前へボールを運ぼうとするところで神村学園15番笠置選手がボールを奪取して14番大迫選手へ、大迫選手はエース福田選手へ縦パス、これを福田選手がポストプレーで左へ流すと、受けた23番金城選手が岡山DFの寄せが甘かったところで躊躇なくミドルを打ちます。低い弾道のシュートは岡山学芸館GK平塚選手が押さえきれず弾いたところに福田選手が詰めて蹴り込み、神村学園が追い付きます。本当、福田選手はハンターですね、さすがです。ゲームは、このまま前半1対1で折り返し、後半勝負となります。

エースの同点弾で勢いづいた神村学園は、後半も開始直後から優勢に進めます。この神村学園押せ押せの展開の中、前半終了間際に9番積選手に代わって入った8番高橋選手がカットインを試みたところで岡山学芸館がたまらずファウル、ゴール正面いい位置でFKを得ます。このチャンス、キッカー14番大迫選手の左足から放たれたボールが岡山学芸館の壁に当たってコースが変わってゴールマウスに吸い込まれ、ついに神村学園が逆転します。後半13分でした。

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流れ的にこれは岡山学芸館キツいかなと思ったのですが、九州の横綱相手にリードされても運動量が減ることはないですし、球際の強くいくプレーも速い寄せもやり続けます。とにかくあきらめないのです。すると、後半17分でした。神村学園陣内左サイドから10番山田選手が深くえぐって中へ折り返すと、DFに寄せられながらも9番今井選手が反転してシュート、これが決まって岡山学芸館があっという間に追いつきます。

だんだん準決勝第一試合が壮絶な戦いの様相を呈してきます。

追いつかれた神村学園ですが、やはり絶対的エースがいるからでしょうか、気落ちする様子はありません。すると、24分に神村学園16番吉永選手の強烈なミドルから右CKのチャンスを得ます。ここでもキッカーは14番大迫選手。その左足から正確に蹴り出されたボールに20番中江選手がドンピシャのヘッドを突き刺し、再び突き放します。

ここで岡山学芸館ベンチが動き、11番田邊選手に代えて19番木下選手を投入します。それにしても本当に岡山学芸館の選手たちのスタミナはすごいです。運動量が落ちません。いったいどういうトレーニングをしているのでしょうか。

ゲームはこれで終わりません。後半27分、左サイドを抜け出た岡山学芸館9番今井選手へボールが渡り、そのままドリブルで神村学園DF二人を引き付けたところで中央にいた8番❝岡山のサビオラ❞岡本選手にパス、しかし岡本選手がファーストタッチをミスってゴールとは逆方向に浮かせてしまい(インテンショナルなプレーだったらごめんなさい)ますが、これを利用して左に動き、DFが揃ってるにもかかわらず左足一閃、これが見事に突き刺さり、またもや岡山学芸館が追い付きます。

誰がこのような展開を予測したでしょうか。繰り返しになりますが、岡山学芸館の選手のスタミナと精神力はすごいです。

ここからの残り15分は文字通り死闘でした。ゲームはこのままどちらも勝ち越せないまま終了、PK戦になります。延長戦あってもいいのでは・・・とか思いました。正直引き分け再試合でも・・・

PK戦の方は先攻岡山学芸館が4対1とし、決勝に駒を進めました。

岡山学芸館の強さは本物です。

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Flying_gutsman_new

2023年1月 2日 (月)

岡山学芸館vs國學院久我山

Kumazemi Report 2023-01-02
第101回全国高校サッカー選手権3回戦
駒沢陸上競技場(曇)
國學院久我山   vs   岡山学芸館
0
0 前半 0
0 後半 0
0
3 PK 5

2023年1月2日駒沢陸上競技場、選手権3回戦第2試合です。

本大会初戦だった大晦日は前半に先制される展開ながら、後半すぐに追いついて突き放した久我山が、インターハイ8強の岡山学芸館との3回戦に臨みました。

大晦日に岡山学芸館の対鹿島学園戦も後半見たのですが、鹿島学園相手に3点取る相当のレベルのチームで、私的にはダークホース的存在とみていました。

久我山のキックオフで始まったこのゲームですが、久我山の出足が速く、この試合にかける気合を感じる立ち上がりでした。対する岡山学芸館は、高い技術力を持って中盤でハードワークをこなし、久我山のパスサッカーの封じ込めにかかります。

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押し気味に進める久我山も、時おりロングボールを織り交ぜるなど攻撃に工夫を凝らしますが、なかなか決定機を作れず、双方決め手を欠いたまま膠着状態のような感じになります。

岡山学芸館は久我山のお株を奪うようなワンタッチプレーを繰り出したかと思えば、猛然とドリブル突破を仕掛けたりと、インターハイ8強どおりの実力を発揮します。

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前半は、このままスコアレスで終わり、後半勝負の展開となります。

両チームともハーフタイムでの選手交代はナシで始まった後半開始直後、久我山10番塩貝選手の仕掛けから右コーナーキックを得ます。14番近藤選手からファーサイドに放り込まれたボールに久我山9番中山選手が技ありヘディングで合わせますが、惜しくもポストに阻まれて得点には至りません。一方、岡山学芸館としては後半立ち上がりで少しヒヤッとする場面でした。

ベンチが最初に動いたのは岡山学芸館でした。6分に6番田口選手に代えて14番田村選手を投入します。するとこの5分後の11分にこの度は久我山が近大和歌山戦同様に6番山脇選手に代えて13番保土原選手を投入します。

しかし、中盤のおける双方の激しいチェックでゲームはなかなか動きません。

今度は久我山ベンチが21分に先に2枚目のカードを切ってきます。11番の八瀬尾選手に代えて19番金山選手を投入します。そしてラスト10分となったあたりから久我山10番塩貝選手の強引な突破を繰り出すなど、我山の攻撃が激しくなります。

32分には岡山学芸館のミスから中央ゴール前で13番保土原選手がフリーで決定的チャンスを得ますが、シュートは無情にも枠から外れてしまいました。

久我山は34分に13番保土原選手に代えて23番山田選手を投入、最後の最後まで1点を取りに行きますが、ゴールは遠く、このままゲームは終了、運命のPK戦となりました。

PK戦は、5人全員が決め切った岡山学芸館が5対3で國學院久我山を退け、ベスト8に駒を進めました。

それにしても岡山学芸館は強いです。岡山県予選は危なげなく勝ち上がりながらも、本大会では1点差でしぶとく2試合勝ち抜き、3回戦で強敵をPKで下しての8強です。台風の目になりそうな予感がしてきました。

Flying_gutsman_new_2

佐野日大vs履正社

Kumazemi Report 2023-01-02
第101回全国高校サッカー選手権3回戦
駒沢陸上競技場(晴)
佐野日大   vs   履正社
1
0 前半 0
1 後半 1
1
5 PK 4

選手権3回戦@駒沢陸上競技場です。初戦で後半アディショナルタイムでの劇的弾で初戦を突破した佐野日大とプレミアウェストで戦ってきた強豪履正社の戦いです。

2回戦で盛岡商業を6対0で撃破した履正社の攻撃力を佐野日大がどう凌いで接戦に持ち込むか、ここが観戦のポイントでした。

佐野日大は3,4,5,6番の選手で構成するDFラインに、攻め込まれそうな局面では7番吉岡選手が最終ラインまで降りてくる変則的な5-3-2のフォーメーションで履正社の攻撃を封じる作戦です。

対する履正社は、高いボール支配率から10番名願選手を起点にエースストライカー9番古田選手でフィニッシュに持ち込む作戦です。

Img_6458

しかし、さすがの履正社も、この佐野日大の変則5-4-1&マンマークスタイルに苦しみ、なかなかこじ開けることができず決定機を作れません。ボールは持てるのですが、なかなかフィニッシュに持ち込めないという少しストレスのかかる展開になります。

佐野日大も、押し込まれても簡単に陣形が崩れませんし、マークがずれたり捕まえ損寝たりすることが少なく、相当守備が鍛えられているのがわかります。ここのところ矢板中央が栃木の覇権を握ってきた中、今回6年ぶりに選手権出場を果たした理由は堅守にあったのではないでしょうか。

このように履正社がゲームを支配するものの佐野日大の堅守が効いて前半スコアレスで折り返します。

ハーフタイムで両校1人ずつ選手交代をして始まった後半開始直後でした。佐野日大が敵陣左サイドで得たスローインでロングスローを選択、ゴール前にまで投げ込んだところで混戦となり、こぼれたところを5番青木選手が蹴り込み、押されていた佐野日大が先制します。

Img_6463

ここまで危ない場面はほとんどなかった履正社が、ワンチャンスで失点してしまい、追いかける展開となります。

それでもボールを保持する時間が長い履正社が優位に進め、後半から入った16番森田選手が徐々に効き始めます。右にワイドに開いて、チャンスと見れば仕掛け、難しければ中央に折り返して逆サイド展開の起点になり、佐野日大のディフェンスラインを揺さぶります。

後半12分、リードする佐野日大ベンチが動き、10番大久保選手に代えて23番福田選手を投入します。残り30分を切って中盤を1枚厚くする判断だったかと想像します。

しかし、後半19分でした。ワイドに構える履正社16番森田選手が右サイドで仕掛けるも無理せず中央へ、ここから左サイド10番名願選手へボールが渡り、受けた名願選手がタテへ突破、佐野日大DF振り切って角度のないところから右足一閃、ついに履正社が同点に追いつきます。やはりここ一番、頼れるエースが起死回生のプレーをやり切りました。

ここから履正社が押せ押せになります。前半あまり強引なプレーはなかった感がありましたが、ドリブルで仕掛ける場面が多くなり、攻撃に厚みが出てきます。守る時間が長く続く追いつかれた佐野日大ですが、気落ちすることなく集中して守ります。

ここで後半35分、佐野日大が後半から投入した9番中埜選手に代えて2番長身の緒方選手を投入、5-4-1の布陣で守り切る体制を整えます。

ゲームは最後まで履正社が支配しましたが、2点目を取って突き放すことができずにこのまま1対1で終了、ベスト8をかけた戦いはPK戦に委ねられます。

履正社先攻で始まったPK戦は、5人全員がきっちり決めた佐野日大が5対4で押し切り、佐野日大のベスト8進出が決まりました。

先に行われたワールドカップ、勝てばベスト8の決勝トーナメント1回戦で日本がクロアチアに先制しながら追いつかれてPKで敗れたのは記憶に新しいですが、トーナメントである高校選手権でもこのベスト8をかけた3回戦の戦い方が最も難しいのではないかと思いました。決勝戦以外は延長戦なしでのPK決着がレギュレーションとなっている以上、格上相手に守りに守ってワンチャンス狙う戦術は王道であります。今日の佐野日大はこれがばっちりハマりました(といってもこれを80分やり切るのにも相当の実力が必要なことは言うまでもありません)。

前橋育英は言うまでもなく、矢板中央しかり、北関東のチームはしぶとく勝負強いですね。あっぱれです。

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Flying_gutsman_new

2023年1月 1日 (日)

國學院久我山vs近大和歌山

Kumazemi Report 2022-12-31
第101回全国高校サッカー選手権2回戦
駒沢陸上競技場(晴)
國學院久我山   vs   近大和歌山
3
0 前半 1
3 後半 0
1

