帝京vs明大明治
Kumazemi Report | 2018-05-20 |
平成30年度高校総体都大会1次(H)決勝 |
駒沢第二球技場(晴) |
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平成30年度高校総体東京都大会Hブロック決勝戦、正直申しますと今日はこの帝京を観るために駒沢に来たようなものであります。過去のノスタルジーに浸るつもりはありませんが、やはり高校サッカーの歴史を語る上で帝京はその中心に位置するわけであり、だからこそ近年の状態をものすごく憂うわけでもあります。もう一度頂点に立ってほしい、そう私世代は本気で願うのであります。
さて、その帝京、関東大会都大会では4強に進出するも駿台学園に負けて関東大会の切符は逃しましたが、そのプロセスでは成立学園を倒しており、大いに期待して観に来ました。
しかし、試合開45秒くらいで速攻から早々と失点しまいます。以前のめちゃくちゃ強かった時代の帝京も、速攻食らった時に最終守備ラインが不安定になることがしばしばあったことは記憶していますが、今日もそのクセがいきなり出てしまいました。
しかし、そこにいるだけで相手守備陣をかき乱す長身20番の選手に攻守のかなめ10番の選手、運動量が豊富でもスピードもある9番の選手、トニ・クロースみたいな6番の選手などタレントが揃っている帝京が巧みなパスワークとものすごく速いプレッシャーですぐさま主導権を握ります。
帝京は誰一人サボらないパスアンドゴーと完璧なパススピードで足下、足下と繋いできて明大明治を翻弄します。しかし、それをわかっている明大明治も飛び込まずに入ってくる選手をきっちり捕まえてそこで奪取する作戦を採ります。先制した後もそれをきっちりやっていました。
しかし、前半13分、帝京右CKから押し込まれて追いつかれてしまいます。ここまでゲームの流れの中ではうまく凌げていたので、このセットプレーからの失点は痛かったです。
追いついた帝京はその後も実力をいかんなく発揮し、どんどん明大明治を追い込みスタミナを奪っていきます。やっとの思いで自陣でボールを奪取しても帝京の守備への切り替えとそれに伴うプレシャーの速さとキツさは、前述のスタミナだけでなく戦意をも喪失させるほどのものだったのではないでしょうか。
35分にはゴール正面から強烈な一発をくらって勝ち越され、2対1と帝京1点リードで折り返します。後半は明大明治のスタミナがどこまで持つかと、失点リスクをどこまで冒して点を取りに行くのかが私の注視したいポイントでした。ある意味帝京相手に前半で1点のビハインドならば想定範囲、もしくは意図どおりとも言えなくもないです。何せトーナメントには「PK戦」があるのです。
しかし、後半アタマから帝京はエンジン全開で攻め立て、48分、49分、50分と3本続けてのCKに左右の揺さぶりにだんだん明大明治もいっぱいいっぱいになってきます。そして、51分にゴール前中央からミドルを突き刺されて3点目を献上、続く52分には左から揺さぶられて4点目、さらに53分にも左から右ファーサイドのクロスにヘッドで押し込まれて5点目を取られて、後半始まって十分そこそこで3点取られてしまいました。この時間帯、明大明治は少しパニック状態になってしまったのかゴールに近い位置にいる帝京の選手をきちんと捕まえきれていませんでした。
帝京はこの後も攻撃の手は緩めず、しかも選手各自がボール保持者への速いプレッシャーとセカンドディフェンダーに回った場合の素早い準備、奪ったボールは不必要に持たないですぐに動かして相手の守備への切り替えを容易にさせないなど、タレント性だけでなくやるべき仕事を全員がきちっとやり通しました。
ゲームは60分にもう1点追加して帝京が6対1で勝利しました。45秒失点でどうなることかと思いましたが、帝京の底力を感じた試合でした。
明大明治は苦しい展開ながら10番の選手が何とか打開しようと一生懸命プレーしていたのが印象に残りました。というか、彼は技術がありますし、ドリブル突破がうまいです。ときおり見せた帝京の選手を数人引きづりながら突破を図るシーンはとてもカッコよかったです。さすが10番!
明大明治には人工芝のグラウンドあって練習環境も良いですからさらに技術をつけ、それでもって鰻とか和牛赤身肉とかたくさん食べてスタミナつけて選手権予選で旋風起こしてください。
kumazemi's favorite players 2018:帝京の10番
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