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2007年12月31日 (月)

都三鷹vs高知中央 Vol.2

Kumazemi Report 2007-12-29
第86回全国高校サッカー選手権開幕戦
国立競技場(晴後雨)
都三鷹   vs   高知中央
3
0 前半 0
3 後半 1
1

コーヒー飲んで席に着いたら、すぐ後半がはじまりました。それにしても多くのお客さんが来てました。ちびっ子もたくさん来てましたし、少年サッカーの指導者のような方たちもいて、午前中に大掃除をササっと済ませて見に来て正解だったなと思いました。ものすごい元気をもらえました。

さて、試合ですが、前半と逆でファーストシュートは三鷹が撃ちました。少し動きがよくなってくるのかなと思っていた矢先の後半3分、攻め込まれた三鷹がゴール付近での浮き球を、そんな体の大きくない林選手が全身を伸びきらせながらヘッドでクリア、しかしそのクリアボールが無情にもいいところにいた高知中央9番の選手の目の前に、それを慌てず右足ボレー、ボールは右ポスト内側に当たってネットを揺らし高知中央が先制します。

後半開始直後、しかも完璧に崩されたわけでなく、セットプレーからの失点・・・流れが高知中央に行ってしまうのかなと思いました。しかし、逆にこの1点で吹っ切れたのか、この後は三鷹の動きががぜんよくなり、高知中央の動きが悪くなっていきます。思えば東京朝鮮、関東第一、都駒場、早実と1試合とて気の抜けない激戦をしぶとく勝ち抜いてきた三鷹の本領発揮のお膳立てができたのでした。

Photo_9 ここからの三鷹は前半より運動量が増え、ボールもよく動き、詰めも速くなっていきます。運動量が増えた分パスコースの選択肢も増え、がっちりマークされていたながらクサビを待ち続けた白井選手もボールを受けやすくなります。そして、前半より深いところまで仕掛ける攻撃が目立ち始め、やや安定さに欠ける高知中央DFに果敢に仕掛けていきます。受身に回った高知中央はいい形で入ると三鷹にとってデンジャラスになるの10番の選手にまったくボールが入らなくなりました。

こうなるといつものシンプルパスサッカー全開です。雨も上がって運も味方につけました。そんな中の11分、ここで高知中央が6番の選手に替えて22番の選手を入れます。6番の選手はスピードがあり、林選手と激しくやり合い林選手得意のオーバーラップを躊躇させているのではないかと私には映っていたので、ちょっとびっくりしてしまいました。ケガでもしていたのでしょうか。このあたりでは北見選手が見事な反転からからタテを狙った11番吉野選手にパス、シュートにつながるプレーも出て、だんだんリズムがよくなっていきます。

Photo_7後半16分でした。高知中央の選手が自陣左サイドの何でもないプレーからGKにバックパス、しかしこれが距離の割りに弱すぎ、すぐに反応した三鷹のエース白井選手がボールを奪取してシュート、GKに一度は止められますが跳ね返りを落ち着いて流し込み同点となります。

不安定さがこのような形で出てくるとは私も思わなかったのですが、高知中央にとっては痛い失点に結びついてしまいました。でも10番の選手は「まだ1-1の同点だ」と仲間を鼓舞してました。すばらしいキャプテンシーです。

息を吹き返した三鷹はさらにプレッシャーを強め、21分にCK、22分には中央25mの位置でFKゲット、23分にはこの日6本目となるCKを得るなど押せ押せになります。

Photo_8 そして後半28分、スローインから右サイドをタテに抜け出した14番玉江選手がゴールラインすれすれの深い位置からセンタリング、二アサイドに詰めた白井選手がこの浮き球を右足ツータッチで見事にボールコントロール、スリータッチ目のシュートがGKの股間を抜けついに逆転します。前半あれだけ素早く寄せていた高知中央ですが、ここでは一歩寄せきれず玉江選手のセンタリングと白井選手のシュートを許してしまいました。

三鷹の中盤の局面局面であっという間に数的優位を作り出して次々と繰り出すタテへの効果的なパスは本当にリズミカルでした。

3_2 この後に19番大木選手を投入(関東第一戦でも後半出てきて暴れまくってましたね)、31分にこの大木選手がタテへ突進してミドルシュート、しかしまったくミートせずボテボテのゴロに・・・これに左側にいた18番炭谷選手が素早く反応して拾ってシュート、一度はGKがはじきますが、そのはじいたボールがドフリーの3番山崎選手の目の前へ・・・これをダイビング気味にヘッド、見事な3点目が決まりました。

白井選手のバックパスをゲットするという、ただ目の前に転がりおちてきたようなチャンスにも慌てず落ち着いて決める能力、同じく白井選手の2点目、あの位置へ信じて走る真摯なプレー姿勢と見事なボールコントロール、3点目の炭谷選手の反応と、あそこに位置取り、目の前にきたこぼれ球を焦らず難なくヘッドで押し込んだ山崎選手。日ごろ相当練習していないとできないプレーです。特に攻撃の場合、ゴール前で自分が走りこんだところにドンピシャでボールが来るのは何十回に一回あるかないかですから、何時も信じて走り続けるというのは並大抵のことではないのです。そしてツイてない時はこの自分に入るボールやポストやバーの跳ね返りがセンチメートル単位でずれるんです。

三鷹の選手は後半普通にやってましたが、制約の多い練習環境の中で、素晴らしい指導者の下、選手一人ひとりが考え、工夫し、時間が足りない分を質で補ってここまで来たのでしょう。

歴史を作った皆さんに心からおめでとうと言いたいと思います。

感動させていただきました。

Photo_10

2007年12月30日 (日)

都三鷹vs高知中央 Vol.1

Kumazemi Report 2007-12-29
第86回全国高校サッカー選手権開幕戦
国立競技場(晴後雨)
都三鷹   vs   高知中央
3
0 前半 0
3 後半 1
1

東京の高校サッカー史に残る歴史的瞬間をこの目で見ようと、国立競技場へ行きました。そしてその瞬間に立ち会えることができました。三鷹イレブン、山下先生、香取先生、コーチングスタッフ、在校生、卒業生そしてご父兄の皆様、本当におめでとうございます。

ここ最近の全国選手権への都立高校の出場は3回ありますが、平成4年度第71回大会の都久留米(初戦東海大五に0対1惜敗)、平成9年度第76回大会の都駒場(初戦米子工に2対2からPK戦敗退)そして昨年第85回大会の都久留米(初戦準優勝した作陽に1対2惜敗)といずれもあと一歩のところで初戦突破を阻まれていました。