2022年大晦日、久しぶりの生観戦で駒沢陸上競技場に来ました。天気も良く、それほど寒くもなくて絶好の選手権観戦日和でした。そして、チョイスしたカードはもちろん「美しく勝て!」國學院久我山の試合です。

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今年の久我山は東京予選の準決勝で、インターハイ準優勝の帝京を破っての出場ですので、本大会でも上位進出を期待されていることは間違いありません。その初戦が今日の近大和歌山戦です。近大代和歌山は2年連続の出場で、セレッソ大阪の和歌山ジュニアユース出身選手をずらり揃えた強豪です。4-3-3で10番塩貝選手を中心に持ち前の高い技術で仕掛ける久我山に対して、守勢の際には最終ラインに5枚並べ、塩貝選手を複数でチェックして絶対にゴール前でフリーにさせず、ディフェンシブに戦いながらワンチャンスを狙いの近大和歌山という感じで始まりました。

私的に久我山には必ず疲れ知らずのダイナモがいるイメージなのですが、今回のチームでは6番の山脇選手ですね。間違いないです。

Img_6348

しかし、ゲームは予想外の展開になります。3分過ぎ、久我山は9番選手の左サイドからの仕掛けからチャンスを作った直後、近大和歌山GK奥選手の正確な左サイドへのフィードから起点を作り、ここで粘り強くボールを保持しながら7番尾藤選手へつなぎ、エース10番の木津選手へラストパス、木津選手は久我山DFに囲まれながらも強引にシュート、これはDFに阻まれますが、そのボールが右サイドへ流れていきます。ここに猛然とフリーでオーバーラップしてきた3番DF長瀬選手が一瞬の迷いもなくシュート、体を投げ出して止めに入った久我山7番岡井選手にあたってコースが変わってゴールに突き刺さり、近大和歌山が先制します。止めに入った岡井選手は、近大和歌山10番木津選手のシュートのこぼれに詰めていた6番神田選手に対応した分、ほんの僅か寄せるのが遅くなってしまいました。ただ、岡井選手の体にあたらなくても左のサイドネットに突き刺さっていたと思います。それくらい思い切りののいい見事なシュートでした。

これで開始早々追う立場になった久我山ですが、ボールは圧倒的に保持するものの近大和歌山の堅い守りをなかなか崩せず、9番中山選手が必死に剥がしてチャンスを作ろうとしますが、塩貝選手もDFに囲まれて決定機を生み出せず、このまま久我山1点ビハインドで前半が終了します。今日は社会人1年目の息子と来たのですが、前半彼は私の横で何度も「久我山、上手いなー」と独り言を呟いていました。

両校ハーフタイムでの選手交代はなく、後半が始まります。直後から久我山が押し込みますが、近大和歌山も集中切らさず跳ね返してマイボールにしてビルドアップを試みます。しかし、後半2分でした。近大和歌山が右サイドから守から攻の切り替えに入ろうとしたところを久我山がボールを奪取、そのまま左サイドから9番中山選手がドリブルで切り込んでゴール前へ、近大和歌山DF3枚が中山君ウォッチャーになったところを10番塩貝選手がフリーでファーサイド逃げ、ここにまんまとボールが流れてきて難なく押し込み同点に追いつきます。塩貝選手がベンゼマになった瞬間でした。

後半の久我山は出足がものすごく速く、特にミドルゾーンのアウトサイドではあっという間に数的優位作って囲い込んで奪い、そのままサイドからアタックかける感じです。近大和歌山は最終ラインで跳ね返せていたので、ビルドアップ途中、自陣内で立て続けにボールを奪われたのは痛かったです。前半は真ん中であまり左右に動き回らずにターゲットに徹していた感じの塩貝選手でしたが、後半はけっこうサイドに流れたりして動き変えてきた感じがしました。

そして、同点ゴールからわずか2分後、今度は6番山脇選手から右サイドへ展開、受けた八瀬尾選手がゴール左ポスト付近へクロスを上げます。近大和歌山GK奥選手がパンチングに出たところ久我山の選手と近大和歌山DFと交錯、ボールが無情にもフリーになっていた塩貝選手と8番高橋選手のところへふわりと上がり、これを高橋選手がボレーで蹴り込み、久我山が逆転します。ここでも近大和歌山DFの選手が、塩貝選手と高橋選手をゴール側からウォッチすることができず、高橋選手に浮き球を正確に処理する時間を与えてしまいました。集中が切れていたことはないと思いますが、1点目も2点目も選手を捕まえ切れてなかったところにボールが出てしまい、失点する形になってしまいました。

追う立場になった近大和歌山は、25分に尾藤選手に代えて14番木村選手を投入、30分には5番湯川選手に代えて野村選手を投入して反撃に出ます。しかし、なかなか決定的チャンスを作れない中、後半39分、逆に久我山は中盤のパス交換から10番塩貝選手へ縦パス、ここでポストとなって左へ展開、ペナルティエリア左に流れたボールに8番高橋選手が追い付いたところでGK奥選手が痛恨のファウル、PKとなってしまいます。これを久我山8番高橋選手がきっちり決めて万事休すとなりました。

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初戦は難しいとはよく言いますが、開始早々先制されて前半ビハインドで折り返したものの、後半きっちり修正すべきところは修正して逆転するところはさすがです。技術の高さに裏打ちされた華麗なパスサッカーのイメージが強い久我山ですが、選手全員球際が激しくて強く、奪われたら奪い返すプレーを徹底して繰り返すチームです。上位進出に期待したいと思います

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2022年6月10日 (金)

祝 TEAMくまぜみ ARAKAWA君 優勝!

こんにちは!久しぶりの投稿です。

去年から試しに始めてみたYouTubeチャンネルのディレクション手伝ってもらってるARAKAWA君が、筑波ツーリングカーシリーズ第2戦で優勝しました!

彼は富士山のふもとの県立高校から筑波大に進んで大学院まで行った秀才君で、静岡出身ながらサッカーとは無縁の人間です。

私とは彼が大学院生だったころから交流が始まり、大学院修了して、就職して、結婚して、父親になった今もこうやって絡み合っております。

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このレースには、私もFLYING GUTSMANとして協賛しておりまして、しっかり彼のレーシングスーツに貼りついてます。

高校サッカーの方は、コロナ禍で地域予選がリアル観戦できない状況が続いています。しかし、嬉しいことにこのブログのアーカイブをチェックしていただいているファンの方もけっこういらっしゃるみたいで、私は今再稼働の準備しています。

コロナ禍で東京も日本も地球も様変わりしてきていますが、私は古き良き時代を大切にしながら、逆張り戦法で行こうと思います。

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最後に、ARAKAWA君のマシンを掲載しておきます!

2021年2月 5日 (金)

YouTube始めました。

お久しぶりでございます。

このブログを始めたのが2006年(平成18年)私が41歳の時でした。その私ももう56歳です。光陰矢の如しで、勢いで始めたあの日からすでに15年の月日が経とうとしてるんですね。

この間に高校サッカー界も大きく変わりました。全国における勢力図も変わりました。指導者の方や地域の方々の熱意もあり、年間通じて強化ができる形になりました。ジュニアユース組織と連動して強化する仕組みもできました。

しかし、昨年来の新型コロナ感染症で社会が一変してしまい、高校スポーツ界も経験したことのない状況になってしまいました。夏の甲子園もインターハイも中止、高校選手権は開催できましたが、準決勝と決勝は無観客試合となりました。

一方、私はというと加齢とともに取り巻く環境が変わり、カメラとメモ帳持って試合会場に突撃することがままならなくなり、取材も途絶えてしまいました。

しかし、このコロナ禍で何かできないかと考えたところ、「そうだこのブログにはちょっと前のことだけど。その時その時の生の記録がたくさん残っているんだ」、ということに気づき、ここにもう一回光をあてて高校サッカーを元気づけようと思い立ちました。

何がいいかは友人のOONISHIさんに相談、何とユーチューブでやろうということになりました。そしたらこのアイデアに賛同してくれたMaiちゃんがナレーターで参画してくれて作品作りが始まったのです。タイトルは「くまぜみチャンネル2020」としました。

手作り感満載ですが、ぜひ一度見てみてください。

私が取材していたころの選手たちはもう大人になっています。家庭を持っている方も多いでしょう。教員になって監督している方、地域の指導者になって子供たちと毎週末ボールを蹴っている方、現役でプレーしてる方、などなどたくさんのくまぜみOBの方々がサッカーと関わっていてくれているのではないでしょうか。

【YouTubeはじめました!】【あの試合をもう一度】2015年 関東第一vs創価
YouTube: 【YouTubeはじめました!】【あの試合をもう一度】2015年 関東第一vs創価


なお、今年の選手権東京代表が関東第一高校と堀越高校でしたので、まずはこの2校の記録を引っ張り出してマネージャーのMaiちゃんにナレーションお願いしました。

Maiちゃんの応援もよろしくお願いいたします。

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2019年1月14日 (月)

JFAカンファレンス

1月12日(土)から14日(月)までの日程で高知県にて開催されたカンファレンスに参加してきました。

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12日は朝5時に起きて支度してリムジンバスで羽田に行き、高知龍馬空港までANA561便で向かいました。

到着したら高知は雨、ここから路線バスに乗ってはりまや橋まで行き、ホテルに寄らずに路面電車に乗り換え、荷物を持ったまま会場である高知県立県民ホールに直行しました。

JFAのホームページを見ますと「世界の著名な監督・コーチを招き、そしてアジアから多くの友人を招いて開催されてきたフットボールカンファレンスは、今回で11回目を迎え2018FIFAワールドカップロシア』 ~力を合わせて新しい景色を~」とあります。

さらに、「JFA有資格指導者がライセンスを超えて一堂に会し、JFAの取り組みのほか世界のトレンドや各国の取り組みを共有できる貴重な機会であり、共に将来につながる議論ができることを期待しています。また、アジア各国の指導者をゲストとして招待し、日本からアジアに向けた貴重な発信の機会でもあります。」とありました。私たちのような者にとって世界の取り組みを当事者の方に直接お話いただく機会はまずないので、本当に貴重だと思いました。

参加者は1000人を超えていたそうで、会場はほぼ満杯でした。ロシアワールドカップでは、直前の監督交代やプレマッチでの苦戦もあって戦前の予想はグループリーグ突破は難しいのではないかと言われていましたが、結果はご存知のとおりベルギーをあと一歩のところまで追いつめた上での16強でした。

私は指導の現場から離れてかなり時間が経っており、またここ数年仕事が忙しかったことで日常的にサッカーに関わることが激減していたので、思い切ってこの三連休を潰して集中してインプットしに来たわけであります。

個人的にはベルギー代表マルチネス監督へのインタビュー、アルナール・ビル・グンナーソン氏(アイスランドサッカー協会テクニカルダイレクター兼指導者養成ダイレクター)によるアイスランドの取り組みやジョン・ピーコック氏(元イングランドFA代表コーチ兼指導者養成ダイレクター)のプレゼンテーションが強く印象にのこりました。

せっかく高知まで来たので、二日目のお昼休みに会場から近かったので高知城まで散策しました。江戸時代に建造された天守と本丸御殿が両方現存しているのはこの高知城だけだそうです。

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カンファレンス初日が選手権準決勝、最終日が決勝だったのでソワソワしながら勉強してましたが、非常に有意義な時間を過ごせてよかったです。

2018年12月31日 (月)

