都田無vs専大附属
Kumazemi Report | 2009-05-03 |
平成21年度高校総体地区予選南支部決勝 |
私立武蔵高グラウンド(曇) |
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総体南支部予選の都大会出場決定戦、私立武蔵会場です。それにしてもいいグラウンドですね。所用があってキックオフには間に合わなかったのですが、概ね8割以上は見ることができました。しかも、すばらしいゲームでした。
到着しましたらすでに専大附属が先制点を上げた後で、都田無が追う展開でした。専大附属の8番の選手は右サイドでボールを受けると、間合いを計りながら一気に加速、あっという間に突破して、きっちりクロスを入れてきます。見ててワクワクする選手でした。
対する都田無は専大附属のスピーディな動きにやや押され気味でしたが、全員がよく動き、全員攻撃全員守備といった感じのいいチームだなと思って見てました。特に16番の選手の危険察知能力は相当高く、鋭い読みとカバーリングがかなり効いていたと思います。
ゲームを優位に進めていた専大附属ですが、なかなか追加点が取れません。すると、前半半ばだったと思いますが、都田無が右コーナーキックのチャンスに、ファーにいた選手がヘディングで押しこみ、同点に追いつきます。サッカーでは、押されながらも凌いでいた方が、セットプレー決めて一気に盛り返すケースがよくありますが、このゲームも結果的にそういう展開になりました。
1対1の同点で折り返した後半、都田無は長身ドリブラー10番の選手が思いっきり暴れ出し、専大附属も止められない場面が続出します。10番に気を取られていると個人技があって反転が上手な14番の選手に嫌なところ突かれ、徐々に専大附属の出足が遅くなっていきます。これを感じ取ったか都田無は縦を急がず、きちんとボールをつなぐようになり、リズムがよくなります。
後半9分には都田無が同点弾と同じようにファー狙いコーナーキックからのヘディングシュートがクロスバーを叩く場面がありました。これは相当練習していて自信があるのでしょうね。
選手個々の技術、スピード、パワーで勝る専大附属ですが、10番の選手が右に左に縦横無尽に動くものの孤立したり無理な体勢からシュートを撃ったりと少し焦っているのかなと感じました。
都田無はすばらしかったのは、サボる選手がいると成立しない全員攻撃全員守備戦法を貫く姿勢です。この戦法を負けたら都大会に行けない試合で、しかも先制され追いつかなければならない展開でやるのですから、メンタルも相当強いチームと見ました。
このような流れの中、後半30分でした。都田無が右サイドから攻撃を仕掛け、7番の選手がミドルシュート、これをGKがキャッチしきれなかったところを11番の選手が押し込み、2点目が都田無に入ります。7番の選手が撃ったミドルは、最もGKの取りにくい位置でバウンドしました。
苦労しつつもイマジネーション豊かにゴール前まで攻め上がる専大附属に対して、難しいことしないのですが、シンプルにチャンスを作る都田無でした。あと、都田無はの10番の選手は自分の力に相当の自信持っていますね。自信あふれるアグレシヴなプレーは見ている者を引き付けます。
ゲームはこのまま2対1で都田無が勝利し、都大会の切符を手にしました。サッカーに“たられば”は禁物ですが、専大附属は前半にあのコーナーで追いつかれる前に、追加点が取れていたら、後半に一歩出足が遅くなることもなく、全く違う展開になっていたと思います。しかし、専大附属は個々の選手の能力は相当高く、運動量も豊富で、そのスピード生かした攻撃には一昨年の修徳を髣髴とさせる迫力がありました。正直、地区予選で敗退するようなチームではありません。
都田無の皆さん、都大会でも今日のような劣勢でも自分を見失わない、何事にも動じない淡々とした全員サッカー、ぜひ見せてください。
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