都調布南vs京華
Kumazemi Report | 2013-05-12 |
平成25年度高校総体都大会1次(E)1回戦 |
私立武蔵高校グラウンド(晴) |
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高校総体都大会1次トーナメントです。かなり気温が高い中でのゲームとなりました。
支部予選で足立学園を破り接戦を勝ち抜いてきた京華と同じく支部予選で都国分寺を退けてきた都調布南との戦いです。
序盤はポストプレーも上手くタテへの突破も鋭い7番の選手と大型FW11番の選手を擁する都調布南のペースで進みます。対する京華は開始直後からガンガン出てくる相手を受け止めながらも比較的ボールを持たずにシンプルに前に運ぶ展開に持ち込みます。
それでも前半6分には攻守のキーマンである京華6番の選手が、一瞬前が空いたチャンスを逃さずに強烈なミドルを見舞います。これは惜しくもポスト右に外れますが、両校持ち味を出しながら一進一退の展開になっていきます。
持ち味という点では都調布南は再三左サイドからのドリブル突破を試み、サイドから攻撃を仕掛けようとする強い意図を感じました。
このような展開の中の前半17分、ゴール前の粘りから一瞬の隙を突いて放ったループ気味のシュートが都調布南ゴール右へ吸い込まれ、序盤やや押し込まれていた京華が先制点をもぎ取ります。
この先制で京華の出足が俄然良くなり、素早いプレッシャーで都調布南の中盤での攻撃の組み立てを攪乱、都調布南FW11番の選手への決定的なボールの供給を阻みます。ただこの11番の選手は大柄で空中戦が強いだけでなく、足下の技術も高い選手で、相手DFにとってはとても厄介な選手なことは間違いありません。
序盤のいいリズムを取り戻したい都調布南ですが、前半24分には自陣左エリアの角度のないところから京華のストライカー9番の選手に逆サイドのネットに突き刺さるシュートをくらい、2点のビハインドとなります。勢いづいた京華はこのFW9番の選手が本領を発揮、逆に都調布南の守備陣に淡白なプレーがちらつき始めて完全に京華の流れになります。特に京華の6番-11番-9番の3選手の距離感が良くなったと感じました。
ただ、前述のとおり都調布南の左サイドを中心としたタテへの速い攻撃を京華は嫌がっている感じはしました。すると前半36分に左からの低いライナー性のクロスを京華GKの選手が弾いたところを11番の選手が押し込み、前半終了間際に都調布南が1点返します。
京華1点リードで折り返した後半、前半のうちに1点返しておいた都調布南の圧力が京華の選手を徐々に消耗させていき、セカンドボールやルーズボールの対処で優位に立つ場面が増えていきます。すると都調布南ベンチは後半6分に19番の選手に代えて9番の選手を投入します。この交代直後の後半10分、右からのグラウンダーのクロスにこの9番の選手がダイレクトで合わせたシュートが京華GKを頭上を抜き、ついに同点に追いつきます。
2対2と振り出しに戻ったゲームは、暑さの中で激しさを増していきます。両校の選手みな汗びっしょりでもうここからは足が止まった方が負け、というような展開になっていきます。それでも追い付いた都調布南の勢いの方がやや京華を上回り、セカンドボールを拾っては波状攻撃を仕掛けます。これは京華の選手にとってはボディブローのように効いていたかもしれません。攻撃もやや単調になっていってしまいました。
この暑さの中での2対2という過酷な戦いでしたが、後半31分、都調布南が左サイドを突破して折り返したクロスに中央から見事なシュートを決めてついに逆転します。京華もFW9番の選手を絡めてワンツーでの中央突破を図るなどあきらめずに攻撃を仕掛けますが、後半は足が止まってしまいました。ゲームはこの後の後半38分にもダメ押しの4点目を決めた都調布南が4対2で勝利いたしました。
16歳前後の高校年代における夏の80分ゲームは相当きついはずです。暑い気候でのゲームにおける体力消耗のコントロール、判断力低下を防ぐ対策、信じて走る気力の維持等々いろんなことを思いめぐらされたゲームでした。
日陰のないピッチサイドで、応援グッズを手に立ったままずっと声を出して応援していた両校の保護者の皆様には、長い間高校サッカーを観ている私からも厚くお礼申し上げます。
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