もし都三鷹が勝てば都立勢初の初戦突破となるというわけであり、よって上述の「東京の高校サッカー史に残る歴史的瞬間」と表現しました。それにしても試合はハラハラドキドキの展開になりました。

Photo

開始直後から三鷹は技術もしっかりしていてスピードのある高知中央攻撃陣にかき回され、やはり緊張からかいつものパスサッカーに冴えが見られず、開始1分でCK取られるなど高知中央優勢で試合が進みます。今日の三鷹はボールを奪取してもなかなかつなぐくことができず、特に白井選手に入るクサビのパスにはとりわけ高知中央も素早く詰め、白井選手も苦しそうでした。キャプテン北見選手も右の林選手がオーバーラップできない(前半はしない作戦だったかもしれません)こともあってか再三左サイドの突破を試み、相手の中央の守備陣形を崩そうとしますが、高知中央DFの配置はそう簡単に崩れず、なかなかチャンスが作れません。しかも私が家を出るときはあんなに陽がさしていい天気だったのに、あっという間に国立の空を覆いつくした分厚い雨雲から雨が滴り落ちて来たのです。水を含んだ芝のピッチはボールコントロールを難しくするので私は「嫌だな」と思っていました。

10

このような状況でも、選手たちはいつもの三鷹らしく少ないタッチでスピーディにつないで・・・という意思はわかるのですが、やはり雨の影響を受けたピッチコンディションに加え、高知中央のプレッシャーも速く押される時間が長くなっていきます。

しかし、私はこの前半あることに気がつきました。それは、「高知中央の守備陣はいい守備もするが不安定さもあるな」ということです。確かに白井選手にそう簡単に前を向かせずシュートも1本も打たせず、サイド攻撃を受けても中の配置を崩さずしっかり相手をマークする守備ができる反面、奪ったボールの最初の処理やビルドアップしていく時の連携に大なり小なりミスが目立っていたのです。

でもこの前半、ビッグチャンスはやはり押し気味に進める高知中央にやってきました。20分、左サイドからの攻撃で高知中央の選手が低いライナー気味のクロスを入れられ、18番炭谷選手がとまずいと思って素早く戻ってゴール前でクリアしようとしたのですが濡れた芝で球足が速く、かすった形になってあわやオウンゴールかというシーンがありました。これには私も冷や汗が出ました。

一方三鷹は33分、右サイドで高知中央6番の選手とマッチアップになっていた林選手が粘ってタテに流れた11番FW吉野選手にパスを通し、その吉野選手からの折り返しにキャプテン北見選手がシュートを打った場面がありました。シュートはGK正面でしたが、高知中央20番の選手が素早くきっちり寄せてきたので左に蹴りこむことができませんでした。あの寄せがもう一歩遅かったら、北見選手の技術をもってすればGK左側を抜いて得点になっていたのではないでしょうか。

このように前半は緊張と雨の影響からかパスの強弱や精度がいまひとつでなかなかいつもどおりのシンプルパスサッカーができない三鷹でしたが、スピードと高い技術、そしてフィジカルの強さを持つ高知中央攻撃陣に対して守備の集中だけは切らさず0-0で終わりました。攻撃に関しては、堂尾選手にいいミドルを打てるチャンスが複数回ありました。晴れてたら1本は決まってたと思うのですが(堂尾君失礼なこと書いてごめんね)、いかんせんこの雨でやりにくそうでした。

私は、思いっきり期待させていてドーンと落とすようなことする今日の天気を恨みつつ、後半間違いなく戦い方を変えてくるであろう山下采配にワクワクしながら、無失点で切り抜けた安堵とともにコーヒーを買いに席を立ちました。

1_3 2_2

                      

2007年11月18日 (日)

都三鷹vs早稲田実業

Kumazemi Report 2007-11-17
第88回全国選手権東京Bブロック決勝
西が丘サッカー場(晴)
都三鷹   vs   早稲田実業
2
0 前半 0
2 後半 1
1

Bブロック決勝、予想通り見ごたえ十分のすばらしい試合になりました。

10 両チームとも堅い守りが特徴ですが、私は三鷹のシンプルフットボールかキャプテン10番世良選手を擁するストロングスタイルの早実か、という見方から入りました。開始早々ヘッドの競り合いで早実8番の選手が顔面を負傷、右まぶたが腫れ上がるというアクシデントから幕が開きます。

序盤は前へ前へと力強く展開する早実が押し気味で、三鷹はその圧力に耐えるという展開でした。三鷹は傑出した選手はいませんが、みんなで協力し合いながら少ないタッチで次々と体勢のいい選手につないでいくサッカーが持ち味なのですが、早実の個のパワーとスピードに阻まれ、なかなかいい展開に持ち込めません。

11前半中ごろからは三鷹のパスワークも冴え始め、この辺は一進一退といった感じでした。早実には34分には右サイド11番の選手からの低いクロスに9番の選手が飛び込むチャンスが、三鷹には38分に中央ロビングから10番白井選手の飛び込むチャンスがありました。しかし、両校決定的といえる場面はなく、前半は0-0で終わり、勝負は陽が沈んだ後半に持ち越されました。

早実は後半アタマから今大会の秘密兵器20番佐藤選手を投入します。しかし、後半は前半よりも三鷹のパスサッカーがさらに冴えてきている感じがしました。そしてDF20番林選手が積極的に攻撃参加するようになり、11番2年生吉野選手の動きも活発になります。

Img_0724 Img_0728_2

 

そして後半14分、これぞ三鷹のシンプルフットボールと唸る場面があり、これが先制点につながります。ワンタッチでポンポンつながれたボールはバイタルエリア付近の10番白井選手へ、これを白井選手が体を相手DFに預けながらダイレクトでキャプテン7番北見選手に絶好のボールを供給します。そして受けた北見選手がこれまた躊躇することなく早実DF2番の選手が寄せてくる前にダイレクトでシュート、と言う流れでした。自陣からワンタッチパスを4本つないだ本当に見事な、そして華麗な得点シーンでした。

2先制した三鷹ですが、これで舞い上がることはなく、愚直なまでに自分たちのスタイルを貫きます。そして先制から6分すぎた20分、早実陣内右寄り浅めの位置で得たFKをゴール左深めに蹴り込み、これに上がっていたDF二人が同時にヘディングで反応、DF20番林選手の頭が捉えたボールが右隅の転がり込み、三鷹が追加点を上げます。

