暁星vs都駒場
Kumazemi Report | 2009-10-18 |
第88回全国選手権東京Aブロック3回戦 |
駒沢第2球技場(晴) |
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見事な秋晴れの駒沢第二会場、準々決勝第一試合です。私は初めての4試合フル速報隊員として9時前に現地入りしました。
駿台学園を寄せ付けず、國學院久我山にも完勝したここまでの戦いぶりから、暁星はかなり強いと思っていましたが、さすが山下監督率いる都駒場、そうは問屋がおろさない、名門を土俵際まで追い詰める見事な戦いぶりでした。
ゲームの方は開始直後から地力に勝る暁星が積極的に攻め込みます。1分にはゴール前混戦からファーストシュート、続く2分にも右サイド大きな展開から決定機を掴むなど、受ける姿勢の全くない雰囲気でした。
対する都駒場も前半7分にこの日最初のシュートを放ちますが、直後の8分、暁星左サイド展開から中央14番の選手にクロスバーかすめるシュートを浴びるなど、序盤は都駒場やや劣勢で展開していきます。
都駒場は技術が高くスピードのあるFW11番の選手を中心に攻撃を仕掛けるのですが、いかんせん1人では國學院久我山を完封した暁星守備陣を崩すことはなかなかできません。しかも、暁星は寄せも速くプレッシャーがきついので、最終ラインでボールを奪っても、浅い位置で待ち構える暁星4番、8番、16番の選手達の定置網に引っかかってしまい、攻撃への構築がなかなかできません。
しかし、都駒場はよく耐え、集中して守って失点につながるような危機は回避していきます。前半はこのような感じで暁星が優勢のまま終わりました。
後半に入ってすぐ、いきなり上述都駒場の11番の選手が、持ち前のスピードを活かしてドリブルで中央突破を図ります。スピードのある選手は往々にして細かい技術が不足している場合がありますが、この選手は技術もかなり高いレベルにあります。昨年の帝京にいた奥山選手みたいな感じです。
そして後半8分でした。会場がおおっとどよめくシーンが訪れます。
守備を修正し、リズムを取り返してきた都駒場がスピーディな展開からファインゴールを決めます(上の写真)が、これは無情にもオフサイド。前半押し込まれていた都駒場が先制か!という、ゲーム展開的には最高のシーンは幻となってしまいました。しかし、ハーフタイムで指示があったのでしょう、その修正ポイントを具現してリズムを取り返し、あわや先制かと思わせたこの情景は都駒場に勢いを与え、逆に暁星から前半のようなリスクを恐れないアグレッシヴさを奪っていきます。
続く後半11分には、都駒場の5番の選手と11番の選手が見事なワンツー、これが暁星のファウルを誘ってFKをゲット、そしてこのFKを10番の選手が直接狙うも惜しくも右サイドネット直撃、これで完全に前半と打って変わって都駒場が息を吹き返しました。
ここから両軍ベンチが動き出します。まずは後半12分に都駒場が3番の選手に替えて13番の選手を投入、すると今度は暁星が10番の選手に替えて5番の選手を投入、するとその1分後に都駒場が7番の選手に替えて14番の選手を投入と総力戦の様相を呈してきます。
そして後半20分でした。暁星GKのちょっとしたミスを突いてボールを奪った都駒場がその折り返しを頭で押し込み、先制します。
よもやの先制を許した暁星はここから猛反撃、連続攻撃で攻めたてますが、その最中の後半36分、都駒場ベンチは流れを断ち切ろうとしたか、何と攻撃の中心11番の選手に替えて20番の選手を投入、残り数分になってボルテージは最高潮に達します。
すると後半38分でした。暁星が激しく攻め立てる中、ドリブル突破を試みた3番の選手が都駒場の選手の体を張ったディフェンスで負傷、そのまま担架で運び出されます。続行不可能と判断した暁星ベンチは間髪入れずに20番の選手を投入、両校激しい戦いでここまでもところどころピッチに倒れこむ選手はいましたが、ついに負傷退場者が出てしまいます。
試合再開後の暁星FKの場面、すでに私の腕時計は後半40分を指していましたが、このFKを13番の選手が祈る気持ちで直接狙いましたが、ボールは無情にもクロスバーの上を通っていきました。この時、暁星応援席ではぽつぽつと席を立ち始める方がいらっしゃいました。実際、私も暁星これまでか、と思いました。
しかし、天は暁星を見放しませんでした。もうこれで正真正銘最後のワンプレーだった後半44分の暁星左CK、都駒場が必死にクリアしたボールが暁星選手の前へこぼれ、それを思い切りミドルシュート、すると都駒場の選手に当たったこぼれ球がこれまた絶好の位置へ弾き出ていき、暁星がこれをズバッと決めて、何と最後の最後、土壇場で暁星が同点に追いつきます。歓喜する暁星イレブンにうなだれる都駒場イレブン、あまりにも対照的な両チームを見て、理屈もへったくれもなく、一瞬の偶然で点が入ってしまうサッカーとは、何とエキサイティングで残酷なスポーツなのかと思いました。
ゲームはこの後、延長戦に入り、前後半暁星優勢の展開でしたが、土壇場で追いつかれた都駒場も気力を振り絞って守ってPK戦までもつれこみましたが、西が丘の切符は暁星が手にしました。
それにしても、林先生対山下先生と別の切り口での観方もできたこのゲーム、やはりもつれにもつれて興奮するゲームとなりました。それは地力で勝る暁星相手に必死にプレーした都駒場の選手達の奮闘によるものと言って間違いありません。
それにしても、「西が丘サッカー場」というのは、東京の高校生のいろんな部分を引き出します。しかし、この時点ではまだ、僕はこの日、この会場で、このようなシーンを再び観ることになるとは、全く想像していませんでした。
kumazemi's favorite players 2009:都駒場の11番
息子もサッカーやってるので興味深く読
せてもらいました。ご縁があるというか・・・暁星の同点ゴールを決めたのは幼な友達の息子。駒場の監督は陸上部の先輩。知人が活躍していて嬉しい限りです。これからもサッカーを通じてキラキラ輝いていて下さいね。
投稿: 美幸 | 2009年10月26日 (月) 19:41
観戦さん。
助かりました
入場料教えて頂きありがとうございます
投稿: 高校サッカー初心者 | 2009年10月21日 (水) 19:11
準決勝から大人500円だった気がします。
投稿: 観戦 | 2009年10月21日 (水) 05:34
今年の暁星はなにか持ってますね!!
久我山、駒場に勝ち、次は成立とどのような試合をしてくれるのかとても楽しみです!!
全国行ってほしいですね!!
投稿: ファン | 2009年10月20日 (火) 14:06
はじめまして。
基本的な質問で申し訳ないのですが、高校サッカーを観戦する入場料はいくらするのですか? 教えて下さい。
投稿: 高校サッカー初心者 | 2009年10月19日 (月) 21:18