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2007年1月 8日 (月)

盛岡商業vs作陽

Kumazemi Report 2007-01-08
第85回全国高校サッカー選手権決勝
国立競技場(晴)
盛岡商(岩手)   vs   作陽(岡山)
2
0 前半 0
2 後半 1
1

第85回全国高校サッカー選手権決勝です。準決勝とはうって変わって絶好のコンディションで行われ、盛岡商業が逆転で作陽を破って4080校の頂点に立ちました。

Photo_131 Photo_132

ゲームは序盤からスピードのあるFWを有する盛岡商業が早い出足でペースを握ります。ファーストシュートは9番成田選手でした。

Photo_134この成田選手、とにかく速いんです。作陽の守備陣も十分リサーチ済みで対応も決まっていたと思いますが、チャンスと見るや切り裂くようなドリブルで仕掛けていきます。結果的にこの成田選手のすごいスピードがこの決勝戦に決着をつけることになります。

対する作陽も盛岡商業の早い出足に苦しみながらも、攻撃に出たときはフィニッシュまでいく場面が多く、押していながらなかなかいいシュートを打てない盛岡商業とは五分五分だったでしょう。前半39分には作陽桜内選手の決定的なヘディングシュートもありましたが、前半は0対0でした。

後半、作陽は飛び道具を出してきます。

9番村井選手の投入です。桜内選手に代わって出てきました。右足の怪我でこの大会はフル出場できることが難しい状態なのですが作陽のエースです。

Photo_135このエースが「さすが」とうなる仕事をします。後半10分過ぎのことでした。

盛岡商業の右サイド攻撃のボールを奪った3番桑元選手がそのままドリブルで駆け上がりエース村井選手にパス、3人に囲まれた村井選手は体全体と右足を使って見事に反転、そのまま右足を振り抜きます。そしてこのシュートがクロスバーを直撃、詰めていた村井選手にパスを出した3番桑元選手がヘッドで押し込み先制します。

ものすごい歓声でした。36,000人の国立競技場が一瞬揺れた感じがしました。

Photo_136 しかし、下を向かない盛岡商業は持ち前のスピードを生かした攻撃を仕掛け、後半19分に右サイド攻撃で8番千葉選手がPKを得ます。

キッカーは11番林選手。あの雨中の八千代戦で決勝ゴールにつながる見事なコーナーキックを蹴ったレフティです。キックが正確なんですね、PK戦のときも1番を蹴るそうです。

大観衆が固唾を呑んで見守る中、ゆっくり助走を開始した林選手、左足でゴール左隅を狙って蹴りました。しかし、無情にもボールはポストをかすめていきました。ここでも何とも表現できないどよめきが起こりました。

ガッツポーズする作陽、肩を落とす盛岡商業。この時間でこういった状況になるとほぼ流れは作陽に向いていきますが、ここで盛岡商業齋藤監督がこの流れを断ち切るかのようにすぐ動きます。

Photo_137 俊足FW13番大山選手の投入です。直後の後半26分、この切り札大山選手が左サイドを突破、先制点を挙げた桑元選手を振り切りゴール前へセンタリング、このボールがPKを失敗してしまった林選手の足元へ行きます。そして左足でシュートしますがミートせずにボテボテに。しかしこのボテボテボールが体を投げ出して止めにいった作陽DFの股下を抜けてまたもや林選手にとって絶好の位置に転がり出てきます。これをつま先で押し込んで同点になります。

2度の大きなミス(PKとこのシーンでの最初の左足のシュート)をしたこの2年生FWに天は3度目のチャンスを与えました。そしてこの2年生FWはこのチャンスを見事に決めました。きっと日ごろ熱心に練習し、誠実に生きているのでしょう。でないと天はここまでチャンスを与えてはくれません。

選手交代がズバリ的中し、息を吹き返した盛岡商業ですが、何せ相手は静岡学園戦で追いつかれた1分後に勝ち越したチームですから、下向かずに再三攻撃を仕掛けます。ここで残り10分切りました。私の席の前後は小学生のちびっ子だらけだったんですが、この熱いスタジアムに少しでも長くいたくて「延長!延長!」と大合唱してました。

後半40分でした。自陣危険な位置でのFKをしのいだ盛岡商業は、高速ドリブラー9番成田選手が左サイドを突破、DFを振り切ってゴール前へパス、二アサイドにDFと並走して詰めてきた盛岡商業の選手がスルー、このボールに8番千葉選手が合わせてゴール右へ流し込み勝ち越します。

作陽もおなじみ7番宮澤選手→11番小室選手のホットラインであきらめずに攻撃しますが、盛岡商業も集中を切らさず守り、ロスタイム2分もしのぎきって2対1で盛岡商業が勝ち、見事栄冠を手にしました。

Photo_140

盛岡商業はすばらしいチームです。正確に蹴って止める、フルタイム走りきる、周りを観て11人でやる、決してあきらめない、これらがサッカーの本質の本質であることを目の前で体現してくれました。

登録25選手の約半数が県内地元中学出身、半数が県内クラブ出身とどの都道府県にもごく普通にある公立高校が4080校の頂点に立ちました。全国大会で勝てるかどうかはその高校のサッカー部を取り巻く環境で決まるわけではないようです。では、何なのか。その答えはやっぱり日々の練習にあるような気がします。

