駒澤大学高vs國學院久我山
Kumazemi Report | 2018-10-28 |
第97回選手権東京大会Bブロック準々決勝 |
実践学園高尾グラウンド(晴) |
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久しぶりに高尾に来ました。高尾駅から会場までの道中、立って挨拶しながら案内をする実践学園サッカー部の皆様、本当にありがとうございます。毎度の光景ですが、本当に頭が下がります。部活動は今いろんな意味で岐路に立っていますが、物事を決める側の方々はぜひきちんと現場を見て議論していただきたいと思います。
さて、今日の観戦はBブロック準々決勝実践学園高尾会場第二試合です。第一試合の帝京vs堀越(2対1で帝京勝利)の途中に会場入りしたんですが、もはや寸分の立つ場所もないくらいの観客数で、私は列に並んで会場入りを待つこととなりました(約1時間)。
さて、夏のインターハイのこの二校ですが、駒大高は都大会二次トーナメント初戦敗退、國學院久我山は本大会に出場して2勝(神戸弘陵に3対0、星稜に3対0、大津に0対2)して16強に入りました。ですので駒大高が國學院久我山に挑むという図式になります。
試合の方は開始早々駒大高にファーストシュート、直後に國學院久我山がバイタルエリアやや左20m強のFKが生まれるなどアグレッシブに始まりました。駒大高にはクラウチを彷彿とさせる11番の選手を前線に置き、中盤での速いプレスと空中戦で流れを掴もうとします。
対する國學院久我山はもはやその名詞となっている「華麗なパスサッカー」を展開、ただ勝つだけでなく彼らが背負う「美しく勝」たなければならない使命感をピッチで表現します。
しかし、前半14分、サッカーでは往々にして起こる「挑戦者が先に点を取る」現実が現れます。FKからのゴール前の混戦ごちゃごちゃっとしたところ押し込んで駒大高が先制します。このシーンでの盛り上がりはすごかったです。そもそも今日のこの試合の観客数は、およそこの実践学園高尾グラウンドの観戦者収容キャパシティを超えた状態でありました。
追う立場になった西の横綱はそれでも自分たちのサッカーを展開、正確な技術と巧みなダイレクトプレーで焦ることなくゲームを展開、すると2分後の16分でした。左サイドからの攻撃から低くて速いクロスを入れると駒大高DFが対応しきれずボールがファーサイドへ、このボールを落ち着いて蹴り込んでアッという間に國學院久我山が同点に追いつきます。
駒大高は國學院久我山攻守に切り替えの要である14番の選手だけに対してでなく、中盤全体で早め早めにプレッシャーをかけてパスサッカー封じを展開していたのですが、このシーンではやられてしまいました。
追いついた國學院久我山はリズムが良くなりますが、駒大高ベンチはここで動き、31分に長身FW11番の選手に代えて14番の選手を投入します。私、この14番の選手のヘアスタイル、好きです。
前半はこのまま同点で終了、勝負は後半ということになりました。
後半の入りのリズムは國學院久我山で、後半2分(42分)に敵陣中央から強烈ミドル、これを駒大高GKが止めるも威力が強烈過ぎてファンブル、するとボールが願ってもないところ出てきて完全フリーとなった国学院久我山の選手がゴール右サイド狙って押し込みましたが、惜しくもポスト右をかすめ、外してしまいます。場内にどよめきとためいきと悲鳴が交錯するほどのビッグチャンスでした。
でも、これは強烈ミドル後の一瞬の出来事で、駒大高DFが強烈過ぎて立ったまま見ているしかなかったところを素早くこのこぼれ球に反応、体制を崩しながらも一か八かで蹴るのではなく右スミを狙ったものであり、単に決定機を外したものではなくてすごいプレーだったのです。
しかし、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、失点を免れた駒大高は直後の後半3分に中央から左そして右と揺さぶった後のクロスに絶対的エース10番の選手がヘッドを決め、ついに勝ち越します。
このシーンも結果的にアシストとなるクロスを入れた右サイドの駒大高の選手も、ファーストタッチをゴールから遠い位置にボールを流してしまったのですが、寄せが一瞬遅れたところを半ば強引にサイドボレー気味に蹴り込んだものです。これがハーフライナーみたいな速いボールになってどんぴしゃりとなりました。
勝ち越された西の横綱は久我山スタイルを貫きながら猛攻を仕掛け、横綱から3点取るのは至難の業と認識している駒大高は必死の守備、この手に汗握る展開に時間が消費されていきます。
それでも横綱に焦りが出たかなかなか効果的な縦パスが入らず、駒大高の素敵なヘアスタイルの14番の選手がどんだけ体力がるのかと思わせるほど追い掛け回してました。
結局ゲームはこのまま駒大高が逃げ切り、2対1で勝利しました。
選手権都大会は上手いから勝つわけでもなくデカいから勝つわけでも速いから勝つわけでもなく、80分の間にほんの何回かくるチャンスを運よくモノにできたチームが次に進んでる気がしました。
写真は前半國學院久我山ゴール前での攻防です。
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