国士舘vs米子北

Kumazemi Report 2018-12-31
第97回全国高校サッカー選手権1回戦
駒沢陸上競技場(晴)
国士舘   vs   米子北
0
0 前半 1
0 後半 0
1

第97回全国高校サッカー選手権1回戦、@駒沢陸上競技場です。

今日は久しぶりに高校サッカーが見たいと言っていた大学生の息子と一緒に会場に向かいました。もちろんチケットは前売りを買ってます。冬の駒沢陸上競技場メインスタンド側は超寒いとわかっていたので、沸かしたてのお茶を入れたポット持参での観戦としました。でも、ものすごく寒かったです。

国士舘は平成15年度第82回大会以来の久しぶりの選手権出場です。あの時は國學院久我山を破っての出場、優勝したのは平山選手や兵藤選手ら超高校級がたくさんいた国見でした。他には、市立船橋には増嶋選手やカレンロバート選手が、作陽には青山敏弘選手が、星稜には豊田陽平選手がいました。あと忘れてはいけないのが2年生ながら岡崎選手も滝川第二で出てました。こう見ると選手権出場校の人材輩出力はすごいですね。

さて、試合の方は風下米子北のキックオフで始まりました。立ち上がり慎重に行ったか、国士舘はやや静かな立ち上がりで少し動きが硬い感じがしました。一方、プレミアリーグで揉まれてきた米子北は開始早々立て続けにCKのチャンスを得るなど果敢に国士舘陣内に攻め入ります。

国士舘は東京都大会を勝ち上がるにつれて守備が安定し、少ないチャンスをしっかりモノにして来ましたので、おそらくこの試合も守備意識を高くしてゲームを落ち着かせ、徐々に主導権を握って接戦に持ち込むという作戦だったのではないかと勝手に想像しました。

しかし、前半7分に国士舘DFのやや中途半端な守備を突いた米子北14番の選手に右足を振り抜かれ、先制を許してしまいます。早い時間に先制を許してしまった国士舘は早く同点にすべく攻撃を仕掛けますが、米子北の速い出足に手を焼き、また強風下のため攻撃への切り替えは空中戦を避けたいところだったのですが、なかなか地上戦に持ち込めない不運もあってやや劣勢に立たされます。

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米子北はさすがプレミア組、球際が強くてクリアボールやこぼれ球の出どころの読みがうまく、国士舘にカウンター攻撃をさせません。特に27番の選手の読みがすばらしく、国士舘のビルドアップやカウンター攻撃をかなりの確率で阻止してました。この米子北27番の選手はプレー自体は地味ですが相当能力は高いと見ました。

前半はこのまま米子北1点リードで終了します。選手交代は国士舘の方が先に動き、ハーフタイムで11番の選手を下げて16番の選手を投入します。この交代は国士舘の監督の後半への戦術意思がはっきりとくみ取れるもので、見事なベンチワークだと思いました。

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ここから国士舘は交代で入った16番の選手が左サイドで仕掛けまくって攻撃の流れを引き寄せます。前半は思い切って仕掛けるようなシーンが少なかったので、この16番の選手の仕掛けは米子北を焦らせたのではないでしょうか。国士舘は180cm以上はある長身FW19番を擁していますが、当然ながら中央でのマークはきついので、ポンポン中に入れるのではなくサイドでのドリブルや速くて短いパス交換で米子北DFを外へ引っ張り出して中央守備陣形を崩したかったんだと思いました。

しかし、米子北のプレッシャーもいっそう速くて激しくなり、国士舘はなかなか決定機を創出できません。

国士舘ベンチは50分、56分さらに69分、78分に選手交代を行い、遮二無二1点を取りに行きますが、時間は刻々と過ぎていき、アディショナルタイム3分が表示されるまでずっと1点ビハインドが続きます。

米子北ももはやこの1点を守るのみと、65分、75分、79分に守備固めの選手交代、試合は1点を巡って総力戦の様相を呈してきますが、ゲームの方はアディショナルタイムに入った82分に国士舘DFが痛恨のPK献上、しかしこれを米子北が外してしまうという出来事がありながら、前半の得点を守り切った米子北が1対0で勝利しました。

残念ながら東京勢は両校とも初戦で姿を消してしまいましたが、勝ったり負けたりするのがスポーツですので、次頑張ればいいです。今回国士舘の選手権1勝は持ち越されましたが、夏場苦しみながらも東京代表になったことはものすごく意味のあることだと思います。歴史ある強豪私学には常に「ならでは」の苦しみがあると勝手に想像しますが、このゲームはNEW国士舘の新たな一歩となるに違いありません。

NEW国士舘がんばれ

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2018年10月30日 (火)

東京朝鮮vs修徳

Kumazemi Report 2018-10-28
第97回選手権東京大会Bブロック準々決勝
実践学園高尾グラウンド(晴)
東京朝鮮   vs   修徳
2
1 前半 0
1 後半 1
1

実践学園高尾グラウンド第三試合は、東京朝鮮対修徳の一戦です。近年の両校の選手権都大会ですが、修徳は昨年は都東久留米総合に初戦敗退で二年前は二回戦で帝京に敗退、対する東京朝鮮はここ三年続けてブロック4強と、修徳には分が悪い感じです。

しかし、この両校、ちょっと盛って大げさに言いますが、私が記憶する限り1980年代から選手権で当たった暁にはそれはそれで表現しにくいほどものすごい壮絶な戦いをしてきたわけで、オールドファンにとってこのカードには緊張から否が応でも緊張が走るわけであります。

しかし、時代は変わり、高校サッカー部はスマートで素敵でカッコいい部活動になりました。何より保護者の皆様から校名エンブレム入りのマフラータオルを手に、黄色い声援を送っていただけるスポーツコンテンツになったのです。三十年という月日は、プロリーグの誕生、日本代表のワールドカップ出場常連化そして少子高齢化という世相などを経て、高校サッカーと選手と保護者の関係性をも変容させたと言えるでしょう。

能書きこれくらいにして試合の方ですが、お互い削り合う展開ではなく、さすがに球際は厳しいながらもスピーディに攻守が入れ替わるスリリングな展開となります。

しかし、開始2分でした。左サイドのダイレクトを織り交ぜた速いパス交換から一気に抜け出した東京朝鮮5番の選手がトゥキックで修徳ゴールニアサイドに突き刺して先制します。第二試合の駒大高もそうでしたが、試合開始直後に得点が動く試合となりました。

修徳はここまですべて一点差勝ち、シードの東京朝鮮も総体では二試合一点差で勝ちあがって関東第一には3対3からPK負けと、僅差の激しい戦いを多く経験している両校ですので、先制点がどれほど重要かは十分わかっているでしょう。なので、この時間での失点は修徳にとっては痛かったかもしれません。

それでも失点後の修徳はエンジンフルスロットル状態で攻撃を開始し、10番の選手を中心に得意のサイド攻撃をこれでもかと仕掛けます。特に左サイドからが多かったです。これはおそらく作戦だったのだと推測します。

対する東京朝鮮は大柄でパワフルながらスピードもあって足下も上手い6番の選手が目立っていました。とにかくこの両チームはサボらないのです。選手全員が声出し合って足止めずに動き回り、ピンチには体を張ったプレーで守ります。

前半はこのまま1対0で終わりますが、試合としてはほぼ互角、前半の後ろ半分はやや修徳の流れだったかと思いました。

ここでお詫びがございます。

私はこの日青梅方面でのゴルフ終わりで高尾に参上、日中汗ばむ陽気だったゆえ半袖にウィンドブレーカーだった私は、太陽が沈んだ10月下旬の高尾の寒さに耐えきれず、ハーフタイムで退散となりました。本当すみません。西多摩を甘く見てました。

結果は皆様すでにご存じのとおり2対1で東京朝鮮が勝利しましたね。4年連続4強進出おめでとうございます。次は帝京とのご近所対決、これもオールドファンには手に汗握るカードとなりました。

この試合、もし後半観戦されて本ブログをご覧になった方がいらっしゃいましたら、お手すきのときに後半の様子をコメントいただけますと幸いです。

東京朝鮮の皆さん、準決勝がんばってください。そして、敗れた修徳ですが1年生2年生にスーパーな選手がいるようですので、来期も要注目で行きます!

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※暗くなる前にかろうじて撮影できた1枚載せます。

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2018年10月28日 (日)

駒澤大学高vs國學院久我山

Kumazemi Report 2018-10-28
第97回選手権東京大会Bブロック準々決勝
実践学園高尾グラウンド(晴)
駒澤大学高   vs   國學院久我山
2
1 前半 1
1 後半 0
1

久しぶりに高尾に来ました。高尾駅から会場までの道中、立って挨拶しながら案内をする実践学園サッカー部の皆様、本当にありがとうございます。毎度の光景ですが、本当に頭が下がります。部活動は今いろんな意味で岐路に立っていますが、物事を決める側の方々はぜひきちんと現場を見て議論していただきたいと思います。

さて、今日の観戦はBブロック準々決勝実践学園高尾会場第二試合です。第一試合の帝京vs堀越(2対1で帝京勝利)の途中に会場入りしたんですが、もはや寸分の立つ場所もないくらいの観客数で、私は列に並んで会場入りを待つこととなりました(約1時間)。

さて、夏のインターハイのこの二校ですが、駒大高は都大会二次トーナメント初戦敗退、國學院久我山は本大会に出場して2勝(神戸弘陵に3対0、星稜に3対0、大津に0対2)して16強に入りました。ですので駒大高が國學院久我山に挑むという図式になります。

試合の方は開始早々駒大高にファーストシュート、直後に國學院久我山がバイタルエリアやや左20m強のFKが生まれるなどアグレッシブに始まりました。駒大高にはクラウチを彷彿とさせる11番の選手を前線に置き、中盤での速いプレスと空中戦で流れを掴もうとします。

対する國學院久我山はもはやその名詞となっている「華麗なパスサッカー」を展開、ただ勝つだけでなく彼らが背負う「美しく勝」たなければならない使命感をピッチで表現します。

しかし、前半14分、サッカーでは往々にして起こる「挑戦者が先に点を取る」現実が現れます。FKからのゴール前の混戦ごちゃごちゃっとしたところ押し込んで駒大高が先制します。このシーンでの盛り上がりはすごかったです。そもそも今日のこの試合の観客数は、およそこの実践学園高尾グラウンドの観戦者収容キャパシティを超えた状態でありました。

追う立場になった西の横綱はそれでも自分たちのサッカーを展開、正確な技術と巧みなダイレクトプレーで焦ることなくゲームを展開、すると2分後の16分でした。左サイドからの攻撃から低くて速いクロスを入れると駒大高DFが対応しきれずボールがファーサイドへ、このボールを落ち着いて蹴り込んでアッという間に國學院久我山が同点に追いつきます。

駒大高は國學院久我山攻守に切り替えの要である14番の選手だけに対してでなく、中盤全体で早め早めにプレッシャーをかけてパスサッカー封じを展開していたのですが、このシーンではやられてしまいました。

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追いついた國學院久我山はリズムが良くなりますが、駒大高ベンチはここで動き、31分に長身FW11番の選手に代えて14番の選手を投入します。私、この14番の選手のヘアスタイル、好きです。

前半はこのまま同点で終了、勝負は後半ということになりました。

後半の入りのリズムは國學院久我山で、後半2分(42分)に敵陣中央から強烈ミドル、これを駒大高GKが止めるも威力が強烈過ぎてファンブル、するとボールが願ってもないところ出てきて完全フリーとなった国学院久我山の選手がゴール右サイド狙って押し込みましたが、惜しくもポスト右をかすめ、外してしまいます。場内にどよめきとためいきと悲鳴が交錯するほどのビッグチャンスでした。