残り20分で2点ビハインドとなった早実はレッドゾーン振り切るくらいに全開で攻撃を仕掛けます。そして24分、左CKのチャンスに3番の片桐選手が先の2点目を演出したDF二人の間にうまく入り込みヘッドで突き刺し1点返します。

1

これでゲームはわからなくなります。時間は15分あり、1点を追う早実が猛攻を仕掛けます。ベンチも動き出し、早実が29分に13番の選手を投入、三鷹は33分に19番の選手を投入します。中盤でのボールの奪い合いは双方体を張り合い、スペースを見つけては走り、詰まれば逆にスペースを作るために動く、このように両チーム激しく動き、会場の熱気は頂点に達します。

しかし、すばらしいなと思ったのはこの流れでも本当に三鷹の選手は焦らないし、集中が切れないのです。どんな局面でも無造作にプレーせず、意図のわかるプレーを繰り返します。

早実は39分にカウンターから5番宮田選手からの深めのロングボールに17番斉藤選手が反応、ロスタイムに入っても速めにゴール前に入れて次々にシュート浴びせます。しかし、無情にもここで終了のホイッスル。三鷹が2-1で早実を振り切り、初の全国選手権出場を勝ち取りました。

それにしても80分興奮しっ放しの見ごたえのあるすばらしいゲームでした。そして山下先生おめでとうございます。インタビューは茶化してましたが、全国では虎視眈々と何かを狙っていることでしょう。選手権の舞台で三鷹のシンプルフットボールはどこまで通用するのか、また楽しみが増えました。

2_2

kumazemi's favorite players 2007:都三鷹の10番、早実の14番

2007年11月17日 (土)

帝京vs都つばさ総合

Kumazemi Report 2007-11-17
第86回全国選手権東京Aブロック決勝
西が丘サッカー場(曇)
帝京   vs   都つばさ総合
2
0 前半 0
2 後半 0
0

東京Aブロック決勝戦です。この1年で急速に力をつけた都つばさ総合が平成になって12度目の全国出場を狙う最強横綱帝京に挑みました。

試合は序盤から成立学園戦との壮絶な試合を勝ち抜いた帝京が押し込んでいきます。開始2分でCKをゲットするなどこれでもかと波状攻撃をかけますが、つばさ総合も8番の選手のすばらしいカバーリングなど集中して守ります。

8しかし、帝京のかけるプレッシャーは速くて強く、つばさ総合のエース9番富樫選手も帝京キャプテン3番浦田選手にがっちり押え込まれ、なかなかいい形が作れません。しかし、この帝京3番の浦田選手、守備だけではなくて、ここぞと言う場面では果敢に攻撃参加し、帝京の分厚い攻めを演出していました。特に8分に見せた右サイドを駆け上がって右足アウトサイドで中央10番新選手に供給した低いクロスは凄かったです。普通にやってました。

今日の帝京は奪ったボールをロングボールやショートパスを織り交ぜたサイドからの攻撃が目立ちました。また私は準決勝の成立学園戦よりロングボールが目立っていたように感じました。

つばさ総合には我慢の時間が続きます。11分、12分、15分には立て続けにCKを取られ、17分にくらった速攻では10番新選手に決定的なクロスが渡ってしまうなど、激しい攻撃を受けてしまいます。しかし、20分に帝京自陣右サイドでのパスミスをうまく突いたチャンスではエース9番富樫選手にボールが渡りシュートまで持って行きました。惜しくも右サイドネット外側でしたが、帝京DFの寄せも速かったため、一回タッチが多くなってしまった分、ゴールから遠い方の外へ持ち出さざるを得ませんでした。ここらへんも帝京はさすがです。

7そして27分、帝京はつばさ総合のクリアボールが小さかったところを突き、そのボールを拾って右サイドへ展開、中央に走りこんだ7番の選手にどんぴしゃかと思えるクロスが入りますが、これを7番の選手が外してしまいます。

このあたりはつばさ総合にもツキがあったように感じました。

それにしても帝京の身体能力はすごいです。ジャンプ力、当たりの強さ、瞬発力と技術など「個」の能力が高いなと感じました。

11番井上選手もドリブル突破がなかなかできず、つばさ総合はかなり苦しかったと思います。この時点で私は11番井上選手が左足に故障を抱えていることに気づいておりました。しかし、つばさ総合は集中を切らさず粘り強い守備で前半無失点に抑え、0-0で折り返します。

11_2 前半そこそこあったチャンスを決め切れなかった帝京がどう出てくるのか、速いプレスになかなかいい展開を作れなかったつばさ総合がどんな工夫をしてくるのか、ここらへんが後半のフォーカスポイントでした。

左足を傷んでいながら11番井上選手がこん身のミドルを放って勝負の後半が始まります。しかし、ハーフタイムの指示はどのようなものだったかわかりませんが、先に帝京が仕掛けが成功します。

5分でした。右サイドでいったんポイントを作った後、ヒールパスを駆使して局面を打開、深めに入れたクロスに11番奥山選手が迷わずボレーシュート、これが見事に決まって帝京が先制します。この時間帯での先制点献上はつばさ総合には痛すぎるものだったと思います。すぐにつばさ総合ベンチは動き、6番の選手に代えて3番の選手を投入します。しかし、ますます強まる帝京の速い寄りに、ボールを奪ってもあっという間にパスコースを塞がれ、前線にいいボールを供給できません。後半中盤からはロングボールも使い、何とか9番富樫選手に前を向かせさようとします。

18分には帝京が8番の選手に代えて18番の選手を投入、20分には再びつばさ総合が10番の選手に代えて17番の選手を投入、ベンチも慌しくなってきます。

そして後半25分、この試合の2ゴール目が帝京に入ります。この試合6本目のCKをファーサイドへ蹴りこむと、後ろから走りこんできた5番浅田選手がつばさ総合DFの背後から飛び込み、ヘッドで突き刺しました。

2

激しい攻撃を受け、足にきているはずのつばさ総合ですが、必死に走って反撃を試みます。しかし、帝京の有する全てにおける速さと強さはその威力を落とすことはなく、ゲームはこのまま2対0で終了、帝京が5年ぶりの全国切符を手にしました。

Photoこれでつばさ総合の3年生と私はお別れです。思えば昨年の学習院戦、あの延長逆転勝から1年数ヶ月見てきましたが、本当に試合毎に成長していきましたね。

こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、去年の夏の時点ではまさか翌年決勝までくるチームになるとは予想していませんでした。でも、とても嬉しいです。ブログでは勝手なことばかり書いてきましたが許してください。

