都三鷹vs早稲田実業
Kumazemi Report | 2007-11-17 |
第88回全国選手権東京Bブロック決勝 |
西が丘サッカー場(晴) |
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Bブロック決勝、予想通り見ごたえ十分のすばらしい試合になりました。
両チームとも堅い守りが特徴ですが、私は三鷹のシンプルフットボールかキャプテン10番世良選手を擁するストロングスタイルの早実か、という見方から入りました。開始早々ヘッドの競り合いで早実8番の選手が顔面を負傷、右まぶたが腫れ上がるというアクシデントから幕が開きます。
序盤は前へ前へと力強く展開する早実が押し気味で、三鷹はその圧力に耐えるという展開でした。三鷹は傑出した選手はいませんが、みんなで協力し合いながら少ないタッチで次々と体勢のいい選手につないでいくサッカーが持ち味なのですが、早実の個のパワーとスピードに阻まれ、なかなかいい展開に持ち込めません。
前半中ごろからは三鷹のパスワークも冴え始め、この辺は一進一退といった感じでした。早実には34分には右サイド11番の選手からの低いクロスに9番の選手が飛び込むチャンスが、三鷹には38分に中央ロビングから10番白井選手の飛び込むチャンスがありました。しかし、両校決定的といえる場面はなく、前半は0-0で終わり、勝負は陽が沈んだ後半に持ち越されました。
早実は後半アタマから今大会の秘密兵器20番佐藤選手を投入します。しかし、後半は前半よりも三鷹のパスサッカーがさらに冴えてきている感じがしました。そしてDF20番林選手が積極的に攻撃参加するようになり、11番2年生吉野選手の動きも活発になります。
そして後半14分、これぞ三鷹のシンプルフットボールと唸る場面があり、これが先制点につながります。ワンタッチでポンポンつながれたボールはバイタルエリア付近の10番白井選手へ、これを白井選手が体を相手DFに預けながらダイレクトでキャプテン7番北見選手に絶好のボールを供給します。そして受けた北見選手がこれまた躊躇することなく早実DF2番の選手が寄せてくる前にダイレクトでシュート、と言う流れでした。自陣からワンタッチパスを4本つないだ本当に見事な、そして華麗な得点シーンでした。
先制した三鷹ですが、これで舞い上がることはなく、愚直なまでに自分たちのスタイルを貫きます。そして先制から6分すぎた20分、早実陣内右寄り浅めの位置で得たFKをゴール左深めに蹴り込み、これに上がっていたDF二人が同時にヘディングで反応、DF20番林選手の頭が捉えたボールが右隅の転がり込み、三鷹が追加点を上げます。
残り20分で2点ビハインドとなった早実はレッドゾーン振り切るくらいに全開で攻撃を仕掛けます。そして24分、左CKのチャンスに3番の片桐選手が先の2点目を演出したDF二人の間にうまく入り込みヘッドで突き刺し1点返します。
これでゲームはわからなくなります。時間は15分あり、1点を追う早実が猛攻を仕掛けます。ベンチも動き出し、早実が29分に13番の選手を投入、三鷹は33分に19番の選手を投入します。中盤でのボールの奪い合いは双方体を張り合い、スペースを見つけては走り、詰まれば逆にスペースを作るために動く、このように両チーム激しく動き、会場の熱気は頂点に達します。
しかし、すばらしいなと思ったのはこの流れでも本当に三鷹の選手は焦らないし、集中が切れないのです。どんな局面でも無造作にプレーせず、意図のわかるプレーを繰り返します。
早実は39分にカウンターから5番宮田選手からの深めのロングボールに17番斉藤選手が反応、ロスタイムに入っても速めにゴール前に入れて次々にシュート浴びせます。しかし、無情にもここで終了のホイッスル。三鷹が2-1で早実を振り切り、初の全国選手権出場を勝ち取りました。
それにしても80分興奮しっ放しの見ごたえのあるすばらしいゲームでした。そして山下先生おめでとうございます。インタビューは茶化してましたが、全国では虎視眈々と何かを狙っていることでしょう。選手権の舞台で三鷹のシンプルフットボールはどこまで通用するのか、また楽しみが増えました。
kumazemi's favorite players 2007:都三鷹の10番、早実の14番
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