成立学園vs東海大高輪台
Kumazemi Report | 2013-11-09 |
第92回全国選手権東京Aブロック準決勝 |
味の素フィールド西が丘(曇り) |
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いよいよ第92回高校サッカー選手権、東京都大会も準決勝を迎えました。
夏のインターハイ東京都の覇者である成立学園と都予選の2試合をいずれも1点差の僅差で勝ち上がってきた東海大高輪台の対戦となりました。
東海大高輪台はインターハイ準々決勝で帝京との激戦(PKで帝京勝利)を観戦して以来となりますが、あの一戦でポテンシャルの高さは誰もが認めるチームだと思います。
成立は8番の金子君と東海大高輪台は7番の吉野君の出来によって試合が動くかなという思いでキックオフを迎えました。
試合巧者、試合序盤からペースを握ったのは成立でした。細かいショートパスを織り交ぜながらリズムを作り、中央から組み立てます。しかし、東海大高輪台は逆にこういう展開になることが分かっていたのか、最後のところでDF陣がしっかり寄せきることでチャンスを演出させません。
試合が動いたのは前半24分でした。成立は右サイド深い所から得たFKを9番がゴール前にあげると、そこにヘディングであわせたのは10番の浅野君。一瞬空中で止まったようにも見える滞空時間であわせたボールはゆっくりとゴールネットを揺らし1-0とします。東海大高輪台はこの1点に動揺したのか、ややボールウォッチャーになる場面が見られ、28分と32分には成立のシュートがゴールポストを叩き肝を冷やします。
34分には成立10番の浅野君がスルーパスに抜け出しますが、ペナルティーエリア外で東海大高輪台GKが決死のタックル、やや厳しいのでは?とも思いましたが、主審が退場を命じます。
思わぬ形で10人での戦いを余儀なくされた東海大高輪台でしたが後半が始まると、前半とは打って変わって見違える動きを見せます。
6分にはDFラインからのオーバーラップで2番の選手からクロスが上がると、9番金子君がコースを狙ってゴールへのパスを出します。「ゴールへパスを出す」、そのくらい慎重に狙い澄ましたシュートだったように思います。これは決まったかと思いましたが、わずかに枠を外れ、同点のチャンスを逃してしまいます。この猛攻にやや押され気味の成立は前半にリズムを作った立役者でもある9番根本君のボールタッチ数がかなり減っていたように見えました。主観ですが、後半15分までに同点に追いつくことが出来たら、このゲームは本当にどちらに転ぶか分からないと思いながらドキドキしていました。
しかし、そんな雰囲気を一蹴するゴールが生まれます。成立は16分に11番の選手がサイドから中央へ小刻みにカットインしてくると、ペナルティーエリアあたりから右足を振りぬきゴール左隅へ突きさし2-0とします。ゴールを決めた11番の中村君は大柄ながら足元の技術が抜きんでていて、DF陣としてはなかなか飛び込めない間合いだったと思います。あきらめない東海大高輪台は38分に9番金子君が左足ハーフボレーでシュートを試みますが、成立GKのファインセーブでなかなか差を詰めることが出来ません。刻一刻と時計の針は進み、2-0のまま試合終了となりました。
サッカーに「たられば」は禁物なことは重々承知しています。しかし、東海大高輪台の後半のあの闘志を見てしまうと、どうしても11人でやらせてあげたかった、そう思ってしまいます。60分間を10人で戦い抜いた東海大高輪台はセミファイナリストとして堂々たる試合を見せてくれました。
成立は、インターハイでもチーム力の高さを十分に発揮しましたが、この試合を見る限りチーム力に加え、個人の能力が格段に上がっているように感じました。東京都Aブロック代表を決める大一番は11月16日(土)に前回大会覇者の修徳高校との対戦となりました。互いに調子を上げてきている両チームなだけに素晴らしいゲームが期待できそうです。
取材:おび天
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