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2008年12月31日 (水)

広島皆実vs帝京

Kumazemi Report 2008-12-31
第87回全国高校サッカー選手権1回戦
駒沢陸上競技場(晴)
広島皆実   vs   帝京
0
0 前半 0
0 後半 0
0
5 PK 4

昨年の選手権2回戦での組み合わせの再現となったこのカード。前回は広島皆実の前に涙のんだ帝京が、東京代表として駒沢陸上競技場のピッチに登場しました。

まさに"東京の冬"といった感じに寒く晴れ渡った駒沢には、大勢の帝京応援団が詰めかけます。お互いに様子を窺う立ち上がり5分を過ぎてから、その迫力ある応援に後押しされた帝京が徐々にペースを握っていきました。強い風の風上に立ったことも有利に働き、ロングボールを多用してゴール前での局面を作り出します。クリアボールが押し戻されるほどの強風に悩まされていた広島皆実は、帝京の攻撃を最終ラインで受け止め、足元でのパスをつなげてプレーを組み立てようとしているのがよくわかりました。

試合のポイントとなるプレーもロングボールから生まれたものでした。前半17分、帝京左サイドからのロングボールに反応し、ライン裏に抜け出ようとした選手を広島皆実DFが後ろから倒すと、審判はレッドカードを提示します。序盤で1人少なくなった広島皆実は、FW9番金島選手に替えてMF14番秦選手を投入し、前線を1トップにして対応しました。

数的優位に立った帝京は、サイドチェンジやロングボールから両サイド深い位置へとボールを運び、センタリング攻勢を仕掛けます。こぼれ球も次々と拾い、厚みのある攻撃を見せますが、最後の最後で合わずなかなかシュートを打つことができません。時間が経つにつれ広島皆実が中盤でボールを奪う回数が多くなり、個人技を武器に帝京ゴールに襲いかかるようになりました。前半ラスト5分は帝京が再び主導権を握り、右サイドを起点として先制点を狙いますが、広島皆実DFの懸命な守備もあり、0-0のまま前半は終了します。

P1080051

後半開始から帝京は"何が何でも先制点を取る!"という意気込みの伝わってくる攻撃を展開します。広島皆実も後半5分に左からのセンタリングをヘディングで落とし、ボレーシュートで帝京ゴールを脅かしましたが、大勢を変えることはできません。それでもチーム全員が良く走る守備を見せ、帝京に決定的なチャンスをなかなか作らせませんでした。

後半23分、帝京は6番徳武選手、14番廣瀬選手を投入し中盤の顔ぶれを変えて膠着状態の打破を狙います。その効果もあったのでしょうか、30分にこの試合最大の決定機を迎えました。右サイドからのセンタリングに、9番キャプテン小川選手が見事なヘディングで合わせます。しかし無情にもクロスバーに弾かれてしまいました。直後の32分には、この日再三チャンスを演出してきた10番村松選手が左足で強烈なミドルシュートを放ちますが、GK神舎選手にキャッチされます。

P1080064_3

どうしてもゴールが遠い帝京は後半38分にFW16番石塚選手を送り込み、最後の最後まで得点を奪いに前に出ます。しかし両者無得点のままホイッスルの音が響き渡り、決着はPK戦へと持ち越されました。そして4-4で迎えた6人目で勝敗が決し、広島皆実が2回戦進出を決めました。

"たら""れば"は禁物ですが、後半30分のヘディングが入っていれば、の一言に尽きる試合でした。勝敗はサッカーの常ですが、都大会からここまで無失点という素晴らしい記録を打ち立てたチームが大会を去るのは非常に寂しい思いがします。尽きない運動量での全員守備は、多くの人の記憶に残るものだったのではないでしょうか。

引退となる3年生にはそれぞれの進路が待っていると思いますが、形を問わず今後もサッカーに関わっていって欲しいと勝手ながら思います。また、名門チームを引き継ぐ1、2年生には、再び全国の舞台で躍動してほしいです。

しつこいですが、都大会1回戦海城4対0、2回戦関東第一1対0、準々決勝駿台学園2対0、準決勝実践学園0対0PK、決勝国士舘2対0、そして今日広島皆実に0対0。公式戦6試合連続無失点はやはりすごいです。しかし、実力が拮抗する全国大会では、少ないチャンスをモノにする力が必要であるということ、運も味方につけなければならないということもあらためて知らされました。

奥山選手と村松選手のプレー、もう1度見たかったです。

2008年12月30日 (火)

鹿島学園vs一条

Kumazemi Report 2008-12-30
第87回全国高校サッカー選手権開幕戦
国立競技場(晴)
鹿島学園(茨城)   vs   一条(奈良)
1
0 前半 1
1 後半 0
1
3 PK 2

去年は突然霙まじりとなる激寒の開幕戦でしたが、87回大会は温かい日差しが射す国立競技場で行われました。

国立競技場という晴れの舞台でのゲームとあり、両校とも立ち上がりは流れを失うまいと最終ラインのディフェンスはリスクをおかさずにセーフティーなプレーを、そして中盤は短いパスからスペースを作って前線へという立ち上がりでした。

最初にチャンスを迎えたのは鹿島学園の前半9分の攻撃でした。左サイドから持ち込んだシュートに中央にスペースを作ってヘッドで合わせるもこれは惜しくもゴール左へ外れてしまいます。続いては前半12分の一条の攻撃ではペナルティエリア右側から得たフリーキックは鹿島学園3人の壁の頭を越えたキックは惜しくもゴールネット外側を揺らします。決定的なチャンスとは言えないまでも両校とも攻撃のパターンが出たところからゲームは中盤での非常にコンパクトなエリアでの攻防が続き、膠着状態が続きます。

突然ゲームが動いたのは前半32分でした。両サイドを広く使い始めた一条が左サイド8番への大きなサイドチェンジから中に入れたボールに10番の選手がタイミングよくシュートを合わせたところを鹿島学園DFが懸命に足を出しブロック、しかしそのこぼれ球を右サイドから詰めてきた9番の選手がが押し込むようにシュート、これが決まって大会初ゴールが生まれます。

