都三鷹vs宮城県工
Kumazemi Report | 2008-01-03 |
第86回全国高校サッカー選手権3回戦 |
駒沢陸上競技場(晴) |
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夢ではありません。三鷹がここ10年帝京以外の東京代表が成し遂げられなかったベスト8進出を果たしました。
今日は3試合目で疲れもピークでしょうし、相手の宮城県工は鹿実とのフィジカル戦を完勝、強烈な攻撃陣を擁するチームでしたので今日はヤマ場だと思っていました。昨日の鹿実vs宮城県工の試合がどんな試合だったか、下の写真でイメージしてください。
昨日の肉弾戦の影響だったのでしょうか、三鷹のキックオフで始まったこのゲーム、宮城県工はプレッシャーのかけ具合で三鷹を下回り、前半劣勢を強いられます。逆に三鷹は戦うごとに守備力が向上しており、この日もほとんどディフェンスは綻びを見せず、宮城県工の8番、9番、10番の選手を完封する見事なゲーム運びを展開しました。
三鷹は相手に自由にさせないようがっちりマークして守りますので、守から攻への切り替えの際に少ない人数、つまり数的不利な状況で前へボールを運ばなければならないケースが多いのですが、ここでも連動した動きと少ないタッチでつないでいくパスサッカーを展開します。逆に宮城県工は奪ったボールの展開スピードが昨日より遅く、ここを三鷹に狙われて思うように攻撃ができません。
このような流れの中の前半11分、矢板中央戦決勝点の再現のような4番繁澤選手のゴールが生まれます。矢板中央戦の時よりかなり深めの位置で得たFKを5番酒井選手がゴール前へ蹴り込み、ここに4番繁澤選手と20番林選手の二人が一気にGKに競り合いを仕掛けたところ、ボールはGKの手からこぼれ、先制ゴールとなりました。5番酒井選手はキック力があってしかも正確ですね。しかし、この場面、ゴール前で警戒したいたはずなのに宮城県工の守備陣は競りかけず、GKは相手二人と競り合う形になってしまいました。もしかしたらここらあたり昨日の鹿実戦の影響が少しあったかもしれません。
先制した三鷹ですが、持ち味の粘り強い守備、即ち綻びを見せない守備のポイントに一つに常に逆のサイドや後ろから上がってくる選手への徹底したケアが上げられると思います。ここらへんは本当によく声やジェスチャーで確認し合っていますね。あと一つ挙げるとすれば1対1の強さ、というかうまさです。飛び込んで一発でやられる場面は少なく、もし抜かれてもそれを見越した別の守備者がすぐに飛んできて寄せていきます。これをダイレクトプレーをふんだんに織り交ぜた速攻をちらつかせながら80分やり続けますから、相手はたまったものではありません。勝ち進んでいるのはただ運がいいわけででも偶然でもないのです。
試合の方は優勢に進める三鷹が24分に追加点を上げます。これも見事でした。宮城県工が4番キャプテンの選手のロングスローで深く攻め込みますが、これを三鷹DFがクリア、ボールがいったん自陣左サイドまで押し戻されます。このライン際で宮城県工7番の選手がキープして組み立て直そうとしていたところを三鷹11番吉野選手と14番玉江選手が急襲、挟みこんでボールを奪います。とその直後、手でボールの欲しいところを指しながらスペースに走りこんでいた10番白井選手にそのままパス、白井選手は見事なファーストタッチで前を向き、GKをかわして流し込みました。
いや、本当に見事でした。ここでも三鷹とは逆に宮城県工守備陣はボールのあるサイドに気を取られていて逆サイド方向から走りこんできた白井選手をケアしていませんでした。それにしても常にこういう場面を狙っていてしかもゴールに結び付けられる白井選手はある意味特殊な才能を持っていると言えるでしょう。強い、速い、高い、うまい、といった外国人型ストライカーばかりに目が行きがちですが、ジャパニーズスタイルを確立するなら白井選手のようなストライカーを目標とすべきではないでしょうか。
後半は球際の強さと粘りを取り戻した宮城県工がDF3番の選手のスパイスの効いた動きとプレーなどもあってチャンスを作り出しますが、三鷹の守備が崩れることはなく、このまま2-0で三鷹の勝利となりました。
高校生の秘めた能力というのはすごいですね。私は三鷹を東京予選から何回も観てますが、明らかに別のチームになってます。見てて逞しくなったのがわかります。自信に満ち溢れてます。
次は藤枝東です。王国復活を賭けるあの藤枝東です。
「勝てば国立だ」ではなく、「藤枝東に勝ちたい」と感じて試合に臨んでください。
いつも応援いただいてありがとうございます。コートンハンクス様の三鷹vs東京朝鮮戦のリポート、すばらしかったです。今年もよろしくお願いします。
投稿: コートンハンクス様<kumazemi | 2008年1月 6日 (日) 01:26
駒沢があれほどの観客で埋め尽くされたのは何年ぶりだったんでしょうか。
宮工にとっては不運なアウェイ状態でした。
この試合を観戦して高校サッカーの原点をはっきりと確認できました。確かに個々の技術や体格、身体能力は一昔前とは数段の進歩があるでしょうが、基本は走り負けしない、ひたむきに真面目にボールに接することだと。
明日は厳しい戦いになるでしょうが、東京朝鮮戦での2点目(高知中央戦での1点目)、関一戦での2点目、早実相手の決勝での1点目と今までのひたむきで真面目なサッカーで挑んでください。
勝ち負けはどうでもいい。東京の真の横綱として三鷹サッカーの完成を祈って、明日は市原に応援しに行きます。
投稿: コートンハンクス | 2008年1月 4日 (金) 22:24
鷹高すごいぞ!!
次もみんなで精一杯応援します!!
投稿: ばなな | 2008年1月 4日 (金) 07:37