2007年1月 5日 (金)

静岡学園vs作陽

Kumazemi Report 2007-01-05
第85回全国高校サッカー選手権準々決勝
駒沢陸上競技場(晴)
作陽   vs   静岡学園
3
0 前半 0
3 後半 2
2

準々決勝、駒沢陸上競技場第一試合です。

すごい試合でした。勝手にネーミングさせてください。このゲームは「7番対7番の対決」でした。作陽7番宮澤選手と静岡学園7番枝本選手です。二人とも小柄なミッドフィールダーですが、獅子奮迅の活躍でした。

前半はお互いいいところを消し合いながら0対0。特に静岡学園は作陽に中盤を支配されないよう、早いチェックでしかも激しくディフェンスしていました。静岡学園がここまで激しくマークするのですから相当作陽の中盤を警戒していたのでしょう。

後半は一転してゲームが激しく動きます。先制したのは作陽でした。ボールを受けた7番宮澤選手が粘ってタイミングを計り11番小室選手にすばらしいタテパスを通し(写真右上)、そのまま小室選手が静岡学園ゴールネット右隅に狙いすまして蹴りこみました。

Photo_129今度はその5分後の17分、静岡学園が7番枝本選手がクロスに飛び出したGKを巧みな個人技で交わし、同点ゴールを決めます(写真)。

正直、これで「静岡学園が流れつかんだな」と思いました。パンフレットにも書いてありますが、このチームは相当走りこんでいて後半にめっぽう強いからです。

しかし、作陽はタフでした。同点にされた直後のキックオフからあっという間に静岡学園陣内に深く攻め入り、守備陣形が整わないうちに作陽11番小室選手が右足一閃、逆転ゴールを決めます。追いつかれてからわずか1分後の出来事でした。

Photo_130

喜ぶ作陽11番小室選手の背中が見えますが、静岡学園GKの船崎選手が「どうなってるんだ」というような仕草をしています。

静岡学園は何かが狂っていたのでしょうか。後半勝負はお家芸なのに常に先手をとられていきます。そしてこの5分後の後半22分、またも自陣深い位置で振り回されてしまい、作陽7番宮澤選手に決められ3対1となります。

作陽は後半、戦い方を変えてきたように思います。静岡学園の中盤のチェックが激しいので、あまり横や斜めの方向には手数をかけず、早めにタテパスを入れるように変えてきた感じを受けました。

一方、2点差をつけられた静岡学園は死に物狂いで攻撃を仕掛けます。しかし、焦っていたのでしょうか、ポイントとなるところでパスが浮いてしまったり、コントロールをミスしてタッチに出してしまったりと、らしからぬ状況が続きます。でもやはり王国静岡の代表です。後半34分、早いスローインでリスタートして右サイドから攻め込み、伊藤選手が執念で押し込んで3対2と1点差になります。残り時間はあと5分強というところでした。

ここからも静岡学園は猛攻を仕掛けますが、作陽も必死に守ります。ほとんど自陣に引いてボールがきたら大きく蹴出す状況が続きました。これもしょうがないです。勝てば岡山県勢初の国立、勝ちたい気持ちが「サッカーとは」を上回るのも仕方がないです。この大会のために3年間歯を食いしばって練習してきたのですから。

作陽が静岡学園の猛攻をしのいでいるうちに40分が経過し、ロスタイム表示ボードの「3」もあっという間に過ぎて作陽に軍配が上がりました。

作陽は強いです。岡山県は青山(敏)選手や苔口選手などのすばらしい人材を輩出し、いよいよ歴史に名を残す舞台に上がってきました。これも指導者の方々の熱意と努力の賜物だと思います。

準決勝は八千代対盛岡商業、作陽対神村学園となりました。九州勢がバタバタと早くに散っていきましたが、鹿児島県代表は残りました。全滅しないんですからやっぱり九州はさすがです。八千代はあの古河一が初優勝した昭和55年度第59回大会以来のベスト4ですね。私が高校に入った年です。盛岡はその昔飢饉に苦しんだ土地柄と聞きます。厳しい状況を努力と工夫で脱しきる魂が脈々と流れているのではないでしょうか。

もうここまできたら実力云々というより、コンディションを整えて試合で普段の力を100%出すこととほんのちょっとの運を味方につけることです。

4強の選手の皆さん、国立競技場ですばらしい感動のパフォーマンスをお願いします!

2007年1月 3日 (水)

静岡学園vs佐賀東

Kumazemi Report 2007-01-02
第85回全国高校サッカー選手権2回戦
駒沢陸上競技場(晴)
静岡学園   vs   佐賀東
3
0 前半 0
3 後半 1
1

駒沢競技場第2試合です。この前の室蘭大谷vs高川学園戦に比べて静かな立ち上がりでした。ご存知井田監督率いる静岡学園は選手権優勝1回、準優勝1回を誇るサッカー王国の代表です。対する佐賀東は1対1になったら9分9厘勝負してくる相手に対して、間延びしないよう中盤をコンパクトにし、ヨコにはドリブルさせるがタテにはさせず、回させるけど突破させない見事なディフェンスで前半を0-0で折り返します。前半は膠着した感じで、静かに終わりました。

