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Kumazemi Report | 2009-11-28 |
第88回全国選手権東京Bブロック決勝 |
西が丘サッカー場(晴) |
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東京Bブロックは2005年以来3年ぶりの全国大会出場を目指す名門修徳高校と2006年に都久留米高校以来、新たに東久留米総合高校になってからは初出場を狙う両校の激しい決勝戦となりました。場内は9000人を超える観客に見舞われ、この第2試合も引き続き超満員のまま試合が開始されました。
開始早々の前半2分、東久留米総合が右コーナーキックをニアに入れ、これに合わせにいきますが、修徳は落ち着いてクリア、逆に修徳は4分にCK、10分にFKを得るも東久留米の厚いDFに攻撃を阻まれます。ここからは中盤での激しい展開となりますが、東久留米DF陣は修徳にサイドのスペースを突かせない守備を徹底します。
東久留米は15番佐々木選手が何度と無くチャンスを作ります。前半17分、東久留米の左コーナーからの攻撃はゴール前の混戦を生み、6番の選手が左足でシュートを撃ちますが、これは修徳のGKが右手でファインセーブ。続く24分にも左サイドから柔らかいドリブルで数人交わして持ち込んでのまシュートも修徳GKが堅実にさばきます。
一方修徳は前半22分、右サイドからのクロスを中央で受けてシュートに持ち込みますが、準決勝のような効果的なサイド攻撃を展開できません。この後もセットプレーからの攻撃はありながらも、お互いの得ストロングポイントを消し合う展開は、なかなか決定的な場面が現れず、前半はスコアレスのまま折り返すことになります。
前半は、東久留米は徹底して左サイドのスペースを意識して決してラインを下げることなく足を動かし続け、修徳は左右のみならず中央からの攻撃も含む展開を見せました。また、両校激しいプレッシャーとフィジカルの強さを見せる展開でした。
後半に入って3分、東久留米右サイド14番の選手のドリブル突破は惜しくもラインを割ってしまいますが、続く9分には左サイドから展開した攻撃では修徳ゴール前で決定機を作りますが、フィニッシュまで持ち込めません。一方修徳は18番の選手をを投入した直後の11分、一瞬空いた左のスペースからのサイド攻撃を展開、ニアサイドで10番の選手がダイビングヘッドで合わせますが、わずかに左ポストの外。このあたりから一気に試合のボルテージが上がっていきます
続く13分、東久留米はペナルティエリア内で受けた10番の選手が素早く反転してシュートを放ちますが、これは枠の外でした。さらに15分、またも東久留米は10番の選手が起点となり右サイドからのクロスでチャンスを作るも修徳DFは集中して守ります。
修徳も押されたままではなく、17分、右サイド7番の選手から6番の選手へ出たパスからクロスと思いきや、直接狙ったようにも見えたシュートはクロスバーを直撃、これは惜しかったです。
そしてゲームは東久留米が20番の選手を投入直後の20分に動きます。左のショートコーナーから、この20番の選手が上げたクロスに2番金丸選手がドンピシャのタイミングでヘディングシュート、これが修徳ゴールにズバッと決まり、遂に東久留米が先制点を奪います。
しかし、まだ残り20分。準決勝東京朝鮮戦のあの修徳の怒涛の攻撃の記憶がよみがえります。それでも、東久留米はこの得点後も攻撃の手を緩めることなく修徳を攻め続けます。ここで東久留米は19番の選手を投入、ワントップ気味のシステムを変更します。しかし、このあたりから若干流れが変わり、これまで相当足を動かしてきた東久留米に足を攣ってしまう選手が見え始めます。
このままでは終われない名門修徳の最後の攻撃がここから始まりました。32分に得たフリーキックを蹴るのは11番。東久留米の壁を回転の掛かったボールがうまく抜け、ゴール左上枠に見事な放物線を描きますが、これが何と左ポスト内側に当たって反対側へ転がりでます。東久留米には運があるなと感じざるを得ないシーンでした。
続く33分には左コーナーキックから東久留米GKの弾いたこぼれ球をシュートに持ち込むもキーパー正面。35分には大きなサイドチェンジから逆サイドの11番の選手がシュートを打つも左に外してしまいます。ここでロスタイム3分の表示。それでも修徳の仕掛ける猛攻を東久留米は疲労困憊ながらも必死に守り、開校3年目にして全国大会初出場を勝ち取りました。
今年の修徳イレブンは例年にも増してすごいサイド攻撃を見せる攻撃的なチームでした。その修徳イレブンが、試合終了のホイッスルの後、立ちあがれないシーンを見て、目頭熱くなりました。東久留米総合にはこの修徳の涙の分も全国大会で暴れて欲しいと思います。
初戦はここ西が丘です。臆することなく、東京代表の誇りを胸に、熱い戦いを期待しています。
記事:ぬまちちぶ サポート:kumazemi、コータロー、ヨンプラザ中野、ピアノマン、カトリーヌ,、補助ゲリラ
kumazemi's favorite players 2009:修徳の11番(宇都宮選手)
麒麟さま、ごめんなさい。さぼってるわけではないんですが、ここのところ家帰ってバタンキューなもんですから、記事かけずにいました。
あと、番付も必ずやります。選手権都大会が終わりましたら2009年度の番付作ります!