でも、これは強烈ミドル後の一瞬の出来事で、駒大高DFが強烈過ぎて立ったまま見ているしかなかったところを素早くこのこぼれ球に反応、体制を崩しながらも一か八かで蹴るのではなく右スミを狙ったものであり、単に決定機を外したものではなくてすごいプレーだったのです。

しかし、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、失点を免れた駒大高は直後の後半3分に中央から左そして右と揺さぶった後のクロスに絶対的エース10番の選手がヘッドを決め、ついに勝ち越します。

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このシーンも結果的にアシストとなるクロスを入れた右サイドの駒大高の選手も、ファーストタッチをゴールから遠い位置にボールを流してしまったのですが、寄せが一瞬遅れたところを半ば強引にサイドボレー気味に蹴り込んだものです。これがハーフライナーみたいな速いボールになってどんぴしゃりとなりました。

勝ち越された西の横綱は久我山スタイルを貫きながら猛攻を仕掛け、横綱から3点取るのは至難の業と認識している駒大高は必死の守備、この手に汗握る展開に時間が消費されていきます。

それでも横綱に焦りが出たかなかなか効果的な縦パスが入らず、駒大高の素敵なヘアスタイルの14番の選手がどんだけ体力がるのかと思わせるほど追い掛け回してました。

結局ゲームはこのまま駒大高が逃げ切り、2対1で勝利しました。

選手権都大会は上手いから勝つわけでもなくデカいから勝つわけでも速いから勝つわけでもなく、80分の間にほんの何回かくるチャンスを運よくモノにできたチームが次に進んでる気がしました。

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写真は前半國學院久我山ゴール前での攻防です。

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2018年5月21日 (月)

帝京vs明大明治

Kumazemi Report 2018-05-20
平成30年度高校総体都大会1次(H)決勝
駒沢第二球技場(晴)
帝京   vs   明大明治
6
2 前半 1
4 後半 0
1

平成30年度高校総体東京都大会Hブロック決勝戦、正直申しますと今日はこの帝京を観るために駒沢に来たようなものであります。過去のノスタルジーに浸るつもりはありませんが、やはり高校サッカーの歴史を語る上で帝京はその中心に位置するわけであり、だからこそ近年の状態をものすごく憂うわけでもあります。もう一度頂点に立ってほしい、そう私世代は本気で願うのであります。

さて、その帝京、関東大会都大会では4強に進出するも駿台学園に負けて関東大会の切符は逃しましたが、そのプロセスでは成立学園を倒しており、大いに期待して観に来ました。

しかし、試合開45秒くらいで速攻から早々と失点しまいます。以前のめちゃくちゃ強かった時代の帝京も、速攻食らった時に最終守備ラインが不安定になることがしばしばあったことは記憶していますが、今日もそのクセがいきなり出てしまいました。

しかし、そこにいるだけで相手守備陣をかき乱す長身20番の選手に攻守のかなめ10番の選手、運動量が豊富でもスピードもある9番の選手、トニ・クロースみたいな6番の選手などタレントが揃っている帝京が巧みなパスワークとものすごく速いプレッシャーですぐさま主導権を握ります。

帝京は誰一人サボらないパスアンドゴーと完璧なパススピードで足下、足下と繋いできて明大明治を翻弄します。しかし、それをわかっている明大明治も飛び込まずに入ってくる選手をきっちり捕まえてそこで奪取する作戦を採ります。先制した後もそれをきっちりやっていました。

しかし、前半13分、帝京右CKから押し込まれて追いつかれてしまいます。ここまでゲームの流れの中ではうまく凌げていたので、このセットプレーからの失点は痛かったです。

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追いついた帝京はその後も実力をいかんなく発揮し、どんどん明大明治を追い込みスタミナを奪っていきます。やっとの思いで自陣でボールを奪取しても帝京の守備への切り替えとそれに伴うプレシャーの速さとキツさは、前述のスタミナだけでなく戦意をも喪失させるほどのものだったのではないでしょうか。

35分にはゴール正面から強烈な一発をくらって勝ち越され、2対1と帝京1点リードで折り返します。後半は明大明治のスタミナがどこまで持つかと、失点リスクをどこまで冒して点を取りに行くのかが私の注視したいポイントでした。ある意味帝京相手に前半で1点のビハインドならば想定範囲、もしくは意図どおりとも言えなくもないです。何せトーナメントには「PK戦」があるのです。

しかし、後半アタマから帝京はエンジン全開で攻め立て、48分、49分、50分と3本続けてのCKに左右の揺さぶりにだんだん明大明治もいっぱいいっぱいになってきます。そして、51分にゴール前中央からミドルを突き刺されて3点目を献上、続く52分には左から揺さぶられて4点目、さらに53分にも左から右ファーサイドのクロスにヘッドで押し込まれて5点目を取られて、後半始まって十分そこそこで3点取られてしまいました。この時間帯、明大明治は少しパニック状態になってしまったのかゴールに近い位置にいる帝京の選手をきちんと捕まえきれていませんでした。

帝京はこの後も攻撃の手は緩めず、しかも選手各自がボール保持者への速いプレッシャーとセカンドディフェンダーに回った場合の素早い準備、奪ったボールは不必要に持たないですぐに動かして相手の守備への切り替えを容易にさせないなど、タレント性だけでなくやるべき仕事を全員がきちっとやり通しました。

ゲームは60分にもう1点追加して帝京が6対1で勝利しました。45秒失点でどうなることかと思いましたが、帝京の底力を感じた試合でした。

明大明治は苦しい展開ながら10番の選手が何とか打開しようと一生懸命プレーしていたのが印象に残りました。というか、彼は技術がありますし、ドリブル突破がうまいです。ときおり見せた帝京の選手を数人引きづりながら突破を図るシーンはとてもカッコよかったです。さすが10番!

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明大明治には人工芝のグラウンドあって練習環境も良いですからさらに技術をつけ、それでもって鰻とか和牛赤身肉とかたくさん食べてスタミナつけて選手権予選で旋風起こしてください。

kumazemi's favorite players 2018:帝京の10番

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無手勝流高校サッカー番付2018

勇気をもってやります。東京の全部の高校に当てはまるわけではないとは思いますが、高校時代にサッカー部が一番盛り上がる大会は選手権大会だと思いますので、新人戦からインターハイまでの結果や内容をベースに、選手権地区予選が始まる直前の8月第一日曜日の今日、番付を発表いたしました。以後毎年同様に発表していこうと思います。無手勝流ですので、読者のみなさんお手柔らかにお願いします。

2018(平成30)年度無手勝流高校サッカー番付

東(1~4地区)
役位
西(5~8地区)
関東第一
横綱
國學院久我山
成立学園高校
帝京高校
大関
 
かえつ有明高校
暁星高校
東京朝鮮高校
東京成徳高校
張出大関
駒澤大学高校
早稲田実業学校高等部
国士舘高校
都立駒場高校
大東文化大学第一高校
駿台学園高校
関脇
多摩大目黒高校
日本学園高校
東海大学菅生高校
都立東久留米総合高校
豊島学院高校
都立城東高校
張出関脇
堀越高校
都立三鷹高校
芝高校
都立墨田川高校
都立豊島高校
東京高校
東京実業高校
高輪高校
都立葛飾野高校
小結
都立国立高等学校
都立日野台高校
都立保谷高校
都立狛江高校
桐朋高校
都立石神井高校
東京農業大学第一高校
保善高校
前頭筆頭
都立野津田高校
TEAM KUMAZEMI

2018年5月20日 (日)

都城東vs昭和第一学園

Kumazemi Report 2018-05-20
平成30年度高校総体都大会1次(J)決勝
駒沢第二球技場(晴)
都城東   vs   昭和第一学園
2
0 前半 1
1 後半 0
1 延前 0
0 延後 0
1

平成30年度高校総体東京都大会Jブロック決勝です。都城東と聞くとちょっと古いですが平成25年度の関東大会予選の堀越戦を思い出します。

昭和第一学園は実力校桐朋や曲者錦城などが入ったブロックを勝ち上がってきました。学校の場所は立飛の駅から近く、もう少し北に行くと五日市街道に出ますね。

さて、試合の方ですが、これは両チームがお互いの持ち味を存分に出した好ゲームとなりました。

選手間の距離を開けすぎないコンパクトな陣形で守備を固める昭和第一学園に対し、都城東は大型ながらハイレベルな技術を持つエース11番の選手を軸に徹底的にパスサッカーにこだわるチームでした。

しかし、前半9分でした。昭和第一学園9番の選手のフォローの強風を生かした意表を突くロングシュートが見事に決まり、昭和第一学園が先制します。都城東にとっては虚を突かれた感じの失点でした。

ここから昭和第一学園は左サイド10番の選手とスピードのある9番の選手、そして典型的センターフォワードの11番の選手に攻撃を任せ、2番、3番(キャプテン)4番の選手を中心に守備的シフトで都城東に対抗します。

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都城東は技術力の高い個の集団による高いポゼッションと11番の選手のハイレベルなプレーで優位に進めますが、昭和第一学園の粘り強い守備になかなかシュートまで持っていけません。都城東がサイドから仕掛ける時もボール保持者への間合いを素早く詰めて簡単にクロスを上げあせず、中央がしっかり相手を捕まえる時間を稼ぎます。もちろん11番の選手のこともしっかり取り囲んでました。前半はこのまま終了、昭和第一学園としては狙い通りだったのではないでしょうか。

後半は、昭和第一学園が足を止めずに守備の集中を切らさずやり切れるか、都城東は持ち前の組織力を生かしたサッカーで強固な守備をこじ開けられるのかが見どころになります。

ゲームは後半になっても昭和第一学園の粘り強い守備は綻びを見せる気配はなく進みますが、よほど自信があるのでしょう、都城東は追う立場で後半を迎えても自分たちのサッカースタイルを愚直なまでに貫き通します。

すると54分に昭和第一学園のミスから都城東が決定的チャンスを掴みますが、シュートをゴール左に外してしまいます。これは昭和第一学園からすると正直「助かった・・・」感があったと思います。ただ、このあたりから昭和第一学園にやや疲れてきたかなと思うシーンが目立ち始めます

続く60分にも都城東はエース11番の選手のヒールパスからの惜しいミドルシュートもあり、徐々に都城東の組織サッカーが逃げる昭和第一学園をじわじわ追い込んでいきます。この時間帯は昭和第一学園にとってはかなりキツい時間帯だったと思います。実際に足をつる選手も何人か出てました。

それでも昭和第一学園リードの時間はどんどん過ぎていき、いくばくか都城東にツキもないなと感じるシーンもあったりして、昭和第一学園の逃げ切りが濃厚となっていきます。

私の手元の時計も後半39分を回ろうかというところでアディショナルタイム4分が表示され、私も正直都城東ここまでかと思いました。

しかし、後半80+1分、都城東はサイド攻撃からファーサイドへのクロスに(遠かったので見えなかったのですがたぶん10番の選手)が頭を一振り、見事なヘッドで同点ゴールを奪います。昭和第一学園DFは最後の最後に自陣中央ゴール前で相手を捕まえ損ねてしまいました。

戦いはこのまま延長戦へ突入、両軍必死に決めにかかりますが、エネルギーの残量は自分たちのスタイルを貫き通す都城東にやや分があったのでしょう、延長前半6分にこの試合4本目の右CKから8番の選手が押し込んで都城東が逆転、このまま押し切って都城東がアディショナルタイムの起死回生同点ヘッド弾からの逆転勝利を収めました。

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足をつってピッチ外に出る選手が昭和第一学園の方に出てましたので、前半から守備に費やした走量は相当のものだったのだと思います。でも本当によくがんばりました。シャツ、パンツ、ストッキング全て緑一色の単色ユニはすごくカッコよく、また背中に「蹴球」と書かれたTシャツを着た健気な働きぶりの女子マネージャーさんと貫録あるサングラスの指導者の方のコントラストがいい絵になっている楽しそうなチームですね。ひと夏超えた選手権予選、期待しています!

