帝京vs國學院久我山
Kumazemi Report | 2011-05-04 |
平成23年度関東大会東京予選準決勝 |
駒沢第2球技場(晴) |
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関東大会東京予選準決勝です。快晴の駒沢第二には大勢のファンが詰めかけました。
序盤は、中盤を厚くした攻撃的布陣の帝京が速い出足でペースを掴み、久我山がやや受けに回る展開で進みます。久我山は、最終ラインでパスを回して、中盤の経由地を模索しますが、前述のとおり中盤を厚くしてプレスをかける帝京にことごとくコースを消され、苦しい展開となります。前半12分には、その久我山最終ラインの横パスを帝京9番の選手がカット、そのままシュートに持ち込まれる「らしくない」シーンもありました。
運動量と出足で上回る帝京は、7番の選手とスピードが武器の11番の選手が攻撃を織りなし、ときおりキャプテン6番の選手の強烈なミドルが絡みます。
そして前半26分でした。ニアを狙った左CKのこぼれ球を再度拾って折り返したところをヘッドで押し込み、帝京が先制します。この3分後には、ペナルティエリア左すぐ外で得たFKのチャンスに、帝京はまたも頭で押し込み、帝京は20分過ぎてセットプレーからあっという間に2点をもぎ取ります。
攻撃に緩急がつけられない久我山は、自陣マイボールでもFWもなかなか顔を出せず、流れを変えるプレーも息をひそめ、やや帝京の一方的な感じになってきます。
そして、前半終了間際の40分、帝京は粘った7番の選手が、敵陣中央でのワンツーから、そのままシュート決め、ちょっと早いですがダメ押しともとれる3点目を決め、帝京3点リードで前半を折り返します。久々の現場取材をこのゲームに狙いを絞っていた私は、予想外の展開に少し拍子抜けしていました。
しかし、後半はうって変わった真逆の展開になります。最終ラインに4人を配列した帝京に対し、中盤での優位性を取り返した久我山は、序盤二本のFKのチャンスの後の後半11分、速い縦パスに鋭く反応して抜け出した11番の選手がそのままシュートを決め、1点返します。決め方も決めた時間も、流れを掴むには申し分ないものでした。。
しかし、2点リードする帝京も、7番の選手を絡め、やや前掛かりの久我山にカウンターを仕掛けます。後半20分の11番の選手のインターセプトからの速攻は、最後惜しくも7番の選手が右のアウトに引っかけてしまいゴールにはならなかったのですが、さすがと思わせる攻撃でした。
後半に入って運動量も増え、スピードに変化をつけた攻撃を仕掛ける久我山は、この20分過ぎからの膠着状態でも帝京に流れを渡さず、後半34分、左サイドのショートパス交換から中央へ仕掛けたところでPKを獲得、これを決めて3対2と1点差に詰め寄ります。この時点で残り時間は6~7分、俄然ゲームは白熱してきます。
時計が刻々と進み、手元の時計で40分になったとき、帝京陣内バイタルエリア付近で高速ワンツーから久我山10番の選手が抜け出し、起死回生の同点弾を決め、ついに久我山が追いつきます。後半から3点差を追いかけ、もうゲームは終わるというところで、「これぞ久我山」というプレーが出ました。これは圧巻でした。
ゲームは延長に入りますが、延長では双方決め手を欠き、勝負の行方はPK戦となりましたが、先行の帝京が4対2で振り切り、決勝進出を決めました。
帝京は前半と後半で、何かいろいろ試してるような感もありましたが、それでも3対0から追いついた久我山の粘りはすばらしかったです。
春における東京の頂上決戦は、帝京対関東第一というカードになりました。
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