國學院久我山vs成立学園
Kumazemi Report | 2008-11-08 |
第87回全国選手権東京Aブロック準決勝 |
西が丘サッカー場(雨) |
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ついに西が丘サッカー場です。冷たい雨がそぼ降る中、東京を代表するチーム同士の準決勝が行われました。美しさを追求する理想高き名門が、今日は泥臭く勝負に挑みました。
全員坊主刈りで出てきた久我山イレブンにはびっくりしましたが、立ち上がりは普通の髪型の成立学園がペースを握りました。6番、7番の選手が中盤を形作り、前線10番、11番の選手に当ててサイドに展開、そして再び強力フィニッシャー11番の選手を狙います。対する久我山は“ダイナモ”8番の選手が、6番の選手にパスを出し、その6番の選手を追い越して右サイドに飛び出しリターンを受けるなど、今日も動き回ってチャンスメークします。
前半20分くらいまでは成立学園優勢で、久我山はなかなかいいチャンスを作れない展開だったと思います。特に成立学園の中央の守備は強固で、FC東京入団が決まっている10番田邉選手やエース11番の選手の突破をも簡単には許しません。
しかし、今日の久我山はロングボールを入れる展開も感じるににいつもよりやや多く、攻撃にスピードがあって守備にはタイトなマークを誇る成立学園相手に泥臭さも見せていました。それでも久我山10番田邉選手の個人技はエレガントであり、時折見せる切り込んでいくドリブルでは何人もの成立学園DFを引き付け、チャンスになっていました。
やや成立学園が攻めあぐねる展開になってきた前半34分、やはりここでも久我山10番田邉選手が右サイドからドリブルで切り込みゴール前で決定的チャンスを作り出しますが、ここは成立学園DFが凌ぎました。前半は55対45くらいで成立学園が押し気味だなという感じで0対0で終わりました。
後半になると、久我山が開始直後からガンガン来ました。後半6分には、素早いダイレクトパスの交換から、一瞬のスキを見逃さず8番の選手がミドルシュート、直後の7分には中央から10番田邉選手の左足のシュートとフィニッシュまで行く展開が連続しました。しかし、成立学園も激しい守備で真っ向勝負、見ごたえのあるゲーム展開になっていきました。
ここらあたりからベンチワークも見ものになってきますが、先に動いたのは成立学園で、後半8分に10番と14番の選手に代えて9番と18番の選手を投入、攻撃スタイルがFWに当ててサイドへの展開から手間かけずに早めにDFの裏を突く攻撃に切り替わりました。後半20分には今度は久我山が9番の選手に代えて長身かつ一気に抜け出す力のある20番の選手を投入、こちらもいざという時の空中戦一発とタテ一本を準備します。そして後半25分でした。左サイドを駆け上がった久我山4番の選手のクロスにFW11番の選手が反応、見事なトラップから落ち着いてゴール右上に蹴り込みました。これは技術の高さがよくわかるすばらしいゴールでした。
流れ的にこのまま先制した久我山が押し切るかと感じていた後半30分、執拗にDFの裏を狙っていた成立学園が、左サイドから入れたロビング気味のボールに、9番の選手がゴール遠目の位置ながらヘディングシュート、ボールは見事な弧を描いてゴールキーパの頭上を越え、ゴールに吸い込まれていきました。これで再びゲームは振り出しに戻ります。
ゲームはこの後もお互いに譲らずに終了、延長戦に入ります。延長前半5分に成立学園が6番の選手に代えて13番の選手を投入、この13番の選手が縦横無尽に動き回って久我山を攻め立てますが、直後の8分、華麗なパスサッカーが持ち味の國學院久我山がついにタテ一本をかまし、抜け出した20番の選手がGKと接触しながらもゴールに流し込み勝ち越し、と思いきや、これはファウルでノーゴールとなってしまいました。こんなこともあってゲームは何となく異様な雰囲気のまま、勝負は延長後半に持ち越されます。
