Social Media

取材記事の検索ができます 高校名入れてみてください


ご協力お願いします

  • Quickvoter

    Q.見聞録を見た私は

    高校サッカー部員です
    クラブユースにいます
    中学生です
    部員の保護者です
    サッカー指導者です
    高校サッカーファン!
    女子マネです


    -view results-

    by pentacom.jp

ユニオンスポーツ

【特別掲載】第101回全国高校サッカー選手権大会決勝フォト

  • 決勝戦のスコア
    インテンシティとコンパクトネス。Japan's Wayを示してくれました。

kumazemi's favorite players new era

  • 岡山学芸館19番木下選手
    ポストコロナ2022から私がこの目で見た素敵な選手をご紹介いたします。

kumazemi's favorite players 2018

  • 帝京10番の選手
    2018年度の私が勝手に好きになった選手をあげていきます。

kumazemi's favorite players 2012

  • 修徳の14番
    1年のブランクに再開すべきか悩みましたが、やっぱりやります。

kumazemi's favorite players 2010

  • 明治学院の8番
    2010年、この企画も4期目に入りました。少しずつでも続けます。

kumazemi's favorite players 2009

  • 修徳11番宇都宮選手
    2009年私が将来性があってイケてて面白いと思った選手たちです。

kumazemi's favorite players 2008

  • 実践学園8番
    2008年は仕事の関係であまり取材に行けなかったです。

kumazemi's favorite players 2007

  • 繁澤選手(都三鷹)
    2007年、新人戦からインターハイ、選手権とずっと追いかけました。

kumazemi's favorite players 2006

  • 久留米20野村選手
    2006年夏から冬、私がグラウンドで出会えたすばらしい選手たちです。

【特別掲載】第85回全国高校サッカー選手権大会決勝フォト

  • 応援席に挨拶する盛商イレブン
    2007年1月8日の感動劇です。応援マネージャーはガッキーでした。

【特別掲載】第86回全国高校サッカー選手権大会決勝フォト

  • 終了のホイッスル
    流経大柏は半端じゃなかったです。大前選手あっぱれ。

Football Photo

  • 都城東8番の選手(2013年関東大会予選)
    私が撮影した高校サッカー写真集です。favorite playersも入ってます。

My Relaxation

  • お盆の駒沢公園
    心の趣くままに撮りとめたフォトブックです。息抜きしましょう。

Sanctuary

  • 新国立競技場
    数々の激闘が繰り広げられてきたみんなの思い出の場所です。

アクセスランキング

Powered by Six Apart
Member since 12/2006

2006年11月13日 (月)

修徳vs国士舘

Kumazemi Report 2006-11-12
第85回選手権東京大会Aブロック準決勝
西が丘サッカー場(晴)
修徳   vs   国士舘
2
2 前半 0
0 後半 1
1

東京Aブロック準決勝第2試合です。Ⅴ3を狙う名門修徳と01年度から03年度まで3連覇し、悲願の全国一勝を狙う国士舘の対戦となりました。両校とも言わずと知れた東京の高校サッカー界をリードする強豪中の強豪です。

朝からの強い北風も止む気配がなく、このゲームも風上をどう攻め、風下をいかに守るかがポイントになりました。そして前半は修徳が風上でした。

予想していたより比較的静かな立ち上がりでしたが、風上の修徳は9番小澤選手めがけて早めに前線に入れ、風下国士舘は"地面"を有効活用する展開です。

国士舘はポストプレーが上手でたびたびDFラインを突破しかけるのですが、修徳DF3番の石川選手の読みとカバーリングがすばらしくピンチを摘み取っていきます。

そして前半28分、ゲームが動きます。やはり「風」でした。修徳は中央ややセンターサークル寄りの位置で得たFKを、風を計算した抜群のコントロールでゴールポスト右側付近(たぶん考えられる選択肢の中で国士舘DFが最も守りにくい位置だったと思います)に放り込み、2番田中選手がワントラップしてDFをかわしてシュート、見事に先制します(写真)。

Photo_71

風下の国士舘は前半できればこれ以上失点しないで後半に臨みたかったと思いますが、前半終了間際に右サイドの崩しから、9番小澤選手に決められ2-0となります。この1点が、国士舘には後々効いてくることになります。

風下を意識しすぎたわけではないと思うのですが、ここまで都立駒場にも早実にも無失点で勝ち上がってきた国士館にしてはらしくない感じがしました。私も前半2-0で修徳リードで折り返すという展開は予想していませんでしたが、これで修徳は後半の風下を徹底して守備的に戦って逃げ切るプランが成立してしまいました(勝手な想像です)。

後半はこの勝手な想像のとおり、やや一方的に風上の国士舘が攻め立てます。6分には中央バイタルエリアやや外側のFKから決定的なチャンスがあり、8分には今度は先ほどよりゴールに近い位置でのFKと立て続けにセットプレーのチャンスがありました。しかし、修徳も必死に守ってピンチをしのぎます。

このような展開がしばらく続いた後半20分、左からじわじわ攻めあがってきた国士館が中央へ横パスをつなぎます。このパスにそれまで必死にくらいついて守っていた修徳DFがいとも簡単に前を向かせてしまいます。それも一発でシュートレンジに入れてしまうぐらい寄せがありませんでした。次の瞬間、強烈なミドルシュートを打たれ、コースは甘かったような気がしましたがいかんせんこの風で加速度が増し、修徳ゴールに吸い込まれていきました。これで1点差。残り時間あと20分。国士舘の実力を考えれば同点、逆転も十分可能な残り時間です。

