かえつ有明vs実践学園
Kumazemi Report | 2008-06-15 |
平成20年度高校総体都大会2次2回戦 |
駒沢補助競技場(晴) |
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強い日差しが降りそそぐ駒沢補助球技場ピッチから新人戦決勝での取材以来となるかえつ有明と、この総体で素晴らしい戦いを見せてくれてきた実践学園のゲームをリポートします。
序盤から両校とも持ち前の得意な攻撃パターンで仕掛け合います。ショートパスでリズムを作ろうとするかえつ有明に対し、実践学園はスペースを詰めてパスコースを絞り込み、奪取したボールをサイド展開を図ります。序盤のペースは実践学園が握っていたように思えました。前半10分にはセットプレーからの右クロスに合わせたボレーシュートがあり、右サイドから供給される精度の高いパスをシュートに持ち込むシーンが前半9分、15分、20分と立て続けにありました。しかし、いずれも惜しくも枠の外へ外れてしまいます。
かえつ有明は守備に割く時間が長くなりますが、この日の実践学園は今までやってきた自分達のサッカーを展開、相手のパスを複数で取り囲んで奪って自分達の流れを作っていきます。前半37分にはかえつ有明のマークが一瞬ずれたところを見逃さず、実践学園7番の選手がグラウンダーのパスを足もとに受けてシュートを打ちますが、これも僅かに枠の外へと流れていきました。
ここで前半終了となりますが、前半は実践学園の流れだったと言えるでしょう。後半は関東大会に出場してシード校となった実力をどのように見せてくれるのか期待していました。しかし、後半5分に惜しくもオフサイドでノーゴールとなるも実践学園のシュートがゴールネットを揺らすなど、この後半も引き続き序盤は実践学園ムードで展開します。なかなかゴール前のシーンが作れないかえつ有明ですが、後半19分、左サイドから出されたパスに8番の選手が飛び出し、かえつ有明が先制ゴールを奪います。終始押され気味だったかえつ有明ですが、さすが決定的なチャンスを逃さない勝負強さがありました。
この先制点の後は五分五分の戦いとなりますが、時計が35分をまわり、このまま逃げ切るのかと思った終了間際の39分、途中交代で入った実践学園19番の選手がドリブルで左サイドに膨らみながら、フリーの状態でシュートを決め、起死回生の一発を叩き込みます。この実践学園19番の選手は、必殺仕事人「ガッツ」君です。いつも後半途中から出てきてムードを高める実践学園の秘密兵器です。
この一撃で試合は振り出しに戻り、延長戦に突入します。この延長戦でも終始実践学園の流れでしたが、ゲーム途中で足を怪我したようにも思えたかえつ有明4番の選手の必死のディフェンスもあってゲームは大いに盛り上がります。延長後半になるとさすがに実践学園の激しい攻撃にかえつ有明守備陣も疲れの色が隠せなくなってきます。しかしながら、関東大会に出場して自信を深めたかえつ有明はゴール死守、このまま延長戦も終了、決着は無情にもPK戦となりましたが、耐え抜いたかえつ有明がGKのファインセーブもあって、準決勝進出を決めました。
実践学園は展開力、個々の技術と戦術理解力、持久力とバランスのとれた素晴らしいチームでしたが、最後は決定的な場面においてゴールを許さなかったかえつ有明の執念が勝りました。準決勝は両カードとも春の2強対名門中の名門となりました。今週末、いよいよ東京の夏のチャンピオンが決まります。
取材:ホソゼミ
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かえつ有明、自信がついたんですね。こういう試合をしぶとく勝ち上がることでさらに自信を深めたことでしょう。
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