そして延長後半6分でした。久我山の“ダイナモ”8番の選手から左サイド寄りでボールを受けたエース11番の選手が、受ける前に空いていることを確認していた右側(つまりゴール方向)にコントロール、そのままゴールに向かってドリブル突破を開始、ペナルティエリア直前で10番田邉選手が前に走りこみ成立学園DFを引き付けて一瞬スペースができたところを、止めにかかる成立学園DFに寄せられてバランスを崩しながらもシュート、これがゴールをネットを揺らしました。しゃがみこむ成立学園DFに、喜びを爆発させる久我山イレブン、あまりにも強烈なコントラストでした。この後、残りわずかとなっても成立学園は諦めずに猛攻を仕掛けましたが、無情にもタイムアップ、東京を代表するチーム同士のセミファイナルは國學院久我山に軍配が上がりました。
それにしてもハイレベルなすばらしいゲームでした。手に汗握るとはこのことですね。横綱が苦しみながらもエースストライカーの2発で底力を見せ、久しぶりの決勝に進みました。いよいよ次が最終決戦です。
kumazemi's favorite players 2008:國學院久我山の11番
先日は、丁寧な成立戦のレポートをありがとうございました! とても嬉しく、楽しく拝見いたしました。 子供達にとってとても、励みになります。
そして、あさって、いよいよ決勝戦です。 ドキドキです!!! こんなにも3年間サッカーで楽しませてもらって、最高に幸せな親達代表の一人です。 でも、試合に出たくてもままならない部員のことを思うと、複雑な気持ちもいたします。 が、決勝戦、東京代表を目指して、皆で心を一つにして思いっきり応援したいと思います。 そして、是非また、全国大会の舞台を踏むことができますように、、、、。 勝利の祈りを込めて。 魂のこもった試合を
楽しみに***!
投稿: K.kugayama * SAMAN | 2008年11月13日 (木) 23:03
くまぜみ様へ
追伸:久我山のダイナモ9番は森藤くんと言います。今後ともよろしくです。
では、決勝戦でお会いしましょう。(笑)
投稿: Kaz | 2008年11月11日 (火) 22:13
この試合は、いつもの通りの戦いで、いつもの通りの結果という見方もあります。
久我山は、少し、縦パスが入っていましたが、やはり、久我山でした。
成立学園は、ここ2年位、づっと持ち続けていた、弱点が、埋められずに、やはり成立学園でした。一生懸命やったから、良い。と言う見方もあります。
が、何故修正がきかないのか、不思議です。あれだけはっきりしているのですから?
投稿: 東京高校サッカー大好き | 2008年11月10日 (月) 13:54
昨年に続き、甥っ子の応援に行ってきました。
今年こそ!!の思いでしたが、残念でした^^;
しかし高校サッカーって面白いですねぇ。
大の野球好きなのでサッカーのことは良く分かりませんが、
選手の『情熱』はとっても伝わりました^^
来年は甥っ子2号が、盛り上げてくれると信じています!!
両チームともカッコ良かったぞぉ^^
あっ!!すんません。
この記事、我が家のブログにリンク貼らせてもらいました^^
んじゃ、これからも素晴らしい記事を期待しています♪
ホントにイイ記事ありがとうございました。
投稿: ようかん。 | 2008年11月 9日 (日) 20:10
くまぜみ様いつも楽しく拝見させていただいております。
私も昨日の試合を観に行きました。まさに好プレーの連続でした。
成立の選手達も相当な頑張りでした。久我山の選手達は決勝戦では成立イレブンの思いを胸に戦って欲しいです。
ちなみに久我山11番は川久保くんと言います。では、くまぜみ様決勝戦もよろしくお願いいたします。m(_ _)m
投稿: Kaz | 2008年11月 9日 (日) 19:12
昨年の選手たちと違い 個人で光る選手がいない中、地道に頑張っていた今年の選手たち。
公平な目でみた感想がかかれない掲示板でけなされたたかれてばかりでした。
この試合、本当に頑張りました。でももっとできたかもしれない。
くまぜみさんのレポートでいいゲームだったことを書いていただけてうれしいです。
ありがとうございました。
投稿: 成立の保護者 | 2008年11月 9日 (日) 14:35
結構近くで観戦していたのかもしれませんね。本当に手に汗握るいいゲームでした。久我山のパス、成立のスピードというそれぞれの持ち味を止めた両チームのディフェンスが素晴らしかった。それにしても田邉選手、まさしくファンタスティック!
投稿: かん | 2008年11月 9日 (日) 09:51