みんな元気に明るく次の進路に向かってがんばってください。

2007年11月15日 (木)

早稲田実業vs修徳

Kumazemi Report 2007-11-11
第86回選手権東京大会Aブロック準決勝
駒沢陸上競技場(霧雨)
早稲田実業   vs   修徳
1
0 前半 1
1 後半 0
0 延前 0
0 延後 0
1
5 PK 3

駒澤陸上競技場の第1試合は、早稲田実業と修徳の対戦です。暁星に競り勝って上がってきた早稲田実業と、農大一相手に圧倒的な強さを見せた修徳との、東西大関対決となりました。

Photo試合開始の11時には雨こそ降っていませんでしたが、ピッチは水を含んで滑りやすくなっているようでした。序盤は足を取られる選手も目立ちましたが、両チームとも積極的にシュートを狙います。とはいえ決定的場面は生まれず、お互いに探り合いという感じで前半の10分は過ぎていきました。ただ、両チームの色は出ていたかと思います。修徳は9番など大きな選手をターゲットとしてロングボールを出していく一方、早稲田実は左サイドの11番へパスをつなぎ、そこから崩したい意図が感じられました。

前半15分ごろから、徐々に早稲田実ペースになっていきます。攻撃の起点となるのはやはり左サイド。積極的にセンタリングを上げ、またCKも奪っていきます。22分のCKでは、5番が蹴った直接枠内に向かうボールを修徳GKがギリギリで防ぐシーンもありました。修徳も直後に、中央10番、右7番、左11番とパスがつながりシュートを撃ちますが、これはクロスバーに弾かれました。どちらもゴールへの意識が強く、目を離す暇もないスピーディな攻防が展開されていきます。

次に大きなチャンスを迎えたのは早稲田実でした。後半37分、左からのCKがクロスバーに当たります。蹴ったのはまたも5番でした。CKからこういうことができるというのは、守る修徳にはとても嫌だっただろうと思います。他にも2番のロングスローなど、様々な手を持っている早稲田実が押し気味の展開で前半は終了しました。

Photo_2 後半もこの流れは続きます。早稲田実はパスをつないでゴールに近づきますが、修徳の早いチェックに決定的な場面を作れません。対する修徳も効果的なロングパスが出せず、お互いに攻めてが無くなってきた印象を受けました。また、重いピッチでプレーする疲れもあるのか、後半15分ごろからファウルが多くなります。そして後半17分、ゴール正面約25mで修徳がFKをもらいます。慎重にボールとの距離をとった4番のシュートは壁を越え、逆を取られたように見えたGKの手に当たりながらもゴールに吸い込まれました。ここまで若干圧され気味だった修徳が先制に成功します。

均衡が崩れたためなのか、ここから激しい攻防が始まります。後半23分に早稲田実7番が胸トラップで落としたボールをボレーしますが、これはGKがしっかりとキャッチしました。続く24分、今度は修徳10番が、右サイドからのセンタリングをトラップして果敢にオーバーヘッドでゴールを狙います。うまくミートしませんでしたが、追加点を奪いたい気持ちとガッツが伝わってくるシーンでした。

後半28分、早稲田実は11番に代えて20番を投入します。準々決勝の暁星戦で彼が入った直後に得点が生まれたことや、ほぼ同じ時間帯に監督から「簡単に入れろ!」との指示も出ていたこともあり、試合の流れに何かしら変化がある予感がしていました。すると30分、早稲田実の左からのCKを、5番がゴール右サイドネットに直接突き刺し同点に追いつきます。この日何度も狙っていたゴールでしょうが、ここで決めてしまう5番の集中力の高さには脱帽です。

14 残る10分は追いついた早稲田実が勢いに乗って攻めますが、そこは修徳も譲らず、1-1のまま延長戦へと突入しました。延長前半は修徳の勢いが目立ちます。6分に、これまでにあまり見られなかったパス交換からゴールを奪おうという動きもありました。ただ、チャンスを作ったのは早稲田実でした。8分に中盤右で約30mのFKをもらうと、セットプレーで大活躍の5番が枠内にシュートを放ちますが、これは修徳GKが懸命なセービングで守ります。あっという間に延長前半は終わりました。

延長後半1分、修徳はパスをつないで中央の9番にボールを預けます。ここからディフェンスを1人かわしてのシュートは、惜しくもゴール左に外れました。このまま修徳ペースで進むかと思われましたが、早稲田実が厚い攻撃を仕掛けていきます。ですが、7分の左サイドからのセンタリングはフリーの選手に合わず、8分に5番が蹴ったFKもGKにキャッチされました。最後の最後に修徳がロングボール、ロングスローで一発を狙います。それもゴールには結びつかず、勝敗はPK戦で決せられることとなりました。

Pk

観ている側ですら緊張するのですから、ピッチ上の選手たちは言うまでもないでしょう。競技場全体が見守るプレッシャーの中、先攻の早稲田実、後攻の修徳が次々とゴールを決めていきます。命運を分けたのは4人目でした。まず早稲田実3番がゴール左上隅に決めてスコアを4-3とします。続いて修徳9番がゴール右上を狙いますが、これが外れてしまいました。早稲田実は5人目の5番がしっかりとゴールを決め、決勝への切符を手にしました。

PK戦で敗れた修徳ですが、攻撃に非常に迫力のある観ていて気持ちのいいチームでした。その攻撃陣の中核を担った9番の選手がPKを外してしまうとは、何とも言いようのない気持ちになる試合でしたが、ここで味わった悔しさを乗り越えて、次のステップに進んでほしいと思います。

決勝行きを決めた早稲田実は、攻守ともに堅実なバランスのとれたチームでした。それでいて5番のFK、CKという強力な武器もありますし、決勝戦でどのような試合を見せてくれるのかすごく楽しみです。20番の投入タイミングも気になりますね。

記事:こーたろー/写真:酒乱ぜみ

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

やっぱり早稲田実業は後半にあの20番の選手を投入してきたのですね。修徳は昨年決勝に続いて今年もPKで涙をのみました。しかし、毎年選手権で決勝、準決勝まで進出してくることは並大抵のことではないです。これが伝統の力なんですね。

Kumazeminame

2007年11月13日 (火)

都三鷹vs都駒場

Kumazemi Report 2007-11-11
第86回全国選手権東京Bブロック準決勝
駒沢陸上競技場(霧雨)
都三鷹   vs   都駒場
3
1 前半 0
2 後半 0
0

