藤枝東vs境
Kumazemi Report | 2009-01-02 |
第87回全国高校サッカー選手権2回戦 |
等々力陸上競技場(晴) |
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王国復活という期待のもと、昨年は決勝の舞台に立った藤色のユニフォームが今年も選手権の舞台に戻ってきました。寒風吹き付ける等々力競技場のスタンドには藤枝東応援団と、境高校サポーターが試合前から熱い声援を送ります。
試合開始のホイッスルから間もない前半3分にまずは藤枝東が仕掛けます。立ち上がりでまだリズムの掴み切れていない境に対し、藤枝東10番藤田選手が右サイドから持ち込み、中央に出した早いパスにフリーでスペースを作った13番蓮池選手がこれに合わせ、試合開始早々の先制点を叩き込みます。
立ち上がり間もない時間帯での攻撃が先制点に繋がり、藤枝東の応援団が一気に沸きあがります。一方、境もすぐに気を取り直し、前半17分には中央から持ち込んだ8番松原選手がグラウンダーのミドルシュートを打ち込みます。これは惜しくも藤枝東GKのセーブに阻まれますが、流れを渡すまいと必死にプレーします。しかし続く前半18分、左サイドからのコーナーキックを得た藤枝東は、7番大井選手から出たやや早めのボールに藤枝東9番新井選手が叩きつけるようなヘディングで合わせ、序盤早くも藤枝東が2-0とし、優位なゲーム展開となります。
前半はこの後、藤枝東のコンパクトにまとまた中盤からサイドに広く展開する攻撃で何度か追加点のチャンスを作りますが、境も必死のディフェンスで追加点を許しません。前半はこのまま2-0と藤枝東リードのまま折り返します。
後半に入って4分、追う境は左サイドに出たボールをドリブルで持ち込みそのままシュートを打ち込むなどチャンスメイクをします。しかし、なかなか決定的なチャンスをクリエイトすることが出来ません。一方、藤枝東は前半から引き続き左サイドの20番海野選手への大きなサイドチェンジ、その間に中央で瞬時に数的優位を作る等、藤枝東のボールを支配する時間が徐々に境を追い込み始めます。
そして、後半10分には、藤枝東2番増田選手の逆の右サイドに大きく出したボールに藤枝東11番村松選手が境DFを引き付けたまま持ち込み、そのままゴール左に叩き込んで3点目。続く後半16分には中盤のこぼれ球を藤枝6番小林選手が中央から放ったミドルシュートが境のディフェンスに当たって方向が変わって境GKが反応するも届かずゴールイン、藤枝東が4-0とリードを広げます。
藤枝東の時間をかけないシンプルな攻撃は、精度の高いパスと、スピーディーに数的優位をつくる動きにより展開されるのですが、カバーリングを徹底する基本に忠実な守備こそさすが名門中の名門というべきものです。試合は4-0のまま終了、3回戦へは藤枝東が進出しました。
藤枝東は昨年とは勢力図が一変している今年も王国復活を背負いながらどのように戦っていくのか、非常に楽しみです。事前情報どおりに行かないこの選手権を勝ち残れる高校は、努力と実力と運を持ち合わせた高校なのだなと思っております。
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