しかし、後半は一転します。ことの始まりは開始5分の佐賀東の先制でした。速攻からで、決めたのはエース10番山下選手。一瞬会場内に何ともいえない雰囲気が漂いました。

これで目が覚めたか、静岡学園が前半と同じチームとは思えないアグレッシヴなサッカーを展開します。多彩な個人技と前半とは比べ物にならない運動量でスペースを創り出し、サイドをえぐったり中央から短いパス交換で突破を図ったりと「おおお!これぞ静岡学園」という感じになりました。

Photo_124 この流れで掴んだ後半14分の右コーナーキックに10番杉浦選手がどんぴしゃでヘッドを合わせ(写真)同点に追いつきます。

前半を0-0で折り返し、後半ワンチャンスをものにして押し切るという佐賀東にとっては理想的な展開だったのですが、このコーナーは絶対にフリーにしてはいけない選手をフリーにしてしまいました。

これで静岡学園が完全に息を吹き返し、佐賀東を守備一辺倒に追い込みます。そして23分、静岡学園ベンチは11番吉野選手を下げてFWの大石選手を投入します。PK戦もちらつく時間ですが、80分での決着を図りに出ました。

この交代直後の後半27分、佐賀東の必死のクリアを拾いまくって波状攻撃をかけ、左サイドからのボールをまたもや10番杉浦選手が右45度あたりから左足を振りぬき、ついに逆転します。それにしても静岡学園の杉浦選手はさすがです。静岡学園の10番はダテじゃないです。チームが苦しんでいるときにこの仕事です。まさしくエースというはこういう選手のことを言うのですね。

佐賀東はこれでちょっとガックリきてしまったかもしれません。でもすかさずベンチも積極的に動き、31分に2人選手を交代して局面打開を図ります。そして、実際盛り返して攻撃にリズムも出ました。

しかし、終了間際、前がかりになったところを逆に静岡学園の速攻をくらい、14番小林選手に3点目を決められ、勝負がつきました。

佐賀東は後半20分くらいまではある意味狙い通りだったと思います。しかし、パンフレットの静岡学園のページに書いてあるとおり、後半の後半になっても全く足が止まることなくあれだけの連続攻撃をくらうとは予想してなかったのではないでしょうか。

静岡学園の3回戦の相手は青森山田です。これも凄いゲームになりそうです。次戦はあまりスロースタートだと取り返しがつかなくなりますので、前半からガンガンいってください!

最後になりますが、今大会ちょっと異変が起きています。というのも沖縄を除いたいわゆる九州勢のほとんどがここまでで姿を消しているのです。かろうじて鹿児島県代表の神村学園が3回戦に進出していますが、国見、大津、鵬翔の常連も姿を消しました。また、初芝橋本や滝川第二、大阪朝鮮がある近畿勢も野洲だけです。逆に北海道、東北、日本海側といった冬の厳しい地域の学校が6校(室蘭大谷、青森山田、盛岡商業、星稜、丸岡、境)残り、ここ最近市立船橋以外あまり目立ってない関東勢が4校(桐光学園、八千代、武南、鹿島学園)残っています。

私的には武南、八千代、室蘭大谷、静岡学園あたりがにおうのですが・・・

室蘭大谷vs高川学園

Kumazemi Report 2007-01-02
第85回全国高校サッカー選手権2回戦
駒沢陸上競技場(晴)
室蘭大谷   vs   高川学園
5
2 前半 1
3 後半 1
2

全国選手権2回戦、室蘭大谷対高川学園のゲームです(駒沢陸上競技場)。

試合は序盤から双方イエローカードが飛び交い、やや荒れ気味でスタートしました。

室蘭大谷は9番「動」の樋渡選手に10番「静」の宮澤選手のツートップですが、今日はこの2人が爆発しました。

先制したのは室蘭大谷。前半7分、右サイドのFKから低くて速い弾道のボールをGK前に入れ、そこに走りこんだ2番DFの清原選手が点で合わせてました。おそらくこれは相当練習しているパターンのひとつですね。でないとキックと同時あそこに走りこむのは不可能です。

対する高川学園も10番山田選手を中心にボールをよく動かして攻め入り、前半29分この山田選手の粘りから生まれたゴール前の混戦から8番堂端選手が押し込み追いつきます。

Photo_121 しかし室蘭大谷はこの5分後、またもFKから相手DFのクリアボール拾って二次攻撃をかけ、最後は9番樋渡選手が見事なシュート(写真)を決めて2-1と勝ち越します。高川学園にしてみたら追いついた直後だっただけに、この1点は心理的にも影響が大きかったと思います。

それにしても室蘭大谷はいわゆる「チャレンジ&カバー」がしっかりしていて、第一DFがプレッシャーをかけると第二DFがボールの出所にすぐアタックできるポジションをとり、ボールを動かしたい高川学園に自由にやらせません。結果的に室蘭大谷は80分間、これを集中切らさずやり続けました。

Photo_122 後半も室蘭大谷はきっちりした守備から前線の10番宮澤選手に早めにつなぎ、迫力ある攻撃を展開します。この流れから後半10分、この宮澤選手が見事な胸トラップから絶妙なループシュートを決めて3-1。後半20分には宮澤選手の突破から中央へつなぎ、受けた9番樋渡選手が決めて4-1。