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2018年5月 6日 (日)

2018ゴールデンウィーク最終日

大型連休最終日はゴルフに行ってきました。千葉カントリークラブ川間コースです。

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連れて行っていただいた兄貴に言われるがままバックティからやったんですが、当然ながらスコアはトホホな感じでした。が、後半の南コース最終ホール(Par5)では一か八かの時に必ず出てくる私の相棒「YAMAHA INPRES UD+2 FW #5(通称:立川国際の出てこいシャザーン)」が炸裂、パーでまとまって終わりよければすべて良しとなりました。

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夏を思わせる暑い一日でしたが、すごく気持ち良かったです。

明日からまたTIME IS MONEY!の精神で時間を無駄にせずにガンガン働きます。

2018年5月 5日 (土)

井の頭公園

今朝、いつもどおりの時間に起きましたが完全OFFでオフィスに行かないので、一人で井の頭公園を散策しました。

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カイツブリがキリリキリリと鳴きながら泳いでました。泳ぎはかなり上手い。この鳥は潜水のプロです。知らなかったんですが琵琶湖がある滋賀県の県鳥らしいです。

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吉祥寺はいい街です。住宅街としての視点、繁華街としての視点、観光地としての視点などなど複数の視点で見てみると面白いです。

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昨年から今年にかけてのかいぼりで水はすごく綺麗になってました。ただ、魚は全く見えなかったのですが、保護されている在来種の戻し入れがこれからだからなのでしょうか。

2018年5月 4日 (金)

おやじサッカー夏のカップ戦

Kumazemi Report 2018-05-04
おやじサッカー夏のカップ戦
多摩方面の陸上競技場(快晴)
スーパーマン組   vs   バットマン組
0
0 前半 1
0 後半 1
2

GW後半5月6日に、私の所属するおやじサッカー(40歳以上と50歳以上の混合チーム)リーグ開催の夏のカップ戦がありました。

昨年末のに左大腿部を肉離れして以来の実戦となりましたので、左足は足首から太もも付け根まで黒のサポータでがっちり固めての出場となりました。

ちなみに私に愛用スパイクはasicsインジェクター2002復刻版です。

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しかし、久しぶりの私はケガこそしなかったので良かったですが、あまり見せ場も作れず、そして試合も負け、残念な結果でした。

でもそのあと、敗北を喫した対戦チームの皆さんと一緒にBBQをやってとても楽しい一日になりました。

やっぱり練習してないとダメですね。もはや十代二十代にガチでしこたまサッカーした貯金は使い果たしてます。年々衰える走力、跳躍力、筋持久力、肺活量に抗う力は残っておりません。

とはいえトータル50分前後プレーすることができたので、これをきっかけに少しトレーニング始めて、リーグ戦でもう少し活躍できるように頑張ってみようと思います。

やっぱりサッカーは楽しいです。

2018年4月29日 (日)

中大杉並vs佼成学園

Kumazemi Report 2018-04-29
平成30年度総体支部予選1回戦
都石神井高校(晴)
中大杉並   vs   佼成学園
2
1 前半 0
1 後半 0
0

平成30年度総体南支部予選@石神井高校です。両校とも昨年度は都大会出場はありませんでしたが、5地区では力のある学校と認知されているチーム同士の戦いになりました。

新人戦5地区トーナメントでは、中大杉並が日大二、早大学院、都鷺宮に勝って8強まで行ってますので、私としましては新入生の加入はあったものの現時点でのチーム力は少し中大杉並の方が上かなという見方でした。

中大杉並のキックオフで始まったこのゲーム、大型FW16を擁して8番の選手と22番の選手が攻撃を組み立てる中大杉並に対して、テクニシャンの10番とストロングタイプのFW11番の選手で速攻スタイルで主導権を握りたいのが佼成学園という感じでした。

両軍コンパクトな陣形を作りますが、流れは序盤から風上の中大杉並が掴み、動きが速くてドリブルの上手い22番の選手がチャンスメークをしていきます。私はこの中大杉並22番の選手を「中杉のサビオラ」と命名させていただきました。

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すると前半11分、中大杉並は流れるような展開から左サイドにフリーで張っていた7番の選手に決定的なチャンスが生まれますが、これは決めきれませんでした。

続く前半17分、またも左サイド7番の選手が供給したロビング気味のボールに確か11番の選手が合わせて流し込み、中大杉並が先制します。

強風下の風下ということもあって、ストロングスタイル11番の選手を生かしきれない佼成学園は辛抱の時間が続きます。ところが、29分、この11番の選手が一瞬空いたところを見逃さずに右足一閃、ミドルシュートを放ちます。何とか中大杉並GKが指先で触ってボールをバーの上へ逸らしましたが、触ってなければ間違いなく入ってました。ここで11番の選手がストロングなところを見せ、中大杉並は肝を冷やすことになります。しかし、前半はこのまま中大杉並リードで終了しました。

後半、風上に立った佼成学園はハーフタイムに6番の選手を投入、勝負に出ます。しかし、始まってすぐ1分後、中央突破を図った中大杉並は出ましたサビオラ22番の選手が巧みな個人技とスピードで佼成学園DFを振り切って左足でシュート、GKが体で止めに入ったもののボールはゴールに吸い込まれ2-0となります。

痛い時間帯の追加点献上となってしまった佼成学園ですが、個の力はあるもののなかなか連動がはまらず、苦しい展開が続きます。強風下の土のグランドということもあったとは思いますが、みんなして浮き球を処理しなければならない場面が多く、なかなかいいタイミングで足下に入ってこない11番の選手にとっては不運な感じがしました。

この後両軍ベンチが動いて次々に選手交代を実行、逃げ切りを図る中大杉並と何とか1点返したい佼成学園のせめぎ合いが続きましたが、ゲームはこのまま終了、中大杉並が勝利しました。

佼成学園は俊足DF5番の選手がサイドを突破して上がって行ったり、サイド攻撃からGKと交錯しながらも決定的チャンスを作ったりと後半の後半からいい流れになってきていたので、もう少し早くこれが出てきてたらまた違った展開になっていたかなと思いました。

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10番の選手は本当に上手ですし、繰り返しますがFW11番の選手は強烈ですので、夏に向けて面白いチームになるのではないでしょうか。

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2018年4月28日 (土)

関東第一vs都狛江

Kumazemi Report 2018-04-28
関東大会予選東京都大会
駒沢第二球技場(晴)
関東第一   vs   都狛江
1
1 前半 0
0 後半 0
0

関東大会東京予選の準決勝です。夏日となった快晴の駒沢第二球技場には多くのファンが来場しました。

すでに東京の高校サッカーの「顔」となっている横綱関東第一に実力都立高が挑みました。都狛江は昨年度総体予選では支部予選決勝で国士舘に勝って都大会一次トーナメントに進出、選手権予選では都大会2回戦まで進んで都東久留米総合に惜敗と力のあるチームです。

都狛江のキックオフで始まったこの試合、個々の力で優位に立ち強力FWを擁する関東第一に対して、都狛江はマークを外さないようにマンツーマンに近い布陣で臨みました。序盤は静かな立ち上がりで、マークがきついので関東第一は中⇒外⇒中⇒外と揺さぶりながら攻撃を組み立てているように見えました。

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それでも都狛江はこの準決勝までの道のりで東海大菅生、駒込、大成相手に無失点で勝ち上がってきているだけあって、さすがに守備の固いチームだなというのがよくわかりました。特に関東第一の9番の選手には5番の選手ががっちり張り付くなど、厳しいマンマークに関東第一も攻めあぐねる時間が長くなっていきます。

しかし、関東第一はほとんど足下見ないできょろきょろしながら速く正確にプレーし、しかもピッチを所狭しと動き回るキャプテン10番の選手がゲームを演出します。このレベルになれば当たりまえかもしれませんが関東第一のクロスはボールスピードや高さがいかなる状況でも正確なので、都狛江が一瞬でも中で捕まえきれずにフリーにしたら早々と失点していたでしょう。それでも都狛江は守りのチームらしく、決して自由にはやらせませんでした。前半何本かあった関東第一のセットプレーは、マークがきついゴール前を避けるためかファーサイドに蹴りこむ場面が多かったです。

成功確率が低いプレーは選択せず、サイドを使ってじわじわ崩しにかかっていた関東第一でしたが、前半37分、都狛江の自陣内遠めのFKからのボールを奪った関東第一はボールを受けた8番の選手が左サイドをドリブルで激走、そのまま一気に都狛江陣内深いところまで突破してシュート、ボールは都狛江ゴール右隅に決まって関東第一が先制します。綻びを見せない組織的守備の都狛江に対して守備陣形が整わないところを一気に狙っての得点でした。これは見事というほかなかったです。対する都狛江は戦略的にも非常に痛い時間帯の失点となりました。これにより都狛江の後半は、前半0-0の作戦は崩れて1点ビハインドの戦術に切り替えなければならなくなりました。

ハーフタイムに両校1名ずつ選手を替えてきた後半ですが、やはり都狛江がアグレッシブに行きます。50分には関東第一が決定的チャンスを作りますが神ががったプレーでセーブし、まだ都狛江に流れがあるなと思いました。できれば流れがあるうちに多くのチャンスを作りたい都狛江ですが、関東第一も守りは固く、特に一人ひとり個の守備意識は高くて相手が一瞬でもプレーの選択に迷いが出たと見るや一気に間合いを詰めてミスを誘発させます。ボール保持者は次のプレー、いや次の次のプレーまでイメージしてないとあっという間にボールを奪われてしまいます。また、トラップする際に相手の重心がかかっていない方に収めるとかアーリーヒットでプレー空間を瞬時に確保するとか、何を今さら言ってんのあんたは素人か、と言われそうですが関東第一は全部できてました。

ゲームはこのまま1対0で関東第一が勝利、決勝に進みました。敗れたとはいえ、強豪相手に失点しないサッカーを追及する都狛江はすばらしい結果を残しました。これまでやってきたことは間違いではなかったことが証明されました。都狛江の「組織的守備力」と関東第一の「個の守備」の競演は、サッカーにおける守備ということをあらためて考えさせられたゲームでした。

※13番の選手が創った都狛江の最後の最後の決定的チャンス、惜しかった!これ決まってたら結果はわからなかったね!