仕事のほかに何やってるかと言いますと、「本」呼んでるんです。というより必要に迫られて読まざるを得なくなっているのです。
例えばこんなようなやつです。
正直、「わけわかんねー」って感じなので、日経新聞スクラップしながら必死に理解に努めてます。
Kumazemi Report | 2009-11-08 |
第88回全国選手権東京Bブロック準決勝 |
西が丘サッカー場(晴) |
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Bブロック決勝進出をかけての第1試合はここまで堅守で接戦をものにしてきた東久留米総合と実践学園との組み合わせとなりました。
長身の選手が揃う実践学園は、序盤からハードなプレーを見せますが、最初のシュートシーンは前半4分の東久留米総合11番の選手でした。一方、実践学園は前半5分の左CKを長身10番の選手の頭に合わせますが、やはりこの10番の選手は常に相手を脅かす存在ですね。続く前半19分には、実践学園が左サイドから逆サイドへの大きなサイドチェンジを展開、一瞬外れたマークに実践学園8番の選手が反応、東久留米総合GKと1対1の場面を作りますが、ここは東久留米総合GKがタイミングよく飛び出し、ファインセーブで防ぎました。
この後も実践学園は3番の選手のロングスロー、右サイドから切れ込む8番の選手の仕掛けのプレーなどで、都東久留米総合陣地に攻め入りますが、都東久留米総合DFは落ち着いて対処し、その後は決定的な場面を作らせません。ここらあたりはさすが「堅守の東久留米だ」と感じました。
前半30分くらいからは、都東久留米総合のショートパス攻撃がいいリズムを作り出し、実践学園DFラインが徐々に下がっているように見えました。前半終了間際には東久留米14番の選手が自軍ゴール前で拾ってから、50mくらいはあったであろう長い距離をドリブルで持ち込むシーンもありましたが、前半はスコアレスのまま折り返します。
実践学園の前半は、サイドを使った効果的な攻撃を駆使しながらも、ややゴール前で時間を掛けすぎてしまいシュートまで持ち込めない感じでしたが、ここを後半どう対応してくるか、対する東久留米総合は中盤をきちんと構成しながら、足を止めない持ち前の粘りの展開でどうゴールに迫るのか、これを楽しみに後半開始を待ちました。
後半の立ち上がりは実践学園でした。後半4分に得たFKから19番がヘッドで合わせるもこれはゴールネットの上、続く10分にもゴール右からのFKのチャンスを掴みます。一方、都東久留米総合は人とボールが連動するようになり、どんどん追い越してスペースを作っては仕掛けるサッカーを展開します。この時間帯の都東久留米総合は、MF10番の選手、DF6番の選手が容赦なくオーバーラップを仕掛け、後半15分には、11番の選手から左サイドに流れるようなパスを繋いで14番の選手から5番の選手につなぎシュートへ持ち込みました。
ゲームが動いたのは後半29分でした。左CKからのこぼれ球を都東久留米総合13番の選手がヘディングでゴールへ決め、遂に東久留米総合が先制点を叩き出します。
残り10分となったところで先制された実践学園は、3人の選手交代を行って攻撃を仕掛けますが、都東久留米総合は足を止めることなく集中して守ります。後半終了間際の39分には、実践学園の決死のダイビングヘッドも飛び出しますが、これは僅かゴール左へ逸れてしまいます。
しかし、実践学園の決して諦めない必死のプレーも東久留米総合の堅守に阻まれ、このまま試合は終了、生まれ変わった東久留米総合が開校3年目にして西が丘行きの切符を手にしました。
相手に持ち味を出させない東久留米総合の堅守もすばらしかったですが、実践学園の統率のとれた守備にも目を見張るものがありました。この両校の守備意識の高さが、堅い守りをバックに1点を争う好ゲームとなりました。これを見事にプロデュースした両校監督に感謝いたします。
Bブロック決勝戦はイタリア対オランダという感じになりました。楽しみですね。
取材:ぬまちちぶ 速報:ヨンプラザ中野 輸送担当:防府天神鱧
Kumazemi Report | 2009-11-08 |
第88回全国選手権東京Bブロック準決勝 |
西が丘サッカー場(晴) |
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東京Bブロックの準決勝第2試合は、本大会下馬評高き東京朝鮮と虎視眈々と代表の座を狙う名門修徳が対決するという見逃すわけにはいかないカードとなりました。
キックオフ直後から修徳は右サイドの7番の選手と左サイド11番の選手が躍動、得意の攻撃スタイルをみせます。しかし、最初にゴール前まで仕掛けたのは東京朝鮮でした。前半5分、右サイドから持ち込んだ7番の選手からのパスを10番の選手がペナルティエリア付近からシュートを放ちます、これは修徳GKの正面でしたが、やはり、東京朝鮮の不動のエース10番ユン・ヨンスン選手のシュートはものすごい威力です。