守備では室蘭大谷のディフェンス二枚看板である2番の清原選手と5番の近藤選手が立ちはだかり(この二人は強烈です)、高川学園の攻撃をことごとくつぶしていきます。そしてとどめは33分、点を取らなければならない高川学園が前がかりになったところをカウンターから10番宮澤選手にタテ一本、受けた宮澤選手が一人交わして落ち着いて流し込み5-1(写真)。これで勝負アリとなりました。

高川学園も意地を見せて終了間際の後半39分、左クロスに9番山崎選手が飛び込みヘッドで1点返しました。これはゴールもさることながら、4点差つけられてもゴールを狙い続けるそのたくましい精神力に脱帽しました。普通ならもう下向いて足が動かなくなります。

前身の多々良学園が経営破綻により民事再生法を申請するという出来事があって、高川学園の選手の皆さんは精神的に相当の苦労があったことと思います。何の責任もない選手達を思うと気の毒としかいいようがありません。それでも県予選を勝ち抜いて全国に出てくるのですから伝統の力は凄いです。

勝った室蘭大谷の3回戦の相手は作陽です。強敵ですが今日のような中盤での速い詰めと相手に自由にさせないシステマティックな守備ができれば、ツートップが好調なので勝算アリだと思います。

ぜひ、がんばってください。

2006年12月31日 (日)

暁星vs滝川第二

Kumazemi Report 2006-12-30
第85回全国高校サッカー選手権開幕戦
国立競技場(晴)
滝川第二   vs   暁星
2
0 前半 0
2 後半 0
0

下馬評では滝川第二優勢の声が大きかったのは事実ですが、戦い方と流れによっては暁星にも勝機ありとふんで観ていました。心の中では11月30日の記事「東京に意地」で勝手なこと書いたことを思い出していました。

暁星の選手は100%の力を出して私のお願いを実践してくれたと思います。特に自陣バイタルエリア付近での寺島選手の体を張った必死のディフェンスはすばらしかったです。不用意なファウルもせず滝川第二の有力な得点源であるこの位置でのFKをほぼ封印したと思います。うれしかったですし、感動しました。

試合の方は、暁星が後半2点を失い敗れました。多田選手というモンスターを有して総合力に勝る滝川第二が強かったのです。滝川第二は風上だろうと風下だろうと、また急ごうがゆっくりやろうが11人全員がいつ何時も正確にボールコントロールでき、動きの緩急/パスの強弱もほぼ完璧にできるチームでした。

暁星の選手、指導者の方々、ご父兄の方々、OBの方々、お疲れ様でした。選手はよくがんばりましたし、夏の地区予選から今日まで相当に成長し、進化しました。ブログではいつも信憑性の薄い勝手なことを書いていますが、この夏からの成長と進化については私がこの目で夏から見てきましたことなので信じてください。

寺島選手ほか暁星の3年生と私はこれでさようならですね。とても寂しいです。正直このブログも最初は週末の暇つぶし程度でした。でも「なんで暁星が地区予選から出てるんだろ」と見に行った都立小山台戦から暇つぶしじゃなくて本気に変わりました。

試合の最後の方は目がかすんでうまく撮れませんでしたが、今日の記事でいくつか写真を載せさせていただき、都立久留米高校にエールを贈って今日の日記は終わりにします。

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都立久留米の選手の皆さん、作陽高校にはここ最近東京代表が何回かやっつけられています。何とかリベンジお願いします。ケーブルテレビで拝見しましたが選手の皆さんのコンディションもいいようですね。とにかく皆さんは帝京を破っています。自信もって平常心でぶつかってください!

2006年12月24日 (日)

つばさ総合vsかえつ有明

Kumazemi Report 2006-12-24
2006TリーグT3参入決定戦
都つばさ総合高グラウンド(晴)
都つばさ総合   vs   かえつ有明
1
1 前半 0
0 後半 1
1
PK

来期のT3リーグ参入決定戦第一戦です。

両チームとも選手権都大会ベスト8に入り、新しい歴史づくりへの第一歩を踏み出した強豪で、この時のメンバーがほとんど残っていて、来年は各大会での上位進出が大いに期待できる高校です。

何より両チームに「MY FAVORITE PLAYERS 2006」がいますので見ないわけには行かず、つばさ総合高校に参上いたしました。羽田ICで降りればいいものをカーナビのないクマゼミカーははるか手前の鈴が森で降りてしまって第一京浜から産業道路をトコトコ走ってきたのですが、到着して唖然としました。このような400メートルトラック(たぶん)とサッカー場一面とれて観戦スペースもある都立高校の校庭をはじめて見ました。つばさ総合の選手たちはうらやましいです。

さてゲームですが、確かに重要な試合で戦評も大事なのですが、この時期のチームの観戦ですので、チームとしてというより「個」にフォーカスして観させていただきました。まずはお約束のMY FAVORITE PLAYERSを目で追ったのですが、かえつ有明の中村選手(選手権都大会の時の11番の選手です)が松葉杖をついているではありませんか。どうしたのでしょうか。重症の肉離れかそれとも骨折してしまったのでしょうか。とにかく無理せずきちんと治して都大会には出てきてほしいです。