しかし、ここから「粘りの修徳」が本領を発揮します。以前の日記でも書きましたが、修徳の精神力はすごいのであります。あきらめないし、下向かない。キレないし、サボらない。これが冬の修徳なのです。

国士舘は1点返してからはさらに押せ押せになったのですが、少し焦っていたのでしょうか。持ち味のつなぐサッカーより前へ前へのサッカーになってしまったような気がします。もし「風」が弱かったら、1点差になってもつなぐサッカーをしたのでしょうが、今日のような日はボールも加速度ついてころがっていきますので、仕方がなかったのかもしれません。でも、後半30分過ぎはもうこれを「猛攻」と言わずして何が「猛攻か」と言えるほど激しい攻撃を仕掛けました。

しかし、ゲームはこのまま修徳が逃げ切り、国士舘は結果的に前半終了間際に献上してしまった2点目で涙をのみました。

写真は国士舘ゴール前での空中戦、「粘った」修徳DF陣そして勇気ある飛び出しで決定的場面を防いだ国士舘GKの写真です。

Photo_74

これでAブロック決勝は暁星vs修徳と私世代には涙がでるようなカードになりました。ちょっと気がかりなのは故障でしょうか小澤選手が途中で退いてしまいました。今日はやや引き気味でしたが、決勝では小澤選手のDFの裏に飛び込むアグレッシヴなプレーがみたいですね。

なお、Bブロックでは東海大菅生が2-1で東京朝鮮を破り、来年から都立高校改革の一環で統合が決まっている都立久留米が延長戦の末2-1で王者帝京を破り、Bブロック決勝は東海大菅生対都立久留米のカードになりました。Aブロックは東の正大関同士、Bブロックは西の正大関同士の決勝です。

他県では神奈川代表は桐光学園、埼玉準決勝は武南1-0西武台、市立浦和3-2国際学院、千葉準決勝は渋谷幕張0-0PK4-2市立船橋、八千代2-1流経大柏となっています。千葉では県内二強がそろって準決勝で敗退しました(渋谷幕張恐るべし)。

2006年11月12日 (日)

暁星vs関東第一

Kumazemi Report 2006-11-12
第85回選手権東京大会Aブロック準決勝
西が丘サッカー場(晴)
暁星   vs   関東第一
5
2 前半 0
3 後半 0
0

西が丘サッカー場で行われた選手権東京Aブロック準決勝第1試合、暁星対関東第一のゲームです。快晴でしたが、ゲーム展開に影響を及ぼすほど強く北風が吹く中で行われました。先に申し上げますが、このような大差になってしまったのはアクシデントの影響もあってのことで、100%実力差ではないと思います。

ゲームは関東第一が風上でスタートします。

関東第一は5分に左サイドからの早めのクロスからビッグチャンスをつくり、10分には中央ペナルティエリアやや外からの惜しいミドルシュートを放つなど、攻撃がフィニッシュまでいくいい流れで展開します。はっきり申し上げて関東第一のペースだったと思います。

ただ、暁星も焦らず集中して守り、すきあらば14番風間選手を中心に速攻を仕掛けます。こんな感じで関東第一優位で進んでいた15分、たった1回の決定的チャンスを暁星がものにします。

Photo_61 Photo_63 Photo_64

Photo_65

決めたのはkumazemi's favorite playersである14番風間選手です。関東第一からオフサイドのアピールがありますが、写真一番左を見る限りでは、オフサイドではなかったです。風間選手の飛び出しがあまりに絶妙だったのです。カウンター一発できっちり1点とるところは暁星はさすがです。このしたたかさは伝統のなせる技でしょう。

関東第一は28分に右コーナーキックを深めに蹴った惜しいチャンス(たぶん繰り返し練習しているパターンだと思います)があり、結果論ですがこれは決めておきたかったです。

このピンチを逃れた30分、関東第一がDFからビルドアップしていこうとするところを中盤でボールを奪い返した暁星がそのままつなぎ、8番宮崎選手が左足を一閃2点目を取ります。

アクシデントはこの3分後におきました。暁星ペナルティエリアで混戦になっていたところ「ピーッ」とファウルを表す長い笛が鳴りました。私は(というより私の席の近くにいた人ほとんどが)「PKだ!」と叫びました。錯覚かもしれませんが主審の方がペナルティマークを指すようなしぐさも見えたのです。しかし、PKは始まらず、関東第一の選手がピッチの外へ出て行きました。シミュレーションによる累積2枚目のイエローでの退場だったのです。

風上にいながら2点を先行され、3点とらなければならない状況で1人少ないハンデを背負うには、あまりにも早い時間帯でした。前半はこのまま2-0で終わりますが、下手すると7対3くらいで関東第一が押していましたので、関東第一にとっては何とも重苦しい前半の終わり方でした。

後半になっても強風は止まず、暁星が風上の有利さをフル活用して開始早々から攻め立てます。7分には左サイドから狙い済ました10番寺島選手のミドルシュートで3-0、18分には自陣バイタルエリア付近で奪ったボールをタテにすばやくつなぎ、またもや14番風間選手がマークを振り切ってシュートして4-0、終了直前には左サイド深いところでの風間選手の粘りから5点目を上げ、結局5-0で暁星が勝ちました。