Img_3002

鹿島学園は中盤での再三のボール支配も決定的機会を創出するボールをなかなか供給できなかったのに対し、一条は両サイドを大きく使ったワイドな展開から貴重な先制点をゲットしました。
前半はこのまま一条1点リードのまま折り返しますが、鹿島学園もボール支配率や足もとの技術を見ていてもこのまま終わるようには思えないだけに後半の立ち上がりが楽しみなゲームとなりました。

後半はやはり追う鹿島学園が立ち上がりからペースを掴もうと果敢な攻撃を仕掛けます。後半5分から20分過ぎまでは鹿島学園の怒涛の攻撃になります。ここから一条の辛抱の時間が続きますが、よく集中して守ります。

流れの中からなかなかゴールを決めることのできない鹿島学園は後半17分、左コーナーキックに鹿島学園2番の選手が後ろの方から飛び出して頭で合わせ、鹿島学園が同点に追いつきます。よく耐えていた一条でしたが、やはりこういう展開におけるセットプレーは怖いですね。

Img_3055

その後も鹿島学園の攻撃は続き、徐々に一条に疲れが見え始めてきますが、中盤からのくらいつくようなディフェンスはすばらしいものがありました。

後半30分過ぎには両校とも選手交代を行いますが、鹿島学園も決定的なチャンスをものにすることが出来ず、長いロスタイムを終え、非情のPK戦となりました。PK戦では最初の2本を外してしまった一条を鹿島学園が5本目を待たずして勝利のホイッスルを聞くこととなりました。

サイドから中央、そしてその逆とメリハリを持った一条イレブンの攻撃と集中力を切らさずプレスをかけ続けた一条DFは素晴らしかったです。鹿島学園は短いパスから展開する技術の高さはきっと武器になると思います。この一条イレブンの分まで2回戦を頑張ってほしいものです。

ここから1月12日まで続く選手権大会、各都道府県代表の皆さん、精一杯、持てる力を発揮して悔いの残らない貴重な時間を過ごして欲しいと思います。今年も皆さんのプレーを全力で応援したいと思います。

TEAM kumazemi

2008年11月16日 (日)

帝京vs国士舘

Kumazemi Report 2008-11-15
第87回全国選手権東京Bブロック決勝
西が丘サッカー場(曇のち雨)
帝京   vs   国士舘
2
1 前半 0
1 後半 0
0

東京Bブロック決勝は2年連続33回目の出場を狙う帝京が総体東京代表の国士舘と戦いました。第1試合の時と変わって、今にも雨が降り出しそうな曇天に変わった中、15時15分にキックオフされました。

先発11人中6人が1、2年生の帝京には驚きましたが、ここまで失点0の帝京に強力な攻撃組み立てトリオと柔剛フィニッシャーコンビがどう挑むかが見どころとしましたが、序盤前半10分までは五分五分で、両校とも比較的早めにタテにいれる展開でした。

最初にビッグチャンスを掴んだのは国士舘で、前半18分、自陣深いところからのロングボールに10番山本選手がオフサイドぎりぎりから飛び出し、GKと1対1となり、トラップして勝負するのではなく右のアウトによるダイレクトを選択、横から見てて「決まったか!」と思いました。が、ボールは僅かにそれ、決定機を逃してしまいます。

その2分後の20分でした。これまで国士舘のあまり中盤でこねくり回さないで速めにタテに入れる得意の展開にシュートを撃てずにいた帝京ですが、左サイド国士舘スローインのボールを奪取して逆サイドに展開、開いて受けた10番村松選手がいったん中に行くと見せかけて事前に空いていることを確認していたタテにドリブル突破を仕掛けます。これに国士舘DF3人が対応したものの、村松選手は引き付けたところで早めにクロスを上げ、このボールにニアサイドに向かって11番奥山選手がものすごい勢いで突っ込みます。

Img_2528

ボールは合わなかったもののこのプレーが国士舘GK結城選手とDF関根選手の交錯を招き、こぼれたボールを7番2年生稲垣選手が体を倒しながら見事なダイレクトボレーを叩き込み、帝京が先制します。あの予測しにくい場面に相手に寄せられながら瞬間的にあのプレーが出るのですからあっぱれとしか言いようがないです。

それにしてもここまで無失点で勝ち上がってきた帝京、堅守と言ってしまえば簡単ですが、前線の選手も中盤の選手も守備の意識が高くてプレッシャーかけるのがものすごく速く、これが高い再現性を持って展開されるのでDFが危険を察知しやすいのです。また、GK2年生内田選手も飛び出しのタイミング、正確なキャッチング、勇気とどれをとっても一級品、帝京は口で言うのは簡単ですがなかなかできない「全員守備」ができているのです。

 

Img_5447 Img_5452

雨が降り始めた後半ですが、帝京の速いプレスは一向に衰えないどころか冴えを増し、いいリズムの中の後半6分、左サイド攻撃から8番高木選手による二アサイドを狙った低いクロスに10番村松選手が飛び込み、右足を投げ出しながらシュート、これが決まって2対0となります。

後半15分には8番高木選手の左足ミドルシュートがクロスバーを叩くなど、帝京押せ押せムードが高まります。この高木選手、皆さんご存知元日本代表高木琢也さんのご子息だそうですが、高さがあって大砲と呼ばれたお父さんとは異なるプレースタイルです。

ゲームはこのまま帝京が速いプレスで国士舘の強力攻撃陣を封じ込んで完封、2対0で勝利し、2年連続で全国選手権出場を決めました。

Img_5475_2

今年の帝京はひと夏越えて1、2年生が伸びてレギュラーの座を獲得、全体的に小柄ながらスピードあり持久力ありで、全国制覇を狙えるチームに変貌しました。抜きん出たスターはいないそうですが、東京大会全試合を無失点で勝ち上がるのはそう簡単にできるものではありません。

この1年、今さらながら、試合中今おかれている状況を把握し展開を予測して動くことによる連動と、定められた試合時間フルに走ることのできる走力・持久力といったものがどれだけ大切なことか、また勉強させていただきました。ただ、ジャンプ力とか一瞬でトップスピードに入れる能力は、やっぱり持って生まれた才能なのかなぁ・・・研究してみます。

帝京の皆様、全国制覇目指してがんばってください!夢の決勝東京勢対決、よろしくお願いします!