続く前半7分、東京朝鮮がファウルからFKを得ます。中央やや左、ゴールまで約30mくらいの位置だったと思いますが、これを直接狙ったボールが見事に修徳ゴール右に突き刺さり、セットプレーから東京朝鮮が先制します。
しかし、驚いたのはこの後11分の東京朝鮮の攻撃です。中盤でのボール争いから右サイドに展開、フリーで受けた東京朝鮮11番の選手が思いきりよくペナルティエリア外から左足ミドルを一閃、放たれたボールは無回転のまま修徳ゴール左に突き刺さります。何と開始10分で東京朝鮮が修徳相手に2点をリード、東京朝鮮恐るべしといった感じの序盤となります。
一方修徳は、前の試合でもキーとなった左サイドの11番の選手がスペースを作ってはしきりにボールを呼び込むのですが、東京朝鮮もこの修徳のストロングポイントを消すべくこのスペースを潰し、修徳の思うようなゲームを展開にはさせません。それでも、前半21分頃には、修徳がダイレクトやワンタッチの速いパス交換を織り交ぜてスペースを作り、東京朝鮮DFラインの裏を突くチャンスを作りますが、これはGKと交錯しファウルとなってしまいました。このあたりから、2点ビハインドとなった修徳も徐々にエンジンが掛かってきた感じはしました。しかし、前半はこのまま東京朝鮮2点リードで折り返します。
2点追う形になった修徳は何か仕掛けてくるのか?はたまた東京朝鮮はこのリードを守り抜くのか?このように後半の激しくなるであろうゲーム展開を大いに期待していたのですが、実際には私たちの期待も想像もはるかに超越した展開になります。
後半まずは両チーム選手交代を実施、東京朝鮮は14番、修徳は14番と15番を投入しましたが、開始早々に修徳と東京朝鮮と両校にイエローが出てしまい、激しい立ち上がりとなります。
しきりに左サイドを攻め続けていた修徳キーマン11番の選手がファウルを受けます(彼は負傷し一旦ピッチを出ます)が、ここで得たFKを今度は修徳が直接狙います。ボールは東京朝鮮ゴールマウスを捕らえますが右ポストを直撃、しかし、これをきっちり詰めていた15番の選手が押し込んで修徳が1点を返します。選手交代ずばり的中、しかもセットプレーからのこのゴールを機に修徳の動きが俄然良くなっていきます。忘れてならないのは、前半あれだけ左サイドから展開していたのに、後半は右サイドからの展開中心に変えた修徳の戦術転換です。これが東京朝鮮右サイドを面白いように崩します。
押せ押せになってきた修徳は続く後半11分には、再三狙い打ちしていた右サイド7番の選手からのクロスに9番の選手がドンピシャヘッドを打つも惜しくもGK正面、直後の12分にはこれも右サイドからのクロスに中央10番の打ったシュートのこぼれ球を11番の選手が決めてついに修徳が同点に追いつきます。このシーンでは修徳はツキも呼び込んでいる感じがしました。
追いついた修徳の猛攻はまだ続き、後半14分、空いた右サイドを9番の選手が長いドリブルで持ち込んでそのままシュートの場面がありました。そして、続く後半15分でした。またも右サイドからの早いクロスにこれまで再三チャンスを演出する側だった11番の選手がドンピシャのタイミングでヘッドでこの日2点目を決め、ついに逆転します。
よもやの逆転を喰らった東京朝鮮も負けじと19分、6番の選手がFKを直接狙い、壁を綺麗に越えていきましたが、これは修徳GKも必死のパンチングでクリアします。しかし、相手に流れを渡さず攻撃の手を緩めない修徳は、後半21分、これでもかと完全にバランスを崩した東京朝鮮右サイドをえぐり、7番の選手のクロスに左サイド11番の選手がシュートを決めて4点目を奪取、修徳11番宇都宮選手のハットトリックが成立します。
後半の15分間で4点をもぎ取って逆転した修徳は後半を支配しますが、東京朝鮮も意地を見せ、34分の絶好の位置でのFKは名キッカー6番の選手に託されましたが、これは惜しくもバーに嫌われ、このまま4対2で修徳が3年ぶりの決勝の舞台へ駒を進めました。
この試合、修徳が後半見せたサイド攻撃の完成度の高さはすばらしかったです。東京朝鮮も10番の選手を中心に全員が高い技術があり、本当に最後まで質の高いサッカーを見せてくれました。個人的には東京朝鮮がまさか4失点するとは全く予想だにしていませんでした。
この試合は本当にスペクタクルなゲームでした。両校の選手に感謝し、心から拍手を贈りたいです。
kumazemi's favorite players 2009:東京朝鮮の10番
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