後半28分に関東第一のエース森相選手にチャンスが来ましたが、暁星も早い寄せで仕事をさせませんでした。

Photo_66 Photo_67 Photo_68

警戒されマークされながらも決定的な仕事をする風間選手はすごいです。これで2年生ですから末恐ろしいです。

しかし、関東第一も歴史を作りました。ほとんどの高校生が、高校生として西が丘サッカー場でプレーすることは「憧れ」のまま永遠に封印することになります。ここまできたのはすばらしいです。感動しました。

昨年までの10年間、暁星が決勝に進出すること3度、96年度は修徳に、02年度は国士舘に、04年度は実践学園に、それぞれあと一歩のところで敗れています。決勝は修徳でも国士舘でもどっちでもリベンジマッチになります。今年の決勝もまたみどころのあるカードになりそうです。

kumazemi's favorite players関東第一の森相選手(9番)

2006年10月25日 (水)

東海大菅生vsかえつ有明

Kumazemi Report 2006-10-22
第85回選手権東京大会Bブロック3回戦
駒沢第2球技場(晴)
東海大菅生   vs   かえつ有明
4
2 前半 1
2 後半 0
1

都立石神井を零封し、私立武蔵に圧勝して勝ちあがってきた驚異の1年生軍団かえつ有明が強豪東海大菅生に挑んだ一戦です。

試合開始前のかえつ有明は監督の「長い距離を走れ」という指示のもと、入念にアップ、一方東海大菅生は広く展開する練習をしてました。

東海大菅生も相手が全員1年生とはいえ、侮れない相手であることは十分承知の上でゲームに臨んだことと思います。

それでも、開始早々かえつ有明が速攻から先制します。反対側のゴール裏にいたのでよく観えませんでしたが、あっという間の出来事でした。それぐらい鮮やかな速攻でした。

ただ、この先制点で目が覚めたのか東海大菅生はこの後何度か決定的場面を作り出します。しかし、かえつ有明はキーパーのファインプレーやシュートがポストをたたく幸運さもあってしのいでいきました。

しかし、前半25分に同点にされた後、右から中央にドリブルで突破されてゴール正面から完璧なシュートを決められ逆転を許します。

選手権出場経験のある東海大菅生に激しいプレッシャーと多彩な攻撃で追い込まれ、なかなかリズムをつかめないかえつ有明は後半に2点を追加され、1-4で破れました。「相手のいいところを消しながら自分たちの持ち味を出す」東海大菅生はさすがでした。

ポイントは前半だったように思います。石神井戦のように粘り強く守って1点を争うような接戦に持ち込み、後半にリードを奪って押し切るようなゲーム展開が望ましかったのではないでしょうか。こう考えるとあの先制点は予想外に早く入ったと言えます。そして、あまりにも早く逆転を許してしまいました。サッカーに「もしも」や「たられば」は禁句ですが、願わくば前半1-0、最低でも1-1の同点だったら違う展開になっていかもしれません。

波に乗ったときには爆発的な攻撃力を発揮するこのオール1年生のチームも、東海大菅生のような歴史ある強豪校相手に後半の40分間失点せず、かつ2点とらなければならない展開はさぞきつかったろうと思います。

でもオール1年生のチームが都大会で2回勝ち、敗れはしましたが東海大菅生相手に先制パンチ食らわして本気ださせるんですから「すごい」です。

新人戦は逆にこのままのチームで戦える強みもありますね。関東大会には出るのも現実味があります。いや、ぜひ出てほしいです。下の写真は前の試合を観ているかえつ有明の選手たちです。本当、あどけない顔ばかりです。でもサッカーはどこか野武士的でなかなかお目にかかれないチームです。

私も時間が許す限りかえつ有明を追いかけてみようと思います。彼らが3年生になったとき、どういうチームになっているか、ブログを使って記録してみようかなと思っています。

なお、サッカーとは関係ないですが、かえつ有明の制服はさっぱりとしていて清潔感にあふれ、しかもデザインのセンスもいい制服でした。

1022

2006年10月24日 (火)

東京朝鮮vs大東大一

Kumazemi Report 2006-10-22
第85回選手権東京大会Bブロック3回戦
駒沢第2球技場(晴)
東京朝鮮   vs   大東大一
6
3 前半 0
3 後半 1
1

東京Bブロック準々決勝の一戦、総体都大会では優勝した國學院久我山に1対2と惜敗したもののベスト4まで進んだ東京朝鮮高級学校の登場です。むろん、優勝候補の中の1校です。

対する大東大一は1回戦の東京実業、2回戦の武蔵工大付をともに完封して勝ちあがってきました。なんと言っても注目は13番の選手です。それにしても大東大一のユニフォームかっこいいですね。緑一色に漢字の縦書き。これでエンジだったら私世代が泣いて喜ぶ古河一です。

ゲームの方は、序盤こそ互角の展開だったのですが、ダイレクトや少ないタッチでポンポンつなぎ、高速ドリブルで縦横無尽に走りまわリ出した東京朝鮮が優勢になっていきます。

大東大一は13番の選手に何とかいい形でボールを入れたいのですが、東京朝鮮も当然わかっていますので、そう簡単には入れさせてくれません。よってなかなかいい形が作れません。そうこうしているうちどんどん東京朝鮮のプレッシャーが強くなっていきました。