Kumazeminame

2008年11月15日 (土)

國學院久我山vs駒澤大学高

Kumazemi Report 2008-11-15
第87回全国選手権東京Aブロック決勝
西が丘サッカー場(曇)
國學院久我山   vs   駒澤大学高
1
1 前半 0
0 後半 0
0

ついに決勝の日がやってきました。西が丘は無風で暖かく、大勢のファンが詰めかけました。それにしても駒大高の大応援団には、試合開始前から圧倒されたのでした。

両校どちらもコンディションが良さそうでしたが、前半2分に右サイドからの攻撃でドリブルで持込んだFW11番川久保選手川久保選手の切り返しからいきなりチャンスが生まれるなど久我山の動きが良く、このようなFW11番川久保選手の左右のスペースへの流れる動を生かしたサイド攻撃が展開されます。

しかし、大応援団の声援に後押しされる駒大高も、その直後に久我山DFの自陣での不用意なプレーを突いて惜しいループシュートに繋げるなど、両校序盤からチャンスを作ります。

私としましては駒大高が何とか先に先制して、高い技術を持つ久我山を焦らせれば面白い展開になると思っていたのですが、序盤から持ち前の華麗なパスサッカーを展開する久我山が、前半8分、右CKから中央から2番高橋選手がヘディングシュート、これが駒大GKを手をすり抜けゴールに吸い込まれ、先制します。

Img_2425

追う展開となった駒大高ですが、失点直後にセンターサークル付近でのFKをヘディングシュートに結びつけ、反撃を開始します。守備では駒大高6番の選手も久我山10番田邉選手に競り合いで勝り、このまま流れを久我山に行かせないようくらいついていきます。

しかし、今日の久我山はいつにも増してコンディションが良く、視野広く持ち前の技術の高さをいかんなく発揮します。特に中盤でのタメも効かせ方と、そこから前へ仕掛けていく際のダイレクトパスのタイミングと精度がすばらしく、これぞファンタスティックという展開を見せます。駒大高は35分に19番の選手に代えて8番の選手を投入しますが、前半はこのまま久我山ペースで終了します。

後半に入っても久我山ペースは変わらず、守備では前半少し不安定さがありましたが、中盤6番7番の選手が効き、安定さを取り戻していきます。この二人が簡単に確実にプレーしますので、リズムが崩れないのです。

しかし、前半押されながらも最小失点に抑えた駒大高もセットプレー一つ一つ大事にチャンスに結びつけ、展開では後半8分には右サイドの崩しからゴール前でのビッグチャンスも作り出すなど、私は見ていて追いつくチャンスは必ずいくつか来ると思っていました。

Img_5377 Img_5401

そして 後半16分でした。私が駒大高勝利のカギを握っている見ていた(4×4+2=)18番稲富選手が投入されます。入ってすぐ右サイドを駆け上がりシュート性のロビングを放ち、これがクロスバーをかすめるシーンがありました。押されている中ではこのような思い切ったプレーが流れを変えることがあります。事実、このあたりからチャンスを何度も作りながらもやや手間をかけすぎたか2点目を取れない久我山に対して、駒大高がいいリズムになりました。

しかし、久我山は上手いだけでなく、したたかさも持っていて、同点期を狙って押せ押せになる駒大高をさらに焦燥させるようなプレーも展開、そうこうしていると10番田邉選手が左足で強烈なミドルシュートを見舞うなど、本当によく鍛えられてます。

駒大高も32分に14番の選手を投入、必死に反撃を試みますが、ゲームはこのまま終了、國學院久我山が全国選手権出場切符を手にしました。

敗れた駒大高ですが、格上の久我山相手に初めての決勝でしたが、最後まで必死にくらいついて全力でプレー、特に守備では6番の選手を中心に最後まで集中切らさず守りきりました。すばらしかったです。

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私も長年高校サッカー見てますが、西が丘で試合終了後にバックスタンド応援席への挨拶だけでなく、ゴール側スタンドまで挨拶している景色は初めて見ました。それぐらい駒大高の応援はすごかったです。そして、その応援団に感謝の気持ちを表す駒大高サッカー部のみんなの深々と頭を下げていた時間は相当のものでした。今年ベスト4の壁を突破した駒大高、来期も期待しています。

勝った國學院久我山ですが、プロ入りが決まっている絶対的エースを擁し、FWに得点力があって、きちんと汗かき役もいる東京代表にふさわしいチームです。今日も全員が高い技術と戦術眼をあわせ持つ横綱にふさわしい試合運びでした。

全国制覇狙えます。

2008年11月11日 (火)

国士舘vs農大一

Kumazemi Report 2008-11-09
第87回全国選手権東京Bブロック準決勝
西が丘サッカー場(雨)
国士舘   vs   農大一
1
0 前半 0
1 後半 0
0

雨天の西が丘サッカー場の第2試合では農大一高と国士舘が対戦しました。
格上の国士舘に対し、農大一高はどのような戦いを挑むのか楽しみにしていた一戦です。

序盤はDFラインをそれほど上げずに落ち着いた立ち上がりを迎える国士舘に対し、農大一の4バックはラインを高い位置でコンパクトにしてゲームを展開します。前半10分に右サイドの深い位置でファウルを取った農大一は、キッカー14番の選手から柔らかいボールが出ますが惜しくも合わせられず、また14分には相手のクリアミスを拾ってからのスルーパスに10番の選手が詰めますが、国士舘GKのファインセーブに阻まれます。