Photo_95 そんでもって試合が始まって再びびっくりしました。選手権都大会での石神井完封の立役者、佐々木選手(当時背番号4)が10番背負ってFWになっているではありませんか!中村選手不在によるものなのか正式なコンバートなのかはチームの方しかわかりませんが、とにかく驚きました。

私、勝手に彼はかえつ有明の不動のセンターバックかと思っていましたが、東海大菅生戦後にチームに何か新しい方針が打ち出されたのですね。

ただ、この試合の佐々木選手に限っては、何かFWにまだ戸惑っているというか馴染んでないというかややぎこちなさを感じてしまいました(佐々木君ごめんね)。

一方、つばさ総合は11番"つばさのケビン・キーガン"井上選手も順調そうで、度々左サイドを得意の高速ドリブルで突破するなど元気な姿を確認できました。

Photo_96

Photo_97

                                   この試合ではつばさ総合の19番の選手の動きがよかったと思いました。前半はたびたびかえつ有明守備陣の深いところでプレーする場面があり、ひとつのポイントになっていたと思います。前半はつばさ総合が間違いなく押していました。

Photo_99 Photo_100

                           この流れでつばさ総合が前半1点を先制し、このまま前半は1-0で終わりました。

後半、かえつ有明が開始直後から盛り返し、同点に追いつくのですが、私はかえつ有明は8番の選手がポイントのような感じがしました。

あと、後半両チームとも当たりが激しくなっていきましたが、かえつ有明の選手は強いですね。新チームながら経験豊かなつばさ総合相手にガツンガツンいってましたね。かえつ有明が後半の序盤にあったチャンスをきっちり決めていたら結果はどうなっていたかわかりませんが、ゲームは1-1のまま終了しPK戦でつばさ総合が勝ちました。次の都立保谷戦に勝てばT3リーグ参入です。

Photo_101

 

2006年12月10日 (日)

本郷vs都竹早

Kumazemi Report 2006-12-10
平成18年度東京都新人選手権決勝リーグ
学習院高等科グラウンド(晴)
本郷   vs   都竹早
5
2 前半 0
3 後半 0
0

東京都新人選手権2地区決勝リーグ、一次トーナメント最終戦で東の゛張出小結"京華を破った都立竹早と、私世代では名前聞いただけで萎縮してしまいます古豪本郷のゲームです。

ゲームの方は地力に勝る本郷の押せ押せの展開となりました。

ゲームが始まってすぐの5分に本郷が右サイドを突破し、角度のないところからファーサイドのゴールネットを揺らして先制します。そしてその10分後には左コーナーキックをファーポスト付近で頭で合わせ、開始10分で本郷が2-0とリードします。

本郷は、ポストプレーもうまくて左右に流れてスペースを作ったり、一度下がって追い抜いたりと実に効果的なオフザボールの動きができ、かつシュート力のある11番の選手を軸に攻撃を仕掛けます。そしてここに5番、9番、10番の選手が巧みに絡んで決定的なチャンスを作ります。一方、都立竹早は奪ったボールを早く9番の選手に預けて、そこを起点に攻撃を仕掛けたいのですが、本郷のプレッシャーの速さと強さにことごとくこのルートを遮断され、攻撃の糸口がなかなかみつからない状態が続きました。

10 リーグ戦ゆえ、もつれてくると得失点差も関係してくることから、都立竹早は何としても前半は0点に抑えたかったはずなんですが立て続けに失点してしまい、リズムを全くつかめないまま前半が終わりました。

この前の試合で学習院が筑波大附属に4-1と3点差つけて勝っています。前半終了で2点ビハインドの竹早は後半点を取らなければ都大会が遠のいてしまします。よって積極的に出てきました。

ベンチも動き出し、後半8分先に本郷が5番の選手に替えて17番の選手を入れ、その後の12分に都立竹早は7番の選手に替えて14番の選手を入れます。しかし、この直後、本郷が右コーナーキックから10番の選手がどんぴしゃりのヘディングシュートを決めて3-0となります。竹早DFが10番を捕まえきれていませんでした。

10_1竹早は後半30分にコーナーキック3連発のチャンスがあったのですが、集中を切らさない本郷にシュートまでもっていけず得点できませんでした。この後、前がかりになったところをサイドに流れる準備をして速攻を狙っていた本郷11番の選手に、中盤からまんまと正確なボールが供給され、戻りきれない竹早DFをあざ笑うかのように張り出していたサイドから右インサイドで巻いたロングシュートを決めました。

結局、終了間際にもゴール前混戦から10番が押し込んで5点目を上げた本郷の完勝でした。

本郷と都立竹早の差は奪ったボールを次にどう動かすかの速い判断とそれを可能にする周囲の第3、第4の動きの再現性、受けたボールのコントロール精度の差のような気がします。

私はもっと都立竹早の9番の選手のプレーが観たかったです。彼は周りもよく観ることができますし、技術もあります。

この時点で学習院と本郷が勝ち点3、得失点差はそれぞれ3と5ということで、この2校が優位になりました。2地区の次戦は12月17日(日)本郷は筑波大附属と、都立竹早は学習院高等科とぶつかります。

kumazemi's favorite players 2007:本郷の11番、都立竹早の9番

2006年11月26日 (日)

保善vs成立学園

Kumazemi Report 2006-11-26
平成18年度東京都新人選手権3地区準決勝
城北高グラウンド(曇)
保善   vs   成立学園
3
2 前半 1
1 後半 2
3
4 PK 3