そして前半15分頃だったと思います。大東大一は左サイドから中へドリブルで切り込まれ先制を許します。その5分後にも混戦からシュートを決められ2-0になります。東京朝鮮は球際も強く、ちょっとしたコントロールミスでもガツっと体を寄せて相手を自由にさせません。40分には左サイドをくずされてあげられた絶妙なクロスにヘッドで合わされ3点目を奪われます。

後半に入っても東京朝鮮のダイレクトやワンタッチ、ツータッチの早いパス交換はテンポよく継続して繰り出され、大東大一は攻撃に移る際も早い寄せで芽を摘まれてしまい、速攻に活路を見出そうとします。しかし、5分には東京朝鮮7番の選手にゴール前混戦から押し込まれ、20分にはまたも右サイドからゴール前に切り込まれ5点目を奪われてしまいました。

しかし、上述のように速攻に活路を見出そうとしていた大東大一は25分、自陣左サイドでカットからタテ一本で1点返します。優勝候補相手にやや一方的な展開になりつつある中、1点を返すのは容易ではありません。鮮やかな速攻でした。

でも東京朝鮮も攻撃の手を緩めず、終了直前には右コーナーキックのチャンスにファーサイドにあげたボールをピタッと折り返されヘッドで押し込まれ、結果は6-1で東京朝鮮の圧勝でした。

昨年の大東大一の選手権はといいますと、地区予選をきっちり勝ち抜き、

  • 選手権都大会1回戦:●大東大一0-0PK暁星○

という成績でした。おととしの選手権は都大会に進めず

  • 選手権地区予選決勝:●大東大一1-2成城○

という成績でした。

今年は地区予選3試合すべて3点差以上つけて勝ち上がり、

  • 都大会1回戦:○大東大一3-0東京実業●
  • 都大会2回戦:○大東大一1-0武蔵工大付属●
  • 都大会準々決勝●大東大一1-6東京朝鮮○

と都大会で2勝しベスト8入りです。ここ数年で着実に力をつけてきていることが一目瞭然でわかります。現2年生にもいい選手がたくさんいるようですし、新人戦でも上位に進んでほしいと思います。

最後に上述したとおり大東大一のユニフォームは本当にカッコイイのですが、応援に来ていたご父兄の皆さんも同じ緑に校名が漢字で縦書きされたTシャツを着ておられ、思わず遠めからパシャっとやってしまったのでその写真を載せさせていただきます。

10222_1 kumazemi's favorite players

東京朝鮮の5番

2006年10月23日 (月)

都立つばさ総合vs関東第一

Kumazemi Report 2006-10-22
第85回選手権東京大会Aブロック3回戦
駒沢第2球技場(晴)
関東第一   vs   都つばさ総合
5
3 前半 0
2 後半 0
0

学習院を延長の末撃破した都立つばさ総合、前回準優勝の都立三鷹を完封した関東第一の戦いでした。

都立つばさ総合は都大会1回戦、関東第一はTFLとそれぞれ一度取材したことがあるチーム同士で、既に強豪私立校の一角に名を連ね、地力に勝る関東第一につばさ総合がどう挑むかがポイントでした。

結果は関東第一の完勝でした。

都大会はトーナメントで負けたら終わりですから、つばさ総合は当然後半は攻撃的にいくことになります。ただ、1回戦、2回戦とも相手を零封した関東第一の守備をこじ開けるのは容易ではありませんでした。それでもつばさ総合はアグレッシブに挑みました。結果的に後半の後半に前がかりになったところを立て続けに2点失い、5対0という結果になりましたが、下を向く必要はないです。精一杯やった結果です。関東第一が強かったのです。

私たち外野はよく無責任に「あの場面はもっとこうすれば・・・」とか「もっと気合で走り負けないで・・・」などとついしたり顔で論じてしまうものですが、自分達と相手の実力差や強豪がゲーム中に発する言いようのない圧力などはプレーしている選手が一番わかっています。なぜ勝てなかったのかも、なぜこの点差になったのかも、一番わかっているのは選手です。このブログは高校サッカー年鑑ではありませんから、こんなことを論ずるつもりはありません。それは“評論家”に任せます。

私がつばさ総合の3年生イレブンと高校サッカーの取材を通じて会うのはこれで終わりです。3年生のみんなはこれからそれぞれの進路に向かって真の戦いが始まります。都大会1回戦突破して準々決勝へ進出した誇りを胸に、決意新たに今後の人生に踏み出して欲しいと思います。そして後輩達にとってはあらたな歴史の始まりです。現1、2年生は伝統に向けて踏み出した今年を忘れず、またすばらしいチームになってほしいと思います。

ここにこのゲームでもアグレッジブに攻めていた証として後半の9番の選手のシュートと前回Favorite Playersにも選ばせていただいた11番の選手のシュートを、それと最後の挨拶の場面を載せさせていただきます。学習院との起死回生の同点劇からの逆転サヨナラ勝ち、あのエキサイティングなゲームを私は忘れません。

最後に1、2回戦に続いて見事な完封勝ちでベスト4に進んだ関東第一イレブン。次は國學院久我山、ニクい都立福生を撃破したビッグネーム暁星高校です。準決勝は凄まじい戦いになると思いますが、すばらしいパフォーマンスを披露してください。そして関東第一サッカー部における新しい歴史の一歩を刻んでください。期待しています。