そして前半15分を過ぎると徐々に国士舘が動き始めます。FW10番の選手がしきりに農大一DFラインの裏を狙う動きをとりますが、農大一もDF3番の選手を中心にラインを修正してきます。この動きにより、農大一はライン修正しながらもやや中盤にスペースを作らせてしまうことになり、国士舘7番の選手が左サイドを制し始めます。前半31分、この空いた左サイドのスペースへ出たパスを受けた国士舘7番の選手がそのままドリブルでゴールエリアへ持ち込みますが、これは惜しくもキーパー正面。ここからはやや膠着状態が続きます。前半終了間際には国士舘キャプテン5番の選手がドリブルからシュートを打ちますが、農大一GKが落ち着いてキャッチしました。

前半終了まで、しつこいくらいに繰り返しラインの裏を果敢に取ろうとする動きから出来始めたスペースをうまく使い始めた国士舘にリズムが生まれ始めたところで、前半終了のホイッスルとなり前半は0対0で折り返すことになります。

後半は、前半の3バックから4バックに切り替えた国士舘がどのような攻撃を仕掛けるのか楽しみでしたが、中盤でチャンスメーカーとなっていた農大一10番の選手の動きにも注目しました。後半始めに流れを掴んだのは農大一でした。左サイドからの10番の選手のロングボールを、右サイド7番の選手がフリーで受けて右足で放ったシュートは惜しくも外れてしまいます。続くコーナーキックからのチャンスも国士舘DFが必死の守りを見せました。

守りの時間を耐え抜いた国士舘は、後半15分頃からチャンスを作りはじめます。後半14分、ロングボールをゴール前でヘッドで落としたところに走りこんだ9番の選手のミドルシュート、FW11番の選手が農大一DFのマークを付けたままゴール前に持ち込んでのシュート、いずれもゴールにはなりませんが、先ほどまで流れを掴んでいた農大一が一方的にディフェンシブにならざるをえなくなります。こうなってくると国士舘の攻撃は止まることを知らず、後半23分には3本のコーナーキックを立て続けに得ます。セカンドボールを必ず拾い、そこからくる2列目からのシュートに何度もヒヤッとさせられた農大一でしたが、全員でゴールを死守します。こうして約10分間の国士舘の波状攻撃を何とか乗り切りました。

Img_2382

そして農大一の7番の選手に代わり17番の選手が入って間もない後半31分にゲームが動きます。農大一のクリアボールを国士舘10番の選手が奪うとそのまま持ち込み、一人かわして放ったシュートが決まり国士舘がついに均衡を破ります。相手のクリアミスで崩れたDFを突く、国士舘の一瞬の隙を見逃さない攻撃はここしかない、というシーンでした。

Img_2394

農大一ベンチも再度後半35分に動き、FW18番の選手、20番の選手を投入します。直後の37分、ロングボールに合わせてペナルティエリア外正面からミドルボレーを放つと、綺麗に国士舘ゴールに吸い込まれましたが、惜しくも直前のゴール前でのプレーがファウルとなってしまい、幻のゴールとなってしまいます。集中力の切れない両校は、攻守の切替の激しい死闘を残り5分間でも繰り広げました。国士舘の決定的な攻撃に対し、農大一は何度も捨て身の守備を見せ追加点を許しません。どぢて、西が丘に鳴り響く試合終了のホイッスルが、1対0で国士舘の決勝進出を告げました。

国士舘は終始バランスよく、そしてシンプルに攻め、時には両サイドからの揺さぶりも出来、また5番の選手をはじめとする安定したディフェンスは、帝京との名門決戦に大きな期待を持たせてくれるものです。

また、大応援団を率いた農大一は、最後まで集中力を切らすことなく全力で国士舘を攻め立てた攻撃や、統率の取れたディフェンスラインは素晴らしいものでした。農一旋風が限りなく吹き荒れたこの選手権だったと思います。来年、また新チームになってこのグラウンドに緑の旋風が吹き荒れることを楽しみにしたいと思います。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

私が密かにマークしていた早大高等学院(地区予選で専大附属、都保谷、都石神井を完封撃破))を破った農大一、ベスト4はその実力を示すものであり、国士舘相手に喰らいつけたのも納得です。

Img_2165

農大一高、ありがとう。

Kumazeminame

2008年11月10日 (月)

帝京vs実践学園

Kumazemi Report 2008-11-09
第87回全国選手権東京Bブロック準決勝
西が丘サッカー場(曇)
帝京   vs   実践学園
0
0 前半 0
0 後半 0
0 延前 0
0 延後 0
0
7 PK 6

昨日と変わり映えしない曇天の中、この天気と真逆の展開でBブロック準決勝が展開されました。

総体都大会で國學院久我山に0対4と信じられないスコアで決勝トーナメントを阻まれた帝京ですが、ここまでの3試合全て完封で勝ち上がり、しかも準々決勝では駿台学園に完勝してここまで来ました。対する実践学園は初戦足立学園の粘りに苦しみつつも準々決勝では都駒場を一蹴して勝ち上がってきました。

Img_5320_2試合は序盤から帝京が厳しいプレッシャーをかけ、セカンドボールに対する読みも対応も速く、実践学園を圧倒します。攻撃では10番の選手が中心となってダイレクトプレーを随所に織り交ぜ、信じられない身体能力を持つキャプテン11番の選手の突破力と空中戦に強く一発のある13番の選手を中心に多彩な攻撃を仕掛けます。

対する実践学園攻撃のカギは両サイドハーフかなと思っていたのですが、これでもかこれでもかと繰り返される帝京の分厚い攻撃に、守勢に回らざるを得なくなります。それでも前半11分と12分に立て続け似合ったFKのチャンスでは、ゴール前GKの出にくいポイントにボールを入れてこぼれ球を狙うパターンを展開しました。

