都豊島vs杉並学院
Kumazemi Report | 2017-08-17 |
第93回全国選手権東京大会1次ブロック戦 |
駒沢補助競技場(曇) |
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選手権一次予選、8月17日駒沢補助競技場です。
両校ともインターハイは支部予選で敗退(都豊島は支部決勝で対都城東に0対2、杉並学院は初戦桜美林に1対1からPKで敗退)していて、この選手権では是が非でも都大会出場を果たしたいと臨んだ1回戦です。
両校とも試合前のアップからこの大事な初戦に向けての気合いが感じられましたが、特に杉並学院はことのほか入念にアップしていました。杉並学院は昨年の選手権で都大会出場を果たし、初戦で敗れたものの都立の強豪日野台に最後まで食い下がった実績があります。対する都豊島も一次予選決勝で都国立に惜敗して都大会に行けなかったものの、その都国立は都大会初戦を突破し都東久留米総合に敗れたものの善戦していましたので、こちらもその実力は推して知るべしです。
試合は杉並学院のキックオフで静かに始まりましたが、こういう初戦はゲームへの入りがとても重要なのですが、開始早々杉並学院が不用意なファウルで都豊島にFKを与えてしまいます。このFKから都豊島がCKをゲットしますが、この一発目の右CKをニアで合わせて都豊島があっという間に先制します。
先ほど申しました通り初戦は入りがとても大事なのですが、落ち着く前の開始早々に失点してしまった杉並学院はまず追いつくために運動量増やして攻撃的に行かざるを得なくなります。精神的にも優位に立った都豊島は慌てず無理せず守備のバランスを崩さないようにゲームを進めます。
杉並学院は小柄ながら運動量も豊富でスピードがあってドリブルの上手い10番や12番の選手がサイドから仕掛けていきます。中央の守備が堅い都豊島相手にチャンスを作るには、このサイド攻撃は有効ではないかと思いました。それにしても杉並学院10番の選手は非常に面白いプレーヤーで、ぜひ上のカテゴリーでも挑戦して欲しいなと思いました。
20分を過ぎても杉並学院のいい攻撃のリズムは続いて都豊島はやや守勢に回りますが、とにかく守備が堅固で決定機をほとんど作らせません。外野から見てると攻めあぐねているように見えるのですが、これは都豊島のディフェンスのなせる技なのでしょう。相当守備の練習に時間を費やしてきているなと感じました。
前半はこのまま都豊島が1点リードで終了します。ポゼッションでいうなら60%対40%くらいで杉並学院だったのではないかと思います。
後半に入っても杉並学院の10番と12番が織りなすドリブル突破攻撃は機能するのですが、とにかく都豊島のバイタルエリアからペナルティエリアにかけての中央の守備は本当に見事で、杉並学院は良い形でシュートを打てず、このプロセスは良いが結果につながらない流れに焦燥感が増していきます。
このような展開の中、杉並学院ベンチが動きます。少し疲労が見えていた12番の選手に替えて11番の選手を投入、流れを変えて1点を取りに行きます。この11番の選手はピッチに投入されるや否や積極的にボールに絡み、時折見せるドリブルは前へ前へという気持ちを感じさせるものでした。
しかし、都豊島も60分前後からベンチの指示もあったか出足が良くなり、杉並学院へのボール奪取のアグレッシブさが戻ってきます。杉並学院も68分に3番の選手に替えて19番の選手を投入、攻撃の枚数を増やしますが、都豊島も34分に7番の選手に替えて11番の選手を投入、杉並学院はさらに大詰め80分過ぎのアディショナルタイムになっても13番の大柄な選手を投入、逃げきりを図る都豊島に対して杉並学院はあきらめない姿勢を見せます。
しかし、アデョイショナルタイムを3分超とったところでゲーム終了のホイッスル、開始早々にセットプレーであげた1点を守り切った都豊島が初戦を突破しました。
敗れたものの高速ドリブラーを複数枚持ち、技術の高い守護神GKを擁した杉並学院も今後楽しみなチームです。試合終了後に応援席への挨拶が聞こえましたが、顧問の先生と外部指導者がタッグを組んで教育の視点を失わずに多感な高校生を目標に向かて誘導する苦労が滲み出ておりました。
久しぶりに取材しましたが、カメラが重く感じられ、かなり腕の筋力が低下していることがわかりました。鉄アレイでもうひと頑張します。
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