「赤い魂」保善高校と成立学園のゲームです。負ければ都大会出場を断たれる3地区予選の準決勝です。私的には、願わくば都大会準決勝ぐらいで当たっていただきたいカードで、入場料払っても観る試合です。何せ東の張出大関対東の正関脇の戦いですから(番付表)。

序盤から6番、8番、9番、10番の選手の高い個人技とボール保持者への素早くかつ的確なサポートで成立学園が押し気味で進んでいきます。

対する保善高校はDF2番の選手(キャプテン)の読みとコース切り、DF5番の選手の体格を生かした守備で対抗、奪ったボールを前線11番の選手に当てて崩そうとする展開だったと思います。

でも成立学園は保善高校の11番の選手に危険なゾーンでは決定的な仕事をさせず、保善高校は上述した成立学園の攻撃カルテットの創造豊な攻撃にやや翻弄され、守勢に回っていきます。そして左サイドから中央へ展開され先制点を許し、20分には10番の選手に完璧なミドルシュートを決められ2-0となります。このように成立学園は攻撃カルテットのイマネジネーションから早めに敵陣バイタルエリアを制圧し、中央から攻撃するパターンが多い展開でした。

実際、6対4~7対3くらいで成立学園がゲームを支配していたので、私も正直「このままずるずるいっちゃうのかなぁ」と思っていた矢先の22分(2点目をくらった直後)にやや左サイドへ出されたスルーパスに素早く反応、成立学園DFの寄せの甘さもあって保善高校が1点返し、前半はこのまま2-1成立学園1点リードで終わります。結果論ですが、私はこのゲームのポイントは保善高校がこの早い時間に1点返して2-1で前半を折り返したところにあったと思います。

ハーフタイム、保善高校は円陣を組み、監督の指示に聞き入っていました。どういう指示だったかは無論聞こえませんのでわかりませんが、後半の保善高校の攻撃を見て「サイドから行け」ということだったのかなと勝手に想像してます。

すると後半、保善高校がキックオフ直後から仕掛けていきます。11番の選手に無理に前を向かそうとせずにポスト役で使ったり、中盤の選手が外からえぐったりと右に左にサイド展開を繰り広げて行きます。

そして後半4分、保善高校は右サイドでの粘りのプレーから成立学園DFを振り切って入れた低くて速いクロスに走りこんできた選手がニアサイドでドンピシャでヘッドを合わせ、2-2と追いつきます。この直後の5分頃にも、11番の選手のポストプレーから左へ展開、これまた低い(ゴロだったかもしれません)折り返しで決定的なチャンスを作るなど、後半は一転してサイド攻撃で保善が流れを掴みます。

なかなか流れを変えられない成立学園も攻撃カルテットがこれでもかこれでもかと保善守備網をこじ開けようとしますが、保善DFも体を張って阻止します。このような展開の中、後半8分、保善高校がまたもや左サイドを突破し、低いシュート性のボール(シュートかもしれません)入れたところ、成立学園GKが後へそらしてしまい、そこをきっちり詰めてついに3-2と逆転に成功します。

リードした保善高校にもDFキャプテン2番の選手が負傷退場するアクシデントが発生しますが、(たぶん)代わりに入ってきた17番の選手も同じようにしっかりプレーしてました。さすが強豪校は選手の層が厚いです。ただ、後半に入って何がなんだかわからないうちによもやの逆転を許した成立学園が、残り時間見て冷静さ取り戻したのか、追う展開になって前半のように激しく攻撃し始めます。ここでもやはり中央からの攻撃で、25分には10番の選手が無人のゴールに流し込むだけの決定的チャンスを創り出すなどしてしつこく中央攻撃を繰り返しているうちついにチャンスが訪れます。

成立学園PKゲットです。中央から抜け出した相手に思わず保善GKが相手の足を手で引っ掛ける形(写真下左)になってしまいました。この後にも同じようなことがあったんですが、保善高校はそっちの方も冷やっとしたのではないでしょうか。何れにしましても成立学園はこのPKをきっちり決め(写真下右)、3-3の同点となります。時間にして後半30分の出来事でした(新人戦は35分ハーフです)。

Photo_29 Photo_30

ゲームはこのまま終了、延長戦では一進一退で決着がつかず、PK戦にもつれ込み、4-3で保善高校が都大会切符を手にしました。

ここで成立学園が姿を消すというのもファンとしましては何ともいえない気分ですが、成立学園は例のカルテットによる創造性豊で破壊力抜群の攻撃に比べ、やや守備に課題があるような気がしました。特にサイドから攻撃の阻止力とやむを得ず突破されクロスを入れられた時の中央での連携です。でも攻撃陣はすごいですね。8番の選手は飛び級で関東大学リーグかなんかでプレーしてもいいのではないでしょうか。

これで3地区はもう一方のブロックで勝ち上がってきた駿台学園(東京成徳を1-0)と保善高校の決勝になりました。

kumazemi's favorite players 2007:保善高校の2番

なお、他地区の結果は下記のとおりです。

25日:(1地区リーグ最終戦)都立葛飾野1-1安田学園、都立江戸川2-1都立城東、(4地区準決勝)芝2-1東京、正則学園1-0東京実業、(7、8地区2次リーグ最終戦)都立立川1-1桐朋、都立東村山西3-2都立拝島、都立三鷹4-0大成、中大附属1-1都立東大和、都立南平0-0都立松が谷、都立東大和南2-1都立小金井北、都立国立2-2都立調布北、都立国分寺2-1創価

