都福生vs中大附属
Kumazemi Report | 2006-09-24 |
第85回選手権東京大会Aブロック2回戦 |
早大東伏見グラウンド(晴) |
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都立福生と中大附属のゲームです。
都福生は知る人ぞ知る都立の強豪で、私の現役時代(二十数年前)から強豪として現在に至っているすばらしい学校です。何事もそうですが、その地位や存在価値をずっと長い間継続するということは並大抵のことではありません。そしてこの努力の継続は伝統になります。
ちなみに私も20代に所属していた実業団チームで都福生高校卒の後輩(DF)とプレーしていましたが、向こうッ気が強くて相手FWを絶対に自由にさせないって言って鎖骨骨折するまで激しくマークしていたことを思い出しました。
ゲームの方はやや中大附属ペースだったと思います。福生は接戦を予測して自由にさせるとデンジャラスな中大附属の10番の選手(FW)をマークしつつややディフェンシヴで戦うゲームプランだったのかもしれません。
ディフェンシヴに戦うということは、攻撃に多くの人数をかけずにカウンターを狙うということになるのですが、前半にまんまとこれがはまります。
縦パスに鋭く反応してそのままゴール前まで一直線、シュートも見事に決まりました(写真はその先制ゴールとなったシュートのシーン)。後で連続写真で見たのですが、DFに並走されながらもボール⇒ゴール⇒ボールの基本に忠実でした。よく鍛えられてます。
それにしても福生は表現として不適切かも知れませんが「ニクい」チームです。相手が攻撃に焦ってるとみるや奪ったボールをゆっくりDFでまわしたり、キープしたりしてリズムを断ち切り、相手がこのゆっくりズムに同調してくるとみるや速攻を仕掛けるという、本当「ニクい」チームです。
これをコントロールしていたのは7番の選手でしょうか。DFが奪ったボールを大きくサイドに開いてもらい、行けると思えば小柄なんですが運動量豊富でフィジカルも強そうな11番の選手を絡めて攻撃を仕掛け、ダメだと思えばDFに戻したり、サポートにきたMFに横パス出したりと、心憎いほど落ち着いてプレーするんですね。コレクティブゾーンでこのような多くの選択肢を持って落ちついてプレーできるのも、これまた勝手に決めつけますが、ハイプレッシャー下でもCDAサイクルをきちんと発揮する練習を繰り返し行なってきたからではないでしょうか。
中大附属は一度TFLのゲームを観ましたが、いつもの調子ではなかったのかもしれません。何度も監督からも大きな声で指示が出ていました。この前の1回戦(対桜美林高校)は0-0のPK勝ちだったようですが、得点力のバイオリズムが谷の方にあったのかもしれません。高校生だとこういうことがよくあるんです。というよりプロでもありますよね、攻撃がうまく行ってて毎試合2点以上とってたチームがある日突然得点できなくなって連敗するようなことが。
選手権予選はノックアウト方式になってますので、特に実力が拮抗してくる都大会(つまり決勝トーナメント)には、このバイオリズムを高い位置にして臨むことが勝敗につながったりします。高校生の場合ここらへんの調整が非常に難しいので、指導者の方々やご父兄もかなり苦労されるところなのだと思います。
いずれにしましても守備の意識を高く持って撃ち合いにならないようコントロールし、練習どおりにワンチャンスをモノにして勝つ、という流れを忠実に実践した都福生が3回戦に進みました。
都立福生はの次の相手は國學院久我山を破った暁星です。ビッグネーム相手ですが、平常心でいつもの「ニクい」プレーでがんばって欲しいと思います。
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