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kumazemi's favorite players 2018:都狛江の13番

Kumzeminame

2018年1月 8日 (月)

前橋育英vs米子北

Kumazemi Report 2018-01-05
第96回全国高校選手権準々決勝
駒沢陸上競技場(曇)
前橋育英   vs   米子北
3
2 前半 0
1 後半 0
0

第96回全国高校サッカー選手権準々決勝、駒沢陸上競技場会場の第2試合です。悲願の初優勝を狙う前橋育英に米子北が挑みました。

米子北と言えば鹿島アントラーズ昌子選手の母校として有名で、山陰屈指の強豪校です。インターハイでは初戦で富山第一に惜敗しましたが、今回の8強進出はプレミアWESTで戦ってきた実力通りの結果です。

対する前橋育英ですが、こちらは説明不要の全国トップクラスの実力を持つ名門校です。ちなみにインターハイは流経大柏に0対1で敗れての4強でした。いかなる組み合わせであろうと足下すくわれることなく勝ち上がってくる最強軍団です。

前橋育英のキックオフで始まったこの試合、静かな立ち上がりなものの正確な技術から繰り出されるパスワークで前橋育英が主導権を握ります。とにかくキープ力がずば抜けていてボールを失わないのです。一方で米子北も決して深追いせず、無理しない感じでゲームが進んでいきます。

この流れの中、前半21分右CKをファーで落としたところを3番の選手がダイレクトで蹴り込み前橋育英が先制します。ポゼッションは前橋育英が優位だったもののゲームの流れ的には悪くなかった米子北にとって、このセットプレーのよる失点は痛かったです。できれば前半は0対0で行きたかったです。

と言いますのも、本大会ベスト8が出揃った3回戦終了時点の全40試合のうち、実に35試合で先制点を奪った方が勝っています(PK戦含む)。先制されての逆転勝利はわずか5試合しかないのです。これだけ全国から強豪が集まる一発勝負は先制点が極めて重要ということなのです。

そして続く前半27分、左サイドの突破から低くて速いボールにニアで22番の選手が合わせて前橋育英が追加点を奪います。このあたりから米子北は前橋育英陣内に攻め入ることもなかなかできなくなり、苦しい展開になります。

私も今から10年近く前に小学生クラブの指導者やってたことがあるのですが、このような展開になった時に劣勢を強いられたチームの指導者は何をどうしたらよいのか、今もっても解を持たずにいます。

前半はこのまま2対0で前橋育英リードで終わります。

ハーフタイムに交代枠を使用した米子北でしたが、後半に入っても高い技術に裏打ちされたリズムの変わらないじっくり攻撃で前橋育英優位でゲームは進みます。その前橋育英もベンチが動き、64分に8番の選手に代えて13番の選手を投入します。

すると68分、交代で入ったフィジカル強そうな13番の選手が、米子北DFの寄せをもろともせずに左足を振りぬいて3点目をゲット、ベンチワークも見事にはまって3対0となりこれでほぼ勝負アリとなりました。

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結果的に横綱が横綱相撲で完勝した形になりましたが、米子北の8強進出も鳥取県の高校サッカーに新たな歴史を刻んだことを忘れてはいけません。これから山口、鳥取、島根のチームはどんどん強くなっていくものと思います。

2018年1月 7日 (日)

上田西vs明秀日立

Kumazemi Report 2018-01-05
第96回全国高校選手権準々決勝
駒沢陸上競技場(曇)
上田西   vs   明秀日立
3
2 前半 1
1 後半 1
2

第96回全国高校サッカー選手権準々決勝、駒沢陸上競技場会場の第1試合です。堅守明秀日立対速攻上田西の対決となりました。

県予選を無失点で勝ち上がり、本大会でも堅守を発揮している明秀日立と長野県勢として久しぶりの上位進出を果たした上田西の対戦です。

茨城というと80年代世代は古河一か水戸商かとなるわけですが、茨城含め現在の関東全域はその時とは大きく勢力図が変わりました。東京では帝京が第88回大会(2009年度)から、埼玉では武南が第85回大会(2006年度)を最後に本大会から遠ざかっております。そんな中、2000年代に入って県大会で優勝、準優勝、4強は多く経験している上田西は長野では強豪です。しかし、このような上田西も80年代90年代は県大会上位に進出できず苦しい時代を経験しているのでしょう。

試合は明秀日立のキックオフで始まります。上田西はボールを奪ったら手数をかけないで前線9番か10番の選手に送り、そこから攻撃を組み立てます。対する明秀日立は攻守のかなめである10番の選手を起点に27番の選手をからめたアグレッシブな攻撃を展開します。

すると前半12分でした。二本目の左CKを上田西DFのヘッドのクリアが流れてしまったところを10番の選手が蹴りこみ、明秀日立が先制します。10分過ぎという時間帯も決めた選手が10番ということで明秀日立にとっては願ってもない展開になります。

しかし前半13分、上田西9番の選手が左サイドをドリブル突破したチャンスにペナルティエリア内で明秀日立の選手が不用意なファウルで倒してしまい、上田西がPKを獲得、これを2番の選手が落ち着いて決めて試合は振り出しに戻ります。

これはあくまでも私の主観ですが、これが今日の試合のポイントの一つになったような気がします。というのも、結果的に明秀日立側にイエローカードが3枚(上田西はゼロ)出たことでもわかるように、やや明秀日立にファウルが多く、このいったん途切れて相手ボールでリスタートするファウルが明秀日立の堅守リズムを崩してしまったのではないかと感じたからです。

そして前半21分、上田西の左CKのチャンスに6番の選手がニアに低く蹴りこんだところにDF2番の選手が突っ込み、ここに明秀日立DF2人が引っ張り込まれたのですが、意表をついてボールは誰にも触れることなくそのまま明秀日立ゴールに吸い込まれ、上田西が逆転に成功します。ニアサイドを2人のDFがケアしていたので、中央からファーサイドでキャッチングかパンチングの準備をしていたGKは全く反応できませんでした。これは無理もありません。およそゴールインするとは思えないプレーが逆転ゴールに繋がるわけですから、この時間帯の流れは上田西にあったと言ってよいでしょう。

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それでも明秀日立が上田西の攻撃をファウルで止めるシーンがやや目立つのは気になりました。上田西のシンプルかつ速くタテに入れるサッカーがやりづらかったからかもしれません。

前半はこのまま上田西1点リードで折り返します。そしてハーフタイムでは両軍指揮官が動き、選手を入れ替えてきます。

その後半開始直後の41分、左サイドからのロングスローをバックヘッドでゴール前へ流し、ここに3番の選手がダイレクトで合わせて上田西が3点目を奪います。このコーナーキックと同じくらいの威力を持つロングスロー+バックヘッド攻撃ですが、これ上田西は相当練習している技だなと私は見ました。

徐々に攻守の要である10番の選手にもいい形でボールが収まる機会が少なってきた明秀日立は、先制したもののひっくり返されて2点ビハインドになったことでかなり苦しくなります。

このあたりから両軍選手交代を入れてゲームの流れの奪い合いを演じますが、これが吉とでたのは明秀日立でした。50分、奪ったボールを上田西のお株を奪う速いタテ展開で中央へ、そこでDF引きつけておいて左に流れた27番の選手に見事なパス、受けた27番の選手はもう自分が決めてやると言わんばかりに1対1を仕掛けて見事に突破、左足の振り抜いてゴールを決めます。これで1点差となりゲームはわからなくなります。

これで息を吹き返した明秀日立は球離れも良くなって速い攻撃を仕掛けていきます。57分には11番の選手に変えて9番の選手を投入します。このあたりからボールを持つと何かが起きそうな気がする明秀日立27番の選手に私の眼はクギづけになりました。

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しかし対する上田西も攻撃こそ最大の防御と決して引いて守るわけでもなく攻め込みます。確か後半にCKが4本あったと思いますが、これは攻撃したら何とかシュートで終わらせる姿勢の表れとも言え、この上田西の粘り強い攻撃スタイルは特筆すべき点だと思います。

ゲームの方は堅守明秀日立と流れをうまく掴んで真っ向勝負した上田西に軍配が上がりました。上田西の準決勝進出は長野県勢初の快挙ということです。

対する明秀日立はいつもの本調子ではなかったかもしれません。正直堅守の明秀日立が前半で2失点喫するとは予想していませんでした。しかしこれも高校サッカーです。

翌7日準決勝、上田西は横綱前橋育英に果敢に挑みましたが、残念ながら敗れてしまいました。でもベスト4は立派です。また一つ今後も注目すべき高校が信州から出現しました。

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2017年8月17日 (木)

都豊島vs杉並学院

Kumazemi Report 2017-08-17
第93回全国選手権東京大会1次ブロック戦
駒沢補助競技場(曇)
都豊島   vs   杉並学院
1
1 前半 0
0 後半 0
0

選手権一次予選、8月17日駒沢補助競技場です。

両校ともインターハイは支部予選で敗退(都豊島は支部決勝で対都城東に0対2、杉並学院は初戦桜美林に1対1からPKで敗退)していて、この選手権では是が非でも都大会出場を果たしたいと臨んだ1回戦です。

両校とも試合前のアップからこの大事な初戦に向けての気合いが感じられましたが、特に杉並学院はことのほか入念にアップしていました。杉並学院は昨年の選手権で都大会出場を果たし、初戦で敗れたものの都立の強豪日野台に最後まで食い下がった実績があります。対する都豊島も一次予選決勝で都国立に惜敗して都大会に行けなかったものの、その都国立は都大会初戦を突破し都東久留米総合に敗れたものの善戦していましたので、こちらもその実力は推して知るべしです。

試合は杉並学院のキックオフで静かに始まりましたが、こういう初戦はゲームへの入りがとても重要なのですが、開始早々杉並学院が不用意なファウルで都豊島にFKを与えてしまいます。このFKから都豊島がCKをゲットしますが、この一発目の右CKをニアで合わせて都豊島があっという間に先制します。

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先ほど申しました通り初戦は入りがとても大事なのですが、落ち着く前の開始早々に失点してしまった杉並学院はまず追いつくために運動量増やして攻撃的に行かざるを得なくなります。精神的にも優位に立った都豊島は慌てず無理せず守備のバランスを崩さないようにゲームを進めます。

杉並学院は小柄ながら運動量も豊富でスピードがあってドリブルの上手い10番や12番の選手がサイドから仕掛けていきます。中央の守備が堅い都豊島相手にチャンスを作るには、このサイド攻撃は有効ではないかと思いました。それにしても杉並学院10番の選手は非常に面白いプレーヤーで、ぜひ上のカテゴリーでも挑戦して欲しいなと思いました。

20分を過ぎても杉並学院のいい攻撃のリズムは続いて都豊島はやや守勢に回りますが、とにかく守備が堅固で決定機をほとんど作らせません。外野から見てると攻めあぐねているように見えるのですが、これは都豊島のディフェンスのなせる技なのでしょう。相当守備の練習に時間を費やしてきているなと感じました。

前半はこのまま都豊島が1点リードで終了します。ポゼッションでいうなら60%対40%くらいで杉並学院だったのではないかと思います。

後半に入っても杉並学院の10番と12番が織りなすドリブル突破攻撃は機能するのですが、とにかく都豊島のバイタルエリアからペナルティエリアにかけての中央の守備は本当に見事で、杉並学院は良い形でシュートを打てず、このプロセスは良いが結果につながらない流れに焦燥感が増していきます。

このような展開の中、杉並学院ベンチが動きます。少し疲労が見えていた12番の選手に替えて11番の選手を投入、流れを変えて1点を取りに行きます。この11番の選手はピッチに投入されるや否や積極的にボールに絡み、時折見せるドリブルは前へ前へという気持ちを感じさせるものでした。

