東海大菅生vs足立学園
Kumazemi Report | 2009-09-20 |
第88回全国選手権東京Aブロック2回戦 |
菅生学びの城グラウンド(晴) |
![]() |
|
![]() |
壮大な自然に囲まれた菅生学園学びの城グラウンド。正午に第1試合がキックオフとなりました。
強豪校同士の対戦ということもあり序盤から動きのある展開になるだろうと予想していましたが、その通り両チームとも素早い寄せで激しくボールを奪い取りにかかる、中盤での主導権争いでゲームの幕が開きます。どちらもしっかりとパスをつないで攻撃を組み立てたいという意図伝わってきました。
先手を取ったのは足立学園。前半6分に右サイドを突破しゴールライン際から折り返しのボールを入れると、6番の選手だったでしょうか、ゴール左サイドネットにきれいに流し込みます。しかし東海大菅生はその5分後、前半11分にゴール前で高くバウンドしたボールを、11番の選手が巧く頭で押し込み試合を振り出しに戻しました。
ここからもお互いに一歩も譲らない白熱した時間が過ぎていきます。少しずつですが主導権を握っていった東海大菅生が、持ち前の両サイドを広く使ったダイナミックなボール回しで好機を演出します。前半18分にはロングボールから9番の選手のシュートがありましたが、これは足立学園GKがナイスセーブ。この9番の選手は後にも左サイドから切れ込んでゴールを狙うなど、前線でのアクセントになっていました。
中盤をやや抑えられ気味の足立学園は、手数をかけずシンプルに前線にボールを入れてきます。このあたり臨機応変な対応ができるのは見事でした。こちらも9番の選手が右サイドから中へ切れ込む動きを何度も見せ、攻撃陣を活性化させます。前半29分、ハーフウェーライン付近右サイドから、左サイド20番の選手へと見事な対角線のパスが通ります。ドリブルで持ちこんでからのシュートは惜しくも左へ外れますが、素晴らしいプレーでした。
目まぐるしい展開の前半終了間際、結果的に決勝点となるゴールが生まれます。東海大菅生左サイドからのセンタリングを、足立学園DFがクリアしようと足を伸ばしますが、当たったボールはゴールへと吸い込まれました。思いもよらない形で均衡が破れ、ハーフタイムを迎えます。
後半も真っ向勝負の様相を呈します。両校とも自分たちのスタイルを崩すことなく、サイドを起点とした攻めで次の得点を奪いに行きます。好ゲームと呼ぶに相応しい息をもつかせぬ攻防が続きました。
後半20分、足立学園にビッグチャンスが到来します。中盤から出たスルーパスに、ここまでも独特の存在感を放っていた6番の選手が抜け出してシュート。これは東海大菅生GKがファインセーブで得点を許しません。26分にはクロスボールのこぼれ球を9番の選手が拾い、DFともつれながらシュートしますが、こちらもGKが判断の良い飛び出しで防ぎました。
足立学園にはもどかしい終盤となりました。次々とゴール前でチャンスを作るも、東海大菅生の懸命な守備をこじ開けられず、なかなかシュートで終わらせることができません。この流れは最後まで変わることなく、東海大菅生が激戦を制することとなりました。
「運」という言葉を軽々しく使うのはピッチで戦い抜いた選手達に失礼だとは思いますが、どうしてもサッカーにおける運の存在を感じずにはいられない試合でした。イタリア代表カラーがカッコいい足立学園イレブンが姿を消してしまったのは残念ですが、先輩達の気持ちを引き継いだチームが見られることを、来年の楽しみにしたいと思います。
東海大菅生の次戦は堀越との試合です。ボールを持つことを基本とする両チームの対戦、どんなドラマが生まれるのでしょうか。
コメント