岡山学芸館vs東山
Kumazemi Report | 2023-01-09 |
第101回全国高校サッカー選手権決勝 |
国立競技場(晴) |
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第101回全国高校サッカー選手権決勝です。両校ともここまで1回戦から5試合勝ち上がってきたノーシード同士の戦いです。
岡山学芸館のキックオフで始まったこのゲーム、序盤は双方相手の出方を探るような敵陣への蹴り合いで始まります。浮いたボールの処理をし合った前半5分、東山がロングスローから10番阪田選手が最初のシュートを打ちます。岡山学芸館は、これまでどおり相手ボール保持者には果敢にアタック、持ち前の素早い寄せで東山の前への仕掛けを封じます。
すると前半16分、東山は10番阪田選手を起点に右に展開、そこから低くて速いクロスを入れまてチャンスになりますが、ゴールまで合わず得点には至りません。
逆に岡山学芸館は、中盤でボールを奪うと6番田口選手が右に少し流れてフリーで待っていた9番今井選手へパスを通します。受けた今井選手は前方の大きなスペースに持ち込み、ゴールに向かってドリブルを仕掛けます。1対1となった東山GK佐藤選手がシュートストップに出てきたところをクロスを選択、低く放たれたシュート気味のボールは、無情にもGKが抜かれてガラ空きになっていたゴールマウスを守るべく必死に戻った東山4番キャプテン新谷選手の足に引っかかってしまい、オウンゴールとなってしまいます。
これは責められません。今井選手の蹴り込んだタイミングとボールの質が生んだゴールです。それにしても岡山学芸館は神がかってます。ここまで東山にボールを保持される時間が長く、波状攻撃くらいながら押されていたところのワンチャンスを得点に結びつけました。
近代サッカーでは、システム論や戦術論が高度に発展し、高いインテリジェンスが要求されることに間違いないのですが、これもボール保持者を追い掛け回す、奪われたら奪い返す、抜かれたらカバーに入る、結局これを11人全員が90分やり切れることが前提での話ですね。
先制された東山ですが、前半終了間際の44分でした。自陣から6番仲里選手が左に流れたFW14番北村選手にロングフィード、そこで1対1を仕掛けてペナルティエリアに侵入、そこで後ろから走り込んできた7番真田選手へパス、走り込みに気づいた岡山学芸館10番山田選手が必死にスライディングをかけますが、これを間一髪交わしてダイレクトでゴール右上に蹴り込み同点に追い付きます。これはすごいシュートでした。直後にアタックに行った山田選手が大の字になってしばらく起き上がれなかった気持ちもよくわかります。
前半は東山優勢の中、1対1の同点で折り返します。
双方ハーフタイムでの選手交代はなく、後半が始まります。最初にチャンスを掴んだのは岡山学芸館で、後半5分に右CKを得ますが、これはショートコーナーを選択するも不発に終わります。
そして前半7分でした。東山クリアボールを中央で拾った岡山学芸館10番山田選手が左サイドの6番田口選手にパスを通します。受けた田口選手は中に行くと見せかけて後ろから上がってきた5番中尾選手に流します。完全にフリーとなった中尾選手は絶妙なクロスを供給、後ろからひょろひょろっと上がってきた7番木村選手がジャンピングヘッド、これがズバッと突き刺さり、岡山学芸館が勝ち越します。東山はDFの数は揃っていたのですが、捕まえきれませんでした。特に東山6番仲里選手はファーサイドをケアしていたので木村選手に寄せきれませんでした。これも6番田口選手の中に行くと見せかけたプレーと猛然とオーバーラップした5番中尾選手の連携プレーががすべてだったと思います。
追いかける東山は後半14分、敵陣右サイドで14番北村選手がボールを奪い返して起点になり、深いところに持ち込んだ10番阪田選手が絶妙なマイナスのボールを供給、これを7番真田選手がダイレクトで打つも大きく外れてしまいます。これは決定的チャンスでした。前半あれだけの難しいシュートを決めた真田選手です、いつもだったら普通に決めていたのでしょうが、この決勝大舞台でしかも1点を追う立場、無意識に力が入ってしまったのではないでしょうか。
この直後の後半16分、11番田邊選手に代わって19番木下選手が入ります。いつものパターンです。一方、追う立場の東山もペースは渡さず、じわじわ岡山学芸館の堅固な守備の崩しにかかります。
ここで東山ベンチが動きます。13番清水選手に代えて9番大谷選手を投入します。すると、後半29分でした。ルーズボールの奪い合いから7番真田選手が左タッチライン際から見事なクロスを上げます。ここに10番阪田選手がフリーで走り込んで、ドンピシャでヘディングシュート、しかしボールはクロスバーを直撃、場内がどよめきます。このあたり、岡山学芸館には運も味方していたように思えました。
ピンチを脱した岡山学芸館ですが、さすがに疲れが出てきたのでしょう、10番山田選手が足をつってしまいます。対する東山は、後半37分になんと10番阪田選手に代えて30番平尾選手を、15番豊嶋選手に代えて16番中野選手を投入、FWの枚数増やして総攻撃を仕掛けます。
しかし、後半39分でした。逃げる岡山学芸館は右サイドから6番田口選手がロングスローでボールをペナルティエリアまで投げ込むと、予測した着地点では双方誰もボールを処理できず、これが木村選手の前にこぼれてきます。木村選手は迷うことなく右足でボレー、ボールは右サイドネットに流れ込み、決定的な3点目をゲットします。東山は14番北村選手が木村選手をマークしていたのですが、まさあかのこぼれに一瞬木村選手をフリーにしてしまいました。
それにしてもです。本当、勝ち上がるにつれて岡山学芸館の神がかり度は増していったように思えました。もうこれは理屈では説明できません。言えるとしたら、休まずあきらめずで、走って、アタックして、カバーして、をやり続けた、その延長線上に3点が生まれたということなのでしょうか。
この後、東山は2番石井選手に代えて19番保坂選手を、岡山学芸館は6番田口選手に代えて14番田村選手を投入します。そして場内放送で今日の来場者数が50,868人とアナウンスがありました。高校サッカー人気恐るべしです。
そして、アディショナルタイムは3分。あきらめない東山が攻め込むも、岡山学芸館は堅守で対抗、スコアは動かずこのまま3対1で岡山学芸館が勝利、初優勝を成し遂げました。
岡山学芸館の選手と関係者、保護者の皆さま、優勝おめでとうございます。私は國學院久我山のカードから観戦日程を組んでチケットを買ったので、運よく岡山学芸館の試合を3試合も観ることができました。凄まじい走力に果敢なアタックとカバーリング、思い切りのいいシュート、あきらめない姿勢、本当にチャンピオンに相応しいチームです。感動しました。皆さんのプレーをまた上のカテゴリで観たいです。
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