國學院久我山vs東京朝鮮
Kumazemi Report | 2012-10-28 |
第91回全国選手権東京Aブロック準々決勝 |
駒沢第二競技場(雨) |
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Aブロック準々決勝です。雨の中1点を争う激しい試合になりました。
いつも通りゆっくりスタートの久我山に対し、東京朝鮮は序盤からガンガン攻めて主導権を握ります。総体都大会で都三鷹に完勝した際の取材記事でも取り上げた東京朝鮮11番はこの日も健在でした。久我山も彼を徹底マーク、突破を許さない布陣を引きます。
それでも全員が前への意識が高い東京朝鮮は前半12分に左サイドの突破から最初の決定的チャンスを掴みます。これは決められませんでしたが、前半28分、上述東京朝鮮11番の選手が浮き球を競り合った際のこぼれ球を7番の選手(よく見えなかったのですが確か7番の選手だったと思います)が蹴り込み、東京朝鮮が先制します。雨天の中、久我山が持ち前のリズミカルなパスサッカーを出し始める前に一気に攻めて先制点を奪う理想的な展開になります。
先制され終始押され気味だった久我山はベンチが動き、早くも前半34分に14番の選手を投入します。この14番の選手は総体都大会では先発メンバーでしたの私もよく覚えています。この久我山ベンチの判断が後半天も味方につけて吉と出ます。ゲームはこのまま東京朝鮮1点リードで前半を折り返します。
14番の選手を投入した後の前半ラスト5分で決断したか、後半に入ると久我山ベンチは次々とカードを切ってきます。まず後半4分に5番の選手に代えて18番の選手を、そして後半7分には11番の選手に代えて20番の選手を投入します。このあたりから雨が弱くなってきてほぼ曇天の状態になったこともあり、久我山のダイレクトやワンタッチを多用した華麗なパスサッカーが奏でられてきます。そしてこの20番の選手が東京朝鮮自陣右サイドで暴れまわり、東京朝鮮の素早い押し上げによる攻撃の厚みを完全に消し去りました。
完全にボールを支配され、アゲンストの流れを察知した東京朝鮮は全員を引き気味に配して守備強化戦術を採り、1点を守りにいきます。しかし、久我山の攻撃にひたすら耐えるこの戦術は徐々に選手の持久力を奪っていきます。東京朝鮮はボールを奪っても単調な速攻にならざるを得ず、押し上げもままならないために久我山に波状攻撃をくらい、後半20分まではかなりきつそうでした。
それでも1点を守りきるべくボールにも相手にも必死にくらいつき、最後の最後は自由にさせず、この久我山の猛攻に耐える姿には悲壮感すら感じました。
しかし、後10分というところだった後半29分、久我山のFKのチャンスの際に痛恨のファウルでPKを献上、これを久我山はきっちり決め同点となります。
後10分逃げ切ればという時間帯にPKで追いつかれた東京朝鮮はかなりきつい精神状態に追い込まれたことでしょう。息を吹き返した久我山のこの後の激しい攻撃に防戦一方になってしまいます。
しかし、東京朝鮮は足をつる選手を続出させながらも何とか耐えぬき、ゲームは延長戦に突入します。休憩時間で再度闘魂を注入した東京朝鮮は、延長前半に中央突破から決定機を掴むなど踏ん張り、対するスマートさが売りの久我山も延長前後半通じて想像以上の持久力を有していることを見せつけました。久我山に関してはその技術の高さに目を奪われがちですが、サッカーの基本中の基本であるゲームを通じて走りきる力もきちんと備えています。
ゲームの方は延長戦でも決着つかずPK戦にもつれ込み、先攻の久我山が5対3で準決勝進出を決めました。
東京朝鮮の11番の選手を本大会でもう見れないのはとても残念ですが、先制され残り時間が少なくなってきてもロングボールを多用することなく自分たちのスタイルを貫き通し、最後は追いついてPKで振り切ってしまうところはさすが國學院久我山です。
田邊草民選手や右高選手級の傑出したスーパースターはおらず、どちらかというとここまで静かな評価で来ていた久我山ですが、するするっと4強まで来ました。次の修徳戦はかなりのハイレベルのゲームとなること必至です。
体力も精神力も持久戦という感じですね!!
どちらも必要不可欠で、最後はPK戦
白熱したレポートでした!!
東京朝鮮11番選手をいつかプロの世界でみてみたいです。
投稿: FCB-FUTSAL(mf10) | 2012年11月 7日 (水) 09:15