20分過ぎには帝京が時折ロングボールを入れる攻撃も見せ始め、迫力ある連続攻撃でどんどん実践学園を追い詰めていきます。正直、失点も時間の問題かなと思いましたが、実践学園は守備でつまらないミスを犯さず、体を張り堅実にとにかく耐え続けていました。帝京の26分の右サイドFKから10番の選手のヘッド、30分の10番の選手に右サイドを突破されての13番の選手へのニアでの合わせにも必死に守り、37分の右CKをグラウンダーでニアに合わされたピンチも体を張って守りました。このように帝京の分厚い怒涛の攻撃にとにかく耐える実践学園でしたが、前半はこのまま凌ぎ切り、何とか0対0で前半を終えます。

後半も実践学園の耐える時間は長くなるだろうなと思っていたのですが、ベンチワークが流れを一転させます。後半5分、実践学園は4番の選手に代えて8番の選手を投入します。この8番の選手がそれまでの耐える実践学園を苦しみから解放します。縦横無尽に動き回り、正確な技術で果敢に帝京に挑み、これにより前半は孤立して機能していなかった前線11番9番の選手にボールが入るようになり、ダイレクトプレーがバンバン出てきて前半と打って変わって見違えるようなチームになります。逆に8番の選手が入ってから15分くらいは、連続セットプレーを受けるなど帝京が耐える時間となりました。

押され気味だった帝京も後半20分過ぎからは盛り返し、25分には左ファーサイドへのクロスにフリーの13番の選手に決定的チャンスが訪れるなど徐々にリズムを奪い返しに行きます。しかし、この直後の29分には実践学園が右サイドからロビング気味のクロスに前に出てきた帝京GKが触れない惜しいヘディングシュートもありました。

そして26分の帝京の選手交代の後、34分に実践学園はいつものスーパーサブ19番の選手を投入、両チーム延長を見据えます。試合はこのまま0対0で終了、昨日のAブロックの2試合に続いてまたもや延長戦突入となります。

延長前半6分、帝京にビッグチャンスが訪れます。ゴール右側すぐそばで帝京が間接FKを得たのです。このプレースキックは観衆が息を飲むドキドキの場面となりました。キッカーを任されたのは6番の選手でした。

Img_5309

この絶体絶命のピンチを防いだ実践学園は8番の選手の豊富な運動量と19番の選手のスピードで息を吹き返して逆襲しますが、さすがここまで失点0の帝京守備陣、強く堅実な守りで決定機を作らせません。このような息詰まる両者の攻防に20分は短すぎ、ゲームはこのまま終了、PK戦にまでもつれ込みました。結果は7人目まで行って7対6で帝京が決勝進出を決めました。

Img_5332 Img_5341

それにしても壮絶な試合でした。前半の実践学園は、あれは作戦だったのかと勘ぐりたくなるほど後半・延長は別のチームに変貌、とても見ごたえある展開となりました。特に実践学園8番の選手の動き、レフティ7番の選手の正確無比な左足のプレースキックには唸るものがありました。

帝京はこれで初戦海城戦から連続4試合無失点で決勝まで勝ち上がりました。さすがです。

kumazemi's favorite players 2008:実践学園の8番

Kumazeminame

2008年11月 9日 (日)

駒澤大学高vs修徳

Kumazemi Report 2008-11-08
第87回全国選手権東京Aブロック準決勝
西が丘サッカー場(曇)
駒澤大学高   vs   修徳
0
0 前半 0
0 後半 0
0 延前 0
0 延後 0
0
4 PK 2

雨の上がった西が丘、Aブロック準決勝第2試合です。

過去何度かベスト4まで勝ち上がったものの準決勝の壁に阻まれていた駒大高が、何度も西が丘の芝を踏んでいる修徳にどんな戦いを挑むのか注目していました。

立ち上がりからお互い強い当たりと速いチェックで相手の出足を封じ込みあう激しい展開となりました。ファーストシュートこそ修徳でしたが、セカンドボールやルーズボールをことごとく拾う駒大高がややペースを掴みます。この駒大高のプレシャーに伝統のサイド攻撃を封じられる修徳でしたが、そこはさすが名門、守備ではマークがずれることなくきっちりと相手を捕まえ、決定的場面は作らせません。やや膠着気味の展開が続いていきますが、前半20分あたりから高い技術を持つ10番の選手を起点に攻撃を仕掛ける修徳が流れを取り返していきます。

対する駒大高は前半36分に右FKをファーポスト方向に入れ、ヘッドでフィニッシュまでいきますが、ここは修徳GKがナイスセーブで防ぎました。でも特筆すべきは両校のディフェンスで、特に駒大高は集中切らさず人数をかけて3試合で11得点の修徳を封じ込みます。とにかく両校の守備に関する意識の高さはすばらしく、動けど動けどほとんどフリーになれない両校FWはかなり苦しい展開だったと思います。そんな中、愚直なまでにポストプレーに徹する修徳FW9番の選手がことのほか光っていました。ただ、前半はこのまま両チーム無得点で終了します。

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後半に入ると最初から駒大高がエンジンかけてきて、9分、11分と同じような位置(修徳陣内右タッチライン際)から連続してFKのチャンスを得てゴール前での競り合いを仕掛け、13分にはもっと近いペナルティエリアすぐ外でのFKを得て8番の選手のヘディングシュートに結び付けますが、ゴールを割ることはできませんでした。このように後半20分くらいまでは修徳押され気味の展開でした。

しかし、後半21分に修徳が右ペナルティエリアすぐ外のFKをファーへ蹴り込み、そのこぼれ球をシュートまで持って行ったあたりからリズムが出てきます。駒大高は22分に長身の14番の選手を送り込みますが、入った直後の競り合いで頭部を負傷、流血のため交代するアクシデントが起こります。

