国士舘vs農大一
Kumazemi Report | 2008-11-09 |
第87回全国選手権東京Bブロック準決勝 |
西が丘サッカー場(雨) |
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雨天の西が丘サッカー場の第2試合では農大一高と国士舘が対戦しました。
格上の国士舘に対し、農大一高はどのような戦いを挑むのか楽しみにしていた一戦です。
序盤はDFラインをそれほど上げずに落ち着いた立ち上がりを迎える国士舘に対し、農大一の4バックはラインを高い位置でコンパクトにしてゲームを展開します。前半10分に右サイドの深い位置でファウルを取った農大一は、キッカー14番の選手から柔らかいボールが出ますが惜しくも合わせられず、また14分には相手のクリアミスを拾ってからのスルーパスに10番の選手が詰めますが、国士舘GKのファインセーブに阻まれます。
そして前半15分を過ぎると徐々に国士舘が動き始めます。FW10番の選手がしきりに農大一DFラインの裏を狙う動きをとりますが、農大一もDF3番の選手を中心にラインを修正してきます。この動きにより、農大一はライン修正しながらもやや中盤にスペースを作らせてしまうことになり、国士舘7番の選手が左サイドを制し始めます。前半31分、この空いた左サイドのスペースへ出たパスを受けた国士舘7番の選手がそのままドリブルでゴールエリアへ持ち込みますが、これは惜しくもキーパー正面。ここからはやや膠着状態が続きます。前半終了間際には国士舘キャプテン5番の選手がドリブルからシュートを打ちますが、農大一GKが落ち着いてキャッチしました。
前半終了まで、しつこいくらいに繰り返しラインの裏を果敢に取ろうとする動きから出来始めたスペースをうまく使い始めた国士舘にリズムが生まれ始めたところで、前半終了のホイッスルとなり前半は0対0で折り返すことになります。
後半は、前半の3バックから4バックに切り替えた国士舘がどのような攻撃を仕掛けるのか楽しみでしたが、中盤でチャンスメーカーとなっていた農大一10番の選手の動きにも注目しました。後半始めに流れを掴んだのは農大一でした。左サイドからの10番の選手のロングボールを、右サイド7番の選手がフリーで受けて右足で放ったシュートは惜しくも外れてしまいます。続くコーナーキックからのチャンスも国士舘DFが必死の守りを見せました。
守りの時間を耐え抜いた国士舘は、後半15分頃からチャンスを作りはじめます。後半14分、ロングボールをゴール前でヘッドで落としたところに走りこんだ9番の選手のミドルシュート、FW11番の選手が農大一DFのマークを付けたままゴール前に持ち込んでのシュート、いずれもゴールにはなりませんが、先ほどまで流れを掴んでいた農大一が一方的にディフェンシブにならざるをえなくなります。こうなってくると国士舘の攻撃は止まることを知らず、後半23分には3本のコーナーキックを立て続けに得ます。セカンドボールを必ず拾い、そこからくる2列目からのシュートに何度もヒヤッとさせられた農大一でしたが、全員でゴールを死守します。こうして約10分間の国士舘の波状攻撃を何とか乗り切りました。
そして農大一の7番の選手に代わり17番の選手が入って間もない後半31分にゲームが動きます。農大一のクリアボールを国士舘10番の選手が奪うとそのまま持ち込み、一人かわして放ったシュートが決まり国士舘がついに均衡を破ります。相手のクリアミスで崩れたDFを突く、国士舘の一瞬の隙を見逃さない攻撃はここしかない、というシーンでした。
農大一ベンチも再度後半35分に動き、FW18番の選手、20番の選手を投入します。直後の37分、ロングボールに合わせてペナルティエリア外正面からミドルボレーを放つと、綺麗に国士舘ゴールに吸い込まれましたが、惜しくも直前のゴール前でのプレーがファウルとなってしまい、幻のゴールとなってしまいます。集中力の切れない両校は、攻守の切替の激しい死闘を残り5分間でも繰り広げました。国士舘の決定的な攻撃に対し、農大一は何度も捨て身の守備を見せ追加点を許しません。どぢて、西が丘に鳴り響く試合終了のホイッスルが、1対0で国士舘の決勝進出を告げました。
国士舘は終始バランスよく、そしてシンプルに攻め、時には両サイドからの揺さぶりも出来、また5番の選手をはじめとする安定したディフェンスは、帝京との名門決戦に大きな期待を持たせてくれるものです。
また、大応援団を率いた農大一は、最後まで集中力を切らすことなく全力で国士舘を攻め立てた攻撃や、統率の取れたディフェンスラインは素晴らしいものでした。農一旋風が限りなく吹き荒れたこの選手権だったと思います。来年、また新チームになってこのグラウンドに緑の旋風が吹き荒れることを楽しみにしたいと思います。
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私が密かにマークしていた早大高等学院(地区予選で専大附属、都保谷、都石神井を完封撃破))を破った農大一、ベスト4はその実力を示すものであり、国士舘相手に喰らいつけたのも納得です。
農大一高、ありがとう。
感動感動感動また感動。
農大のダイコン踊りは応援になかった
のが残念・・・
詰入り学ランでダイコン踊りがなかったのが残念でヤンス。
投稿: 匿名 | 2008年11月16日 (日) 04:05
当日国士舘サイドで観戦。とても興味深い試合でした。同じ地区なんですね。やりづらかったところもあったと思いますが、T1もT3も試合が始まれば関係ないんだと感じました。FIFAランクと同じ感覚?
試合終了後農大選手たちが泣きながらも気持ちよい挨拶をしてくれました。そんな思いの分まで決勝では優勝して目指せ!!
投稿: ロッソブルー | 2008年11月12日 (水) 14:39
面白い!
高校サッカーの面白さ、真剣さがすごく伝わってきて、気持ちいいです。
ありがとう。次も楽しみにしてます。
投稿: amaranth | 2008年11月11日 (火) 21:30
クマゼミさん、レポートありがとうございます。毎回楽しみにしております。
私も、国士舘広報部として毎試合ビデオ撮影し、HPにUpしている身としてクマゼミさんの苦労がとても判る気がしてます(^^;
私に気が付いたら、是非声を掛けてください。国士舘は何とかココまで這い上がりました。決勝戦は正念場、子供達を信じて最後まで応援したいと思います!
投稿: 国士舘 広報部ビデオマン | 2008年11月11日 (火) 21:15
農大一高OBとして、後輩達が西が丘の地でプレーできたということは自分も一度はこの地を目指した者としても何とも嬉しいことでした。訳あって応援には行けませんでしたが、クマゼミ様のレポートでどれだけ白熱した試合を繰り広げたのかがわかりました。今後もレポート楽しみにしています☆
投稿: 高校サッカーファン | 2008年11月11日 (火) 20:57
やはり選手達に、西が丘は特別なものだったようです。先日の天皇杯でも使用された、国立の競技場。選手達はその雰囲気にのまれ、慣れない天然芝にてこずり、地に足が着かない状態だったと思います。しかし、後半開始の頃にはすっかり?見違え、本来の動きを取り戻しつつあるような気がしました!
我が国士舘は、決勝戦で農大一高の皆様の分まで精一杯戦って参ります!
有難うございました。そして、お疲れ様でした。
そしてクマゼミ様、いつもレポート有難うございます。決勝戦のレポートも楽しみにしています。
宜しくお願い致します!m(._.)m
投稿: サッカーママ | 2008年11月11日 (火) 14:34