10227 10225 10222_2

2006年10月 1日 (日)

桐朋高校vs足立学園高校

Kumazemi Report 2006-10-01
2006年T3リーグ順位決定戦
桐朋高グラウンド(曇)
足立学園   vs   桐朋
4
4 前半 1
0 後半 1
2

T3リーグの9位10位決定戦です。

この両チームの選手権予選の方は、

  • 桐朋3-1京華(都大会1回戦)、桐朋0-2東海大菅生(都大会2回戦)
  • 足立学園0-0PK3-4学習院(地区予選決勝)

という結果でした。足立学園は強豪で都大会常連ですから地区予選敗退というのはちょっと驚きましたが、先日学習院のゲーム(対都立つばさ総合)をみましたところ技術とスピードを兼ね備えたいい選手もいる強いチームでしたのである意味納得です。

ゲームの方はというと結論から言いますと足立学園の完勝でした。

開始直後の5分、足立学園は右コーナーキックからニア一発であっさり先制します(写真右上)。この後も出てきますが、足立学園はコーナーキック(というよりセットプレー全般に)にいろんなバリエーションを持っています。かなり練習していることがうかがえ、チームの戦術の一つの核を成していると思われます。

対する桐朋は全体的にパスの精度が良くなく、守備も不安定な状態が続きます。こんな展開の中、前半25分桐朋はDFのクリアミスを足立学園MFに拾われ、そのままタテ一本通されて2点目を失ってしまいます(写真左下)。足立学園は8番の選手がゲームを組み立て、20番の選手との連携から次々と突破を図っていきます。

しかし、桐朋も前半34分、ゴール正面で得たFKのチャンスを直接左隅に決め、1点返します。このFKは見事でした

これでゲームはわからなくなるのかなぁと思いましたが、足立学園は主導権を握り続けました。

そして前半40分、足立学園はまたもや右コーナーキックからのこぼれ球を左から折り返し、ものすごいジャンプ力を生かしてヘッドで押し込みます、下はその時の連続写真です。

10013 100132 100133

前半の足立学園は、終了間際の44分にも右からのロビングにヘッドで競り勝って4点目を決め、3点リードで前半を終えます。

後半は桐朋も少し出足がよくなり、ゲームは前半と打って変わって膠着状態が続き、桐朋は後半20分頃いっぺんに4~5人選手を入れ替えました。これでさらに全体の動きもよくなりサイドを使った攻撃も仕掛けられるようになり、後半35分桐朋の長身フォワード19番の選手がすごいミドルシュートが決め2点差に詰め寄ります。足立学園のGKは打たれた瞬間からゴールネットを揺らすまでほとんど動けませんでした。それぐらいいいシュートでした。

しかし、反撃もここまで、4-2で足立学園が勝利し、T3リーグ9位を確保しました。

昇降格に直接関係ないゲームで、選手権予選終了後の日程ということもあって、お互い新戦力を試しながらという試合でした。再三触れているオール1年生のかえつ有明だけでなく、取材した限りでは大東大一や東京実業などの実力校も若いチームでしたし、私の限られた観戦でもけっこう1、2年生にいい選手を擁する学校も多かったですから、実力も伝統もある桐朋と足立学園が秋から始まる新人戦ではどんな戦いをするか楽しみですね。

10017 この後に行われた昇格がかかった3位4位決定戦は、東京高校が前半2点のビハインドをひっくり返して4-3で都立石神井を下して見事3位になりました。来期からFC町田ゼルビアユース、東亜学園とともにT2リーグへ昇格です。

まだT3リーグの7位8位(農大一高か桜美林か)の順位が決まっていませんが、これ以外のTリーグの順位は決まりました。

※写真は後半桐朋高校7番の選手のミドルシュート

2006年9月25日 (月)

都福生vs中大附属

Kumazemi Report 2006-09-24
第85回選手権東京大会Aブロック2回戦
早大東伏見グラウンド(晴)
都福生   vs   中大附属
1
1 前半 0
0 後半 0
0

都立福生と中大附属のゲームです。

都福生は知る人ぞ知る都立の強豪で、私の現役時代(二十数年前)から強豪として現在に至っているすばらしい学校です。何事もそうですが、その地位や存在価値をずっと長い間継続するということは並大抵のことではありません。そしてこの努力の継続は伝統になります。

ちなみに私も20代に所属していた実業団チームで都福生高校卒の後輩(DF)とプレーしていましたが、向こうッ気が強くて相手FWを絶対に自由にさせないって言って鎖骨骨折するまで激しくマークしていたことを思い出しました。

ゲームの方はやや中大附属ペースだったと思います。福生は接戦を予測して自由にさせるとデンジャラスな中大附属の10番の選手(FW)をマークしつつややディフェンシヴで戦うゲームプランだったのかもしれません。

ディフェンシヴに戦うということは、攻撃に多くの人数をかけずにカウンターを狙うということになるのですが、前半にまんまとこれがはまります。0924_3

縦パスに鋭く反応してそのままゴール前まで一直線、シュートも見事に決まりました(写真はその先制ゴールとなったシュートのシーン)。後で連続写真で見たのですが、DFに並走されながらもボール⇒ゴール⇒ボールの基本に忠実でした。よく鍛えられてます。