ここら辺から1対1がやたらと強い両校が激しいぶつかり合いを展開、38分に駒大高が左サイドからゴール前にすばらしいクロスを供給、そこにヘッドで飛び込みますが僅かに合わないビッグチャンスがありました。

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試合はこのまま両チーム前後半無得点のまま延長戦に突入、ここでも両校集中を切らすことなく、高い守備の意識で激しく戦い、どちらかというと駒大高の怒涛の攻めに、修徳がやれるものならやってみろ的な強力な守備で対抗、延長前後半20分の激闘はスコアレスドローで終了しました。そして決着はPK戦でということになり、先攻の駒大高が4人目まで落ち着いて決め、決勝戦切符を掴み取りました。都三鷹、暁星、修徳を破っての決勝進出、グレートです。

100分間集中切らさず守り抜くことがどんだけすごいか、敗れた修徳を見ていて、サッカーやったことある方なら魂揺さぶられたと思います。修徳のひたむきで必死で一生懸命なプレーを見ていて、我が子もそういう子供に育てたいなと思いました。

駒大高の決勝戦におけるカギは4×4+2です!

Kumazeminame

2008年11月 8日 (土)

國學院久我山vs成立学園

Kumazemi Report 2008-11-08
第87回全国選手権東京Aブロック準決勝
西が丘サッカー場(雨)
國學院久我山   vs   成立学園
2
0 前半 0
1 後半 1
0 延前 0
1 延後 0
1

ついに西が丘サッカー場です。冷たい雨がそぼ降る中、東京を代表するチーム同士の準決勝が行われました。美しさを追求する理想高き名門が、今日は泥臭く勝負に挑みました。

全員坊主刈りで出てきた久我山イレブンにはびっくりしましたが、立ち上がりは普通の髪型の成立学園がペースを握りました。6番、7番の選手が中盤を形作り、前線10番、11番の選手に当ててサイドに展開、そして再び強力フィニッシャー11番の選手を狙います。対する久我山は“ダイナモ”8番の選手が、6番の選手にパスを出し、その6番の選手を追い越して右サイドに飛び出しリターンを受けるなど、今日も動き回ってチャンスメークします。

Img_4969 前半20分くらいまでは成立学園優勢で、久我山はなかなかいいチャンスを作れない展開だったと思います。特に成立学園の中央の守備は強固で、FC東京入団が決まっている10番田邉選手やエース11番の選手の突破をも簡単には許しません。

しかし、今日の久我山はロングボールを入れる展開も感じるににいつもよりやや多く、攻撃にスピードがあって守備にはタイトなマークを誇る成立学園相手に泥臭さも見せていました。それでも久我山10番田邉選手の個人技はエレガントであり、時折見せる切り込んでいくドリブルでは何人もの成立学園DFを引き付け、チャンスになっていました。

やや成立学園が攻めあぐねる展開になってきた前半34分、やはりここでも久我山10番田邉選手が右サイドからドリブルで切り込みゴール前で決定的チャンスを作り出しますが、ここは成立学園DFが凌ぎました。前半は55対45くらいで成立学園が押し気味だなという感じで0対0で終わりました。

後半になると、久我山が開始直後からガンガン来ました。後半6分には、素早いダイレクトパスの交換から、一瞬のスキを見逃さず8番の選手がミドルシュート、直後の7分には中央から10番田邉選手の左足のシュートとフィニッシュまで行く展開が連続しました。しかし、成立学園も激しい守備で真っ向勝負、見ごたえのあるゲーム展開になっていきました。

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ここらあたりからベンチワークも見ものになってきますが、先に動いたのは成立学園で、後半8分に10番と14番の選手に代えて9番と18番の選手を投入、攻撃スタイルがFWに当ててサイドへの展開から手間かけずに早めにDFの裏を突く攻撃に切り替わりました。後半20分には今度は久我山が9番の選手に代えて長身かつ一気に抜け出す力のある20番の選手を投入、こちらもいざという時の空中戦一発とタテ一本を準備します。そして後半25分でした。左サイドを駆け上がった久我山4番の選手のクロスにFW11番の選手が反応、見事なトラップから落ち着いてゴール右上に蹴り込みました。これは技術の高さがよくわかるすばらしいゴールでした。

流れ的にこのまま先制した久我山が押し切るかと感じていた後半30分、執拗にDFの裏を狙っていた成立学園が、左サイドから入れたロビング気味のボールに、9番の選手がゴール遠目の位置ながらヘディングシュート、ボールは見事な弧を描いてゴールキーパの頭上を越え、ゴールに吸い込まれていきました。これで再びゲームは振り出しに戻ります。

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ゲームはこの後もお互いに譲らずに終了、延長戦に入ります。延長前半5分に成立学園が6番の選手に代えて13番の選手を投入、この13番の選手が縦横無尽に動き回って久我山を攻め立てますが、直後の8分、華麗なパスサッカーが持ち味の國學院久我山がついにタテ一本をかまし、抜け出した20番の選手がGKと接触しながらもゴールに流し込み勝ち越し、と思いきや、これはファウルでノーゴールとなってしまいました。こんなこともあってゲームは何となく異様な雰囲気のまま、勝負は延長後半に持ち越されます。

そして延長後半6分でした。久我山の“ダイナモ”8番の選手から左サイド寄りでボールを受けたエース11番の選手が、受ける前に空いていることを確認していた右側(つまりゴール方向)にコントロール、そのままゴールに向かってドリブル突破を開始、ペナルティエリア直前で10番田邉選手が前に走りこみ成立学園DFを引き付けて一瞬スペースができたところを、止めにかかる成立学園DFに寄せられてバランスを崩しながらもシュート、これがゴールをネットを揺らしました。しゃがみこむ成立学園DFに、喜びを爆発させる久我山イレブン、あまりにも強烈なコントラストでした。この後、残りわずかとなっても成立学園は諦めずに猛攻を仕掛けましたが、無情にもタイムアップ、東京を代表するチーム同士のセミファイナルは國學院久我山に軍配が上がりました。

