室蘭大谷vs高川学園
Kumazemi Report | 2007-01-02 |
第85回全国高校サッカー選手権2回戦 |
駒沢陸上競技場(晴) |
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全国選手権2回戦、室蘭大谷対高川学園のゲームです(駒沢陸上競技場)。
試合は序盤から双方イエローカードが飛び交い、やや荒れ気味でスタートしました。
室蘭大谷は9番「動」の樋渡選手に10番「静」の宮澤選手のツートップですが、今日はこの2人が爆発しました。
先制したのは室蘭大谷。前半7分、右サイドのFKから低くて速い弾道のボールをGK前に入れ、そこに走りこんだ2番DFの清原選手が点で合わせてました。おそらくこれは相当練習しているパターンのひとつですね。でないとキックと同時あそこに走りこむのは不可能です。
対する高川学園も10番山田選手を中心にボールをよく動かして攻め入り、前半29分この山田選手の粘りから生まれたゴール前の混戦から8番堂端選手が押し込み追いつきます。
しかし室蘭大谷はこの5分後、またもFKから相手DFのクリアボール拾って二次攻撃をかけ、最後は9番樋渡選手が見事なシュート(写真)を決めて2-1と勝ち越します。高川学園にしてみたら追いついた直後だっただけに、この1点は心理的にも影響が大きかったと思います。
それにしても室蘭大谷はいわゆる「チャレンジ&カバー」がしっかりしていて、第一DFがプレッシャーをかけると第二DFがボールの出所にすぐアタックできるポジションをとり、ボールを動かしたい高川学園に自由にやらせません。結果的に室蘭大谷は80分間、これを集中切らさずやり続けました。
後半も室蘭大谷はきっちりした守備から前線の10番宮澤選手に早めにつなぎ、迫力ある攻撃を展開します。この流れから後半10分、この宮澤選手が見事な胸トラップから絶妙なループシュートを決めて3-1。後半20分には宮澤選手の突破から中央へつなぎ、受けた9番樋渡選手が決めて4-1。
守備では室蘭大谷のディフェンス二枚看板である2番の清原選手と5番の近藤選手が立ちはだかり(この二人は強烈です)、高川学園の攻撃をことごとくつぶしていきます。そしてとどめは33分、点を取らなければならない高川学園が前がかりになったところをカウンターから10番宮澤選手にタテ一本、受けた宮澤選手が一人交わして落ち着いて流し込み5-1(写真)。これで勝負アリとなりました。
高川学園も意地を見せて終了間際の後半39分、左クロスに9番山崎選手が飛び込みヘッドで1点返しました。これはゴールもさることながら、4点差つけられてもゴールを狙い続けるそのたくましい精神力に脱帽しました。普通ならもう下向いて足が動かなくなります。
前身の多々良学園が経営破綻により民事再生法を申請するという出来事があって、高川学園の選手の皆さんは精神的に相当の苦労があったことと思います。何の責任もない選手達を思うと気の毒としかいいようがありません。それでも県予選を勝ち抜いて全国に出てくるのですから伝統の力は凄いです。
勝った室蘭大谷の3回戦の相手は作陽です。強敵ですが今日のような中盤での速い詰めと相手に自由にさせないシステマティックな守備ができれば、ツートップが好調なので勝算アリだと思います。
ぜひ、がんばってください。
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