都三鷹vs矢板中央
Kumazemi Report | 2008-01-02 |
第86回全国高校サッカー選手権2回戦 |
西が丘サッカー場(晴) |
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1時間前には会場に着くように家を出ましたが、着いたらすでに長蛇の列、三鷹の快進撃を一目見ようと大勢のファンが西が丘サッカー場につめかけていました。
というわけで私は出遅れたわけですが、試合での三鷹は出遅れることなく開始直後から全開、これまた手に汗握るすごい試合になりました。今日はkumazemi's favorite players 2007:都三鷹の4番繁澤選手であることを最初に申し上げておきます。
試合前のスタンドでは暖かく風も弱く感じたのですが、始まる頃のピッチには北風がやや強く吹いていました。三鷹は国立競技場開幕戦だった1回戦よりさすがに落ち着いた立ち上がりを見せ、風上に立ったこともあってやや優位に進めていきます。4分にはロングシュートがバーを叩くシーンもありました。
対する矢板中央は攻撃に絡む8番、9番、10番の選手が技術も高く、したたかで一瞬で相手を置き去りにするスピードを持っています。ボールを奪ったら9番の選手をターゲットにして攻撃を仕掛けますが、この9番に気を取られていると10番の選手や左サイドの8番の選手が飛び込んできます。特にこの10番の選手は囲まれようが一人二人ががっちり寄せていようが、一瞬で振りほどいてゴールに突き進んでいくのです。非常にデンジャラスな選手でした。
しかし、三鷹は持ち味の集中を切らさずにカバーリングをしっかりした粘り強い守備とサボらず全員が動いてつなげるサッカーを展開、スーパーエースを擁する矢板中央と互角以上に渡り合います。
事実、10分には右スペースから玉江選手がシュート、16分には炭谷選手のミドル、20分には北見選手からの見事なロングフィードから白井選手がシュート、と風上の優位性も利用しながらチャンスを多く作り出していました。しかし、いいリズムながら決めきれずに時間が過ぎていきます。
しかし、決めきれないながら0-0で前半を終えるも、後半訪れる劇的瞬間を予感させるプレーが随所にありました。
それはDF4番繁澤選手の数々のプレーです。
守備では果敢に体を張り、自陣ゴール前競り合いでも勇気を持って戦いを挑み、攻撃時、特にセットプレーでは上がって相手の背後に飛び出してゴールを狙うなど、守備も献身的にきっちり役割を果たしながら攻撃でも相手にプレッシャーをかけていました。何より休むことなく動き続けていました。
後半に入って風上に立った矢板中央はボールの支配率を高め、前へ前へと出てきました。三鷹は奪ったボールの最初の出所をことごとく狙われ、矢板中央は完全に前半の劣勢を撥ね返してきました。
しかし、三鷹はカバーリングを怠らない粘り強い守備で完全に崩されることはありませんでした。
ただ都大会決勝早実戦や開幕戦でセットプレー、それもコーナーから失点していたので、18分、20分、21分と立て続けに来たコーナーキックのピンチにはハラハラしました。が、今日の三鷹DF陣はセカンドボールをなかなか拾えずに我慢が続く時間帯でも集中が切れることはありませんでした。
このように矢板中央押せ押せの中後半24分、三鷹ベンチは19番大木選手を投入、対する矢板中央ベンチは32分に10番を下げて長身の17番の選手を投入して勝負に出ます。
そして「その時」はPK戦がちらつく後半37分に訪れました。確か14番玉江選手だったと思いますが、左サイドからドリブルを仕掛け、方向を変えて中へ切り込んでいこうとしたところを矢板中央4番の選手に倒されFKを得ます。圧倒的に押し込まれながら凌いできた後半もあと3分しかなく、三鷹のラストチャンスかという場面になりました。
このFKを炭谷選手が奇をてらわず普通にゴール前に蹴りこみます。そしてこの蹴りこまれたボールのたどりつく先は4番繁澤選手だったのであります。疲れた体の最後の力を振り絞るかのように繁澤選手が矢板中央GKとの競り合い勝負に出ました。
この競り合いに勝った繁澤選手の強靭な上半身の捻りから生み出されたヘディングシュートは相手の誰にも触れることなく矢板中央ゴールに吸い込まれ、この劇的なヘディングシュートが決勝点となりました。
全員が役割を果たそうという姿勢で、決して手を抜かず、仲間を信じて必死にプレーする三鷹の勤勉フットボールが16強まで来ました。明日はベスト8かけて鹿実を破った宮城県工との試合です。私が今日見たところではあの鹿実に完勝でした。はっきり申し上げて宮城県工の個々は速くて強くてうまいです。ただ、今の三鷹ディフェンスを完全に崩しきる組織攻撃力があるかどうかはわかりません。いつもどおりにやれば必ず勝機があります。私たちに夢を見させてください。
卒業生にとっても最高のお正月になりましたね。私のブログを褒めていただいて嬉しいです。これをきっかけに高校サッカーを応援していただけると嬉しいです。三鷹は負けてしまいましたが、またこのブログに遊びに来てください。
投稿: 杏様<kumazemi | 2008年1月 6日 (日) 01:24
三鷹オレ!
素晴らしい応援に後押しされて三鷹が見事二回戦突破!!ホームの利を生かした応援は試合を重ねる毎に統率感、勢いを増しますね。選手に勇気を与えます。今日の勝利の半分は、あの応援にあると思います。
一進一退のゲーム、見所は矢板⑨VS三鷹④、矢板⑧→⑳VS三鷹⑳はワクワクしました。U17代表の矢板中央の選手は素晴らししい選手でしたが、繁澤君は80分間ホントによく戦っていました。100%で仕事をさせないDFは玄人好みですね?Kumazemiさん・・・。
そして、後半38分。神風が吹きました。太陽の光も味方して、繁沢君のヘディングした瞬間、すべての動きが止まっていたかのように、ボールは綺麗な放物線を描いてゴールへ吸い込まれていきました。決勝ゴール!!
これがサッカーですね。素晴らしいゲームでした。矢板中央は二年生が半分。⑨、⑳の成長また観たいです。健闘を讃えます。今日は本当に運がなかった・・・。しかし、これもサッカー。君たちにはまた来年がある。待ってます!
選手、スタッフ、応援が一体となってる三鷹高校の今後に期待したいと思います。
投稿: クライフターン | 2008年1月 3日 (木) 21:02
三鷹ほんとにすごいなー。
「マリオ」でちょっと有名な山下監督がほんとにかっこよくてしょうがないです。
開幕戦見にいったけど、観客がこんなに多い中で試合できるなんて・・・、って羨ましく思っちゃったり
投稿: Are | 2008年1月 3日 (木) 14:24
初めまして。
鷹校の卒業生です。
遅ればせながら、つい先日TV放映で母校の快挙を知りました。
少しでも選手たちの力になれればと、急でしたが、2回戦の応援に駆けつけました。
生でサッカーの試合を観るのは初めてで、生の臨場感や感動を味わえるのはこの上なく良かったのですが、TVの様に解説がある訳ではないので、正直、よく分からないところも沢山ありました。
たまたまこちらのブログを見つけてお邪魔したのですが、大変大変、参考になりました。
ありがとうございます!
明日の三回戦も応援に行きますが、また、こちらのブログにお邪魔して、試合の内容を復習したいと思ってマス(笑)。
本当に有難うございました。
投稿: 杏。 | 2008年1月 3日 (木) 01:15