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それにしてもハイレベルなすばらしいゲームでした。手に汗握るとはこのことですね。横綱が苦しみながらもエースストライカーの2発で底力を見せ、久しぶりの決勝に進みました。いよいよ次が最終決戦です。

kumazemi's favorite players 2008:國學院久我山の11番

Flying_gutsman

2008年10月22日 (水)

修徳vsかえつ有明

Kumazemi Report 2008-10-19
第87回全国選手権東京Aブロック3回戦
清瀬内山グラウンド(晴)
修徳   vs   かえつ有明
1
0 前半 1
1 後半 0
0 延前 0
0 延後 0
1
3 PK 1

午前中より風が少し強くなった清瀬内山グラウンドで行われたベスト4をかけての修徳vsかえつ有明戦、速報隊員が写真は撮れなかったものの感動のリポートを届けてくれました。

キックオフ直後は両校とも探り合いのような状況で、中盤でボールの奪い合いという展開でしたが、前半10分のかえつ有明の初シュートを皮切りに、徐々にかえつ有明がペースを上げていきます。かえつ有明は、右サイドを細かいパス回しでつなぐ攻撃を中心にペースをつかんでいき、FW10番の選手が俊足を生かして修徳DFの裏を取ったり抜き去ったりと活躍を見せ、修徳ゴールに襲い掛かりますが、修徳はチームプレーで猛攻を防いでいました。

一方、修徳も黙ってはいません。高さのある堅い守りからボールを奪うと、攻め上がっているかえつ有明の右サイドのスペースへとロングボールを流し込み、一気に駆け上がります。この時、修徳10番の選手が攻守にわたりサポートし、DFの裏を狙うべく動きまわる9番にボールを入れ、シュートチャンスを作っていきます。ライン際でのかえつ有明のショートパス、修徳のロングパスは見もので、両校ともライン際の強さ・うまさが光るいいプレーが続出の展開でしたが、試合としては膠着状態が15分ほど続きます。

試合が動いたのは前半27分です。かえつ有明がまたもや右サイドを細かいパス回しで攻め上がり、中央へグラウンダークロスを出すと、それに反応して走りこんできた選手がドンピシャのタイミングで足を合わせゴールを決めました。かえつ有明がスコアを1-0とします。

先制し、勢いづいたかえつ有明は、その後10分ほど左サイドを中心にショートパスをつなぎ波状攻撃を仕掛けます。修徳にとっては耐える時間帯となっていましたが、先制されても焦ることもなく、運動量・集中力とも切らさず必死に守りを続けます。必死の守りから前線へボールを運び、攻撃回数を増やしていくことで、少しずつ自分たちのペースを取り戻し、試合は膠着状態のまま前半戦終了となります。

後半戦、先にペースをつかんだのはリードしているかえつ有明でした。両サイドを使いながら短くパスを回し修徳ゴールに襲い掛かる、かえつ有明押し気味の試合展開となります。

修徳は後半10分に9番の選手がバイタルエリア右から強烈なシュートを放ちますが、枠左に外れます。両校ともに疲れの見えだしてきた後半21分、修徳ベンチが動き2名の選手を交代をします。これが功を奏したのでしょうか、ここから徐々に修徳がペースを取り戻し、少し運動量が落ちてきたかえつ有明からボールを奪う場面が増えてきます。

後半30分過ぎから修徳が怒涛の攻撃を見せ始めます。後半34分には、修徳7番の選手が右サイドを駆け上がり絶妙なクロスを上げると、12番の選手が頭で合わせましたが枠右に外れました。疲れの見えてきたかえつ有明に対し、2人の選手交代から勢いに乗ってきた修徳。2人に引っ張られるかのように、他の9人の選手も運動量を落とさず、果敢にかえつ有明ゴールを脅かしていきます。かえつ有明も必死の守備で修徳の攻撃を防ぎますが、後半36分に修徳がPKのチャンスを得ました。後半の疲れのある中、攻守ともに必死に走り回っていた修徳10番がキッカーです。プレッシャーのかかる中、落ち着いてキーパーのいない真ん中へ蹴りこんでゴールを決めました。修徳が追いつき、1-1となります。

このまま修徳押し気味の試合が続きますが、ロスタイムも消化し後半終了となります。ベスト4を掛けた戦いにふさわしく、激闘は延長戦に突入していきました。延長前半2分にはかえつ有明、3分には修徳がペナルティーエリアからシュートを放ちますが、ゴールにはなりません。疲れがピークに達しているであろう身体に鞭打ち、両校一進一退の攻防を繰り広げますが、膠着状態のまま延長戦前半は終了します。

延長戦後半、最初のシュートはかえつ有明でした。風の影響もあり、あわやゴールかと思われましたがクロスバー上に外れます。試合が動いたのは延長後半5分。修徳の攻撃を防ごうと、かえつ有明は必死に守っていましたが、ペナルティーエリア内でファールを取られ、修徳にPKのチャンスを献上します。修徳サポーターはビッグチャンスに大声援の嵐。私の周りにはかえつ有明のサポーターの方が多かったのですが、みなさんからはため息の声でした。そんな中立派だったのが、かえつ有明選手応援団でした。キーパーを信じ、最後まであきらめずに大声で応援をしていました。その祈りが通じたのか、何とPKをファインセーブ。修徳のキッカーも左上の厳しいところを狙ったのですが、かえつ有明キーパーが横っ跳び一番でゴールを死守します。ピッチの雰囲気が一瞬にして逆転しました。かえつ有明のキーパーの精神力・判断力には本当に感動しましたし、その後ピッチの雰囲気が変わった中でも決して攻撃の手を緩めない修徳イレブンの集中力・精神力にも感動しました。