26日:(5地区リーグ最終戦)都立保谷0-0日大二、中大杉並2-2日大鶴ヶ丘、私立武蔵1-0佼成学園、國學院久我山8-0都立武蔵丘

現状私が把握している地区予選免除校以外の状況は、都大会出場決定が(1地区)都立葛飾野都立江戸川(3地区)駿台学園保善(4地区)正則学園(6地区)日本学園都立駒場です。また、絞られた状況は(2地区)筑波大附属・学習院・本郷・都立竹早から2校、(5地区)國學院久我山vs日大二の勝者と中大杉並vs都立保谷の勝者、(7地区)都立三鷹vs桐朋の勝者と都立立川vs都立南平の勝者、(8地区)都立東大和vs創価の勝者と中大附属vs都立国分寺の勝者となっています。

2006年11月19日 (日)

都立久留米vs 東海大菅生

Kumazemi Report 2006-11-18
第85回全国選手権東京Bブロック決勝
西が丘サッカー場(晴)
都久留米   vs   東海大菅生
1
0 前半 0
1 後半 0
0

選手権東京Bブロック決勝です。

Bブロックは帝京vs東京朝鮮のカードになるのではないかと予想していた高校サッカーファンは多かったのではないでしょうか。

しかし、この両校はそれぞれ準決勝でものすごい激闘を演じ、この二強を退けて決勝に来ました。ちなみにこの両校、今年の総体都大会でも顔を合わせており、そのときは東海大菅生が2対0で勝っています。

前半お互いに何度かチャンスを作りますが、ゲームは一進一退に展開されていきます。

私から見て目立ったのは都立久留米の20番野村選手です。ポストプレーだけでなく、前線でのタメなど前半からいい仕事をしていたと思います。後半、この野村選手がとてつもなく大きな仕事をすることになります。

東海大菅生は5番早崎選手を中心としたディフェンスがすばらしいですね。集中も切れませんし、寄せも速いし、1対1も強いです。久留米の10番新宅選手の右に左に散らすパスにも慌てずに対処してピンチを作りません。

東海大菅生の攻撃はというとサイドから精度の高いクロスでチャンスをつくります。守備は堅く、攻撃は制度の高いクロスを武器にサイドからという感じです。もちろん攻守の要は10番大野選手です。

38分の大野選手のFKは絶妙でした。走りこんだ選手のヘディングシュートがきちんとインパクトしていればゴールだったと思います。

Photo_83

 

都立久留米の7番菅原選手も小柄なんですが、新宅選手からの縦パスに反応したときのスピードはすばらしく、突破力のある選手だなと感じました。やはり、都立久留米や東海大菅生などの強豪校でレギュラーになるには何がしかのオンリーワンを持っていないとダメですね。

前半はこのまま0-0で終わり、Aブロック同様、勝負は後半ということになりました。

後半の立ち上がりは東海大菅生が来ました。最初の10分くらいは一方的だったと思います。中盤での激しいプレスでことごとくボールを奪い、前線でどんどん仕掛けます。特に右サイド展開からの4番不動岩選手のシュート、ロビングから見事なトラップで放った9番伊藤選手のシュート、FKからの笹栗選手のバーをたたくヘディングシュートと激しい攻撃が続きました。願わくばこの後半立ち上がりの攻撃で東海大菅生は1点でも取りたかったです。

この怒涛の攻撃をしのいだ都立久留米も徐々に攻撃にもリズムが出てきて、フィニッシュまでいくケースも増えていきますが、東海大菅生も3番大河原選手やGK渡辺選手を中心に守ります。ここらへんはさすが守備の堅い東海大菅生です。

Photo_82 それにしても、都立久留米のキャプテンの14番桜井選手は上手ですね。小柄ですが、足もとの技術も視野の広さも一定以上のレベルにあると思います。

この流れの中、先に都立久留米が動きます。後半20分、長身186cmの13番「一撃必殺の仕事人」千葉選手の投入です。続いて25分頃には菅原選手に替えて8番の新村選手も投入します。34分頃には惜しくもゴールマウスから外れたものの20番野村選手の決定的なヘディングシュート、その2分後には野村選手が右に開いて作ったチャンスから6番柿原選手の決定的場面もありました。

こんな感じで後半30分過ぎまでお互い攻め合いながらの0-0ですから、セットプレーかあるいは一瞬のスキが勝敗を決めるような展開だったと言えるでしょう。そして、ドラマは誰もが延長戦だと思っていたロスタイムに起こりました。演出したのは都立久留米20番野村選手です。

都立久留米は自陣左サイドで相手を囲んで奪ったボールをそのままタテ一本、左サイドに流れた20番野村選手めがけて放ちます。低いボールは東海大菅生DF5番早崎選手が先に触れことができるものでしたが、ここで野村選手が一度ならず二度もあきらめずに足を出して粘ると、ボールが野村選手の前の絶好の位置に弾んで出てきます。