それにしても福生は表現として不適切かも知れませんが「ニクい」チームです。相手が攻撃に焦ってるとみるや奪ったボールをゆっくりDFでまわしたり、キープしたりしてリズムを断ち切り、相手がこのゆっくりズムに同調してくるとみるや速攻を仕掛けるという、本当「ニクい」チームです。

これをコントロールしていたのは7番の選手でしょうか。DFが奪ったボールを大きくサイドに開いてもらい、行けると思えば小柄なんですが運動量豊富でフィジカルも強そうな11番の選手を絡めて攻撃を仕掛け、ダメだと思えばDFに戻したり、サポートにきたMFに横パス出したりと、心憎いほど落ち着いてプレーするんですね。コレクティブゾーンでこのような多くの選択肢を持って落ちついてプレーできるのも、これまた勝手に決めつけますが、ハイプレッシャー下でもCDAサイクルをきちんと発揮する練習を繰り返し行なってきたからではないでしょうか。

中大附属は一度TFLのゲームを観ましたが、いつもの調子ではなかったのかもしれません。何度も監督からも大きな声で指示が出ていました。この前の1回戦(対桜美林高校)は0-0のPK勝ちだったようですが、得点力のバイオリズムが谷の方にあったのかもしれません。高校生だとこういうことがよくあるんです。というよりプロでもありますよね、攻撃がうまく行ってて毎試合2点以上とってたチームがある日突然得点できなくなって連敗するようなことが。

選手権予選はノックアウト方式になってますので、特に実力が拮抗してくる都大会(つまり決勝トーナメント)には、このバイオリズムを高い位置にして臨むことが勝敗につながったりします。高校生の場合ここらへんの調整が非常に難しいので、指導者の方々やご父兄もかなり苦労されるところなのだと思います。

いずれにしましても守備の意識を高く持って撃ち合いにならないようコントロールし、練習どおりにワンチャンスをモノにして勝つ、という流れを忠実に実践した都福生が3回戦に進みました。

都立福生はの次の相手は國學院久我山を破った暁星です。ビッグネーム相手ですが、平常心でいつもの「ニクい」プレーでがんばって欲しいと思います。

kumazemi's favorite players都福生の7番

2006年9月24日 (日)

都つばさ総合vs学習院

Kumazemi Report 2006-09-24
第85回選手権東京大会Aブロック2回戦
早大東伏見グラウンド(晴)
都つばさ総合   vs   学習院
3
1 前半 0
1 後半 2
1 延前 0
0 延後 0
2

選手権東京都大会2回戦、都つばさ総合高校対学習院高等科のゲームです。地区予選で東工大附属を破ってきたつばさ総合と同じく地区予選で強豪足立学園を破ってきた学習院ということで、実は組み合わせ発表を見たときからマークしていたカードです。

試合前の調整はつばさ総合はポストシュートと3人で大きなサイドチェンジからのシュート練習、学習院はずーっと5対5のポゼッションをやってました。

つばさ総合は7番の選手を軸にボールを奪ったら9番の選手にあてて11番の選手を軸に攻撃し、学習院はFWの11番と14番の選手のスピードを生かす攻撃、という感じでしたが序盤は学習院のペースだったと思います。学習院の14番の選手は、巧みなドリブルにスピード生かした突破でつばさ総合の守備陣を翻弄しますが、つばさ総合もしっかり粘り強く守ってカウンターを狙います。

しばらく学習院ペースだったのですが、前半15分頃、つばさ総合が右コーナーキックのチャンスで学習院DFに競り勝ってヘディングシュートを打ったんのですが、このプレーからつばさ総合が盛り返してきます。そしてペースをつかんだ前半20分過ぎ、左クロスから抜けたボールを6番の選手が押し込んで先制します。

このプレーでは、学習院DFがボールウォッチャーになってしまい、外から上がってきた6番の選手を全く捕まえていませんでした。でもこの決定機をきっちり決めたつばさ総合の6番の選手の落ち着きは見事でした。

この得点の前に強烈なミドルシュートでGKが前へ弾いたチャンスをモノにできなかった直後でしたから大きな1点だったと思います。そして前半はこのままつばさ総合が点リードで終わります。これはつばさ総合のゲームプランどおりだったのではなかったでしょうか。

ハーフタイムで両チームとも戦術などを確認したと思いますが、つばさ総合の守備が落ち着かない時間帯だった後半9分に学習院が同点に追いつきます。技術とスピードを兼ね備えた学習院の14番の選手がつばさ総合のDF3人を引き裂きました(写真左)。学習院は立て続けにこの1分後にも中央から逆転ゴールを決めます。

0924_1 この後学習院は19番の選手のものすごいミドルシュートなども飛び出しましたが、この学習院の19番の選手はヘッドも強く、コンタクトスキルもあり、遠めからでも強烈なシュートを打てるいい選手です。

ただ、後半30分前後から足をつる選手が複数出るなど学習院に疲労の色が見え始め、これもあったのでしょう、明らかに2-1で逃げ切ろうという感じになりました。しかし、「ドーハの悲劇」じゃないですが、サッカーは逃げ切ろうとするとやられるスポーツなのです。ここらへんは本当に過酷なスポーツだと言えます。