駒澤の準決勝第2試合目は、三鷹と駒場の都立対決です。小雨が降るか降らないかというスッキリしない空模様の下、準々決勝でそれぞれ関東第一と國學院久我山の強豪を下した両校が、決勝への切符をつかむべくピッチに飛び出しました。

両校とも準々決勝では高いチーム力を見せており、どちらが先に主導権を握るか気になっていたのですが、先手を取ったのは三鷹でした。前半4分、中央でボールを持つ18番のスルーパスから、10番が落ち着いてシュートを決めていきなり先制します。お互いに探り合っているかな?と思われた段階での得点だけに、その後の展開に大きく影響したのではないでしょうか。最初のチャンスをしっかりと決める勝負強さは見事の一言です。

Photo_4 リードして少し余裕が生まれたのか、ここから三鷹ペースで試合は進みます。駒場はこの日もよく声を出していたGKをはじめ、ディフェンス陣の出番が多い受け身の展開となりました。前線にボールを運んでCKやFKを得ることも多かったのですが、三鷹が中盤で効果的にプレッシャーをかけていたため、なかなか前でボールをキープできません。駒場には耐える時間が続くこととなります。

三鷹は前半26分、7番が左サイド深い位置からセンタリングを上げ、11番が飛び込む惜しい場面を作ります。非常に速くて迫力のある展開でした。27分には、またも左サイドでのパス交換から7番がミドルシュートを撃ちますが、これはGKがキャッチします。36分にも左サイドから14番が1人かわしてシュートすると、駒場4番に当たったボールはクロスバーわずか下の枠内へ向かって飛んでいきますが、GKが見事なセービングでゴールを死守します。この時間帯は、2点目を取りたい、取らせないというせめぎ合いでしたが、守る駒場の気持ちが上回っていたように感じました。前半はこのまま三鷹1点リードで終わります。

後半に入ると駒場が積極的に攻撃を仕掛けます。後半6分、左サイドからのセンタリングに、ファーサイドの10番が果敢にオーバーヘッドで合わせました。ゴールにこそならなかったものの、まず同点に追いつきたい駒場の気持ちが伝わってくるプレーでした。もちろん気持ちだけでなく、事実、前半よりも前線でパスがつながっていきます。ハーフタイムでしっかり修正できるのは、さすが準決勝まで勝ち上がってきたチームです。

Photo_5 ここまで駒場ペースで進む後半でしたが、後半10分ごろから三鷹が勝負を決めようと一気にたたみかけます。15分に駒場19番のシュートがわずかにゴール上に外れる場面がありましたが、それ以外は約10分間にわたって三鷹の厚い攻撃が続きました。体を張って守る駒場の壁を崩したのは、またしても10番でした。中央の7番からのスルーパスに反応し、うまくボールをコントロールしてからのシュートは、GKが足で触るもゴールに吸い込まれました。1点目と同じパターンで得点できるところに、三鷹の強さをかいま見たような気がします。

2点差をつけられた駒場は自然と前がかりになります。左サイド9番がアクセントとなり三鷹ゴールに近づきますが、決定的な局面は作らせてもらえませんでした。対する三鷹は後半31分、左サイドでロングボールを受けた10番が、一瞬でスピードを上げゴールライン際まで持ち込みます。そして中央でフリーの18番に「後は決めるだけ」のパスを出すと、18番がこれをきっちりと決めてスコアを3-0としました。試合はこのまま終了し、三鷹が西が丘での決勝に駒を進めました。

7_33-0という結果や、7番、10番、18番など前線の選手の巧さから、どうしても攻撃陣に目がいってしまう三鷹ですが、この試合は守備陣の働きがとても効いていたと思います。早い段階で相手にプレッシャーをかけボールを奪い、すぐに前線にパスを供給する場面が多かった印象が残りました。決勝戦でも、攻守のバランスが非常に良く取れたサッカーを見たいな、と思います。

敗れた駒場ですが、早い時間帯に先制されてしまったのが悔やまれるところです。ただ、私が言うのも失礼な話ですが、最後まで立派に戦い抜いていたと思います。國學院久我山との試合で見せてくれたチームの結束力は、多くの人に強い印象を残したはずです。選手権は終わってしまいましたが、これからも是非サッカーを続けていって欲しいと思います。

記事:こーたろー/写真:酒乱ぜみ

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都三鷹が平成17年度以来二度目の決勝進出を果たしました。それにしてもすごい快進撃ですね。東京朝鮮に3対1、関東第一に2対0、この日都駒場に3対0です。その都駒場は駒大高、国士舘、國學院久我山を破ってきていたのですから、この都立2校でそうそうたる顔ぶれを打ち破ってきたことがわかります。

今や学校群制度もなく学区域外からも受験できるらしいので都立高校にも才能豊かな選手が集まる可能性はあるでしょう。でも、ここまで来るのは極めて困難なことです。これもすばらしい指導者と何にも増してサッカーだけは真面目にやる部員、献身的に彼らを支える女子マネージャー、そして熱く応援する在校生の協力あってのことに違いありません。このようなことと淡い恋を総じて世の中では「青春」と言ってます。三鷹応援席の写真を見てそんな「青春」を思い浮かべましたので掲載させてください。

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あー、俺もあのころに戻りてー!(kumazemi)

2007年11月12日 (月)

都つばさ総合vs東京成徳

Kumazemi Report 2007-11-11
第86回選手権東京大会Aブロック準決勝
西が丘サッカー場(霧雨)
都つばさ総合   vs   東京成徳
2
1 前半 0
1 後半 0
0

西が丘準決勝第2試合は決勝としてはフレッシュな顔合わせとなりました。しかし、空は全くフレッシュじゃなく、ゲームは分厚い雨雲に覆われ霧雨と本降りが交互に訪れる重苦しい雰囲気の中始まりました。

ここまで本当に苦しみながら勝ち上がってきた関東大会出場校つばさ総合に、若いチームながら一戦一戦伸びてきた東京成徳がチャレンジする形です。といっても両校とも勝てば初めての決勝、この日の西が丘も初めてということで決してつばさ総合も受身ではなかったと思います。しかし、つばさ総合はこれまでの苦戦で浮かび上がった課題を見事に修正して臨んできました。

これまでややプレスが甘くそこを突かれて失点していたつばさ総合ですが、今日はディフェンスラインを浅めに敷き、高い位置からプレッシャーをかけ、背後に空かせたスペースを使われそうになると絶妙なラインコントロールで東京成徳自慢の攻撃陣をことごとくオフサイドの網にかけていきます。