この感動さめやらぬまま、両校ゴールを奪えず、両校イレブンが死力を尽くした延長戦も前後半終了し、PK戦に突入します。PK先攻は修徳、後攻がかえつ有明です。激闘の試合を戦った満身創痍のイレブンが共に肩を組み、勝利を信じ、気持ちを一つにしているのが、見ていてすごく伝わってきます。どこからこのエネルギーが出てくるのか、と不思議な気持ちになるぐらいのオーラを選手は出している中、PK戦がスタートしました。

結果、修徳のキーパーがファインセーブを連発し、3-1で修徳が激闘の末の逆転勝利を手にしました。

トーナメント戦は勝者がいれば、必ず敗者がいます。そのような極度の精神状態の中で試合をしていた両校イレブンは、試合終了後、極度に張りつめた緊張感と敗れた悔しさから、涙を流して崩れていました。

修徳イレブンは最後まであきらめず、走り切った100分。本当にお疲れ様でした。そして、本当におめでとうございます。準決勝も素晴らしい戦いをしてくれることを期待しております。また、惜しくも敗れたかえつ有明イレブン。本当にお疲れ様でした。そして、感動を本当にありがとう。選手応援団を率いていた方も泣き崩れていましたが、このようなお互いを信じ支えあえるチームというのは本当に素晴らしいと思います。この悔しさをバネに、3年生はこれからの人生を素敵な人生に、2年生、1年生は来年に向けてまたいいチームを作って選手権予選に出場してきて下さい。両校イレブン、監督、コーチ、保護者の皆様、このような素晴らしい試合を見せて頂き本当にありがとうございました。

2008年10月21日 (火)

駒大高vs暁星

Kumazemi Report 2008-10-19
第87回全国選手権東京Aブロック3回戦
清瀬内山グラウンド(晴)
駒澤大学高   vs   暁星
3
1 前半 1
2 後半 0
1

2回戦から約4週間が経ち、Aブロックベスト4の切符をかけて熾烈な戦いが行われました。ひと夏超えて総体の雪辱に燃える暁星、昨年の全国選手権ベスト8都三鷹を破って勝ち進んできた駒大高、どちらが西が丘のピッチに立つのか、注目の一戦です。

キックオフとともに駒大高の早い寄せに暁星はロングボールで対抗、序盤は互いにペースを握らせない展開でした。すこしずつ駒大高がリズムを掴み変えてきたなと感じていた前半13分、暁星はゴールやや左で得たFKに12番の選手が頭で合わせて先制点を叩き込みます。やや押されながらもセットプレーからのチャンスをものにしたこの先制点で、暁星応援席が一気に湧き上がります。

前半19分過ぎには、1点先制した暁星が左右のCKを3本立て続けに得ますが、駒大高GKのファインセーブや、強いDF陣の前に決めることができません。この後はやや膠着状態が続きますが、駒大高のパスの精度が高くなってきた前半30分くらいから、ゲームのリズムが徐々に変わり始め、暁星の相手の裏をつくカウンター攻撃に対し、駒大は繰り返し左右のサイドをテンポ良く切り崩して攻撃を仕掛けていきます。

そして前半34分、リズムを掴みつつあった駒大高は、ペナルティエリア右で得たFKからの競り合いでポストに当たったこぼれ球にしっかり反応、詰めていた13番の選手が落ち着いて蹴りこみ、ゲームは振り出しに戻ります。

Img_0874

前半の残り時間はややディフェンシヴながらも俊足の12番や10番の選手を軸に攻撃する暁星、同点に追いつき士気の上がる駒大高がきちんとパスを繋いで空いたスペースを狙うといった感じでした。この後、駒大高は前半36分にゴール左いい位置でのFKのチャンスがありましたが、。前半は1対1の同点で折り返すことになります。

後半立ち上がり早々の1分、リズムを掴んだ駒大高が3本連続のCKの場面を作りますが、暁星もディフェンスを厚くしてこのピンチを凌ぎます。後半5分には、今度は暁星がFKのチャンスを得ますが、ここは駒大高GKがうまくセーブしました。後半15分には駒大高がFKを得てセットプレーのチャンスを得、9番の選手がが壁の上を抜きながら変化させて直接狙いますが、暁星GKがパンチングでファインセーブします。この両校のセットプレーからの攻防は見ごたえがあり、両GKのファインプレーもこれからの展開にワクワクさせてくれるものでした。

後はどちらが流れを掴むかがポイントだと思っていましたが、駒大高が徐々に中盤を支配、高い精度のパスを織り交ぜた攻撃に暁星はディフェンシヴにならざるを得ない時間帯が続きます。そして後半26分、駒大高が左サイドからのワンツーとペナルティエリアでの短いパス交換でテンポ良く切り込み、相手DFを振り切った駒大8番の選手が逆転ゴールを蹴りこみます。残り時間を考えても早く同点に追いつきたい暁星は、これまでのややディフェンシヴなサッカーから、一転攻撃的サッカーに切り替え、球際にも強さを発揮して駒大高ゴールを攻め立ていきます。

逆転した駒大高もDFを固め、明らかに先ほどまでとは違う暁星の波状攻撃に耐えていた後半37分、前架かり気味で守備の薄くなった暁星右サイドを駒大高10番の選手がドリブル突破、ゴール右に走り込んだ7番の選手がパスを受けてシュート、駒大高が決定的とも言える3点目を奪取します。

 

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ロスタイムに入っても、暁星は最後まで諦めることなく駒大ゴールを襲いますが、このまま3対1で駒大高が暁星を破って聖地西が丘の切符を手にしました。

駒大高はこれでAブロックベスト4、次は名門修徳との決戦です。選手権都大会において、さほど前評判が高くない時の修徳はデンジャラスです。駒大高にとって準決勝はある意味鬼門であり、ここからはプレッシャーとの戦いでもありますが、正確なパスとここ一番でのスピード攻撃ですばらしいパフォーマンスを期待しています。この駒大高vs修徳は間違いなくすごい試合になります。

Img_0985

Kumazeminame