後半35分くらいだったと思います。そのときが来ました。すばらしい運動量を誇る11番の選手の左サイドの粘りから、やや緩慢な動きだった学習院DFを抜き差って起死回生の同点ゴールを決めます。学習院の選手はかなりガクッと来てましたね。このままゲームは終了し、延長戦突入です。こうなると力が拮抗している分、勝敗は気持ちの差になります。どちらが勝利への執念が強いか。劇的に追いついた分、つばさ総合の方がややこの気持ちが上回っていたかもしれません。

延長に入って1分くらいです。やや左めからのミドルシュートがGKにあたってゴールインし、つばさ総合が勝ち越します。私からは距離があってよく見えなかったのですが、学習院GKがキャッチミスしたようにも見えましたが、ボールが大きく変化したのかもしれません。この後もつばさ総合は疲れをしらない11番の選手を中心に攻め続けますが、すでに14番の選手を交代してしまった学習院は、FWの13番の選手への縦一本という単調な攻撃を多用していたところを観ると、この時点でもう1点取る力を搾り出せなかったのかもしれません。

このままゲームは終了し、つばさ総合が3-2で勝利しました。

取ったり取られたりのシーソーゲームでしたが、両チームともに積極果敢に仕掛ける選手(つばさ11番、学習院14番)がいて、ちょっとしたプレーで流れが両チームの間を行ったり来たりするスリリングな展開で、面白いゲームでした。またつばさ総合のお母様方の熱い応援もあってとても盛り上がりました。やっぱり高校サッカーはファンとお父さんお母さんとOBがいる限り不滅です。ご父兄の皆様も本当によく勉強されているんだと思います。つばさ総合のお母様方の声援を聞いていて、私は「サッカーをよく知ってるなぁ」と感心しました。

都つばさ総合高校の選手の皆さん、ご父兄の皆さん、指導されている先生方、1ヵ月後の関東第一高校戦>(※参考ゲーム)もがんばってください。次勝てば西が丘です!

kumazemi's favorite playersつばさ総合の11番、学習院の14番

2006年9月18日 (月)

大東文化大一vs東京実業

Kumazemi Report 2006-09-17
第85回選手権東京大会Bブロック1回戦
都葛飾野高グラウンド(曇)
大東大一   vs   東京実業
3
2 前半 0
1 後半 0
0

都葛飾野高校で行われた選手権Bブロック1回戦です。

到着が遅れてしまい、後半のみでフルタイム観戦できなかったので、選手のことを考えますと書くことは申し訳ないのですが、双方闘志むき出しの激しい試合で、すばらしい選手もいましたのでご容赦ください。

大東文化大一は何と言っても13番の選手が中心です。攻撃の起点になり、自らもゴール前でも勝負し、キックの精度も高いです。大東大一は守備も強く、バイタルエリアでも速いつぶしで東京実業はなかなか決定機を作れなかったです。

東京実業はリードされている焦りからか、ファウル気味のあたりが多かったように思います。そして後半25分くらいだったでしょうか、ゴールまで25mほどの中央の位置で相手にFKを与えてしまいます。

このFKのチャンスに、先にご紹介した大東大一の13番の選手がキッカーとしてボールに寄ってきました。ボールをセットして助走をつけて振りぬかれたボールは東京実業ゴールにあっという間に吸い込まれました。09173fk_1

写真はそのFKの場面です。周囲に緑の選手は誰もいないことがわかりますが、味方はみなゴール前でこぼれ球狙いです。

大東大一はここら辺の位置でのFKは13番の選手に直接狙わせるのがチームの決まりごとなのでしょうね。このあたりからも13番の選手がチームの中心で高い技術とセンスを持っていて、チームの精神的支柱であることがうかがえます。

大東大一はこの13番の選手に10番と11番の選手が絡んでいき、攻撃を形作るのですが、パス交換がスムーズにいって一気にゴール前まで行くと迫力があります。

対する東京実業は後半だけを見る限りでは、この時点ですでに2点のビハインドということもあったと思いますが、あまり調子がよくないような感じでした。地区予選を一度観戦しましたが、相手が異なるとはいえ本調子でなかったのでしょうか。あの時は立て続けにセットプレーから得点してペースをつかみ完勝でしたが、後半に限ってですが今日は不発でした。

パンフを見ますと両チームとも2年生主体の若いチームのようです。特に東京実業は1年生の登録選手が多いようですので、これからが楽しみなチームです。

なお、昨日の都大会1回戦で成立学園が堀越に3対3の同点からPKで破れて初戦で姿を消し、暁星は地区予選で本郷を撃破した都江北に対して2対1という辛勝というニュースがありました。

次の2回戦の注目カードは国学院久我山vs暁星、国士舘vs都駒場、修徳vs堀越あたりの決勝並みのカードでしょうか。ただ個人的には都葛飾野が東京朝鮮にどう挑むかとかえつ有明に興味を持っています。

kumazemi's favorite players大東文化大一の13番

2006年9月17日 (日)

かえつ有明vs都石神井

Kumazemi Report 2006-09-17
第85回選手権東京大会Bブロック1回戦
都葛飾野高グラウンド(曇)
かえつ有明   vs   都石神井
1
0 前半 0
1 後半 0
0