同時に中央付近では新宅選手が長い距離を走ってきていました。野村選手は左サイドから冷静に中を観、走りこんできた新宅選手にどうぞといわんばかりのやさしいボールを供給、新宅選手は難なくゴールへ流し込みました。そしてタイムアップ。Bブロックは都立久留米が代表になりました。

今年も選手権東京大会は両ブロックともすごい戦いでした。

kumazemi's favorite players都立久留米の野村選手(20番)

次は全国ということになりますが、燃え尽きないようモティベーションを維持し、コンディションを整え、万全で初戦に向かっていってほしいと思います。

夏から暇を見つけては取材して書いてきた2006選手権東京大会もこれにて終了です。

読んでくださった皆様、素人の独りよがりに過ぎない記事にお付き合いくださり、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

2006年11月18日 (土)

暁星vs修徳

Kumazemi Report 2006-11-18
第85回選手権東京大会Aブロック決勝
西が丘サッカー場(晴)
暁星   vs   修徳
2
0 前半 0
2 後半 2
0 延前 0
0 延後 0
2
5 PK 3

選手権Aブロック決勝戦です。真夏の地区予選から足掛け4ヶ月間繰り広げられてきたこの戦いもこれがLast Standです。

準決勝、関東第一に圧勝した暁星と粘って国士舘に辛勝した修徳との名門同士の戦いということで各校関係者以外にも数多くのファンが詰め掛けました。

修徳は23分、9番小澤選手にボールを当てて起点にして右サイドに展開した場面もありましたが、暁星は右サイドからのアーリークロスに11番小嶋選手の決定的チャンスなどやや暁星優位で0-0で終わり、勝負は後半に持ち込まれます。前半はお互い決め手を欠く展開だったと思います。

後半は一転、ゲームが激しく動きます。まず、5分修徳は得意の右サイド攻撃からフィニッシュまでいくチャンスがありましたが、ここは暁星DFもよく体を寄せて防ぎます。最初に動いたのは修徳でした。前半7分11番秋元選手に替え17番二瓶選手を投入します。

この3分後の11分、タテに走りこんでパスを受けた小嶋選手が粘りながらも前を向き、左足から放たれた強烈なシュートがGK佐々木選手のファンブルを誘い、暁星が先制します。

追う修徳は8番MF足昇選手に替えて18番FWの目黒選手を投入、点を取りに行きます。

Photo_79 しかし後半25分、ゴールキックからのボールを中盤でつなぎ、受けた11番小嶋選手が仕掛けた後、14番風間選手へ絶妙なパスを通します。そしてこのパスを受けた風間選手がDFの追走を振り切り落ち着いてシュートを決めました。

それにしても風間選手は何度見てもすごいですね。こういった決定力もさることながら、トップスピードでのボールコントロール、囲まれた時の局面打開力と、FWに必要な能力を全て高いレベルで持ち合わせています。あと忘れていけないのは風間選手は守備の意識も高いです。

これで2-0となり、暁星の13年ぶりの優勝にぐっと近づきました。暁星は修徳9番小澤選手を簡単に前に振り向かせず、サイド攻撃に対してもバランスを崩すことなく安定して守っていましたので、私は正直この時間で2点差はいくら修徳とはいえきついなぁと感じていました。

Photo_77 しかし、後半31分、ゴール前中央25m付近でFKのチャンスを得ます。キッカーは4番原選手です。千葉根木内中出身の2年生、昨年の修徳キャプテンで国体東京選抜のGK山下君の後輩です。

その原選手の右足のキックは速度をそこそこ保ったまま急旋回な右カーブを描いてクロスバーぎりぎりを通過し、暁星ゴールに吸い込まれました。これで1点差となります。見事なフリーキックでした。

こうなってきますと決してあきらめない修徳の執念と暁星の「勝ちたい」思いの戦いです。

そして後半の37分でした。暁星の左コーナーキックからのピンチをしのいだ修徳が自陣左サイドでのボールの奪取から速攻を仕掛け、18番目黒選手⇒9番小澤選手への流れるような展開からパスを受けた西谷選手がダイレクトで流し込み、2-2の同点に追いつきます。この時の18番目黒選手からワンタッチで9番小澤選手にはたき、自身も左サイドを駆け上がるプレーは見事でした。これで暁星20番荒木選手を一発で振り切りました。

ゲームはこのまま同点で終了、延長に入ります。そしてここでも決着つかずPK戦になりました。PK戦は5人全員が決めた先攻暁星が5-3で勝ち、見事Aブロックで優勝し、東京代表になりました。

私には延長戦とPK戦の戦評は書けません。胸が熱くなり、ここまで書くのが精一杯です。地区予選から勝ち上がってきた暁星とⅤ3のかかる修徳が100分闘いました。もうそれでいいでしょう。

私はPK戦に敗れて肩を落とす修徳のGK佐々木選手とキャプテン石川選手にたった一人近寄って肩を抱いた暁星8番宮崎選手の姿を見て、暁星が東京の代表として全国に出場するにふさわしいチームであることを確信しました。自分さえよければいい、自分さえ勝てばいいという風潮が強い今の社会で、敗れた相手の気持ちを慮る高校生がいることを私たち大人はわからなければいけません。

 

Photo_78

kumazemi's favorite players暁星の宮崎選手(8番)、修徳の石川選手(3番)