8fk 9 10

私はこの日初めて東京成徳を見たのですが、はっきり申し上げてみんな上手です。堀越退けてここまで来たのは絶対にフロックではありません。特に8番、9番、10番の選手が織り成す高い技術に裏打ちされた巧みな攻撃は見ていてとても楽しいものでした。

事実、序盤ボール保持率で優位に立つつばさ総合に決定的場面を作らせず、逆に20分頃にはつばさ総合の自陣パスミスを突いて決定的場面(ここはワンタッチ多かった!)を作るなど東京成徳はがんばります。ただ、つばさ総合は攻撃がフィニッシュまで行くことが多いので押されながらも悪いリズムになりません。とはいえ前半の中盤以降は東京成徳が押し始め、前半35分には高い個人技からゴール前で混戦を作り、そこを押し込んで東京成徳が先制か!というシーン(オフサイドでノーゴール)を見せるなどこのあたりは東京成徳が優位でした。

しかし、東京で指折りの強豪になったつばさ総合がその強豪たる所以を感じさせるスーパープレーが飛び出します。前半38分でした。正直このあたりはつばさ総合の流れではなかったのですが、別に特段すぐに危険に陥る場所でもないセンターサークルよりちょっと前あたりに浮き球が飛んできました。ピッチにいた22人中21人はただのゲームの中でのワンシーンにすぎず、彼がボール止めたらどうすんのかな?ぐらいに足止めて見てたと思いますが、つばさ総合にたった1人だけ違うことを考えていた子がいました。彼はその浮き球を普通に処理した後、何を思ったかそのままシュート、しかしこれが見事に東京成徳ゴールに突き刺さります。その彼とはつばさ総合の不動のエース9番の選手です。突き刺さるという表現がこんなにぴったりくるシュート、私も久々に見ました。結果的にこの先制ゴールは東京成徳に傾きかけた流れをもう一度引き寄せ、精神的にも優位に立つことになりました。流れを読み、よくないと感じたらワンプレーでその悪い流れを断ち切る。これは「強豪」でなければできません。前半はこのまま1-0で折り返します。

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後半になって雨足も強くなり、芝のピッチはやりづらくなります。これは技術を駆使して組み立てる東京成徳にはやや不利だったかもしれません。ゲームはつばさ総合のリズムで展開されていきます。そしてリードするつばさ総合ベンチが先に動き、後半16分、16番の選手に替えて3番の選手を入れます。ここらへんからつばさ総合に左右に揺さぶる攻撃も出始め、後半20分に右から左へ大きく展開した後に中へ入れ、受けた選手がワンタッチで振り向き落ち着いてシュートを決めます。これで2-0。30分には東京成徳ベンチも動き、16番と20番の選手を同時に投入、反撃を試みますが、きょうのつばさ総合は守りの集中が切れず、特に8番の選手がかなり効いてました。東京成徳に深い位置に入り込ませる前に激しくプレスをかけ、入られてもすぐカバーととても貢献していたと思います。

東京成徳は後半、私が「彼が要の選手だな」だなと感じた8番の選手になかなかいいボールが入らず、苦しそうでした。でも、終了間際に見せた左サイドの裏に通したパスから20番の選手が抜け出して作ったチャンス(つばさ総合GKがナイスセーブ)は見ごたえがありました。

そして試合の方はこのまま2-0でつばさ総合が勝ち、初の決勝進出を決めました。

思えば昨夏のつばさ総合もほぼ2年生だけのチームで選手権ブロックベスト8まで行き、ひと冬越えてたくましくなって実践学園まで破って関東大会にも出場しました。そして選手権では決勝進出です。相手は最強横綱ですが、君達だって他校がため息つくほど強いんだから正々堂々真正面から立ち向かい、金星あげてください。

そして敗れた東京成徳ですが若いチームと聞いてます。この冬のトレーニング如何では今期のつばさ総合のようになるのも不可能ではありません。事実、今回は準決勝まで来たですから。技術は高く、スピードもありますので、もっともっと体を強くしてたくましくなってください。そうすれば東京成徳は次年度は間違いなく東京の強豪の一角を占めることになります。

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kumazemi's favorite players 2007:都つばさ総合の9番

2007年11月11日 (日)

帝京vs成立学園

Kumazemi Report 2007-11-11
第86回選手権東京大会Aブロック準決勝
西が丘サッカー場(霧雨)
帝京   vs   成立学園
1
1 前半 1
0 後半 0
0 延前 0
0 延後 0
1
4 PK 3

準決勝西が丘会場第1試合、“横綱対決”です。誰もが注目するカードでしたのでたくさんのファンがつめかけましたが、曇天の西が丘には何とも言えない雰囲気が漂ってました。

両校とも立ち上がりから気合十分闘志むき出しのプレーを見せ、「これは壮絶な試合になるな」と予感させます。成立学園は開始2分で右サイド攻撃からCKをゲットするなど序盤はやや成立学園押し気味だったと思います。8分には10番大津選手が巧みな個人技からシュートを放つ(これは惜しくもポストにはじかれる)など成立学園の高校生離れした攻撃が展開されていきます。

Photo 対する帝京はしっかり守ってカウンター狙いという感じですが、サイドを広く使うようなことは少なく、ドリブルやショートパスで中をこじ開けるシーンが目立ちました。しかし、これは作戦だったようです。上述大津選手の惜しいシュートの直後の9分、帝京は中央への攻撃から6番の選手が思い切りのいいミドルシュートを撃ち、これが左スミに突き刺さって先制します。バイタルエリア付近で一瞬マークが甘くなったところを躊躇せずにあのような正確なシュートを撃てるところはさすがです。

しかし、この後追う展開となった成立学園に悲劇が起こります。DFマイケル選手が2枚目のイエローで退場となってしまったのです。14分のことでした。会場は何ともいえない雰囲気になりました。開始15分足らずで主力選手を1人欠くことになった成立学園ですが、このムードを断ち切るように激しく攻撃を仕掛けます。横綱は精神力も本当によく鍛えられています。

押せ押せになってきた帝京は9番の選手がよく動いてボールにからみ、14番の選手の冷静な配球からチャンスを作りますが、まだ成立学園優勢の展開が続きます。ただ、攻撃がほとんどシュートで終わるので、押されているのに流れが悪くならないのです。ここらへんもやっぱり横綱は違います。