いよいよ選手権東京都大会が始まりました。このブログで情報いただいたこともあり、かえつ有明高校都石神井の一戦を観にいきました。写真は試合開始直前のかえつ有明高校の様子ですが、反対側で試合前の練習をする石神井とは対照的に、かえつ有明はフィールドで調整することは一切なく、監督からの指示の徹底のみがなされてました。ご存知の方も多いと思いますが、このかえつ有明の中込監督は元アビスパ福岡に所属していた元Jリーガーです。世代的には井原正巳さんと同じで、Jリーグ発足前もPJMフューチャーズとかで活躍された方です。そしてこのかえつ有明高校はもともと嘉悦女子高等学校という女子高だったんですが、本年度から男女共学になった学校なので、この選手権予選の登録メンバーは全員1年生なのです。したがいまして元Jリーガー監督がオール1年生で都大会に乗り込んできた、というわけであります。

このように話題が豊富なかえつ有明ですが、都大会1回戦では地区予選で東亜学園を破って勝ち進んできた都石神井高校と当たることになりました。

ゲームは開始10分くらいまでは一進一退でしたが、徐々に石神井が押し込んでいきます。22分の石神井10番の選手のドリブルシュートは惜しかったですが、かえつ有明も体を張ってよく守ったと思います。このように左右をワイドに使って組織的に攻めて組織的に守る石神井に対し、かえつ有明はどちらかというとこの技術を活かしながら、ボールを奪ったら速攻気味に早めに前線の10番と11番の選手に供給する、という感じでした。

ただ、びっくりしたのはかえつ有明の選手の個々の能力です。さすがに顔つきは半年前までは中学生ですからあどけないのですが、全員が1対1にめっぽう強く、基本技術もフィジカルもとても1年生とは思えないレベルなのです。特にDFの4番の選手なんか年ごまかしてんじゃないかと思うほど高校年代では完成の域にあるくらいの選手でした。また、GKもすごいです。特に飛び出しの判断とパンチングの技術は一級品ですね。石神井の攻撃は最後の最後にことごとくこの4番の選手とGKに跳ね返されていました。

ゲームは前半終了間際にかえつ有明に10番の選手の抜け出しからのシュートと右CKからの惜しいヘディングシュートがあったものの、終始石神井優勢のまま前半は0-0で終了しました。

後半に入って47分、石神井が右サイドを崩してゴール前絶好のポジションの選手にボールを供給、決定的場面を作ります。しかし、ここもかえつ有明のGKのファインプレーで得点できません。

この数分後、今度はかえつ有明が左CKからチャンスを作り、一度はクリアされますがそれを左サイドの選手が拾い、低くて速いシュート気味のボールを入れ、これにダイレクトで合わせてかえつ有明が先制します。0917_1(写真)

これで2点入れないといけなくなった石神井が激しい攻撃を仕掛けます。54分にはものすごいボレーシュート(クロスバー直撃)、55分にGKと1対1(かえつGKがファインセーブ)、56分には左CKから飛び出してしまったGKの頭上を狙ったヘディングシュート(惜しくもゴール上のネットに落ちる)など怒涛の攻撃を仕掛けました。

しかし、ここでもかえつ有明は4番の選手とGKを中心によく集中して守り、1人1人がしっかりとしかも速く体を寄せてこの怒涛の3連発を防ぎました。

65分には逆にかえつ有明がカウンターから11番の選手がスピードと持ち前のボディバランスの良さを駆使して中央突破を図りますが、石神井が3人がかりで止めます。(写真)09173df

70分には石神井が中央ややセンターサークルよりの位置からのFKとその後の前線の選手の粘りから決定的なチャンスが生まれますが、惜しくもシュートミスで得点できませんでした。石神井にとってはこれは痛いミスでした。時間帯からいってミスってはいけない決定的場面だったのですが・・・。

一方、かえつ有明は先制してからさらに出足がよくなり、後半の中ごろを経過しても寄せが遅れることもなく、攻撃に切り替わったときのスピードも全く落ちません。コンタクトスキルも持久力も相当のものがあります。

結果的にゲームはこのまま1-0で終了、1年生軍団かえつ有明が勝利しました。ラスト5分、かえつ有明ベンチは「全員で(最後まで)やり切れ」と声をかけますが、監督は終了直前という時間帯でも11番の選手に、ヨコへの動き方やDFをよく観ることなど技術的戦術的指示をされていました。

石神井はグラウンドをワイドに使って左右に揺さぶり、サイド攻撃を中心に激しく攻撃しましたが、やはり後半15分過ぎの立て続けのチャンスと後半20分の決定的チャンスで得点できなかったことが最後まで響いてしまった気がします。内容的には決して悪い内容ではなかっただけに残念でした。相手の強さとかレベルといった感覚はやっている選手だけが正確に知り得るものですが、石神井の方に足をつる選手が複数出ていましたので、たぶん我々観戦者が思っている以上にかえつ有明の攻守の切り替えが速く、プレッシャーがきつかったのではないでしょうか。逆から言えば伝統のある強豪校石神井相手に1年生だけでこれだけのプレーができるかえつ有明の選手の能力は技術だけでなく精神面でも相当なレベルであるということです。

若いチームは乗ると力以上のものを出すといいますし、かえつ有明はBブロックで何か旋風を巻き起こしそうな雰囲気になってきました。右下の写真はかえつ有明FWコンビです(出身中学も同じみたいです)。

0917fw

kumazemi's favorite playersかえつ有明の4番、11番