前橋育英vs米子北
Kumazemi Report | 2018-01-05 |
第96回全国高校選手権準々決勝 |
駒沢陸上競技場(曇) |
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第96回全国高校サッカー選手権準々決勝、駒沢陸上競技場会場の第2試合です。悲願の初優勝を狙う前橋育英に米子北が挑みました。
米子北と言えば鹿島アントラーズ昌子選手の母校として有名で、山陰屈指の強豪校です。インターハイでは初戦で富山第一に惜敗しましたが、今回の8強進出はプレミアWESTで戦ってきた実力通りの結果です。
対する前橋育英ですが、こちらは説明不要の全国トップクラスの実力を持つ名門校です。ちなみにインターハイは流経大柏に0対1で敗れての4強でした。いかなる組み合わせであろうと足下すくわれることなく勝ち上がってくる最強軍団です。
前橋育英のキックオフで始まったこの試合、静かな立ち上がりなものの正確な技術から繰り出されるパスワークで前橋育英が主導権を握ります。とにかくキープ力がずば抜けていてボールを失わないのです。一方で米子北も決して深追いせず、無理しない感じでゲームが進んでいきます。
この流れの中、前半21分右CKをファーで落としたところを3番の選手がダイレクトで蹴り込み前橋育英が先制します。ポゼッションは前橋育英が優位だったもののゲームの流れ的には悪くなかった米子北にとって、このセットプレーのよる失点は痛かったです。できれば前半は0対0で行きたかったです。
と言いますのも、本大会ベスト8が出揃った3回戦終了時点の全40試合のうち、実に35試合で先制点を奪った方が勝っています(PK戦含む)。先制されての逆転勝利はわずか5試合しかないのです。これだけ全国から強豪が集まる一発勝負は先制点が極めて重要ということなのです。
そして続く前半27分、左サイドの突破から低くて速いボールにニアで22番の選手が合わせて前橋育英が追加点を奪います。このあたりから米子北は前橋育英陣内に攻め入ることもなかなかできなくなり、苦しい展開になります。
私も今から10年近く前に小学生クラブの指導者やってたことがあるのですが、このような展開になった時に劣勢を強いられたチームの指導者は何をどうしたらよいのか、今もっても解を持たずにいます。
前半はこのまま2対0で前橋育英リードで終わります。
ハーフタイムに交代枠を使用した米子北でしたが、後半に入っても高い技術に裏打ちされたリズムの変わらないじっくり攻撃で前橋育英優位でゲームは進みます。その前橋育英もベンチが動き、64分に8番の選手に代えて13番の選手を投入します。
すると68分、交代で入ったフィジカル強そうな13番の選手が、米子北DFの寄せをもろともせずに左足を振りぬいて3点目をゲット、ベンチワークも見事にはまって3対0となりこれでほぼ勝負アリとなりました。
結果的に横綱が横綱相撲で完勝した形になりましたが、米子北の8強進出も鳥取県の高校サッカーに新たな歴史を刻んだことを忘れてはいけません。これから山口、鳥取、島根のチームはどんどん強くなっていくものと思います。
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