11人少ない成立学園もいい流れで猛攻を仕掛け、両横綱がっぷり四つで展開されていきます。このまま前半終わるかなと思い始めていた35分、厳しくマークを受けながら正々堂々と帝京守備陣に挑む大津選手と一緒にここまで主力選手として成立学園を引っ張ってきた8番菅野選手がゴールエリア付近から流し込み同点に追いつきます。前半はどよめきと驚嘆の声が入り混じる中タイスコアで終了します。

後半は前半と異なる展開となります。速いプレスで成立学園の高い技術+スピードの突破を封じ、豊富な運動量と一瞬でも“間”が空けばあっという間に前を向いてシュートを放つ10番新選手の活躍など帝京の動きががぜん良くなり、一方的な展開となります。成立学園は接触プレーで傷んでしまったで9番の選手を交代させざるを得なくなるなど帝京相手に1人少ないハンデがじわじわ効いてきていたのかもしれません。Photo

とにかく帝京が押していました。くどいようですが攻撃がシュートで終わることが多いのでそれだけCKを獲得する機会も多く、このようなセットプレーでの守備機会が多かったのも疲労につながっていたのかもしれません。それでも成立学園はGKの選手を中心に集中切らさず声を掛け合い、必死に帝京の攻撃を防いでいました。19分に帝京9番の選手からゴール前7番の選手にボールが渡ったときの成立学園の速いタックルは見事でした。ただ、28分にはGKのキックミスを拾われてピンチを招き、直後にはゴール前の浮き球の処理に手間取ったところからGKと1対1になる決定的な場面があったりとどんどん帝京の圧力が増していきました。でも大津選手も自陣ゴールライン付近まで猛ダッシュで戻って守備したりと本当に成立学園は死力を尽くしていたと思います。ゲームはこのまま終了、延長戦に突入します。ちなみに両校のCKですが、帝京が9本(前半2本)成立学園が3本(前半2本)でした。

延長ですが開始直後の2分に左サイド突破から放たれたシュートがクロスバー直撃するなど帝京有利だなと思っていましたが、成立学園も息を吹き返し、大津選手も疲れているはずなのですがこれでもかと突破を図ります。ここでもときおり右に張り出す9番の選手がボールに絡むと帝京にチャンスが訪れるという場面が多かったです。

延長後半に入ると帝京ベンチが動き出し、3分に18番の選手が、10分に13番の選手がピッチに入ります。もうここまでくると精神力です。でも1人少ない成立学園ですが、よくここまで動けますね。このチームは鍛えられ方が違います。個々の才能もさることながらきちんとトレーニングを積んでいなければ帝京相手にハンデ背負ってこんなゲームはできません。延長後半11分に帝京が速攻から掴んだチャンスでシュートまで持って行きましたがこれもポストを直撃、がんばる成立学園に運も味方しているかのような展開でした。そしてタイムアップ。決着は私が最も恐れていたPK戦でつけることとなりました。

Pk Pk_2

結果は5人のキッカーのうち4人が決めた帝京が勝ち、決勝に駒を進めました。対決が決まったときから当事者である両校関係者、ご父兄、選手の友人知人、高校サッカーファンと大勢の人が注目していたカードです。こんな中、大観衆の西が丘で平常心でやれという方が無理です。でもこの両チーム、立ち上がりこそややファウルの目立つ気合入りすぎの場面もありましたが、この点を見事にコントロールした穴沢主審の手腕もあってすばらしい感動のパフォーマンスとなりました。ファーストタッチ、プレッシャー下でのボールコントロール、スピード、キックの精度、視野・・・どれもこれもが「これぞ横綱」という見事なゲームでした。今日西が丘にいることができた私は幸せです。女房と子供たちに感謝します。

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kumazemi's favorite players 2007:成立学園の1番(GK)

2007年11月 5日 (月)

都つばさ総合vs都国分寺

Kumazemi Report 2007-10-21
第86回選手権東京大会Aブロック3回戦
清瀬内山グラウンド(晴)
都つばさ総合   vs   都国分寺
1
0 前半 1
1 後半 0
0 延前 0
0 延後 0
1
7 PK 6

師匠が駒沢補助球技場に出陣した関係でこちらの試合もホソゼミがリポート、写真は酒乱ゼミと素人二人の合作となりました。お見苦しい点、何言ってるかよくわからない点も多々あると思いますが何卒ご了承ください

12:40分、前試合、都立江戸川高校に先制されながらも後半逆転で勝ちあがってきたブルーのユニフォームつばさ総合と、都立大付属高校を破ってきた都立の強豪グリーンのユニフォーム国分寺高校の一戦です。

私としてのこの試合のポイントは勝手ながらも、前試合にて立ち上がりが良くなかったつばさ総合がこの1ヶ月でそこを修正してきたかいう点と、張出関脇の国分寺が大関のつばさにどのようなゲームプランで臨むのかという2点でした。

前半開始から国分寺の攻撃がつばさ総合のゴールに襲い掛かります。声を出してピッチをところ狭しと駆ける国分寺イレブンが優勢だなぁと思えた前半10分、国分寺10番がゴール前こぼれ球を押し込んで先制ゴール!
またもやつばさ総合は先制点を奪われる形、それも序盤での失点。この試合も追いかける形となったつばさは、前回の江戸川高校の試合のように一気に流れを変えることは出来るのか?

11 必死にパスを組み立てながら国分寺エリアに仕掛けるつばさ総合に対し、ボールを回しながらも声を張り上げムードを作っていく国分寺高校。どちらも敵陣のゴール前では泥臭くプレーし、必死に戦う22人はこのまま前半戦を1-0で国分寺リードのまま折り返します。

後半こそはと、つばさ総合の反撃に期待しつつも、国分寺の足は一向に止まる気配を見せません。パスで組み立てるつばさ総合に果敢にインターセプトを狙っては、奪ったボールをスピーディに右サイドに展開してカウンターを仕掛けます。守備でもつばさ総合のマークを外さないよう集中する国分寺がこのまま逃げ切ってしまうのかと思っていた後半29分、ゴールエリア外から放たれたミドルシュートが見事に国分寺ゴールに吸い込まれ、つばさが同点に追いつきます。

ただ、ホソゼミが前回取材した江戸川戦の時のつばさ総合とは何かが違っているように感じたのは私だけでしょうか。あの時の追いついた後の爆発的エネルギー今日のつばさにはあまり感じられず、逆に再び突き放してやる!という国分寺の勝ちに対する執念の方が上回っていたのです。どうした、つばさ総合?