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しかし、都豊島も60分前後からベンチの指示もあったか出足が良くなり、杉並学院へのボール奪取のアグレッシブさが戻ってきます。杉並学院も68分に3番の選手に替えて19番の選手を投入、攻撃の枚数を増やしますが、都豊島も34分に7番の選手に替えて11番の選手を投入、杉並学院はさらに大詰め80分過ぎのアディショナルタイムになっても13番の大柄な選手を投入、逃げきりを図る都豊島に対して杉並学院はあきらめない姿勢を見せます。

しかし、アデョイショナルタイムを3分超とったところでゲーム終了のホイッスル、開始早々にセットプレーであげた1点を守り切った都豊島が初戦を突破しました。

敗れたものの高速ドリブラーを複数枚持ち、技術の高い守護神GKを擁した杉並学院も今後楽しみなチームです。試合終了後に応援席への挨拶が聞こえましたが、顧問の先生と外部指導者がタッグを組んで教育の視点を失わずに多感な高校生を目標に向かて誘導する苦労が滲み出ておりました。

久しぶりに取材しましたが、カメラが重く感じられ、かなり腕の筋力が低下していることがわかりました。鉄アレイでもうひと頑張します。

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2017年1月 3日 (火)

正智深谷vs関東第一

Kumazemi Report 2017-01-02
第95回全国高校選手権2回戦
浦和駒場スタジアム(晴)
正智深谷   vs   関東第一
2
0 前半 1
2 後半 0
1

あけましておめでとうございます。私kumazemi、御年52になります。再び(無理しない程度に)動き出しますので、皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

快晴の浦和駒場スタジアム、地元埼玉代表の正智深谷が登場で2階席もオープンにしてファンを出迎えます。両校2階応援席にも応援の横断幕や巨大ユニフォームが展開され、関東の強豪校同士の対決はキックオフ前から大いに盛り上がっていきました。

正智深谷キックオフで始まったこのゲーム、序盤は正智深谷の相手の出方を窺うようなゲームの入りに、関東第一は得意のポゼッションサッカーで優位に展開していきます。

関東第一は13番、8番、10番の選手が織りなす中盤のゲームコントロールに、16番と6番の選手がサイドから起点づくりを狙う組み立てです。

そんな中、いきなり観客席がどよめくプレーが生まれます。前半8分、関東第一の最初のCKのチャンスに、ショートコーナーからゴール前の攻防に移ろうとした瞬間、ペナルティエリアで正智深谷の選手にハンドの判定、関東第一がPKを得ます。これをいったんGKが弾きますが、こぼれ球を11番の選手に押し込み、関東第一が先制します。

先制された正智深谷ですが、なかなかエンジンがかからず、関東第一の速い中盤でのチェックもあって攻撃の糸口を見いだせず、正智深谷にとってはかなり苦しい展開になります。何とかサイド6番の選手を生かした攻撃を仕掛けたい正智深谷ですが、統率されたDFラインとアタックするか否かの判断が的確な関東第一守備陣を突破することができません。

ただ、先制した関東第一ですが、ゲームは支配するものの、それほど多くの決定機を作れたわけではなく、関東第一の実力からすれば、リードしているものの攻めあぐねている展開だったとも言えると思います。

そんな中で25分、正智深谷の17番の選手が関東第一13番の選手の顔付近に足を上げる危険なプレーをしてしまい、一発レッドカードとなります。ただでさえ押し込まれていた正智深谷は10人での戦いを余儀なくされ、さらに追い込まれていきます。この場面では孤立する正智深谷11番の選手の苦しそうな表情が印象的でした。

前半は圧倒的に関東第一優位のまま1対0で折り返します。正智深谷にはシュートらしいシュートはほとんどないまま前半は終わりました。

しかし、後半は正智深谷がアタマから2番の選手に代えて25番の選手を投入、流れを引き寄せにかかります。正智深谷は徐々にリズムを掴みながらCKを得るなど、前半より攻守がアグレッシヴになっていきます。

対してリードする関東第一は玄人を唸らせるようなポゼッションサッカーで前掛かりになる正智深谷をいなすように巧みなパスワークで翻弄します。ここで関東第一はベンチが動き、49分に23番の選手を、56分に27番の選手を投入します。この直後の65分には左CKから怒涛の二次三次攻撃を仕掛け、正直流れ的にこのまま関東第一の逃げ切りだなと思いました。

あと、私はここまでの展開を見て、何を今さらですが、そう簡単にはボールを失わない個のスキルというものがどれほど重要かというものも感じた次第です。

74分には関東第一が15番の選手を投入、対する正智深谷も75分に20番の選手を投入と両校ベンチワークも慌ただしくなってきます。圧倒的にボールを支配してこのまま逃げ切りを図る関東第一に対して、1人少ないがゆえにやや一か八か的な側面もありながらも必死に同点機を狙う正智深谷、という展開の中、79分に正智深谷が右CKのチャンスを得ます。

ここでドラマが生まれます。CKからのボールをヘッドでつないだことで生まれたゴール前の混戦から、正智深谷4番の選手が見事に右上を狙い澄ましたインサイドキックのシュートで1対1の同点となります。あと1~2分で関東第一が勝利を手にするという状況の中、まさしく偶然生まれたワンチャンスをモノして追いつくという、これこそサッカーの怖さともいうべきシーンでした。

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一度は敗戦を受け入れたであろう正智深谷はもはや怖いものなしとなった勢いでさらにアグレッシヴに攻撃します。ここで40分+2分、つまりアディショナルタイムの中で、正智深谷は関東第一の選手のハンドの反則からPKを得、これを10番の選手が決めて2対1と逆転します。

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試合はラスト5分の大逆転劇で正智深谷が2対1で勝利、3回戦へコマを進めました。

サッカーは何が起こるかわからない、勝負は下駄をはくまでわからない、とはよく言いますが、まさしくこの言葉どおりの展開でした。

正直申しまして、今日のゲームを観る限りでは力は関東第一の方が上回っていたのではないかと思います。80分のうち正智深谷は埼玉大会を制したチーム力をほとんど発揮することはできていませんでした。

しかし、「流れ」を失わないよううまくこれに乗り、ほとんど数えるくらいしかなかったチャンスのうち2回を得点に結び付けました。

敗れた関東第一ですが、2回戦止まりは本当に残念なもっともっと見たかったチームです。テクニック、戦術眼に優れたすばらしいチームでした。ただ、これはあくまでも私の観た感想ですが、もっと激しく厳しくギリギリを冒してでも相手ゴール前に迫る迫力があったら、今日の正智深谷の調子であれば3点くらい取れていたのではないでしょうか。

上手くて強いチームが必ず勝つわけではないのが選手権ですが、今日のような終盤の大逆転劇というのは観る者の心を打ちますね。これが選手権なんです。

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2015年9月21日 (月)

都日野台vs大成

Kumazemi Report 2015-09-19
第94回選手権東京都大会Bブロック2回戦
駒沢第二球技場(晴)
都日野台   vs   大成
4
2 前半 1
1 後半 2
0 延前 0
1 延後 1
4
5 PK 3

秋の強い日差しと心地よい風に包まれた駒沢第2球技場にて、日野台と大成の都大会2回戦が行われました。

試合開始後の激しいボールの奪い合いと思いきや、大成は左サイドから持ち込むと相手DFライン裏へのパスに中央から走り込んだ大成9番の選手がこれに合わせて先制点をあっという間に奪います。さらに前半3分には大成3番から5番へ出したラストパスをそのままシュート態勢に持ち込みますが、これは惜しくもオフサイド。このように俄然、立ち上がりは大成ペースで幕を開けました。

前半7分、これまでペースを掴みきれないでいた日野台がカウンター気味に攻撃を仕掛け、右サイドから18番の選手が中央へ切れ込むと、ペナルティエリア付近で10番の選手へ繋ぎ、ここから相手DFを交わしてシュートを決めて日野台が同点に追いつきます。 続く前半14分にもゴール前の競り合いから大成DFがこぼしたボールにきっちり反応した日野台が冷静に蹴り込んで瞬く間に逆転します。

このように前半は、流れは大成なのですが、日野台の固い守備になかなか決め手を作る事が出来ないところを、チャンスを確実に日野台が決めていくという展開になりました。前半30分には大成7番の選手が左サイドから早いパスワークで日野台DFを抜き去り中央5番の選手へラストパスを通してシュートにつなげますが、ボールはゴールマウス左へ逸れてしまいます。前半はこのまま日野台の1点リードで後半へ折り返しとなりました。

後半の立ち上がりは膠着状態が続きます。そして後半15分、大成が同点ゴールを叩き込み試合を振り出しに戻すと、ここから試合は一気に白熱していきます。

後半20分を経過すると日野台の運動量が少し落ちはじめますが、選手の気持ちはまったく切れません。対する大成は前半から反復してきた相手の裏を取る戦術を繰り返し、後半26分には相手DFの裏へ走り込んだ大成18番の選手シュートに持ち込みますが、これは日野台GKのファインセーブに阻まれます。

後半33分には。今度は日野台11番の選手がゴール前で相手GKのこぼしたボールを無人となったゴールへ落ち着いて流し込み逆転に成功します。

Img_2877このまま試合は終了かと思われたアディショナルタイム4分、ラストプレーとなった大成のFKのチャンスに6番の選手がゴール右隅に突き刺さる起死回生の同点シュートを決め、試合は延長戦へ突入します。

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延長戦では延長後半1分に大成14番の選手がペナルティエリア左からシュートを決めて再びリードとするも、延長後半8分に今度は日野台11番がゴール前へ走り込んで相手GKを交わして同点弾を決め、同点に追いつきます。

これを死闘と言わずに何と表現すればいいのでしょうか。しかし、両校の凄まじい攻防もこの後にゴールは生まれず4対4のまま遂にタイムアップ、運命のPK戦となります。結果、そのPK戦は日野台に勝利の女神が微笑むこととなりました。

後半の疲労蓄積が目立ち始めた頃から日野台GKの神がかったファインセーブの連発に大成はやや流れを掴み損ねた感がありましたが、両者の技術、走力、精神力が激しくぶつかり合った試合は大変見ごたえのある2回戦となりました。

取材:ぬまちちぶ

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2015年9月20日 (日)

関東第一vs創価

Kumazemi Report 2015-09-20
第94回選手権東京都大会Aブロック2回戦
駒沢第二球技場(晴)
関東第一   vs   創価
3
0 前半 0
3 後半 0
0

昨日19日から2回戦が始まり、きょう20日は横綱関東第一の登場です。この横綱に挑戦するの一次予選無失点の古豪創価です。長きにわたって高校サッカーを観てる方には創価と言えば朝岡兄弟ということになりますね。

さて、試合の方は静かな立ち上がりだったものの開始3分で2回のCKを得るなど、関東第一優勢で進みます。対する創価は徹底した守備陣形を採り、カウンター攻撃に活路を見出す戦術です。トーナメントにおけるこのような戦い方は正攻法とも言え、そこを実力に勝るチームはどう攻略して得点するかもサッカーの見どころです(しばしば東南アジアのチームに苦戦する日本代表にも同じこと言え、このままだと代表戦の視聴率は下がります)。ここを関東第一はさすが横綱、全員守備でマークをずらさずスペースを与えてくれない相手に、強引なプレーや無理強いせずにボールを動かし、じわじわチャンスを窺います。

