広島皆実vs鹿児島城西
Kumazemi Report | 2009-01-12 |
第87回全国高校サッカー選手権決勝 |
国立競技場(晴) |
![]() |
|
![]() |
第87回全国選手権決勝、今日の国立競技場は雹まじりでした。ここまで5試合9得点の大迫選手に日本中の注目が集まる中、広島皆実が堅実に自分たちの持ち味を出し、戦いました。
広島皆実の二人のボランチ浜田選手と宮下選手が全体のバランスを取りながら攻守の切り替えをコントロール、そして大迫選手へつながる起点をことごとく潰します。これが広島皆実にいいリズムを作り出し、優位に試合を進めていきます。複数の相手にタイトに囲まれても、高校生離れしたボディバランスとアフリカ勢選手のような長く柔軟な足で振り切って確実に決められる大迫選手ですが、今日はクサビのパスを受けても前を向くことはもちろん、得意のポストプレーも阻まれる場面が目立ちました。それぐらい広島皆実は徹底的に大迫選手と中盤を分離させ、野村選手とのストライカーコンビを孤立させます。
しかし、やっぱり大迫選手は怪物でした。前半20分、鹿児島城西は右タッチラインからのスローインから速い展開を仕掛けて前線の大迫選手に立てパス、当然に広島皆実DF陣に囲まれますが、ここでも長くて柔軟な足を駆使して粘り、こぼれ出たボールに左足を振り抜き、見事に広島皆実ゴールにねじ込みます。
サッカーでは、えてして押されている方が先制するということがありますが、この先制点を見て、青森山田、大阪桐蔭、滝川第二といった超強豪校から大量点取ってきたこのチームの凄さを感じました。
これでゲームは面白くなりますが、広島皆実は焦ることはなく、よく動いてボールをつなぎ、右に左にとワイドに展開、ここにタテへの突破を絡めて反撃します。そして前半23分、7番浜田選手が左サイドを突破して倒れこみながらファーへクロス、これを8番佐々木選手が中をよく見てマイナス気味に落としたところ、走りこんできた9番金島選手がダイレクトで蹴り込み同点に追いつきます。
これで勢いづいた広島皆実は33分には自陣で奪ったボールを大事につないでタメをつくり、一気に左サイドを駆け上がった9番金島選手へロングパス、ここでいったん止めて後ろから上がってきた10番谷本選手のシュートを演出、一度ははじかれますが、こぼれたボールを豪快に蹴り込み、広島皆実が勝ち越しに成功します。前半はこのまま鹿児島城西1点ビハインドで終了しました。
後半アタマから鹿児島城西が7番大迫希選手に代えて14番平原選手を投入します。この采配がズバリ当たります。後半17分でした。中盤での大迫選手のダイレクトパスを受けた代わって入った14番平原選手が左サイドを突き、激しいプレッシャーに耐えて中央へグラウンダーのパス、これを鹿児島城西もう一人のストライカー11番野村選手がダイレクトで流し込み同点となります。
これで押せ押せになるかと思いきや、直後の21分、右サイドを2番村田選手がオーバーラップ、相手の寄せが甘いと見るや一気にタテに突破、しかも完璧なクロスを供給、そこに9番金島選手がドンピシャで飛び込み見事なヘディングシュートを決めます。これで3対2となります。しかし、この直後の23分にはタテに走ってボールを受けた大迫選手が、寄せられながらツータッチで一気に抜け出しシュートまで持ち込みます。しかし、これをGK神舎選手がナイスセーブで防ぎました。この神舎選手のプレーはポイントとなったプレーであったと思います。
試合はこの後も両校激しい攻防がありましたが、広島皆実が逃げ切り、初優勝を飾りました。それにしても見ごたえのあるいい試合でした。個人得点記録がかかる初めての決勝戦、しかも国立競技場の大観衆の前、相手の執拗で激しいマーク、これらをかいくぐって得点する大迫選手はすごいです。アントラーズの、いや日本代表のエースストライカーになってほしいです。
広島皆実は、自身が掲げる「堅守強攻」のとおり、堅い守備と確実なパスワーク、ここぞという局面を個人で打開する力、90分走りきる運動量、どれをとっても日本一にふさわしいチームです。本当におめでとうございます。
金島選手、センター試験がんばってください!
今大会は点の取り合いが多かったように思えます。
見てるほうはとても満足できる大会だったでしょう!
大迫選手はまだまだこれから伸びていってほしいですね!
広島皆実高校は堅守が光りました!
帝京戦を勝てたのが大きかったようにも思えます。
投稿: mf10 | 2009年1月18日 (日) 22:01