都立久留米vs 東海大菅生
Kumazemi Report | 2006-11-18 |
第85回全国選手権東京Bブロック決勝 |
西が丘サッカー場(晴) |
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選手権東京Bブロック決勝です。
Bブロックは帝京vs東京朝鮮のカードになるのではないかと予想していた高校サッカーファンは多かったのではないでしょうか。
しかし、この両校はそれぞれ準決勝でものすごい激闘を演じ、この二強を退けて決勝に来ました。ちなみにこの両校、今年の総体都大会でも顔を合わせており、そのときは東海大菅生が2対0で勝っています。
前半お互いに何度かチャンスを作りますが、ゲームは一進一退に展開されていきます。
私から見て目立ったのは都立久留米の20番野村選手です。ポストプレーだけでなく、前線でのタメなど前半からいい仕事をしていたと思います。後半、この野村選手がとてつもなく大きな仕事をすることになります。
東海大菅生は5番早崎選手を中心としたディフェンスがすばらしいですね。集中も切れませんし、寄せも速いし、1対1も強いです。久留米の10番新宅選手の右に左に散らすパスにも慌てずに対処してピンチを作りません。
東海大菅生の攻撃はというとサイドから精度の高いクロスでチャンスをつくります。守備は堅く、攻撃は制度の高いクロスを武器にサイドからという感じです。もちろん攻守の要は10番大野選手です。
38分の大野選手のFKは絶妙でした。走りこんだ選手のヘディングシュートがきちんとインパクトしていればゴールだったと思います。
都立久留米の7番菅原選手も小柄なんですが、新宅選手からの縦パスに反応したときのスピードはすばらしく、突破力のある選手だなと感じました。やはり、都立久留米や東海大菅生などの強豪校でレギュラーになるには何がしかのオンリーワンを持っていないとダメですね。
前半はこのまま0-0で終わり、Aブロック同様、勝負は後半ということになりました。
後半の立ち上がりは東海大菅生が来ました。最初の10分くらいは一方的だったと思います。中盤での激しいプレスでことごとくボールを奪い、前線でどんどん仕掛けます。特に右サイド展開からの4番不動岩選手のシュート、ロビングから見事なトラップで放った9番伊藤選手のシュート、FKからの笹栗選手のバーをたたくヘディングシュートと激しい攻撃が続きました。願わくばこの後半立ち上がりの攻撃で東海大菅生は1点でも取りたかったです。
この怒涛の攻撃をしのいだ都立久留米も徐々に攻撃にもリズムが出てきて、フィニッシュまでいくケースも増えていきますが、東海大菅生も3番大河原選手やGK渡辺選手を中心に守ります。ここらへんはさすが守備の堅い東海大菅生です。
それにしても、都立久留米のキャプテンの14番桜井選手は上手ですね。小柄ですが、足もとの技術も視野の広さも一定以上のレベルにあると思います。
この流れの中、先に都立久留米が動きます。後半20分、長身186cmの13番「一撃必殺の仕事人」千葉選手の投入です。続いて25分頃には菅原選手に替えて8番の新村選手も投入します。34分頃には惜しくもゴールマウスから外れたものの20番野村選手の決定的なヘディングシュート、その2分後には野村選手が右に開いて作ったチャンスから6番柿原選手の決定的場面もありました。
こんな感じで後半30分過ぎまでお互い攻め合いながらの0-0ですから、セットプレーかあるいは一瞬のスキが勝敗を決めるような展開だったと言えるでしょう。そして、ドラマは誰もが延長戦だと思っていたロスタイムに起こりました。演出したのは都立久留米20番野村選手です。
都立久留米は自陣左サイドで相手を囲んで奪ったボールをそのままタテ一本、左サイドに流れた20番野村選手めがけて放ちます。低いボールは東海大菅生DF5番早崎選手が先に触れことができるものでしたが、ここで野村選手が一度ならず二度もあきらめずに足を出して粘ると、ボールが野村選手の前の絶好の位置に弾んで出てきます。
同時に中央付近では新宅選手が長い距離を走ってきていました。野村選手は左サイドから冷静に中を観、走りこんできた新宅選手にどうぞといわんばかりのやさしいボールを供給、新宅選手は難なくゴールへ流し込みました。そしてタイムアップ。Bブロックは都立久留米が代表になりました。
今年も選手権東京大会は両ブロックともすごい戦いでした。
kumazemi's favorite players:都立久留米の野村選手(20番)
次は全国ということになりますが、燃え尽きないようモティベーションを維持し、コンディションを整え、万全で初戦に向かっていってほしいと思います。
夏から暇を見つけては取材して書いてきた2006選手権東京大会もこれにて終了です。
読んでくださった皆様、素人の独りよがりに過ぎない記事にお付き合いくださり、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
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