私もサッカーやってたのでわかるのですが、本来ゴールを奪うスポーツであるサッカーにおいてあまりにも守ってる時間が長いと精神的疲労度は倍増します。しかし創価は組み合わせが決まってからこの一戦に向けて相当トレーニングを積んできたのでしょう、そんな疲れは感じさせずに約束事をやり抜き、セットプレー含めて危ない場面はあったものの前半折り返し無失点を完遂します。特に関東第一攻撃のポイントである左サイド7番の選手に決定的な仕事をさせませんでした。

後半は、創価がこの戦術を最後までやり切れるのか、関東第一がどういう戦術で打開を図りに来るのかが見どころになります。 後半の関東第一は、開始早々1分、2分、3分と立て続けにCKを獲得、9分と10分にも連続でCKを得ますが、ここは創価がしのぎます。関東第一の前線の選手はあまりぐるぐる動くタイプではなく、ペナルティエリア付近でボール受けては一瞬でゴールハンターと化すというような感じを受けました。 このような流れの中の関東第一後半6発目のCKでした。これをニアサイドに合わせ、そこに飛び込んできた7番の選手がヘッドで流し込み、ついに均衡が破れます。

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ここまで中盤で深追いせず、カバーリングも徹底してスペースを与えない戦術を貫いてきた創価でしたが、この戦術が機能しないセットプレーでやられてしまいました。しかも、前半注意に注意を重ねていい仕事をさせてこなかった7番の選手に決められてしまったのが痛かったです。 これで吹っ切れたか関東第一の動きはよりリズミカルになり、後半21分には右からのセンタリングにややファーサイドでボールの処理がルーズになったところを7番の選手が拾ってシュートを決め2対0、後半27分には創価ゴール前中央から11番の選手が抜けだして落ち着いて決めて3点目が入り、勝負が決しました。

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いくら横綱とはいえ、選手権予選初戦かつ相手は金星狙って捨て身で向かってくる中、多少は硬くなったり焦ったりするものですが全く動じませんでした。さすがインターハイ4強です。今日の試合でもけが人はでなかったようですし、良いコンディション維持して全国制覇目指してがんばってください。

敗れた創価ですが、今日の展開で相手にそこそこの数のCKを献上してしまうのは仕方ありません。ただ、連続でくらい、かつ横綱がショートコーナーにファーサイド、ニアサイドと毎回変化をつけ出してきたところでの失点でしたので、守備陣に微妙な迷いが生じたのかもしれません。 これで代が変わって新人戦が始まりますね。またいいチーム作って都大会に出てきてください。

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2015年9月14日 (月)

暁星vs都狛江

Kumazemi Report 2015-09-13
第94回選手権東京都大会Bブロック1回戦
早大東伏見グランド(曇)
暁星   vs   都狛江
2
0 前半 0
2 後半 0
0

都小松川vs学芸大附属の前に行われた試合です。後半からの観戦となりましたので少しだけ記事を書きます。この試合は総体都大会8強の暁星が一次予選を無失点で勝ち上がった都狛江を迎え撃つという試合でした。

私が到着したのは後半の初めの方でしたが、この時点では0対0でした。私が見た感じでもスコア通りほぼ互角の展開、というより都狛江の圧力の方が少し強く感じるくらいでした。

しかし、名門はそう簡単には決定機を作らせず、ボクシングで言うところの防御をしっかりして打たせておいて一発を狙うような感もありました。

すると観戦始めて10分が経過したころ、暁星はピッチをワイドに使った揺さぶりから左に展開、受けた選手がこのサイドをゴールに向かって一気にドリブル突破を試みますが、都狛江GKが前に出るのを一瞬躊躇したように見えた瞬間に追っていた都狛江DFが痛恨のファウル、暁星がPKを獲得します。私があまり無責任なことは申し上げると怒られるかもしれませんが、あの場面での都狛江DFの選手のとっさの判断は仕方がなかったと思います。

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暁星はこのPKを9番の選手がきっちり決め、均衡を破ります。

この得点のあとの暁星の選手の喜びようを見て、ここまで都狛江に相当苦しめられていたんだなと思いました。 しかし、ゲームの方はこの直後にも8番の選手が突き放す2点目を決めた暁星が最後は底力を見せて都狛江を振り切りました。

名門相手に終盤まで互角の戦いを演じた都狛江の奮闘には私は大きな拍手を送りたいです。

他会場では都三鷹中等教育や修徳が敗れる中、Bブロックででは今日勝った暁星が次戦で早くも國學院久我山と当たります。その他に帝京vs東海大菅生や駿台学園vs東京朝鮮といった準々決勝準決勝なみのカードもありますので、お時間ある方ぜひ会場に足を運んでください。

なお。くれぐれも直にグラウンドで観戦できる会場では、前に出すぎて副審の邪魔をすることのないようご配慮お願い申し上げます。

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2015年9月13日 (日)

都小松川vs学芸大附

Kumazemi Report 2015-09-13
第94回選手権東京都大会Aブロック1回戦
早大東伏見グランド(曇)
都小松川   vs   学芸大附
6
2 前半 1
4 後半 1
2

第94回全国選手権の都大会が始まりました。私はこのブログの原点とも言える早大東伏見グラウンドに行ってまいりました。

Img_4770_4都小松川の中盤の選手たちは非常に技術力が高く、正確なボールコントロールにダイレクトプレーを多用する攻撃を仕掛け、対する学芸大附属は異次元のプレーで次々とチャンスを創る10番の選手を中心に攻撃を組み立てます。

前半の私は学芸大附属のスピードのある8番の選手の再度の突破と都小松川は運動量豊富な左サイド6番の選手をマークしながら観戦していました。

このような中、前半18分、ペナルティエリアすぐ左外でFKを得た都小松川がFW11番の選手のクイックプレーからニアサイドに走り込んだ9番の選手が合わせてゴール右隅に蹴り込んで先制します。これは相当練習していたプレーではないでしょうか、その場の意思確認で決まるゴールではなかったです。

Img_4801勢いに乗った都小松川は前半34分にも右サイドでのボールの奪い合いから大きく逆サイドへ展開、そこに走り込んでボールを受けた11番の選手が強引にシュート、ボールは相手選手に当たりながら大きな弧を描いてゴールに吸い込まれて2対0となります。

これで勝負の流れは決まったかと思った直後の37分、学芸大附属の異次元プレーヤー10番の選手が巧みなドリブルにで都小松川守備陣は翻弄、さらにここしかないという縦パスを通し、受けた4番の選手が抜け出してシュートを決め、1点差に迫ります。

Img_4805このゴールで1点差のまま前半は終了します。

後半は追い上げムードの学芸大附属の方がいい感じの入りでしたが、都小松川は開始3分の左CKにファーサイドにいた2番の選手に押し込み、再び2点差をつけます。

それでもあきらめない学芸大附属は10番の選手がプレーでも声でもメンバーを鼓舞、激しく都小松川ゴールに迫ります。そして後半13分、この10番の選手が粘りのボールキープから左足を振り抜いて正確な弾道のボールを8番の選手に供給、これをドンピシャヘッドで突き刺して再び1点差に詰め寄ります。

普通この流れだと逃げる都小松川の方が苦しくなるものですが、よほど攻撃力に自信があるのでしょう、選手は慌てることなく、冷静に自分たちのプレーをやり続けます。そして後半16分に9番の選手が再び突き放す4点目、後がなくなって前掛かりになった学芸大附属に対して36分に5点目、さらに終了間際の40+2分に9番の選手が6点目を決めて都小松川が6対2で勝利しました。

結果論ですが、学芸大附属は後半いい感じでゲームに入った直後にセットプレーから押し込まれた3点目が痛かったのではないかと思いました。後半中ごろまで1点差で進んでいたらゲームは違う展開になっていたかもしれません。

とはいえ高い技術力にダイレクトプレーを多用したリズミカルな展開を繰り出す都小松川ははっきり申し上げて強いです。守備の確認を徹底すれば間違いなく台風の目になる存在だと思いました。都小松川のみなさん、次戦もがんばってください。そして学芸大附属の2年生の皆さん、新人戦で上位に入ってください。

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2015年8月19日 (水)

全国選手権東京都1次予選決勝カード

いよいよ今週中に都大会出場校がすべて出そろいます。下記がその1次予選決勝カードです。都大会に出場して新たな歴史をつくりたいと考えている高校も多くあるでしょう。ここで勝ち残った34校に西が丘への道が開かれることになります。

  • 第1ブロック:都狛江vs桜美林【20日私武蔵会場11:00】

  • 第2ブロック:都城東vs東京成徳【20日私武蔵会場9:30】

  • 第3ブロック:都小松川vs日工大附属駒場【20日私武蔵会場12:30】

  • 第4ブロック:都調布南vs都成瀬【20日明大明治会場11:00】

  • 第5ブロック:保善vs明大明治【20日明大明治会場9:30】

  • 第6ブロック:日大二vs目白研心【20日駒沢第二12:30】

  • 第7ブロック:日大豊山vs都東大和南【20日都大泉会場14:00】

  • 第8ブロック:攻玉社vs駒場学園【20日駒沢第二9:30】

  • 第9ブロック:都松が谷vs都葛飾総合【20日駒沢第二11:00】

  • 第10ブロック:都片倉vs都高島【20日駒沢第二14:00】

  • 第11ブロック:大東文化大一vs海城【20日駒沢第二15:30】

  • 第12ブロック:学芸大附vs杉並学院【20日私武蔵会場14:00】

  • 第13ブロック:修徳vs都竹早【20日駒沢補助11:00】

  • 第14ブロック:城北vs駒込【20日駒沢補助12:30】

  • 第15ブロック:日大三vs都小山台【20日駒沢補助9:30】

  • 第16ブロック:日本学園vs明大中野八王子【20日明中八王子会場13:00】

  • 第17ブロック:昭和第一学園vs二松学舎大附【20日明中八王子会場14:30】

  • 第18ブロック:拓大一vs法政大学高【20日駒沢補助14:00】

  • 第19ブロック:郁文館vs青稜【20日駒沢補助15:30】

  • 第20ブロック:学習院vs都武蔵丘【21日駒沢第二11:00】

  • 第21ブロック:桐朋vs都紅葉川【21日駒沢第二12:30】

  • 第22ブロック:都新宿vs都豊島【21日駒沢第二14:00】

  • 第23ブロック:都葛飾野vs高輪【21日駒沢第二15:30】

  • 第24ブロック:都つばさ総合vs創価【21日駒沢補助11:00】

  • 第25ブロック:都立川vs大森学園【21日駒沢第二9:30】

  • 第26ブロック:都北園vs都府中東【20日早大学院北11:00】

  • 第27ブロック:早大学院vs都東村山西【20日早大学院北9:30】

  • 第28ブロック:成蹊vs都府中西【20日成蹊大11:00】

  • 第29ブロック:都東大和vs都保谷【21日駒沢補助9:30】

  • 第30ブロック:日体荏原vs駒場東邦【20日成蹊大12:30】

  • 第31ブロック:専大附属vs中大杉並【21日駒沢補助12:30】

  • 第32ブロック:明治学院vs都国分寺【21日駒沢補助14:00】

  • 第33ブロック:都日野台vs淑徳巣鴨【20日都大泉会場15:30】

  • 第34ブロック:昭和第一vs区立九段中等教育学校【21日駒沢補助15:30】

※正式な情報は東京都高体連サッカー専門部のサイトでご確認お願いします。