同点に追いつかれながらも国分寺は良い雰囲気でカウンターを仕掛けます。これを繰り返すことでパスの精度が徐々に落ちてきているように感じるつばさ総合。
1-1のままこの第2試合も延長戦へ突入です。

Photo_2 Photo_3

ゴールネット裏からは両チームの応援が飛び交い、延長戦の開始です。やはり後半戦のムードは変わることがなく、国分寺はそれぞれのプレイヤーがボールを呼び込んではそこからカウンターを仕掛けます。つばさは防戦一方といった感じではありながらも10番の選手を中心に両サイドを意識してゲームを組み立てます。共に80分を戦い終えた後のエクストラゲームは、気力がどれだけあるかということがゲームの明暗を分けます。

Photo_4 そんな中で、つばさの足がやや止まりますが、両者の死力を尽くした攻防は延長前全後半をスコアレスで終わってしまい、無情のPK戦に突入となりました。

勝負とは「勝」と「負」を明確にすることです。現代教育では子供に「勝ち」「負け」をつけてしまうことを避ける傾向もあると聞きますが、勝負をつけることは決して教育を後退させるものではないと思います。事実、このPK勝負は多感な時期にひたむきにサッカーに打ち込んできた選手達が、見ている大人に「感動」を与え、負けにも意味があるのだということを思い起こさせてくれたはずです。

このPK戦は、7-6というスコアでつばさ総合に勝利をもたらすことになりました。ただ、国分寺イレブンはゲームでは決して負けていませんでした。それはたぶん、つばさ総合イレブンが一番分かっているのだと思います。だからこそ、次の準決勝こそは本来のつばさ総合“らしさ”を見せてくれると思いますし、きっと、国分寺イレブンもそれを願っているはずです。
11/11の聖地西が丘へ、貴重な切符を取ったつばさ総合イレブン、この清瀬内山という舞台で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた国分寺イレブン、これから先の人生できっとこの試合から学ぶことが生きてくれるものと願っております。
最後に生意気ながらもホソゼミから両校へ「ありがとう」を贈らさせて頂きます。

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2007年11月 1日 (木)

成立学園vs足立学園vol.2

てっきり酒乱ゼミが写真撮ってただけかと思ってましたら、ホソゼミがきっちり取材してました。昨晩遅くに突然メールで原稿が来ました。私は白金台での楽しいひとときを速攻でお開きにして帰宅、記事をまとめました。これで我がチーム、まるで統制がとれていないということがよくおわかりになったと思います・・・

それにしてもホソゼミさん、次はもうちょっと早く提出してください。あと、提出する前にきちんと文字校正して「てにをは」と誤字脱字ぐらいはチェックしてください!

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Kumazemi Report 2007-10-21
第86回選手権東京大会Aブロック3回戦
清瀬内山グラウンド(晴)
成立学園   vs   足立学園
5
1 前半 0
4 後半 0
0

時計の針が12時を迎える頃、ここ清瀬内山グランドでは東のもう一校横綱、成立学園と関脇大東大一、大関東海大菅生をいずれも無失点で破ってきた足立学園高校の戦いです。関脇、大関に続き大金星となるか、それとも王者の貫禄を見せるのか、晴天に恵まれたピッチはキックオフを迎えます。
前半開始早々の第一印象は、しばらく中盤でのボールをどちらが支配するのかに興味を持ってましたが、開始早々前半10分、ゴールやや右のエリアで成立学園に出たボールは足立のマークがずれてフリーでシュートを決めます。シンプルな展開ながらもきちっと技術を発揮する成立学園が先制ゴール。第1試合(帝京vs京華)とは違って王者の先制。足立学園は今大会初の失点。成立学園を初めて目の当たりにするホソゼミとしては言いようのない恐怖感を覚えました。

ここからは緩い流れの展開が続きます。成立学園は攻めきれず、若干中盤は足立学園が取っていたようにも思えます。一進一退の攻防の中、前半30分頃、成立学園8番の選手が目に止まりました。この流れを変えようと一人気が伝わる雰囲気を左サイドで展開しているように見えました。

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この時間帯からいよいよ成立学園が動き始めたように思います。前半33分、成立学園9番の選手のヘディングは綺麗に足立ゴールを捕らえるもこれは惜しくもオフサイド。
後半終了直前に成立に見えたのは、気持ちの部分からわずかに修正されたのかもしれません。前半終盤は足立学園ゴールエリアでの成立学園の支配が増え、シュートで終わる攻撃が目立つようになりました。
しかしこのまま前半は終了しますが、とはいえ、スコアは前半終わって1-0。まだまだ分からないこの準々決勝は足立学園のディフェンスが気になり、取材位置を移動するとますます太陽が眩しくなってきたのでは?と思ったところでと後半開始です。
そこには前半とは違う王者の姿がピッチにはありました。開始早々の後半3分成立学園10番の軽いフェイントから出たボールに反応する足立学園DFがあと一歩届かず、成立学園9番のシュートがゴール左に吸い込まれます。
またもよどみない流れからの得点にこれまで無失点で勝ち上がってきた足立学園DF陣はどう立て直すのか?

しかし後半15分、足立学園ゴール前での混戦からのこぼれ球に反応した成立学園10番が足立学園ゴールに決定打ともいえる3点目を突き刺します。

この時間帯から成立13番が中心となって左サイドの展開を始めます。そこをピシッとマーキングし、キチッと攻撃の芽を摘む足立学園5番の選手が目に入ります。3-0なのにそんな得点差を感じない展開にきっと違和感を覚えたのでしょう。後半30分をまわった頃、足立学園の足が止まってきたかな?と思うと、後半終了直前38分には成立学園が左サイドからの展開で4点目の追加点。またロスタイムに入って成立学園11番の選手が綺麗に左隅へゴールを決めて得点は5-0に・・・。

でも、何故か成立学園のゲーム全体を支配しきれていない感じがしたのは、もしかしたら足立学園DF5番の選手の存在なのかもしれません。
個の技術や組織力だけではカバーできないサッカー特有の「気」を凄く意識した見方になってしまい、リポートもそこに偏った内容になってしまう点を反省しつつも、この先、11月11日に聖地 西が丘サッカー場で迎える横綱対決では、試合がどちらの横綱の色に染まるかは、もしかしたら技術を超越した“精神力=「気」“であるのかなと思います。
また、そう感じさせてくれた足立学園5番をはじめとするDF陣に、大きな拍手を送りたいと思います。

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