星稜vs修徳
Kumazemi Report | 2014-01-05 |
第92回全国高校サッカー選手権準々決勝 |
駒沢陸上競技場(晴) |
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いよいよ選手権も準々決勝をむかえ、国立をかけた熱いゲームが駒沢陸上競技場で行われました。昨年度も国立まで登りつめ、近年では日本代表の本田選手を輩出した高校としても有名な北陸の雄、石川県代表星稜高校。その対戦相手は、選手権に入りより調子を上げ、「サボらないサッカー」で勝ち上がってきた東京都代表修徳高校となりました。
まずペースを握ったのは星稜でした。10分過ぎからポゼッション率も上がり、MFの13番・18番を攻守の切り替えの軸とし、10番の寺村君がボールを受けると素晴らしいスピードと状況判断で修徳DF陣を切り裂きます。また、前線11番の選手のスピードを活かした動きに苦しめられます。しかし、この試合修徳DF陣が素晴らしい集中力と粘りを見せ、強烈な星稜攻撃陣に決定的な仕事をさせません。チーム全体としてもハイプレスでボールを追い込みセーフティファーストを徹底し、まず「とにかく失点をしない」サッカーを展開します。
前半からかなり飛ばし気味かと思わせるくらいのプレスでしたので体力がどこまで持つか、どのようにチャンスメイクするかが注目されました。 攻撃面でいえば、修徳9番の加藤君は東京都予選ではあまりサイドに流れることはなかったように思いますが、この試合では速攻を仕掛ける際にサイドに流れてボールを受けると、その空いたスペースに10番・8番が走り込むことで星稜DF陣の的を絞らせません。21分には左サイドで細かいパスから11番小野寺君がクロスを上げると待ち構えていた10番田上君がボレーシュートを放ちゴールを脅かします。
両チームともに無得点のまま前半を折り返しますが、やりたいサッカーが出来ていたのは修徳かな、そう思わせるゲーム展開でした。 後半もポゼッションは星稜が上回るものの修徳DF陣、特に2番の峰君が星稜10番の寺村君をしっかり押さえチャンスを演出させません。また峰君同様に今野君のオフザボールの間のフリーランニングが途切れることなく、前後に動き回り星稜DF陣の体力を奪っていきます。修徳は18分に得たフリーキックからGKがファンブルし、あわや1点のシーンを作りますが、得点には至りません。
31分にはこの試合最大の見せ場だったでしょうか、左サイドから10番の田上君が巧みなフェイントで仕掛けクロスを上げるとそこに待っていた14番の関君が落とし、走り込んできた8番池田君がシュートを放ちます。とても良い組立でしたが、ミートできず得点があげられません。 と、これまで修徳がやや優勢な感じでお伝えしましたが、よくよく考えてみれば星稜の強さはまさにこの試合に表れていたのではないでしょうか。
確かに試合途中から流れは修徳に傾きつつあり、何度かゴールを匂わせるシーンを作り出しました。しかし、結果的にはゴールは許さない、チーム全体のコンディションが上がっていなかったとしても、その日のゲーム展開に合わせた戦い方をしていたのではないでしょうか。 「良いとき」と「悪いとき」の差を小さくする。ここがまさに全国屈指のチームを呼ばれる所以なのではないでしょうか。
勝敗の行方はPK戦に持ち込まれ、星稜GKが3本連続ストップという大活躍を見せ勝利を手にしました。 「勝利」を掴めませんでしたがゲームプラン通り進めることが出来た修徳(筆者的にこの試合のMOMは2番の峰君)とゲームプランとは違うけど「勝利」をもぎ取った星陵、どちらにも最大限の拍手を送りたいと思います。
修徳サッカー部は、修徳の新しい歴史を作ったことと低迷を続けていた東京サッカーに勇気を与えてくれました。素晴らしい功績です。ご苦労様でした。 星稜も新しい歴史を刻む切符を手にしています。決勝進出・優勝を目指して頑張ってください!!
取材:TEAM kumazemi & kumazemi's son
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