國學院久我山vs多摩大目黒
Kumazemi Report | 2010-05-22 |
平成22年度高校総体都大会1次決勝 |
駒沢第2球技場(晴) |
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総体東京都大会一次トーナメント決勝です。
決勝戦計8試合が行われた駒沢公園から、國學院久我山と多摩大目黒の一戦のリポートです。早大学院を接戦の末に破った多摩大目黒が、言わずと知れた強豪校の國學院久我山に挑む形となりました。
決勝だからなのでしょうか、出だしは両チームとも少し固くパスミスもちらほら見受けられました。しかしそれもほんのわずかのこと、前半2分、まずは多摩大目黒がパスを何本かつないでから5番の選手のシュートでゴールを狙います。直後の3分、國學院久我山はゴールキックが左サイド裏のスペースへ向かうと、走り込んだ16番の選手が折り返します。これをファーサイドに詰めた11番の選手が押し込んで先制点を奪います。あっという間の出来事でした。
前半、國學院久我山の攻撃のアクセントとなっていたのはFW16番の選手。ディフェンスラインの裏を常にうかがい、中央から左に流れながら相手陣内を深くえぐる動きは非常に効果的なものでした。
リードを許した多摩大目黒でしたが、決して押し込まれているという印象は無く、後ろからしっかりと繋ぐサッカーで同点ゴールを目指します。中盤でパスの供給源となる10番の選手、右サイドで脅威となった14番の選手、体をうまく使ったポストプレーでターゲットとなった11番の選手など、それぞれのテクニックを活かした攻撃を繰り出して行きました。また、どの選手も当たりに強く、キープ力があるという印象を与えてくれます。
そんな多摩大目黒の攻撃を、素早い寄せと数的優位で摘み取っていく國學院久我山は25分、4番の選手がGKとの1対1を制して追加点を上げます。さらに38分には、得意のボール回しから10番の選手が右サイドを切り込んでのシュートで3点目。チャンスを確実にゴールに結びつけた國學院久我山の3点リードでハーフタイムとなりました。
後半に入っても多摩大目黒のボールを大事に繋いでの攻撃は変わりません。しかし司令塔10番の選手へのプレッシャーがいよいよ強まると、思うような連携ができず苦しくなってきます。すると長身DF3番の選手が前線へ上がり、長いボール主体の攻撃へとシフトしたのでした。後半21分、ペナルティエリアを飛び出してロングボールをクリアしようとした國學院久我山GKのボールがDFに当たり跳ね返ります。すかさず無人のゴールを狙いますが、DFの体を張ったブロックで1点を返すことができません。この一連のプレーで何かあったのでしょうか、國學院久我山は17番のGKが交代で入りました。
一方の國學院久我山は、4番、20番の選手が主役となり攻撃の手を緩める事なく試合を進めていきます。23分には20番の選手が左サイドで粘ってセンタリングを上げると、4番の選手が迫力あるダイビングヘッドでゴール。30分過ぎには今度は右サイドから20番の選手がボールを上げると、再び4番の選手がドンピシャのタイミングで合わせてハットトリックを達成しました。
國學院久我山は終盤にもいくつかチャンスを迎えましたが、ここは多摩大目黒GKがファインセーブでゴールを割らせません。またDF陣は、一矢を報いたい多摩大目黒の攻撃を最後まで危なげなく跳ね返し続けました。終わってみればスコアは5−0。抜群の攻撃力を見せてくれた國學院久我山が、見事な勝利で2次トーナメント進出を決めたのでした。
多摩大目黒は足下のテクニックに優れた選手が多く、ボールを大切に、意図のあるパスを繰り返して組み立ていこうとする印象を受けました。状況によってはパワープレーもできるのは大きな武器だと思います。選手権予選では台風の目になる可能性ありと見ました。
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