成立学園vs暁星
Kumazemi Report | 2009-10-25 |
第88回全国選手権東京Aブロック準決勝 |
西が丘サッカー場(曇) |
|
第1試合の熱気も冷めやらぬままに、もう1つの準決勝がキックオフとなりました。雨は上がったものの芝はまだスリッピー、そして冷たい風が吹き付けます。
強豪同士の対戦にふさわしく、序盤から迫力のあるゴール前でのプレーが次々と生まれていきました。成立学園は前線の3人、9番、10番、11番の選手が暁星ディフェンスラインの裏を狙いチャンスをうかがいます。長身の9番の選手はポストプレーやリーチの長さを存分に活かしたボールキープで攻撃のアクセントとなっていました。前半13分に10番の選手がドリブル突破を見せると、14分には11番の選手がシュートに持ちこみ成立学園応援団を大いに沸かせます。
やや押され気味の立ち上がりとなった暁星は、前半15分に高い位置でボールを奪うと9番の選手がシュート。成立学園GKが何とか触ったボールはクロスバーに弾かれました。暁星はこの後も中盤で数多くのボールを奪いチャンスにつなげていきますが、その立役者となったのが4番、5番、8番の選手。自由にポジションを替えながら攻守両面でチームを引っ張っていきます。
お互いに一歩も譲らぬ一進一退の攻防が続いていた前半36分、成立学園が先手を取ります。ディフェンスライン裏へと出たボールを、10番の選手が見事に浮かせたシュートでGKをかわしてゴールへと送り込みました。前半は成立学園1点リードで終わります。
後半に入り、追いつきたい暁星は全体的に前がかりとなり、対する成立学園はカウンターを狙う構図となります。前半も激しいプレーは見られましたが、後半になるとボディコンタクトはさらに激しいものとなりました。両チームの気持ちの強さが表れているようでした。
後半15分を過ぎた辺りから試合のテンポが速くなります。18分にワンタッチでつないでから成立学園10番の選手がシュート、23分には暁星が左サイドから崩します。25分には成立学園10番の選手が今度はスルーパスを出すと、9番の選手がシュートしますが暁星GKがナイスセーブを見せました。手に汗握るとはまさにこういう展開のことを言うのでしょう。
後半28分、暁星は10番の選手を投入し状況の打開を図ります。そして直後の29分、右サイドでボールを受けた9番の選手が強烈なミドルシュートを決めて1-1の同点に持ちこみました。スタンドを埋め尽くした暁星応援団が選手達と共に喜びを爆発させます。
残り10分で同点となった試合はますます激しさを増していきます。32分、左サイドをオーバーラップした成立学園5番の選手のシュートは暁星GKが弾きました。37分には暁星がコーナーキックから、38分には成立学園がフリーキックからそれぞれゴールを狙いますが、いずれも得点には至りません。
第1試合に続いて延長戦に突入かと思われた後半39分、試合を決定づけるゴールが生まれます。成立学園2番の選手が左サイドでボールを持ち上がると、もの凄い勢いで走り込んできた11番の選手へとパス。トップスピードでボールをコントロールした11番の選手は、ペナルティエリア左からグラウンダーのシュートを打ちます。ボールはゴール右へと吸い込まれ、成立学園に勝利と決勝戦進出をもたらしました。
決勝まであと一歩で涙を飲むこととなった暁星ですが、ここまでの試合はどれも見ている者をワクワクさせてくれるものでした。最後まで気持ちの強さを見せてくれた選手達、素晴らしい応援でチームを後押しした応援団の皆様に拍手を贈らせて頂きたいと思います。
流れるようなパスと、2列目から次々とゴール前に飛び込んでくる迫力満点の攻撃で決勝戦まで勝ち上がった成立学園。帝京の堅い守備陣とのマッチアップは壮絶なものになることでしょう。2年前、同じく西が丘で両校が演じたビッグゲームが思い出されます。今年はどんな結末が待っているのでしょうか…
取材:コータロー(速報隊1号)&ぬまちちぶ(速報隊2号)&カトリーヌ
最近のコメント