前橋育英vs國學院久我山
Kumazemi Report | 2008-07-30 |
平成20年度全国高校総体2回戦 |
しらこばと運動公園競技場(晴) |
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東京第1代表の國學院久我山が、1回戦で野洲を3対2で破ったご存知関東の強豪中の強豪前橋育英と戦いました。
ピッチに出てきた久我山イレブン見て、ほどよく気合も入っている感じで、そんなに硬くなっている感じは受けなかったのですが、試合開始2分で前橋育英に先制されてしまいます。前橋育英が右サイドの展開から中央へボールを供給、13番の選手のシュートのこぼれ球を完全にフリーだった5番の選手が難なく決めました。あっという間の出来事でした。
前橋育英はフィジカルも強くて運動量も豊富、そこから繰り出されるピッチを広く使った攻撃は分厚く、國學院久我山にいつもの華麗なるパスサッカーをさせません。また、サイド展開の際、特に左サイドですが、中盤左サイド5番の選手が中に切り込むそぶりを見せると、左サイドDF3番の選手が猛然とできたスペースに走りこみ、同サイドからの数的有利な攻撃に備えると同時に、5番の選手にシュートを打ちやすくするような動きするなど、前橋育英はとにかくよく動き、よく走るチームでした。
一方、國學院久我山は前半6分には中央へのロビング気味のボールに、果敢に競り合いを仕掛けて押し込みましたが、これは惜しくもオフサイドでノーゴール、反撃の狼煙を上げます。
しかし、前橋育英の運動量は一向に衰えず、厳しく速いチェックに國學院久我山は苦しむ時間が続きます。激しいプレッシャーからか心なしか國學院久我山のパスの精度も今一歩となり、16分に前橋育英守備陣の連携ミスからチャンスを作るシーンもありましたが、ほぼ前橋育英のペースで試合が進んでいきます。
飲水タイム後あたりから、國學院久我山は個人で仕掛ける場面も出てくるようになり、リズムを掴みかけますが、前半28分には自陣ヘディングクリアのミスからGKと1対1になるピンチを招く(ここは久我山GKがスーパーセーブで得点阻止)など、乗り切れない感じでした。
そして迎えた前半32分、國學院久我山は前橋育英5番の選手に中央をこじ開けられ、つないだ13番に落ち着いてシュートを決められ2点のビハインドとなります。國學院久我山は得意のパスサッカーを封じられ、FW11番の選手も孤立するシーンも多く、運動量の差で押し込まれた感の強く残った前半となってしまいました。
後半に入ると、リードする前橋育英ベンチが先に動いて、8番の選手に代えて9番の選手を投入、続いて7分には今度は國學院久我山ベンチが動き、FW11番の選手に代えて15番の選手を投入します。このあたりから、前半押え込まれていたプロ並みの技術を持つ國學院久我山のエース10番の選手が、持ち前の個人技による局面打開を図りだし、チャンスが生まれるようになっていきます。
そして後半21分、國學院久我山は右コーナーキックから4番の選手がシュートを決め、1点返します。これでゲームはわからなくなります。このあたりから、前橋育英は前半のようなリスクを負った猛攻スタイルではなく、きちんと守ってカウンターを狙うような感じになってました。
流れを掴んだ國學院久我山は、24分に絶好の位置でのFK、29分には目の覚めるような強烈ミドル、33分には怒涛の3連続コーナーキックなど攻めに攻め続けます。しかし、押しまくっているさなかに無情のタイムアップ、國學院久我山は1点差で涙をのみました。
双方持ち味は異なるものの、互角の戦いだったと思います。國學院久我山は、都予選の駿台学園戦でほとんどシュートを撃たせなかったあのディフェンスが見られず、特にゴール前での守備が甘くなり失点してしまったのが痛かったです。でもこれが全国大会なのでしょう。國學院久我山はこの経験を選手権都大会につなげて欲しいです。秋にはもっと磨きのかかったあの華麗なるパスサッカーをぜひ見せてください。
敗れはしましたが、フェアなプレーで警告を受けることもなく、十分美しかったです。
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